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公開番号2024143717
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056522
出願日2023-03-30
発明の名称燃料噴射装置
出願人三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類F02M 47/02 20060101AFI20241003BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】圧力制御室からリークする燃料のリーク量を低減して噴射効率を向上させる。
【解決手段】本開示に係る燃料噴射装置の一態様は、先端部に燃料噴射孔が形成され、内部に燃料通路が形成されたケーシングと、電磁式アクチュエータの作動によってケーシングの軸線方向に沿って移動可能なように配置され、燃料噴射孔を開閉可能なニードル弁と、燃料通路と連通する圧力制御室に対面する駆動ピストンと、を含むスプールと、電磁式アクチュエータの作動によって開閉される出口ポートおよびピストン面に対向する対向面に形成された開口を有する減圧流路であって、圧力制御室に連通する減圧流路が内部に形成された減圧流路形成部材と、を備え、ピストン面は、開口側へ突出する凸部を有すると共に、減圧流路形成部材は、開口からピストン面から離間する方向へ向かうにつれて縮径するように傾斜した傾斜面を有し、凸部は、ピストン面が他端側へ移動したとき、傾斜面に線接触して開口を閉鎖可能な線接触部を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
電磁式アクチュエータによって燃料を噴射可能に構成された燃料噴射装置であって、
先端部に燃料噴射孔が形成されるとともに、前記燃料噴射孔と燃料入口ポートとを連通する燃料通路が内部に形成されたケーシングと、
前記ケーシングの内部において、前記電磁式アクチュエータの作動によって前記ケーシングの軸線方向に沿って移動可能なように配置されたスプールであって、
前記スプールの一端側において、前記燃料噴射孔を開閉可能なように配置されたニードル弁と、
前記スプールの他端側において、前記燃料通路と連通する圧力制御室に対面するように配置されたピストン面を有する駆動ピストンと、を含むスプールと、
前記電磁式アクチュエータの作動によって開閉される出口ポートおよび前記ピストン面に対向する対向面に形成された開口を有する減圧流路であって、前記圧力制御室に連通する減圧流路が内部に形成された減圧流路形成部材と、
を備え、
前記ピストン面は、前記開口側へ突出する凸部を有すると共に、前記減圧流路形成部材は、前記開口から前記ピストン面から離間する方向へ向かうにつれて縮径するように傾斜した傾斜面を有し、
前記凸部は、前記ピストン面が前記他端側へ移動したとき、前記傾斜面に線接触して前記開口を閉鎖可能な線接触部を有する、
燃料噴射装置。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記ケーシングの中心軸線を含む断面において、前記凸部は、前記ピストン面側に形成された第1傾斜面と、前記第1傾斜面よりも先端側に形成された第2傾斜面と、を含み、
前記中心軸線に対する前記傾斜面の鋭角側の角度をθとし、前記中心軸線に対する前記第1傾斜面の鋭角側の角度をθ1とし、前記中心軸線に対する前記第2傾斜面の鋭角側の角度をθ2としたとき、次の(1)式の関係を満たし、
前記線接触部は前記第1傾斜面および前記第2傾斜面の境界に形成される、
請求項1に記載の燃料噴射装置。
θ1<θ<θ2 (1)
【請求項3】
前記凸部は、前記ケーシングの中心軸線を含む断面において、
前記ピストン面に形成された台形状の第1突出部と、
前記第1突出部の頂面に形成された円弧状の第2突出部であって、前記減圧流路の前記開口側に向かって縮径するように突出した第2突出部と、
を含み、
前記線接触部は前記第2突出部の円弧面によって形成される、
請求項1に記載の燃料噴射装置。
【請求項4】
前記第1突出部の前記頂面には凹部が形成され、
前記第2突出部は、前記凹部に一部が圧入された球体の残部から構成されている、
請求項3に記載の燃料噴射装置。
【請求項5】
前記駆動ピストンの径方向外側に前記駆動ピストンを囲むように配置される筒状スリーブを備え、
前記駆動ピストンは、前記駆動ピストンの全ストローク範囲において、前記筒状スリーブの内周面に摺接するように構成されている、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料噴射装置。
【請求項6】
前記筒状スリーブは、一端側に形成された前記駆動ピストンが挿入される開口と、他端側に形成された蓋部と、を有する有底筒状に形成され、
前記圧力制御室は、前記ピストン面と前記蓋部との間に画定され、
前記筒状スリーブには、前記燃料通路と前記圧力制御室とに連通する入口オリフィスが形成され、
前記蓋部には、前記ピストン面に対向する前記対向面及び前記減圧流路の少なくとも一部が形成されている、
請求項5に記載の燃料噴射装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は燃料噴射装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ディーゼル機関における燃料噴射システムは、コモンレールを初めとして電子制御方式が広く普及している。電子制御方式の燃料噴射システムにおいては、高速応答電磁弁が採用されて燃料の噴射制御が行われる事例が多い。この燃料噴射方式は、一般的な構造として、燃料通路と連通している圧力制御室が燃料噴射弁と連結している駆動ピストンに燃料圧を加えることで、燃料噴射孔を閉じている。他方、圧力制御室を電磁弁によって開放し、圧力制御室を減圧することで燃料噴射孔を開け、これによって、燃料噴射が行われる。その後、再び電磁弁で圧力制御室を閉じると圧力制御室の燃料圧が回復し、燃料噴射弁が燃料噴射孔を閉じて噴射が終了する。
特許文献1及び2には、上述のような構成を有する燃料噴射装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2007/100425号
独国特許出願公開第102016219337号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような燃料噴射システムにおいては、圧力制御室から燃料をリークさせ減圧することで、燃料噴射が行われる。従って、燃料噴射装置の燃料排出量は燃料噴射孔から噴射される燃料噴射量と圧力制御室からリークされるリーク量との総和となる。従って、リーク量を減少して燃料排出量の総和に対する燃料噴射量の割合(噴射効率)を向上させることは、燃料噴射のために用いられる高圧ポンプの消費エネルギの低減につながる。また、リークした燃料の高温化を抑制し、燃料の劣化や燃料を冷却するクーラの容量を低減できる。
【0005】
特許文献1及び2には、上記噴射効率を向上させるための手段が開示されているが、これらの手段では十分ではないと考えられる。
【0006】
本開示は、上述する事情に鑑みてなされたもので、圧力制御室からリークする燃料のリーク量を低減して噴射効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係る燃料噴射装置の一態様は、電磁式アクチュエータによって燃料を噴射可能に構成された燃料噴射装置であって、先端部に燃料噴射孔が形成されるとともに、前記燃料噴射孔と燃料入口ポートとを連通する燃料通路が内部に形成されたケーシングと、前記ケーシングの内部において、前記電磁式アクチュエータの作動によって前記ケーシングの軸線方向に沿って移動可能なように配置されたスプールであって、前記スプールの一端側において、前記燃料噴射孔を開閉可能なように配置されたニードル弁と、前記スプールの他端側において、前記燃料通路と連通する圧力制御室に対面するように配置されたピストン面を有する駆動ピストンと、を含むスプールと、前記電磁式アクチュエータの作動によって開閉される出口ポートおよび前記ピストン面に対向する対向面に形成された開口を有する減圧流路であって、前記圧力制御室に連通する減圧流路が内部に形成された減圧流路形成部材と、を備え、前記ピストン面は、前記開口側へ突出する凸部を有すると共に、前記減圧流路形成部材は、前記開口から前記ピストン面から離間する方向へ向かうにつれて縮径するように傾斜した傾斜面を有し、前記凸部は、前記ピストン面が前記他端側へ移動したとき、前記傾斜面に線接触して前記開口を閉鎖可能な線接触部を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る燃料噴射装置の一態様によれば、燃料噴射時に圧力制御室から減圧流路を経て排出(リーク)される燃料のリーク量を低減でき、これによって、噴射効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
一実施形態に係る燃料噴射装置を示す模式的縦断面図である。
図1に示される燃料噴射装置の一部を拡大して示す縦断面図である。
図2に示される燃料噴射装置の一部をさらに拡大して示す図である。
別な実施形態に係る燃料噴射装置の一部であって、圧力制御室の付近を示す拡大縦断面図である。
さらに別な実施形態に係る燃料噴射装置の一部であって、圧力制御室の付近を示す拡大縦断面図である。
別な実施形態に係る燃料噴射装置を示す模式的縦断面図である。
図6に示される燃料噴射装置の一部を拡大して示す縦断面図である。
さらに別な実施形態に係る燃料噴射装置の一部を示す縦断面図である。
従来の燃料噴射装置の一部を示す模式的縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(【0011】以降は省略されています)

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