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公開番号2024122463
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030016
出願日2023-02-28
発明の名称蒸気タービン設備および蒸気タービン設備の制御方法
出願人三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F01D 17/00 20060101AFI20240902BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】蒸気中に含まれるドレンによるエロージョンによってバイパス弁が損傷することを防止する。
【解決手段】高圧タービンと、バイパスラインと、高圧タービンバイパス弁131と、制御部と、を備え、高圧タービンバイパス弁131は、本体部131aと、軸線X1に沿った方向に沿って進退するプラグ部131bと、シート接触面131c1が形成されたシート部131cと、を有し、制御部は、発電プラントの起動時に、高圧タービンに導かれる主蒸気の温度が第1過熱度以上となったことに応じて、主蒸気に対してプラグ接触面131b3が退避した第1退避位置から第1退避位置よりもプラグ接触面131b3がシート接触面131c1に近接した第1近接位置までプラグ部131bを移動させて第1開度を減少させる発電プラントを提供する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
蒸気を生成するボイラから第1蒸気管を介して供給される蒸気によって駆動されるとともに第2蒸気管へ蒸気を排出する第1蒸気タービンと、
前記第1蒸気管から前記第2蒸気管へ蒸気を導く第1バイパス管と、
前記第1バイパス管に配置される第1バイパス弁と、
前記第1バイパス弁の第1開度を制御する制御部と、を備え、
前記第1バイパス弁は、
前記第1バイパス管から蒸気が流入する第1流入口と、前記第1バイパス管へ蒸気を流出させる第1流出口とを有する第1本体部と、
前記第1本体部に配置されるとともに第1所定方向に沿って進退する第1プラグ部と、
前記第1プラグ部の第1プラグ接触面と接触することにより前記第1流入口から流入した蒸気が前記第1流出口へ流出しない閉状態となる第1シート接触面が形成された第1シート部と、を有し、
前記制御部は、前記第1蒸気タービンへの蒸気の供給を開始する起動時に、前記第1蒸気タービンに導かれる蒸気の温度が第1過熱度以上となったことに応じて、前記第1流入口から前記第1本体部に流入する蒸気に対して前記第1プラグ接触面が退避した第1退避位置から前記第1退避位置よりも前記第1プラグ接触面が前記第1シート接触面に近接した第1近接位置まで前記第1プラグ部を移動させて前記第1開度を減少させる蒸気タービン設備。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記第2蒸気管を介して供給される蒸気によって駆動される第2蒸気タービンと、
前記第2蒸気管から前記第2蒸気タービンとは異なる他の機器へ蒸気を導く第2バイパス管と、
前記第2バイパス管に配置される第2バイパス弁と、を備え、
前記第2バイパス弁は、
前記第2バイパス管から蒸気が流入する第2流入口と、前記第2バイパス管へ蒸気を流出させる第2流出口とを有する第2本体部と、
前記第2本体部に配置されるとともに第2所定方向に沿って進退する第2プラグ部と、
前記第2プラグ部の第2プラグ接触面と接触することにより前記第2流入口から流入した蒸気が前記第2流出口へ流出しない閉状態となる第2シート接触面が形成された第2シート部と、を有し、
前記制御部は、前記起動時に、前記第2蒸気タービンに導かれる蒸気の温度が第2過熱度以上となったことに応じて、前記第2流入口から前記第2本体部に流入する蒸気に対して前記第2プラグ接触面が退避した第2退避位置から前記第2退避位置よりも前記第2プラグ接触面が前記第2シート接触面に近接した第2近接位置まで前記第2プラグ部を移動させて前記第2バイパス弁の第2開度を減少させる請求項1に記載の蒸気タービン設備。
【請求項3】
前記制御部は、前記起動時に、前記第1蒸気タービンに導かれる蒸気の圧力が第1所定圧力以上となったことに応じて、前記第1プラグ部の前記第1プラグ接触面を前記第1シート部の前記第1シート接触面に接触させた第1全閉位置から前記第1退避位置まで前記第1プラグ部を移動させて前記第1開度を増加させ、前記第2蒸気タービンに導かれる蒸気の圧力が第2所定圧力以上となったことに応じて、前記第2プラグ部の前記第2プラグ接触面を前記第2シート部の前記第2シート接触面に接触させた第2全閉位置から前記第2退避位置まで前記第2プラグ部を移動させて前記第2開度を増加させる請求項2に記載の蒸気タービン設備。
【請求項4】
前記第1所定圧力は0.3MPaである請求項3に記載の蒸気タービン設備。
【請求項5】
前記第2所定圧力は0.05MPaである請求項3に記載の蒸気タービン設備。
【請求項6】
前記制御部は、前記起動時に、前記第2プラグ部を前記第2退避位置から前記第2近接位置へ移動させた後に、前記第1プラグ部を前記第1退避位置から前記第1近接位置へ移動させるよう制御する請求項2に記載の蒸気タービン設備。
【請求項7】
前記第1過熱度は100℃である請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の蒸気タービン設備。
【請求項8】
前記第2過熱度は100℃である請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の蒸気タービン設備。
【請求項9】
蒸気タービン設備の制御方法であって、
前記蒸気タービン設備は、
蒸気を生成するボイラから第1蒸気管を介して供給される蒸気によって駆動されるとともに第2蒸気管へ蒸気を排出する第1蒸気タービンと、
前記第1蒸気管から前記第2蒸気管へ蒸気をバイパスさせる第1バイパス管と、
前記第1バイパス管に配置される第1バイパス弁と、を備え、
前記第1バイパス弁は、
前記第1バイパス管から蒸気が流入する第1流入口と、前記第1バイパス管へ蒸気を流出させる第1流出口とを有する第1本体部と、
前記第1本体部に配置されるとともに第1所定方向に沿って進退する第1プラグ部と、
前記第1プラグ部の第1プラグ接触面と接触することにより前記第1流入口から流入した蒸気が前記第1流出口へ流出しない閉状態となる第1シート接触面が形成された第1シート部と、を有し、
前記第1蒸気タービンへの蒸気の供給を開始する起動時に、前記第1蒸気タービンに導かれる蒸気の温度が第1過熱度以上となったことに応じて、前記第1流入口から前記第1本体部に流入する蒸気に対して前記第1プラグ接触面が退避した第1退避位置から前記第1退避位置よりも前記第1プラグ接触面が前記第1シート接触面に近接した第1近接位置まで前記第1プラグ部を移動させて前記第1バイパス弁の第1開度を減少させる制御工程を備える蒸気タービン設備の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、蒸気中に含まれるエロージョンによってバイパス弁が損傷することを防止することが可能な蒸気タービン設備および蒸気タービン設備の制御方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、火力発電プラントなどの蒸気タービンを含むプラントにおいて、タービンへ供給される蒸気量を調整するバイパス弁が、蒸気中に含まれるエロ―ジョンによって損傷を受けることが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、バイパス弁のシート部から蒸気出口方向に沿ってコバルト基硬質合金からなる硬質合金層を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-235303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、硬質合金層を形成することにより耐エロ―ジョン性を付与してバイパス弁の寿命を延ばすことができるものの、蒸気中に含まれるドレンによるエロ―ジョンによってバイパス弁が損傷することを避けることはできない。バイパス弁が損傷してしまうと、バイパス弁を補修するためにプラントを停止するなどプラントの運用に支障が生じる。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、蒸気中に含まれるドレンによるエロージョンによってバイパス弁が損傷することを防止することが可能な蒸気タービン設備および蒸気タービン設備の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示は以下の手段を採用する。
本開示に係る蒸気タービン設備は、蒸気を生成するボイラから第1蒸気管を介して供給される蒸気によって駆動されるとともに第2蒸気管へ蒸気を排出する第1蒸気タービンと、前記第1蒸気管から前記第2蒸気管へ蒸気を導く第1バイパス管と、前記第1バイパス管に配置される第1バイパス弁と、前記第1バイパス弁の第1開度を制御する制御部と、を備え、前記第1バイパス弁は、前記第1バイパス管から蒸気が流入する第1流入口と、前記第1バイパス管へ蒸気を流出させる第1流出口とを有する第1本体部と、前記第1本体部に配置されるとともに第1所定方向に沿って進退する第1プラグ部と、前記第1プラグ部の第1プラグ接触面と接触することにより前記第1流入口から流入した蒸気が前記第1流出口へ流出しない閉状態となる第1シート接触面が形成された第1シート部と、を有し、前記制御部は、前記第1蒸気タービンへの蒸気の供給を開始する起動時に、前記第1蒸気タービンに導かれる蒸気の温度が第1過熱度以上となったことに応じて、前記第1流入口から前記第1本体部に流入する蒸気に対して前記第1プラグ接触面が退避した第1退避位置から前記第1退避位置よりも前記第1プラグ接触面が前記第1シート接触面に近接した第1近接位置まで前記第1プラグ部を移動させて前記第1開度を減少させる。
【0007】
本開示に係る蒸気タービン設備の制御方法は、蒸気タービン設備の制御方法であって、前記蒸気タービン設備は、蒸気を生成するボイラから第1蒸気管を介して供給される蒸気によって駆動されるとともに第2蒸気管へ蒸気を排出する第1蒸気タービンと、前記第1蒸気管から前記第2蒸気管へ蒸気をバイパスさせる第1バイパス管と、前記第1バイパス管に配置される第1バイパス弁と、を備え、前記第1バイパス弁は、前記第1バイパス管から蒸気が流入する第1流入口と、前記第1バイパス管へ蒸気を流出させる第1流出口とを有する第1本体部と、前記第1本体部に配置されるとともに第1所定方向に沿って進退する第1プラグ部と、前記第1プラグ部の第1プラグ接触面と接触することにより前記第1流入口から流入した蒸気が前記第1流出口へ流出しない閉状態となる第1シート接触面が形成された第1シート部と、を有し、前記第1蒸気タービンへの蒸気の供給を開始する起動時に、前記第1蒸気タービンに導かれる蒸気の温度が第1過熱度以上となったことに応じて、前記第1流入口から前記第1本体部に流入する蒸気に対して前記第1プラグ接触面が退避した第1退避位置から前記第1退避位置よりも前記第1プラグ接触面が前記第1シート接触面に近接した第1近接位置まで前記第1プラグ部を移動させて前記第1開度を減少させる制御工程を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、蒸気中に含まれるエロージョンによってバイパス弁が損傷することを防止することが可能な蒸気タービン設備および蒸気タービン設備の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の一実施形態にかかる発電プラントを示す概略構成図である。
高圧タービンバイパス弁の端面図であり、全閉状態を示す。
高圧タービンバイパス弁の端面図であり、全開状態を示す。
高圧タービンバイパス弁の端面図であり、規定開度とした状態を示す。
低圧タービンバイパス弁の端面図であり、全閉状態を示す。
低圧タービンバイパス弁の端面図であり、全開状態を示す。
低圧タービンバイパス弁の端面図であり、規定開度とした状態を示す。
本実施形態の発電プラントの起動時に実行する高圧タービンバイパス弁および低圧タービンバイパス弁の制御方法を示すフローチャートである。
高圧タービンバイパス弁の開度の変化の一例を示すタイミングチャートである。
低圧タービンバイパス弁の開度の変化の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の一実施形態にかかる発電プラント(蒸気タービン設備)1について、図面を参照して説明する。図1は、本開示の一実施形態にかかる発電プラント1を示す概略構成図である。
(【0011】以降は省略されています)

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