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公開番号2024148074
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-17
出願番号2023060985
出願日2023-04-04
発明の名称過給機用コンプレッサハウジング
出願人株式会社オティックス
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類F02B 39/00 20060101AFI20241009BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】部品点数を増加させず、組付作業の簡易化を図りつつ、冷媒流路における冷媒漏れを防止することができる過給機用コンプレッサハウジングを提供する。
【解決手段】過給機用コンプレッサハウジング1は冷媒流路5を備え、少なくともスクロールピース2とシュラウドピース3とに分割されてなる。冷媒流路5はスクロールピース2及びシュラウドピース3に形成された第1流路形成部51と第2流路形成部52により区画された環状の空間50として形成され、第1流路形成部51と第2流路形成部52は冷媒流路5の内周側と外周側をシールする内周シール部53及び外周シール部54において互いに嵌合している。内周シール部53における第1及び第2内周シール形成部53a、53bの少なくとも一方と、及び第1及び第2外周シール部54における両外周シール形成部54a、54bの少なくとも一方とには、周方向に連続する微細凸部が形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コンプレッサインペラが収容される過給機用コンプレッサハウジングであって、
上記コンプレッサインペラに向けて空気を吸い込む吸気口を形成する吸気口形成部と、
上記コンプレッサインペラを周方向に囲むとともに該コンプレッサインペラに対向するシュラウド面を有するシュラウド部と、
上記コンプレッサインペラの外周側において周方向に形成され、上記コンプレッサインペラから吐出される圧縮空気を通過させるディフューザ通路を形成するディフューザ部と、
上記ディフューザ通路を通過した圧縮空気を外部へ導くスクロール室を形成するスクロール室形成部と、
上記ディフューザ部に沿って周方向に形成されるとともに、上記ディフューザ部を冷却する冷媒を流通させる冷媒流路と、
を有し、
上記過給機用コンプレッサハウジングは、少なくとも上記スクロール室形成部の一部を有するスクロールピースと、少なくとも上記吸気口形成部の一部、少なくとも上記スクロール室形成部の一部、上記ディフューザ部及び上記シュラウド部を有するとともに上記スクロールピースの内側に軸方向に圧入されるシュラウドピースとを含む複数のピースに分割されてなり、
上記冷媒流路は、上記スクロールピース及び上記シュラウドピースにおける互いの対向部にそれぞれ形成された第1流路形成部と第2流路形成部とにより区画された環状の空間として形成され、
上記第1流路形成部と上記第2流路形成部とは、上記冷媒流路の内周側をシールする内周シール部と、上記冷媒流路の外周側をシールする外周シール部とにおいて互いに嵌合しており、
上記内周シール部は、上記スクロールピースに形成された第1内周シール形成部と、上記シュラウドピースに形成された第2内周シール形成部とが互いに圧接されてなり、
上記外周シール部は、上記スクロールピースに形成された第1外周シール形成部と、上記シュラウドピースに形成された第2外周シール形成部とが互いに圧接されてなり、
上記内周シール部における上記第1内周シール形成部及び上記第2内周シール形成部の少なくとも一方と、上記外周シール部における上記第1外周シール形成部及び上記第2外周シール形成部の少なくとも一方とには、周方向に連続する微細凸部が形成されている、過給機用コンプレッサハウジング。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
上記内周シール部に形成された上記微細凸部は上記内周シール部の全周に渡って連続しており、上記外周シール部に形成された上記微細凸部は上記外周シール部の全周に渡って連続している、請求項1に記載の過給機用コンプレッサハウジング。
【請求項3】
上記内周シール部及び上記外周シール部に形成された上記微細凸部は、上記スクロールピースに対して上記シュラウドピースを相対的に軸中心に回転させて形成された摺動痕である、請求項1又は2に記載の過給機用コンプレッサハウジング。
【請求項4】
上記微細凸部は、上記スクロールピースに上記シュラウドピースを圧入して、上記内周シール部及び上記外周シール部を形成した後、上記スクロールピースに対して上記シュラウドピースを相対的に軸中心に回転させて形成されたものである、請求項3に記載の過給機用コンプレッサハウジング。
【請求項5】
上記微細凸部は、上記スクロールピースに上記シュラウドピースを圧入して、上記内周シール部及び上記外周シール部を形成する際に、上記スクロールピースに上記シュラウドピースを圧入しながら上記スクロールピースに対して上記シュラウドピースを相対的に軸中心に回転させて形成されたものである、請求項3に記載の過給機用コンプレッサハウジング。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機用コンプレッサハウジングに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
自動車等の内燃機関に搭載される過給機であるターボチャージャは、コンプレッサインペラとタービンインペラとを有し、これらがハウジングに収容されている。コンプレッサインペラはハウジングの内部に形成された空気流路に配されている。空気流路には、コンプレッサインペラに向けて空気を吸い込む吸気口と、コンプレッサインペラから吐出された圧縮空気が通過するディフューザ通路と、ディフューザ通路を通過した圧縮空気が流れ込む吐出スクロール室とを有する。スクロール室は圧縮空気を内燃機関側へ吐出する。
【0003】
そして、自動車等の内燃機関には、クランクケース内に発生したブローバイガス(主に未燃焼ガス)を吸気通路に還流させ、クランクケース内やヘッドカバー内を浄化させるブローバイガス還流装置(以下、PCVという)を備えたものがある。この場合、ブローバイガスに含まれるオイル(オイルミスト)がPCVからターボチャージャにおけるコンプレッサの上流側の吸気通路に流出することがある。
【0004】
このとき、コンプレッサの出口空気圧力が高いとその出口空気温度も高くなるため、PCVから流出したオイルが蒸発を起因とする濃縮・高粘度化によって過給機用コンプレッサハウジングのディフューザ面やそれに対向する軸受ハウジングの表面等にデポジットとなって堆積することがある。そして、堆積したデポジットによってディフューザ通路が狭められ、ターボチャージャの性能低下を招き、さらには内燃機関の出力低下を招くおそれがある。
【0005】
従来は、上述したようなディフューザ通路におけるデポジットの堆積を防止するため、コンプレッサの出口空気温度をある程度抑制していた。そのため、ターボチャージャの性能を充分に発揮することができず、また内燃機関の出力を充分に高めることができなかった。
【0006】
特許文献1には、ディフューザ通路におけるデポジットの堆積を防止するために、過給機用コンプレッサハウジング内に冷媒流路を設けて当該冷媒流路に冷媒を流通させることにより、ハウジング内の空気流路を通過する圧縮空気の温度上昇を抑制する構成が開示されている。特許文献1に開示の構成では、過給機用コンプレッサハウジングをスクロールピースとシュラウドピースによって形成するとともに、スクロールピースにシュラウドピースを圧入して組み付けることによって冷媒流路が形成されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2018-184928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、冷媒流路の内周シール部及び外周シール部はそれぞれ圧入により当接する壁面が互いに圧接されて構成されるため、内周シール部及び外周シール部には圧入方向に延在する圧入痕が形成される。当該圧入痕は圧入方向に連続した微細凸部となっているため、内周シール部及び外周シール部には圧入痕に沿ってわずかな溝が形成され、冷媒流路を流通する冷媒が当該圧入痕に沿って冷媒流路から漏れ出るおそれがある。また、特許文献1に開示のスクロールピースとシュラウドピースを圧入に替えて焼き嵌めで組み付ける場合でも、冷媒流路の内周シール部及び外周シール部を形成する互いに圧接された壁面の間にごく微細な隙間が生じて冷媒流路を流通する冷媒が当該隙間を介して漏れ出るおそれがある。そのため、冷媒流路における冷媒漏れを防止するには改善の余地がある。なお、内周シール部及び外周シール部に液体ガスケットやOリングなどのシール部材を介在させることも考えられるが、この場合は部品点数の増加と組付作業の煩雑化を招くため好ましくない。
【0009】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、部品点数を増加させず、組付作業の簡易化を図りつつ、冷媒流路における冷媒漏れを防止することができる過給機用コンプレッサハウジングを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、コンプレッサインペラが収容される過給機用コンプレッサハウジングであって、
上記コンプレッサインペラに向けて空気を吸い込む吸気口を形成する吸気口形成部と、
上記コンプレッサインペラを周方向に囲むとともに該コンプレッサインペラに対向するシュラウド面を有するシュラウド部と、
上記コンプレッサインペラの外周側において周方向に形成され、上記コンプレッサインペラから吐出される圧縮空気を通過させるディフューザ通路を形成するディフューザ部と、
上記ディフューザ通路を通過した圧縮空気を外部へ導くスクロール室を形成するスクロール室形成部と、
上記ディフューザ部に沿って周方向に形成されるとともに、上記ディフューザ部を冷却する冷媒を流通させる冷媒流路と、
を有し、
上記過給機用コンプレッサハウジングは、少なくとも上記スクロール室形成部の一部を有するスクロールピースと、少なくとも上記吸気口形成部の一部、少なくとも上記スクロール室形成部の一部、上記ディフューザ部及び上記シュラウド部を有するとともに上記スクロールピースの内側に軸方向に圧入されるシュラウドピースとを含む複数のピースに分割されてなり、
上記冷媒流路は、上記スクロールピース及び上記シュラウドピースにおける互いの対向部にそれぞれ形成された第1流路形成部と第2流路形成部とにより区画された環状の空間として形成され、
上記第1流路形成部と上記第2流路形成部とは、上記冷媒流路の内周側をシールする内周シール部と、上記冷媒流路の外周側をシールする外周シール部とにおいて互いに嵌合しており、
上記内周シール部は、上記スクロールピースに形成された第1内周シール形成部と、上記シュラウドピースに形成された第2内周シール形成部とが互いに圧接されてなり、
上記外周シール部は、上記スクロールピースに形成された第1外周シール形成部と、上記シュラウドピースに形成された第2外周シール形成部とが互いに圧接されてなり、
上記内周シール部における上記第1内周シール形成部及び上記第2内周シール形成部の少なくとも一方と、上記外周シール部における上記第1外周シール形成部及び上記第2外周シール形成部の少なくとも一方とには、周方向に連続する微細凸部が形成されている、過給機用コンプレッサハウジングにある。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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