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公開番号2024089052
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2022204172
出願日2022-12-21
発明の名称逆入力遮断クラッチ
出願人日本精工株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16D 41/08 20060101AFI20240626BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】従来技術と比較して製造コストを低減しつつ、耐久性を向上できる逆入力遮断クラッチを提供する。
【解決手段】逆入力遮断クラッチは、ハウジングと、入力部材と、出力部材と、一対の係合子5と、弾性部材6と、を備える。弾性部材6は、出力部材と係合子5との間で弾性的に挟持され、係合子5が被押圧面に近づくように係合子5を第一方向D1の外側に向かって付勢する。弾性部材6は、出力部材と当接する出力部材当接部61と、出力部材当接部61よりも第一方向D1の外側に位置し、係合子5と当接する係合子当接部62と、係合子5よりも軸方向の外側に位置して係合子5を軸方向に挟むように配置される軸方向移動規制部63と、係合子5の出力側被係合部56を第二方向D2に挟むように配置される第二方向移動規制部64と、を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
内周面に被押圧面を有するハウジングと、
前記被押圧面よりも径方向の内側に設けられた入力側係合部を有し、前記被押圧面と同軸に配置される入力部材と、
前記被押圧面よりも前記径方向の内側かつ前記入力側係合部よりも前記径方向の内側に配置された出力側係合部を有し、前記被押圧面と同軸に配置される出力部材と、
前記被押圧面に対向する押圧面、前記入力側係合部と係合可能な入力側被係合部、及び前記出力側係合部と係合可能な出力側被係合部を有し、前記径方向に沿う第一方向に互いに相対移動可能な一対の係合子と、
を備え、
前記第一方向は前記一対の係合子の近接離間方向と一致する方向であり、
前記入力部材に回転力が入力されると、一対の前記係合子は、前記入力側係合部と前記入力側被係合部との係合に基づいて、前記第一方向の内側に向かって互いに近づくように移動し、かつ前記出力側係合部と前記出力側被係合部との係合に基づいて、前記回転力を前記出力部材に伝達し、
前記出力部材に回転力が逆入力されると、一対の前記係合子は、前記出力側係合部と前記出力側被係合部との係合に基づいて、前記第一方向の外側に向かって互いに離間するように移動し、前記被押圧面と前記押圧面とを摩擦係合させ、
前記出力部材と前記係合子との間で弾性的に挟持され、前記係合子が前記被押圧面に近づくように前記係合子を前記第一方向の外側に向かって付勢する弾性部材を備え、
前記弾性部材は、
前記出力部材と当接する出力部材当接部と、
前記出力部材当接部よりも前記第一方向の外側に位置し、前記係合子と当接する係合子当接部と、
前記係合子よりも前記被押圧面の軸方向の外側に位置して前記係合子を前記軸方向に挟むように配置される軸方向移動規制部と、
前記係合子の前記出力側被係合部を、前記第一方向及び前記軸方向と直交する第二方向に挟むように配置される第二方向移動規制部と、
を有する、
逆入力遮断クラッチ。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記弾性部材は、前記出力部材当接部が設けられる第一の段と、前記係合子当接部が設けられる第二の段と、前記第二方向移動規制部が設けられる第三の段と、を有する3段に屈曲された板バネである、
請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項3】
前記軸方向移動規制部は、前記係合子当接部よりも前記第一方向の外側かつ前記第二方向の外側に位置し、
前記第二方向移動規制部は、前記係合子当接部よりも前記第一方向の外側かつ前記第二方向の外側に位置する、
請求項1又は請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記出力部材当接部と同じ面において前記弾性部材を厚み方向に貫通し、かつ前記軸方向に沿う幅が前記係合子の前記軸方向に沿う幅より大きく形成された第一貫通孔を有し、
前記出力部材当接部は、前記第一貫通孔に対して前記軸方向の両側に設けられている、
請求項1又は請求項2に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記第一貫通孔に対して前記第二方向の両側に設けられて前記弾性部材を厚み方向に貫通するとともに、前記軸方向に沿う幅が前記係合子の前記軸方向に沿う幅より大きく形成された一対の第二貫通孔を有し、
前記一対の第二貫通孔には前記係合子の前記第二方向における両端部がそれぞれ挿入されており、
前記係合子当接部は、前記第二方向において前記第一貫通孔と前記第二貫通孔との間に設けられており、
前記軸方向移動規制部は、前記第二貫通孔に対して前記軸方向の両側に設けられており、
前記第二方向移動規制部は、前記第二貫通孔よりも前記第二方向の外側に設けられている、
請求項4に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項6】
前記弾性部材は、前記出力部材当接部が設けられる第一の段と、前記係合子当接部が設けられる第二の段と、前記第一の段と前記第二の段とを接続する斜面と、を有する2段に屈曲された板バネである、
請求項1に記載の逆入力遮断クラッチ。
【請求項7】
前記弾性部材は、前記弾性部材を厚み方向に貫通するとともに、前記弾性部材の正面視において前記第一の段から前記斜面を経て前記第二の段までに亘って連続して設けられた貫通孔を有する、
請求項6に記載の逆入力遮断クラッチ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、逆入力遮断クラッチに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、駆動源などの入力機構に接続される入力部材と、減速機などの出力機構に接続される出力部材と、を備え、入力部材から出力部材への回転力の伝達を許可するとともに出力部材から入力部材への回転力の逆入力を遮断する逆入力遮断クラッチの構成が知られている。これらの逆入力遮断クラッチでは、逆入力遮断クラッチの性能を向上するための技術が種々提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、被押圧面を有する被押圧部材と、被押圧面の径方向内側において互いに同軸に設けられた入力部材及び出力部材と、正面視で入力部材及び出力部材の間に介在し、径方向に移動可能な一対の係合子と、を有する逆入力遮断クラッチの構成が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、出力部材に回転力が逆入力されると、係合子と出力部材との係合に基づき係合子が被押圧面に近づく方向に移動して被押圧面と摩擦係合することにより、出力部材に逆入力された回転力を遮断できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2019/026794号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の従来技術においては、組み立て作業性及び逆入力遮断クラッチの動作性を確保する観点から、入力部材及び出力部材のいずれにも回転力が入力されていない中立状態で、出力部材と係合子との間に隙間が設けられている。このため、隙間に起因したがたつきが生じ、騒音や振動が発生するおそれがあった。
【0006】
このような課題への対策として、例えば出力部材と係合子との間に弾性部材を配置する方法がある。弾性部材は、係合子を径方向の外側(押圧面側)に向かって弾性的に押し付ける。これにより逆入力遮断クラッチのがたつきを抑制することができる。また、弾性部材により係合子が常に径方向の外側に押し付けられるので、出力部材に回転力が逆入力された場合に係合子を確実に押圧面に押圧させることができる。よって、逆入力をより効果的に遮断できる点においても、弾性部材を設けるメリットがある。
【0007】
図6は、従来技術における弾性部材906を有する逆入力遮断クラッチ901の一例を示す図である。図7は、図6に示す従来技術における逆入力遮断クラッチ901の正面図である、図8は、図7のVIII部拡大図及びその下面図である。従来技術にあっては、例えば図6及び図7に示すように、係合子905の底面952に、弾性部材906である板バネを固定するために一対の凸部981が設けられている。
【0008】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、係合子905の底面952の中央部において出力部材を係合させるため、一対の凸部981の間に凹部982が設けられる。一対の凸部981の間に凹部982を形成する必要があるため、特に底面952における係合子905の精度が出し難く、また加工の手間がかかることにより加工コストが増加するおそれがあった。さらに、図7及び図8に示すように、凸部981を用いて弾性部材906の位置決めをする従来技術にあっては、凸部981の基端部に隅部Rが存在するので、この隅部Rに弾性部材906が乗り上げることにより、設計時の想定位置と比べて弾性部材906が係合子905から離間した位置(図8に示す例では、係合子905の底面952に対して下方に離間した位置)に配置される場合がある。弾性部材906が係合子905から離間した位置に配置されると、弾性部材906に作用するバネ荷重が想定値よりも大きくなる。その結果、弾性部材906が劣化し易くなり、弾性部材906の耐久性が低下するおそれがあった。
したがって、従来技術においては、逆入力遮断クラッチの製造に係るコストを低減しつつ、各構成部品(特に弾性部材)の耐久性を向上する点において改善の余地があった。
【0009】
そこで、本発明は、従来技術と比較して製造コストを低減しつつ、耐久性を向上できる逆入力遮断クラッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係る逆入力遮断クラッチは、内周面に被押圧面を有するハウジングと、前記被押圧面よりも径方向の内側に設けられた入力側係合部を有し、前記被押圧面と同軸に配置される入力部材と、前記被押圧面よりも前記径方向の内側かつ前記入力側係合部よりも前記径方向の内側に配置された出力側係合部を有し、前記被押圧面と同軸に配置される出力部材と、前記被押圧面に対向する押圧面、前記入力側係合部と係合可能な入力側被係合部、及び前記出力側係合部と係合可能な出力側被係合部を有し、前記径方向に沿う第一方向に互いに相対移動可能な一対の係合子と、を備え、前記第一方向は前記一対の係合子の近接離間方向と一致する方向であり、前記入力部材に回転力が入力されると、一対の前記係合子は、前記入力側係合部と前記入力側被係合部との係合に基づいて、前記第一方向の内側に向かって互いに近づくように移動し、かつ前記出力側係合部と前記出力側被係合部との係合に基づいて、前記回転力を前記出力部材に伝達し、前記出力部材に回転力が逆入力されると、一対の前記係合子は、前記出力側係合部と前記出力側被係合部との係合に基づいて、前記第一方向の外側に向かって互いに離間するように移動し、前記被押圧面と前記押圧面とを摩擦係合させ、前記出力部材と前記係合子との間で弾性的に挟持され、前記係合子が前記被押圧面に近づくように前記係合子を前記第一方向の外側に向かって付勢する弾性部材を備え、前記弾性部材は、前記出力部材と当接する出力部材当接部と、前記出力部材当接部よりも前記第一方向の外側に位置し、前記係合子と当接する係合子当接部と、前記係合子よりも前記被押圧面の軸方向の外側に位置して前記係合子を前記軸方向に挟むように配置される軸方向移動規制部と、前記係合子の前記出力側被係合部を、前記第一方向及び前記軸方向と直交する第二方向に挟むように配置される第二方向移動規制部と、を有する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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