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公開番号2024096078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-11
出願番号2023222166
出願日2023-12-28
発明の名称凝縮前駆体及び汚染物質パージ装置及び方法
出願人エフ イー アイ カンパニ,FEI COMPANY
代理人個人,個人,個人
主分類G01N 1/28 20060101AFI20240704BHJP(測定;試験)
要約【課題】極低温顕微鏡における試料の劣化の防止
【解決手段】方法は、荷電粒子ビーム顕微鏡の真空チャンバ内に基板を配置することであって、基板が、極低温に保持される、配置することと、るつぼ内に貯蔵される凝縮前駆体を極低温で基板上に堆積させることであって、堆積された凝縮前駆体が、基板上に堆積層を形成する、堆積させることと、を含む。装置は、基板を支持すように構成された真空チャンバと、真空チャンバに結合された凝縮前駆体システムと、を含み、真空ポンプは、貯蔵リザーバを真空引きして、貯蔵リザーバ内の1つ以上の揮発性汚染物質の蒸気圧の蓄積を低減し、それによって、基板上への凝縮前駆体の凝縮中の基板上への1つ以上の汚染物質の堆積を低減するように構成されている。凝縮前駆体は、ハフニウム又はオスミウムを含む遷移金属中心を含むことができる。関連する堆積層及びキャップ層が開示される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
方法であって、
荷電粒子ビーム顕微鏡の真空チャンバ内に基板を配置することであって、前記基板が、極低温に保持される、配置することと、
るつぼ内に貯蔵された凝縮前駆体を前記極低温で前記基板上に堆積させることであって、前記堆積された凝縮前駆体が、前記基板上に堆積層を形成する、堆積させることと、を含む、方法。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記堆積させることが、遷移金属を含む化合物を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記堆積させることが、オスミウム又はハフニウム金属中心を含む化合物を堆積させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記堆積させることが、ビス-シクロペンタジエニルオスミウムを含む化合物を堆積させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記堆積させることが、シクロペンタジエニルジメチルハフニウムを含む化合物を堆積させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記基板を配置することが、ウォータアイスを含むガラス化試料を含む基板を配置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記凝縮前駆体を堆積させることが、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)よりも低い蒸気圧を有する凝縮前駆体を堆積させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記凝縮前駆体を堆積させることが、前記るつぼ内に貯蔵されたバルク材料から凝縮前駆体を堆積させることを含み、前記バルク材料が、前記凝縮前駆体の蒸気圧よりも高いそれぞれの蒸気圧を有する1つ以上の汚染揮発性化学物質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記凝縮前駆体を堆積させる前に、前記るつぼ内に貯蔵された前記バルク材料に真空を適用することを更に含み、真空源が、前記真空チャンバのものとは異なり、前記るつぼ内の気相に位置する揮発性汚染性化学物質のうちの1つ以上を除去して、前記堆積層内に存在する前記揮発性汚染性化学物質の量を低減させる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記凝縮前駆体を堆積させる前に、選択された持続時間又は開放持続時間にわたって、前記真空が適用される、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この分野は電子顕微鏡法であり、特に極低温電子顕微鏡法である。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
極低温電子顕微鏡法(クライオEM)は、試料が冷却され極低温で分析される技術の拡大分野である。より冷却された温度は、撮像及び他の処理中に様々な構造の完全性が維持されることを可能にする。具体的には、クライオEMは、試料分解が起こり得る前に生物学的試料の詳細な撮像及び分析を可能にする。例えば、クライオ条件下で動作させることにより、FIB/SEMデュアルビームシステムなどの荷電粒子顕微鏡の真空環境において生物学的組織(多くの水を含む)の検査を可能にすることができる。概して、水和された試料は、水の脱離が起こりやすいため、真空に適合しない。このような試料を荷電粒子顕微鏡で処理して撮像するためには、水が蒸発するのを防止するために試料を凍結しなければならず、水が蒸発すると、機器の真空システムに有害であり、試料に歪み及び損傷を引き起こす。凍結の代替法は、試料を脱水し、それらをFIB/SEM機器に装填する前にプラスチック樹脂に埋め込むことである。しかしながら、そのような侵襲的プロセスは、微細な生物学的構造をかき乱す可能性があるという懸念がある。クライオ条件下での動作は、試料をより自然な状態に維持し、クライオ条件は、SEM撮像中に試料が劣化しにくくすることがある。残念ながら、このような劣化は、極低温であっても起こることが多く、その結果、撮像が成功しないか、又は品質がより低下する。
【0003】
したがって、極低温顕微鏡法に関する改善された技術が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
開示される技術の一態様によれば、方法は、荷電粒子ビーム顕微鏡の真空チャンバ内に基板を配置することであって、基板が、極低温に保持される、配置することと、るつぼ内に貯蔵される凝縮前駆体を極低温で基板上に堆積させることであって、堆積された凝縮前駆体が、基板上に堆積層を形成する、堆積させることと、を含む。いくつかの例では、堆積させることが、遷移金属を含む化合物を堆積させることを含む。いくつかの例では、堆積させることが、オスミウム又はハフニウム金属中心を含む化合物を堆積させることを含む。いくつかの例では、堆積させることが、ビス-シクロペンタジエニルオスミウムを含む化合物を堆積させることを含む。いくつかの例では、堆積させることが、シクロペンタジエニルジメチルハフニウムを含む化合物を堆積させることを含む。いくつかの例では、基板を配置することが、ガラス化試料を含む基板を配置することを含み、ガラス化試料が、ウォータアイスを含む。いくつかの例では、凝縮前駆体を堆積させることが、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)よりも低い蒸気圧を有する凝縮前駆体を堆積させることを含む。いくつかの例では、凝縮前駆体を堆積させることが、るつぼ内に貯蔵されたバルク材料から凝縮前駆体を堆積させることを含み、バルク材料が、凝縮前駆体の蒸気圧よりも高いそれぞれの蒸気圧を有する1つ以上の汚染揮発性化学物質を含む。いくつかの例は、凝縮前駆体を堆積させる前に、るつぼ内に貯蔵されたバルク材料に真空を適用することを更に含み、真空源が、真空チャンバのものとは異なり、るつぼ内の気相に位置する揮発性汚染性化学物質のうちの1つ以上を除去して、堆積層内に存在する揮発性汚染性化学物質の量を低減させる。いくつかの例では、凝縮前駆体を堆積させる前に、選択された持続時間又は開放持続時間にわたって真空が適用される。いくつかの例では、凝縮前駆体を堆積させることが、凝縮前駆体が真空チャンバ内の極低温に対して上昇した温度で貯蔵された状態で、凝縮前駆体が気相でるつぼからチャンバに流れ、極低温に応答して、基板上で凝縮することを可能にするように弁を開くことを含む。いくつかの例では、堆積させることが、50~70℃の範囲の温度に保持された凝縮前駆体のるつぼから-150~-180℃の範囲の極低温で基板上に凝縮前駆体を堆積させることを含む。いくつかの例では、極低温で凝縮前駆体を堆積させてキャップ層を形成することが、導電性キャップ層を形成することを含む。いくつかの例では、凝縮前駆体を堆積させることが、形成される堆積層の制御可能な厚さに関連する制御された持続時間にわたって凝縮前駆体を真空チャンバ内に放出することを含む。いくつかの例では、形成される堆積層の厚さに関連する持続時間にわたって凝縮前駆体を真空チャンバ内に放出することが、約2~20nm/秒の凝縮厚さ成長速度で凝縮前駆体を放出することを含む。いくつかの例は、堆積層の形成中に荷電粒子ビームが凝縮前駆体を部分的に分解するように、凝縮前駆体の堆積中に電子ビーム又はイオンビームを基板に方向付けることを更に含む。いくつかの例は、形成された堆積層にイオンビームを方向付けて、堆積層及び基板の一部をミリングし、分析のために切断面を露出させることを更に含む。いくつかの例は、堆積中に形成される堆積層の厚さを制御し、ミリングのエッチング速度を制御することによって、ミリングに関連するカーテニングアーチファクトを低減することを更に含む。いくつかの例では、荷電粒子ビーム顕微鏡は、電子ビームカラム及びイオンビームカラムを備える。
【0005】
開示される技術の別の態様によれば、装置であって、基板を支持するように構成された真空チャンバと、真空チャンバに結合された凝縮前駆体システムと、を備え、凝縮前駆体システムが、バルク前駆体凝縮材料を貯蔵リザーバ内に貯蔵するように構成された貯蔵るつぼであって、バルク前駆体凝縮材料は、凝縮前駆体及び1つ以上の揮発性汚染物質を含む、貯蔵るつぼと、貯蔵リザーバに結合され、かつ凝縮前駆体の気相を真空チャンバ内に放出して、基板上に凝縮させるように構成された真空チャンバ出口弁と、少なくとも1つの真空ポンプと、真空ポンプに結合された真空弁と、真空弁を介して貯蔵リザーバを真空ポンプに結合するフィードスルーと、を含み、真空ポンプが、貯蔵リザーバを真空引きして、貯蔵リザーバ内の1つ以上の揮発性汚染物質の蒸気圧の蓄積を低減し、それによって、基板上への凝縮前駆体の凝縮中の基板上への1つ以上の汚染物質の堆積を低減するように構成されている。装置はまた、上及び下で説明される方法を実行するように構成された任意の装置を含むことができる。
【0006】
開示される技術の別の態様によれば、導電性試料キャップ層が、凝縮前駆体を含み、凝縮前駆体が、遷移金属中心を含み、前駆体の気相が、白金中心を有する対応する前駆体の気相の蒸気圧よりも低い蒸気圧を有する。例示的なキャップ層は、本明細書で説明される装置及び/又は方法を用いて形成され得る。
【0007】
開示される技術の別の態様によれば、前駆体が、ハフニウム又はオスミウムを含む遷移金属中心を含む。
【0008】
開示される技術の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して進められる以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
例示的な荷電粒子ビーム装置の概略図である。
例示的なパージ装置の概略図である。
るつぼ貯蔵容器をパージするため及び/又は保護キャップ層を形成するために使用され得る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
キャップ層は、集束イオンビームによるミリングの前に試料上に形成することもできる。それらの機能は、試料の最上面をイオンビーム損傷から保護し、FIBによるよりきれいな断面切断を可能にすることであり得る。室温用途では、保護キャップは、タングステンヘキサカルボニル又はトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)などのガス化学物質のイオンビーム誘起分解によって堆積される。しかしながら、以下で更に考察されるように、極低温では、これらのガス前駆体は、イオンビーム誘起分解を必要とせずに、試料の表面上で無差別に凝縮することが分かっている。このような凝縮物膜は、ビーム堆積膜とは非常に異なる特性を有し、カーテニングアーチファクトなどの様々な問題の影響を受けやすく、クライオEM試料調製プロセスにおいて回避される傾向がある。
(【0011】以降は省略されています)

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