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公開番号2024099143
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-25
出願番号2023002860
出願日2023-01-12
発明の名称金属ナノ粒子の製造方法
出願人トヨタ自動車株式会社,国立大学法人神戸大学
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類B01J 13/00 20060101AFI20240718BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】分散性に優れ、電気伝導率が低い金属ナノ粒子の水系分散液を高収率で製造する方法を提供する。
【解決手段】(i)金属ナノ粒子の保護剤として親水性基を有する化合物を含む金属ナノ粒子水系分散液と、非水溶媒と、疎水化剤と、塩析剤と、アリール基及び親水性保護基を有する界面活性剤とを混合して第1の混合液を調製する工程と、(ii)(i)の工程で調製した第1の混合液を第1の水相と金属ナノ粒子を含む非水溶媒相とに分離する工程と、(iii)(ii)の工程で分離した非水溶媒相を取り出し、非水溶媒相と第2の水相とを接触させ、金属ナノ粒子を第2の水相に移動させる工程と、(iv)(iii)の工程で移動させた金属ナノ粒子を含む第2の水相を取り出す工程とを含む、金属ナノ粒子の製造方法に関する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
(i)金属ナノ粒子の保護剤として親水性基を有する化合物を含む金属ナノ粒子水系分散液と、非水溶媒と、疎水化剤と、塩析剤と、アリール基及び親水性保護基を有する界面活性剤とを混合して第1の混合液を調製する工程と、
(ii)(i)の工程で調製した第1の混合液を第1の水相と金属ナノ粒子を含む非水溶媒相とに分離する工程と、
(iii)(ii)の工程で分離した非水溶媒相を取り出し、非水溶媒相と第2の水相とを接触させ、金属ナノ粒子を第2の水相に移動させる工程と、
(iv)(iii)の工程で移動させた金属ナノ粒子を含む第2の水相を取り出す工程と
を含む、金属ナノ粒子の製造方法。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
(i)の工程において、前記界面活性剤が、親水性保護基として、エーテル結合、シロキサン結合及びヒドロキシ基からなる群から選択される1種以上の官能基を1つ以上有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(i)の工程において、前記界面活性剤の添加量が、金属ナノ粒子水系分散液100重量部に対して、0.01重量部以上である、請求項1又は2に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ナノ粒子の製造方法、特に金属ナノ粒子の水系分散液の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、バルク材料と異なる性質を有することがある金属ナノ粒子は、例えば触媒、電子部品部材など、様々な用途に使用されている。
【0003】
一方で、金属ナノ粒子は、通常分散液として得られるが、当該分散液は、製造時の副生成物を含むことが多く、当該分散液から副生成物などの不純物を取り除く方法も様々なものが考案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、金属微粒子と水に対して親和性を有する化合物(水系分散剤という)を含む金属微粒子水分散液から該金属微粒子を水と相分離する有機溶媒(非水溶媒という)に抽出する方法であって、非水溶媒と、上記金属微粒子水分散液と、上記水系分散剤を金属微粒子から離脱させる脱離液と、金属微粒子及び非水溶媒に対して親和性を有する化合物(非水系分散剤という)とを混合して上記金属微粒子を非水溶媒に移行させ、該金属微粒子が分散する非水溶媒層を水層から分離することを特徴とする金属微粒子の抽出方法が記載されている。
【0005】
特許文献2には、金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の非水分散液の調製方法にして、(1)金属微粒子及び/又は金属化合物微粒子の水分散液を、界面活性剤の存在下、かつ水溶性無機酸塩及び/又は実質的に界面活性作用を有さない水溶性有機酸塩の存在下又は不存在下で、水と相分離する非水液体と接触させ、その際水溶性無機酸塩及び/又は水溶性有機酸塩の不存在下で該水分散液と非水液体との接触を行なう場合には、該接触後に水溶性無機酸塩及び/又は水溶性有機酸塩を添加し、かくして該微粒子を該水分散液から該非水液体中に移動させ、該微粒子が分散した非水分散液相と実質的に該微粒子を含有しない水性相からなる二相混合物を得、(2)該非水分散液を該二相混合物から単離することを包含する調製方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-270957号公報
特開平5-271718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1又は2を含む従来技術では、得られる金属ナノ粒子が凝集してしまったり、得られる金属ナノ粒子分散液が非水系分散液になりインクなどの水系溶媒での使用ができなかったりする問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、分散性に優れ、電気伝導率が低い金属ナノ粒子の水系分散液を高収率で製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するための手段を種々検討した結果、金属ナノ粒子を製造する方法において、金属ナノ粒子の保護剤として親水性基を有する化合物を含む金属ナノ粒子水系分散液と、非水溶媒と、疎水化剤と、塩析剤と、アリール基及び親水性保護基を有する界面活性剤とを混合し、静置することで混合液を第1の水相と金属ナノ粒子を含む非水溶媒相(油相)とに分離し、続いて非水溶媒相を取り出し、取り出した非水溶媒相と第2の水相とを接触させることによって、金属ナノ粒子を高収率で第2の水相中に再分散(再抽出)できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)(i)金属ナノ粒子の保護剤として親水性基を有する化合物を含む金属ナノ粒子水系分散液と、非水溶媒と、疎水化剤と、塩析剤と、アリール基及び親水性保護基を有する界面活性剤とを混合して第1の混合液を調製する工程と、
(ii)(i)の工程で調製した第1の混合液を第1の水相と金属ナノ粒子を含む非水溶媒相とに分離する工程と、
(iii)(ii)の工程で分離した非水溶媒相を取り出し、非水溶媒相と第2の水相とを接触させ、金属ナノ粒子を第2の水相に移動させる工程と、
(iv)(iii)の工程で移動させた金属ナノ粒子を含む第2の水相を取り出す工程と
を含む、金属ナノ粒子の製造方法。
(2)(i)の工程において、前記界面活性剤が、親水性保護基として、エーテル結合、シロキサン結合及びヒドロキシ基からなる群から選択される1種以上の官能基を1つ以上有する、(1)に記載の方法。
(3)(i)の工程において、前記界面活性剤の添加量が、金属ナノ粒子水系分散液100重量部に対して、0.01重量部以上である、(1)又は(2)に記載の方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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