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公開番号2024101649
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-30
出願番号2023005669
出願日2023-01-18
発明の名称三次元計測装置
出願人株式会社デンソーウェーブ
代理人個人,個人
主分類G01B 11/25 20060101AFI20240723BHJP(測定;試験)
要約【課題】イベントデータを利用することで計測対象物の三次元形状をより高速に計測可能な構成を提供する。
【解決手段】投影部20から所定の縞パターンが投影された計測対象物Rを撮像する撮像部30は、受光した際に輝度変化のあった画素に対応して当該画素の位置が特定される二次元点データを含めたイベントデータを出力する撮像素子を備えて、撮像素子から出力されるイベントデータから撮像画像を生成する。この撮像素子は、明るくなる輝度変化の場合に正極性のイベントデータを出力し、暗くなる輝度変化の場合に負極性のイベントデータを出力するように構成される。そして、制御部11は、所定の縞パターンの投影開始タイミングにあわせて投影開始信号S1を計測部40に対して出力し、計測部40は、撮像画像における画素単位で、制御部11からの投影開始信号S1の入力時間と当該入力時間後に出力されたイベントデータの発生時間との時間差に基づいて輝度情報を求める。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
計測対象物に対して所定の縞パターンを投影する投影部と、
前記所定の縞パターンが投影された前記計測対象物を撮像する撮像部と、
前記撮像部の撮像画像から求められる輝度情報を利用して位相シフト法により前記計測対象物の三次元形状を計測する計測部と、
前記投影部を制御する制御部と、
を備える三次元計測装置であって、
前記撮像部は、受光した際に輝度変化のあった画素に対応して当該画素の位置が特定される二次元点データを含めたイベントデータを出力する撮像素子を備えて、前記撮像素子から出力されるイベントデータから前記撮像画像を生成し、
前記撮像素子は、明るくなる輝度変化の場合に正極性のイベントデータを出力し、暗くなる輝度変化の場合に負極性のイベントデータを出力するように構成され、
前記制御部は、前記所定の縞パターンの投影開始タイミングにあわせて投影開始信号を前記計測部に対して出力し、
前記計測部は、前記撮像画像における画素単位で、前記制御部からの前記投影開始信号の入力時間と当該入力時間後に出力されたイベントデータの発生時間との時間差に基づいて前記輝度情報を求めることを特徴とする三次元計測装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、計測対象物の三次元形状を計測する三次元計測装置に関するものである。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、計測対象物の三次元形状等を計測する三次元計測装置として、例えば、位相シフト法を利用した装置が知られている。位相シフト法は、位相をずらした複数枚の縞パターン画像を投影することでこの縞パターン画像を投影した計測対象物に関して三次元計測を行う手法である。このように位相シフト法を利用して三次元計測を行う技術として、下記特許文献1に開示されている三次元計測装置が知られている。この三次元計測装置は、各位相の縞を異なる波長の光に割り当て、これを合成した縞パターン画像を計測対象物に投影し、この縞パターン画像を投影している計測対象物をカラーカメラで撮影する。そして、撮影した画像から各色成分を抽出して1回の撮影で位相算出を行うことで、三次元形状の計測に要する時間の短縮を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3723057号公報
米国特許出願公開第2016/0227135号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、より高速に計測対象物の画像を生成する技術として、上記特許文献2に開示されるイベントカメラが知られている。このイベントカメラは、生物の網膜構造にヒントを得て開発された輝度値差分出力カメラであり、画素ごとに輝度の変化を感知してその座標、時間、そして輝度変化の極性を出力するように構成されている。このような構成により、イベントカメラは、従来のカメラのように輝度変化のない画素情報、つまり冗長なデータ(イベントデータ)は出力しないといった特徴があるため、データ通信量の軽減や画像処理の軽量化等が実現されることで、より高速に計測対象物の画像を生成することができる。
【0005】
しかしながら、イベントカメラから出力されるイベントデータを用いて生成された計測対象物の撮像画像では、その撮像画像から画素単位での輝度変化の有無を把握できても輝度値を直接計測することができない。このため、輝度値を利用する位相シフト法などの三次元計測方法では、計測対象物の三次元形状の計測を実施できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、イベントデータを利用することで計測対象物の三次元形状をより高速に計測可能な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
計測対象物(R)に対して所定の縞パターンを投影する投影部(20)と、
前記所定の縞パターンが投影された前記計測対象物を撮像する撮像部(30)と、
前記撮像部の撮像画像から求められる輝度情報を利用して位相シフト法により前記計測対象物の三次元形状を計測する計測部(40)と、
前記投影部を制御する制御部(11)と、
を備える三次元計測装置(10)であって、
前記撮像部は、受光した際に輝度変化のあった画素に対応して当該画素の位置が特定される二次元点データを含めたイベントデータを出力する撮像素子を備えて、前記撮像素子から出力されるイベントデータから前記撮像画像を生成し、
前記撮像素子は、明るくなる輝度変化の場合に正極性のイベントデータを出力し、暗くなる輝度変化の場合に負極性のイベントデータを出力するように構成され、
前記制御部は、前記所定の縞パターンの投影開始タイミングにあわせて投影開始信号(S1)を前記計測部に対して出力し、
前記計測部は、前記撮像画像における画素単位で、前記制御部からの前記投影開始信号の入力時間と当該入力時間後に出力されたイベントデータの発生時間との時間差に基づいて前記輝度情報を求めることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、投影部から所定の縞パターンが投影された計測対象物を撮像する撮像部は、受光した際に輝度変化のあった画素に対応して当該画素の位置が特定される二次元点データを含めたイベントデータを出力する撮像素子を備えて、撮像素子から出力されるイベントデータから撮像画像を生成する。この撮像素子は、明るくなる輝度変化の場合に正極性のイベントデータを出力し、暗くなる輝度変化の場合に負極性のイベントデータを出力するように構成される。そして、制御部は、所定の縞パターンの投影開始タイミングにあわせて投影開始信号を計測部に対して出力し、計測部は、撮像画像における画素単位で、制御部からの投影開始信号の入力時間と当該入力時間後に出力されたイベントデータの発生時間との時間差に基づいて輝度情報を求める。
【0009】
撮像画像の各画素では、輝度値が高くなるほど、正極性のイベントデータの発生時間と負極性のイベントデータの発生時間との時間差が長くなる。このため、撮像画像における画素単位での正極性のイベントデータの発生時間と負極性のイベントデータの発生時間との時間差に基づいて輝度情報を求めることができる。そして、正極性のイベントデータの発生時間は、投影開始信号の入力時間に一致し、投影開始信号の入力時間後に負極性のイベントデータが出力される。このため、上記所定の縞パターンを投影した際の投影開始信号の入力時間と当該入力時間後に出力されたイベントデータの発生時間との時間差に基づいて、画素単位で輝度情報を求めることができ、このように求めた輝度情報を利用して位相シフト法により計測対象物の三次元形状を計測することができる。特に、全ての画素について正極性のイベントデータと負極性のイベントデータとの双方の発生時間を取得することなく、投影開始信号の入力後に出力されたイベントデータの発生時間のみを取得すればよいので、処理時間が短縮されてさらなる計測対象物の画像生成の高速化を図ることができる。すなわち、イベントデータを利用することで計測対象物の三次元形状をより高速に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態に係る三次元計測装置の概略構成を示すブロック図である。
一般的な位相シフト法用の縞パターンが計測対象物に投影された状態を説明する説明図である。
位相シフト法による三次元測定を説明する図である。
正極性のイベントデータの発生時間と負極性のイベントデータの発生時間との時間差(ON時間)と輝度値(輝度情報)との関係を説明する説明図である。
図5(A)は、縞パターンを投影する際のある画素レベルでのR色発光状態、G色発光状態、B色発光状態を説明する説明図であり、図5(B)は、図5(A)と異なる画素レベルでのR色発光状態、G色発光状態、B色発光状態を説明する説明図である。
投影開始タイミング及び投影終了タイミングと投影開始信号の入力タイミング及び投影終了信号の入力タイミングと撮像開始タイミング及び撮像終了タイミングとの関係を説明する説明図である。
図7(A)は、画素を横軸、ON時間を縦軸として示す縞パターンの作成例を説明する説明図であり、図7(B)は、図7(A)に示す縞パターンを撮像した際に画素ごとに得られる負極性のイベントデータの発生時間と投影開始信号S1の入力時間との時間差を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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