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公開番号2024143274
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023055858
出願日2023-03-30
発明の名称レーダ装置
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人
主分類G01S 7/40 20060101AFI20241003BHJP(測定;試験)
要約【課題】補償精度の向上が可能なレーダ装置を、提供する。
【解決手段】レーダ装置は、等間隔に配置された複数の送信アンテナ及び等間隔に配置された複数の受信アンテナと、Ns個の送信回路と、Nr個の受信回路と、制御部と、を備える。Ns及びNrはそれぞれ2以上の整数である。複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナは、仮想アンテナの群の間で仮想位置が重複し且つ送信回路及び受信回路の組み合わせが一致しない仮想アンテナの組の集合の中で、送信回路及び受信回路の組み合わせが他の組と重複しない仮想アンテナの特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれるように配置される。制御部は、少なくともNs+Nr-2組の特有組における仮想アンテナ同士の受信信号についての比較結果に基づき、異なる送信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、異なる受信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、を補償する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
前記送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
前記受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
前記受信信号を処理する制御部(6)と、を備え、
前記Ns及び前記Nrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の前記送信アンテナ及び複数の前記受信アンテナは、
少なくとも一方が不等間隔に配置され、前記受信アンテナ間における前記受信信号の位相差に応じて複数の前記受信アンテナについて前記送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが一致しない前記仮想アンテナの組の集合の中で、前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが他の組と重複しない前記仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれるように配置され、
前記制御部は、
少なくともNs+Nr-2組の前記特有組における前記仮想アンテナ同士の前記受信信号についての比較結果に基づき、異なる前記送信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、異なる前記受信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、を補償する補償処理を実行するレーダ装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
前記送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
前記受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
前記受信信号を処理する制御部(6)と、を備え、
前記Ns及び前記Nrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の前記送信アンテナ及び複数の前記受信アンテナは、
少なくとも一方が不等間隔に配置され、
前記受信アンテナ間における前記受信信号の位相差に応じて複数の前記受信アンテナについて前記送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが一致しない前記仮想アンテナの組の集合の中で、前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが他の組と重複しない前記仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
前記仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない前記仮想アンテナの組である異配線長組が少なくとも1組含まれ、
且つ前記特有組及び前記異配線長組の少なくとも一方に属する前記仮想アンテナの組である所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置され、
前記制御部は、
少なくともNs+Nr-1組の前記所属組における前記仮想アンテナ同士の前記受信信号についての比較結果に基づき、前記仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差及び振幅差の少なくとも一つと、異なる前記送信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、異なる前記受信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、を補償する補償処理を実行するレーダ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記送信回路及び前記受信回路の組み合わせが他の組と重複する前記仮想アンテナの組における前記仮想アンテナ同士の前記受信信号の前記比較結果をさらに利用して前記補償処理を実行する請求項1又は請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記送信回路及び前記受信回路の温度を検出する温度センサ(5)をさらに備え、
前記制御部は、
前記受信信号が前記補償処理に有効か否かを判定し、
前記受信信号が前記補償処理に有効でないと判定された場合に、前記送信回路及び前記受信回路の温度に基づく前記補償処理を実行する請求項1又は請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項5】
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナは、一次元的に配置されている請求項1又は請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項6】
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナは、少なくとも一方が二次元的に配置されている請求項1又は請求項2に記載のレーダ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、レーダ技術に、関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の受信回路に設けられた複数の受信アンテナと、第一の送信アンテナ及び第二の送信アンテナと、位相補償部とを備えたレーダ装置が開示されている。第一の送信アンテナ及び第二の送信アンテナは、受信アンテナの位置が仮想的に重なるように受信アンテナから所定の間隔を空けて設けられる。位相補償部は、仮想的に重なるように設けられた各々の受信アンテナが受信した各々の受信信号の比較結果に基づき、第一および第二の送信アンテナから送信された各々の送信波の反射波の受信回路間の位相差を補償する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-60732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のレーダ装置では、異なる受信回路間の位相差のみが補償され得る。しかし、異なる受信信号における誤差の要因は、受信回路の違い以外にも存在するため、補償精度が確保しにくい。さらに、特許文献1のレーダ装置では、受信アンテナが仮想的に重なる分だけ開口長が短くなるため、空間分解能が低下する。したがって、特許文献1のレーダ装置は、補償精度と空間分解能の両立が難しい。
【0005】
本開示の課題は、補償精度と空間分解能の両立が可能なレーダ装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の第一態様は、複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
受信信号を処理する制御部(6)と、を備え、
Ns及びNrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナは、
少なくとも一方が不等間隔に配置され、受信アンテナ間における受信信号の位相差に応じて複数の受信アンテナについて送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ送信回路及び受信回路の組み合わせが一致しない仮想アンテナの組の集合の中で、送信回路及び受信回路の組み合わせが他の組と重複しない仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれるように配置され、
制御部は、
少なくともNs+Nr-2組の特有組における仮想アンテナ同士の受信信号についての比較結果に基づき、異なる送信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、異なる受信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、を補償する補償処理を実行するレーダ装置である。
【0008】
この第一態様によると、少なくともNs+Nr-2組の特有組における仮想アンテナ同士の受信信号についての比較結果に基づき、異なる送信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、異なる受信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、が補償され得る。故に、異なる受信回路間に加え、異なる送信回路間での誤差の補償処理が可能となり得る。さらに、送信アンテナ及び受信アンテナの少なくとも一方が不等間隔にて配置されることで、等間隔に配置された場合よりも、仮想アンテナの開口長が大きくなり得る。したがって、補償精度と空間分解能の両立が可能となり得る。
【0009】
本開示の第二態様は、複数の送信アンテナ(TX)及び複数の受信アンテナ(RX)と、
送信アンテナと接続され、送信信号を出力するNs個の送信回路(3)と、
受信アンテナと接続され、受信信号を取得するNr個の受信回路(4)と、
受信信号を処理する制御部(6)と、を備え、
Ns及びNrはそれぞれ2以上の整数であって、
複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナは、
少なくとも一方が不等間隔に配置され、
受信アンテナ間における受信信号の位相差に応じて複数の受信アンテナについて送信アンテナごとに想定される仮想アンテナ(V)の群の間で仮想位置が重複し且つ送信回路及び受信回路の組み合わせが一致しない仮想アンテナの組の集合の中で、送信回路及び受信回路の組み合わせが他の組と重複しない仮想アンテナの組である特有組が、少なくともNs+Nr-2組含まれ、
仮想位置が重複し且つ配線長が一致しない仮想アンテナの組である異配線長組が少なくとも1組含まれ、
且つ特有組及び異配線長組の少なくとも一方に属する仮想アンテナの組である所属組の総数が、少なくともNs+Nr-1組となるように配置され、
制御部は、
少なくともNs+Nr-1組の所属組における仮想アンテナ同士の受信信号についての比較結果に基づき、仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差及び振幅差の少なくとも一つと、異なる送信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、異なる受信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、を補償する補償処理を実行するレーダ装置である。
【0010】
この第二態様によると、少なくともNs+Nr-1組の所属組における仮想アンテナ同士の受信信号についての比較結果に基づき、異なる送信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、異なる受信回路間の位相差及び振幅差の少なくとも一方と、仮想アンテナ同士の配線長差分に応じた位相差及び振幅差の少なくとも一つと、が補償され得る。故に、異なる受信回路間に加え、異なる送信回路間での誤差及び配線長差による誤差の補償処理が可能となり得る。さらに、送信アンテナ及び受信アンテナの少なくとも一方が不等間隔にて配置されることで、等間隔に配置された場合よりも、仮想アンテナの開口長が大きくなり得る。したがって、補償精度と空間分解能の両立が可能となり得る。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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