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公開番号2024102459
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-31
出願番号2023006348
出願日2023-01-19
発明の名称燃料供給装置
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F02M 55/02 20060101AFI20240724BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】インジェクタに供給する燃料を加熱する燃料供給装置において、燃料チャンバ部内の燃料を素早く加熱する。
【解決手段】インジェクタ40の上流側に接続され、前記インジェクタ40に供給する燃料を溜める燃料チャンバ部50を備え、前記燃料チャンバ部50には、プレッシャレギュレータ46により調圧された燃料を前記燃料チャンバ部50内に送る燃料フィード経路44と、前記燃料フィード経路44に対して流路を絞ったオリフィス56が設定され、前記燃料チャンバ部50内の燃料を燃料ポンプ42よりも上流側に燃料を戻す燃料リターン経路55と、が接続されている。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関(10)の燃料室内で燃焼する燃料を供給するインジェクタ(40)と、
前記インジェクタ(40)の上流側に接続され、前記インジェクタ(40)に供給する燃料を溜める燃料チャンバ部(50)と、
前記燃料チャンバ部(50)内に配置され、前記燃料チャンバ部(50)内に溜めた燃料を加熱するヒータ部(62)と、
前記内燃機関(10)の燃料を貯留する燃料タンク(15)と、
前記燃料タンク(15)内の燃料を前記インジェクタ(40)に圧送する燃料ポンプ(42)と、
前記燃料ポンプ(42)が圧送する燃料の圧力を前記インジェクタ(40)からの噴射のための規定圧力に調整する調圧手段(46)と、
前記燃料チャンバ部(50)に接続され、前記調圧手段(46)により調圧された燃料を前記燃料チャンバ部(50)内に送る燃料フィード経路(44)と、
を備える燃料供給装置(40A)において、
前記燃料チャンバ部(50)には、
前記燃料フィード経路(44)に対して流路を絞った絞り部(56)が設定され、前記燃料チャンバ部(50)内の燃料を前記燃料ポンプ(42)よりも上流側に燃料を戻す燃料リターン経路(55)が接続されている、燃料供給装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記燃料リターン経路(55)には、前記燃料リターン経路(55)の流路を開閉するリターン制御バルブ(57)が設定され、
前記リターン制御バルブ(57)は、前記インジェクタ(40)からの燃料噴射が始まる前は、前記流路を開いて燃料の戻りを可能とし、前記インジェクタ(40)からの燃料噴射が始まった後は、前記流路を閉じて燃料の戻りを規制する、請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記燃料チャンバ部(50)は、前記燃料リターン経路(55)への流出口(54a)を備え、
前記流出口(54a)は、前記燃料チャンバ部(50)の上下方向中央よりも下方に配置されている、請求項1又は2に記載の燃料供給装置。
【請求項4】
前記燃料チャンバ部(50)は、前記燃料リターン経路(55)への流出口(54a)と、前記燃料フィード経路(44)からの流入口(53a)と、を備え、
前記流入口(53a)は、前記流出口(54a)よりも上方に配置されている、請求項1又は2に記載の燃料供給装置。
【請求項5】
内燃機関(10)の燃料室内で燃焼する燃料を供給するインジェクタ(40)と、
前記インジェクタ(40)の上流側に接続され、前記インジェクタ(40)に供給する燃料を溜める燃料チャンバ部(50)と、
前記燃料チャンバ部(50)内に配置され、前記燃料チャンバ部(50)内に溜めた燃料を加熱するヒータ部(62)と、
前記内燃機関(10)の燃料を貯留する燃料タンク(15)と、
前記燃料タンク(15)内の燃料を前記インジェクタ(40)に圧送する燃料ポンプ(42)と、
前記燃料ポンプ(42)が圧送する燃料の圧力を前記インジェクタ(40)からの噴射のための規定圧力に調整する調圧手段(46)と、
前記燃料チャンバ部(50)に接続され、前記調圧手段(46)により調圧された燃料を前記燃料チャンバ部(50)内に送る燃料フィード経路(44)と、
を備える燃料供給装置(40A)において、
前記燃料チャンバ部(50)には、
前記燃料チャンバ部(50)内の燃料を前記燃料ポンプ(42)よりも上流側に燃料を戻す燃料リターン経路(55’)が接続され、
前記燃料フィード経路(44)には、前記燃料チャンバ部(50)側への燃料の流れは許容し、前記燃料ポンプ(42)側への燃料の流れは規制する逆止弁(45)が備えられ、
前記燃料リターン経路(55’)には、前記燃料チャンバ部(50)内の燃料の圧力が、前記規定圧力よりも高い第二規定圧力になるまで開弁せず、前記第二規定圧力を超えた場合に開弁する調圧弁(56’)が備えられている、燃料供給装置。
【請求項6】
前記燃料チャンバ部(50)は、前記燃料リターン経路(55’)への流出口(54a’)を備え、
前記流出口(54a’)は、前記燃料チャンバ部(50)の最上部に配置されている、請求項5に記載の燃料供給装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料供給装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、気候変動の緩和または影響軽減を目的とした取り組みが継続され、この実現に向けて二酸化炭素の排出量低減に関する研究開発が行われている。
例えば特許文献1においては、アルコール燃料を含有する燃料で運転される内燃エンジンにおいて、低温時の始動性を確保するために、インジェクタの上流側に燃料チャンバ部を設け、前記燃料チャンバ部に溜まっている燃料をヒータ部によって加熱する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4834728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、二酸化炭素の排出量低減のために上記従来技術を適用した場合、ヒータ部の加熱開始からインジェクタの上流側に溜まっている燃料が十分温まり切るまでの時間は、短い方が使い勝手が良い。しかし、ヒータ部が配置された燃料チャンバ部内に予め調圧された燃料が供給される形式の場合、チャンバ部内の燃料を燃料タンク側(ポンプより上流側)へ戻すリターン配管は備えないことが一般的であり、特にエンジン始動前のプレヒート時は燃料噴射も始まっておらず積極的な燃料の流れが発生せず自然対流のみに頼る必要があるため、燃料チャンバ部内の燃料を満遍なく温めることが難しいという課題がある。
【0005】
そこで本発明は、インジェクタに供給する燃料を加熱する燃料供給装置において、燃料チャンバ部内の燃料を素早く加熱することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明の第一の態様は、内燃機関(10)の燃料室内で燃焼する燃料を供給するインジェクタ(40)と、前記インジェクタ(40)の上流側に接続され、前記インジェクタ(40)に供給する燃料を溜める燃料チャンバ部(50)と、前記燃料チャンバ部(50)内に配置され、前記燃料チャンバ部(50)内に溜めた燃料を加熱するヒータ部(62)と、前記内燃機関(10)の燃料を貯留する燃料タンク(15)と、前記燃料タンク(15)内の燃料を前記インジェクタ(40)に圧送する燃料ポンプ(42)と、前記燃料ポンプ(42)が圧送する燃料の圧力を前記インジェクタ(40)からの噴射のための規定圧力に調整する調圧手段(46)と、前記燃料チャンバ部(50)に接続され、前記調圧手段(46)により調圧された燃料を前記燃料チャンバ部(50)内に送る燃料フィード経路(44)と、を備える燃料供給装置(40A)において、前記燃料チャンバ部(50)には、前記燃料フィード経路(44)に対して流路を絞った絞り部(56)が設定され、前記燃料チャンバ部(50)内の燃料を前記燃料ポンプ(42)よりも上流側に燃料を戻す燃料リターン経路(55)が接続されている。
この構成によれば、燃料チャンバ部内の燃料を燃料ポンプよりも上流側に燃料を戻す燃料リターン経路に、燃料フィード経路に対して流路を絞った絞り部が設定されることで、燃料チャンバ部内の燃料の圧力を保ちつつ一部の燃料を燃料リターン経路から燃料ポンプの上流側に戻すことができる。これにより、インジェクタからの燃料噴射のないプレヒート時において、燃料チャンバ部内に燃料に流れを発生させることができる。このため、燃料チャンバ部内の燃料の攪拌を促して満遍なく加熱することができ、燃料噴射前のプレヒート時間を短くすることができる。
【0007】
本発明の第二の態様は、上記第一の態様において、前記燃料リターン経路(55)には、前記燃料リターン経路(55)の流路を開閉するリターン制御バルブ(57)が設定され、前記リターン制御バルブ(57)は、前記インジェクタ(40)からの燃料噴射が始まる前は、前記流路を開いて燃料の戻りを可能とし、前記インジェクタ(40)からの燃料噴射が始まった後は、前記流路を閉じて燃料の戻りを規制する。
この構成によれば、燃料リターン経路に設けたリターン制御バルブにより、燃料噴射が始まるまで(プレヒート期間)はリターン制御バルブを開けることで、燃料チャンバ部内の燃料に強制的に流れを作り、燃料の自然対流を促進してプレヒート期間を短くすることができる。燃料噴射が始まった後はリターン制御バルブを閉じることで、加熱した燃料の流出を防ぎ、ヒータ装置の消費エネルギを抑えて効率よく燃料を加熱することができる。
【0008】
本発明の第三の態様は、上記第一又は第二の態様において、前記燃料チャンバ部(50)は、前記燃料リターン経路(55)への流出口(54a)を備え、前記流出口(54a)は、前記燃料チャンバ部(50)の上下方向中央よりも下方に配置されている。
この構成によれば、燃料チャンバ部内での加熱後に上方に溜まる比較的温度の高い燃料を戻すのではなく、燃料チャンバ部内で下方に溜まる比較的温度の低い燃料を戻すことで、燃料チャンバ部内の昇温速度を上げることができる。
【0009】
本発明の第四の態様は、上記第一から第三の態様の何れか一つにおいて、前記燃料チャンバ部(50)は、前記燃料リターン経路(55)への流出口(54a)と、前記燃料フィード経路(44)からの流入口(53a)と、を備え、前記流入口(53a)は、前記流出口(54a)よりも上方に配置されている。
この構成によれば、流入口から流出口へ向かう上から下への流れを形成することができるため、ヒータ部の加熱による下から上への流れと逆向きの流れの形成により、燃料チャンバ部内での燃料の撹拌を促進でき、燃料チャンバ部内を満遍なく加熱することができる。
【0010】
本発明の第五の態様は、内燃機関(10)の燃料室内で燃焼する燃料を供給するインジェクタ(40)と、前記インジェクタ(40)の上流側に接続され、前記インジェクタ(40)に供給する燃料を溜める燃料チャンバ部(50)と、前記燃料チャンバ部(50)内に配置され、前記燃料チャンバ部(50)内に溜めた燃料を加熱するヒータ部(62)と、前記内燃機関(10)の燃料を貯留する燃料タンク(15)と、前記燃料タンク(15)内の燃料を前記インジェクタ(40)に圧送する燃料ポンプ(42)と、前記燃料ポンプ(42)が圧送する燃料の圧力を前記インジェクタ(40)からの噴射のための規定圧力に調整する調圧手段(46)と、前記燃料チャンバ部(50)に接続され、前記調圧手段(46)により調圧された燃料を前記燃料チャンバ部(50)内に送る燃料フィード経路(44)と、を備える燃料供給装置(40A)において、前記燃料チャンバ部(50)には、前記燃料チャンバ部(50)内の燃料を前記燃料ポンプ(42)よりも上流側に燃料を戻す燃料リターン経路(55’)が接続され、前記燃料フィード経路(44)には、前記燃料チャンバ部(50)側への燃料の流れは許容し、前記燃料ポンプ(42)側への燃料の流れは規制する逆止弁(45)が備えられ、前記燃料リターン経路(55’)には、前記燃料チャンバ部(50)内の燃料の圧力が、前記規定圧力よりも高い第二規定圧力になるまで開弁せず、前記第二規定圧力を超えた場合に開弁する調圧弁(56’)が備えられている。
この構成によれば、燃料チャンバ部に調圧された燃料を送る燃料フィード経路に逆止弁を備え、燃料チャンバ部内の燃料を燃料ポンプよりも上流側に燃料を戻す燃料リターン経路には、燃料フィード経路よりも高い燃料圧力によって開弁する第二プレッシャレギュレータを備えることで、燃料チャンバ部内の燃料の圧力を保ちつつ一部の高圧の燃料を燃料リターン経路から燃料ポンプの上流側に戻すことができる。これにより、燃料のプレヒート時に意図しない圧力上昇が生じた場合にも、燃料リターン経路から余剰圧力を逃がすことができる。このため、燃料ホースやインジェクタなどの許容圧力を無用に上げることなく適正な設定とし、部品コストの増加を抑えることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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