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公開番号2024084701
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-25
出願番号2023194781
出願日2023-11-16
発明の名称アセチレンを供給するシステム及び方法
出願人レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
代理人個人,個人
主分類B01J 4/00 20060101AFI20240618BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】アセチレンを安定に供給するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】システムは、少なくとも1つのアセチレン貯蔵装置1,2と、検出モジュール5と、ガス希釈モジュール4と、ガス供給調整モジュールとを備える。アセチレン貯蔵装置から出力される原料ストリームを特定の比率で希釈ガスと混合することによって、光イオン化検出器を使用して原料ストリーム中の溶剤含有量をうまく検出する。このリアルタイムの連続的な検出方法によって、下流プロセスへのアセチレンの安定供給が保証される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アセチレンを供給するシステムであって:
アセチレン及び溶剤を含む原料ストリームを供給する少なくとも1つのアセチレン貯蔵装置と;
前記原料ストリームの一部をある比率に従って希釈ガスと均一に混合し、測定される混合ガスを得るためのものであり、均圧装置、濾過装置、流量調整装置、及び予備混合装置を備えたガス希釈モジュールと;
光イオン化検出器及び制御ユニットを備え、測定される前記混合ガスが前記光イオン化検出器に入り、励起によってイオン化され、測定信号を生成し、前記制御ユニットは、前記光イオン化検出器からの前記測定信号に基づいて溶剤濃度を計算し、溶剤濃度プリセット値と比較し、制御信号を出力するように構成された検出モジュールと;
電磁弁、圧力トランスミッタ及び流量センサを備え、これら全てが前記制御ユニットに電気的に接続されており、前記電磁弁は各アセチレン貯蔵装置を交換するために使用され、前記圧力トランスミッタは各アセチレン貯蔵装置によって出力される前記原料ストリームの圧力を検出するために使用され、前記流量センサはアセチレンを使用する装置に供給される原料ストリームの流量を検出するために使用される、ガス供給調整モジュールと
を備えることを特徴とするシステム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ガス希釈モジュールにおいて、前記原料ストリームの前記一部に対する前記希釈ガスの体積比は50以上、好ましくは60以上であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アセチレン貯蔵装置は、アセチレンボンベ又はアセチレンボンベのセットであることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ガス希釈モジュール内の前記均圧装置は、前記原料ストリームの前記一部の圧力を調整する第1の圧力調整器と、前記希釈ガスの圧力を調整する第2の圧力調整器とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の圧力調整器は、前記ガス希釈モジュールに入る前記原料ストリームの前記一部の圧力を0.5kg未満に減少させることを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の圧力調整器は、前記ガス希釈モジュールに入る前記希釈ガスの圧力を0.5kg未満に減少させることを特徴とする、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
アセトン濃度-応答電圧の線形特性式が前記制御ユニットに格納されていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ガス希釈モジュール内の前記流量調整装置は、前記原料ストリームの前記一部の流量を調整する第1の流量調整装置と、前記希釈ガスの流量を調整する第2の流量調整装置とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
アセチレンを供給するために請求項1~8のいずれか一項に記載のシステムを使用する方法であって:
(1)アセチレン及び溶剤を含む原料ストリームを供給する少なくとも1つのアセチレン貯蔵装置を提供するステップと;
(2)前記原料ストリームの一部をある比率に従って希釈ガスと混合し、測定される混合ガスを得るガス希釈モジュールを提供するステップと;
(3)測定される前記混合ガスが光イオン化検出器に入り、励起によってイオン化され、測定信号を生成し、制御ユニットが前記測定信号を受信し、前記原料ストリーム中の溶剤濃度を計算し、対応する制御信号を出力する、検出モジュールを提供するステップと;
(4)前記制御信号を受信し、前記アセチレン貯蔵装置のスイッチを制御するガス供給調整モジュールを提供するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
ステップ(3)では、線形特性式が前記制御ユニットに書き込まれ、前記原料ストリーム中の前記溶剤濃度は前記測定信号及び前記線形特性式に基づいて計算されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本出願は、成分含量測定法の分野に属し、アセチレンを供給するシステム及び方法に関する。特に、本出願は、制御可能な溶剤含有量を含むアセチレンを安定的且つ連続的に供給するシステム及び方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
重要な工業用ガスとして、アセチレンは、切断、溶接、及び熱処理の分野で幅広い用途がある。低圧浸炭の分野を例にとると、これは非常に低い圧力(7~13mbar)での浸炭に関与する。加工品は、炭素原子が加工品の表面層に浸透するように、ある温度で活性炭素原子を含有する媒体中に置かれる。これにより、加工品の表面層は十分に高い硬度、耐摩耗性、及び耐疲労性を獲得する。アセチレンは、低圧浸炭プロセスに最も適した浸炭媒体である。
【0003】
アセチレンは非常に広い燃焼範囲を持つ。アセチレンの燃焼性下限(LFL)は2.4%であるが、燃焼性上限(UFL)は83%である。アセチレンの熱的不安定性により、アセチレンの貯蔵には多くの課題がある。このため、アセチレンは一般的に、特定の要件のアセチレンボンベ内で貯蔵される。アセチレンボンベの内部は、一定の多孔性の多孔質充填媒体で満たされ、その中に溶剤が分散されている。アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、及びN-メチルピロリドン(NMP)は、そのアセチレンを可溶化する能力故にアセチレンを溶解するための一般的な溶剤である。これらの溶剤は比較的低い圧力で多量のアセチレンを吸収することができるため、低圧ボンベにアセチレンを入れることが可能である。溶剤は、多孔質充填媒体の孔内及び多孔質充填媒体の周囲に分散している。
【0004】
DMF及びNMPは健康へのリスクがあるため、アセトンが現在中国で一般的に使用されている主な溶剤である。アセトンの沸点はわずか56.53℃であるため、非常に揮発しやすい。アセトンの蒸気はアセチレンボンベから出ることがあるため、必然的にアセチレンと一緒に送達される。アセチレンボンベ内のアセチレンが徐々に消費されると、アセチレンに混入するアセトンの割合が非常に高くなる。このようにして、アセトンはアセチレン中の混入物質となり、最終的には成膜速度及び膜の均一性を低下させる。
【0005】
溶剤含有量をリアルタイムで監視する効果的な方法がないため、使用者は、しばしば経験に頼り、ボンベ内のアセチレン残圧が経験的な値まで低下したときに新しいアセチレンボンベに交換する。アセトン-アセチレンボンベの場合、下流プロセスにアセトン溶剤が入り過ぎるのを防止するために、ボンベ圧力が約6barを示したときにボンベを交換するように一般的には勧められる。しかし、アセチレンボンベ内の溶剤の含有量には多くの要因が影響するため、前述のアセチレンガス残圧の推定方法の正確さは十分ではない。推定値が低過ぎると、やはり下流プロセスに多量の溶剤が入ることが避けられず、これは望ましくない。推定値が高過ぎる場合、アセチレンボンベの頻繁な交換は非常に不経済である。
【0006】
(特許文献1)を有する米国特許は、加工デバイスに高純度アセチレンを供給する方法を開示している。この方法は、吸着媒体を含む吸着床を提供し、吸着媒体は、少なくとも、水分を選択的に除去することができる第1の吸着媒体、溶剤を選択的に除去することができる第2の吸着媒体、及び二酸化炭素を選択的に除去することができる第3の吸着媒体などを少なくとも備える。このようにして、高純度のアセチレンを供給するために、貯蔵容器から排出されるアセチレン中の水分、溶剤、及び二酸化炭素の濃度は低減される。しかし、この方法の欠点は、吸着媒体を再生するために非常に多量のエネルギーを消費する必要があることである。さらに、吸着媒体を再生するプロセスで溶剤を除去する必要があり、その後の再装填プロセスでさらに溶剤を消費しなければならない。
【0007】
(特許文献2)の中国発明特許出願は、アセチレンを使用する装置にアセチレンを供給するシステム及び方法を開示したものである。この装置では、アセチレン中の溶剤濃度を検出するためにGC-FID(ガスクロマトグラフィ-フレームイオン化検出器)又はフーリエ変換赤外分光法(FTIR)が使用されている。しかし、GC-FIDは非連続測定法であるため、連続的なリアルタイム測定結果を得ることができない。一方、FTIRは動作条件が非常に厳しく、コストが非常に高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
米国特許第8398747B号明細書
中国特許出願公開第113719748A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に鑑みて、本出願人は、アセチレンボンベ内のアセチレン純度又は溶剤含有量を正確に示すためにアセチレンボンベ内の溶剤含有量をリアルタイムで監視することができ、それによって先行技術の欠点を解消することができる、アセチレンを供給するシステム及び方法を研究したいと考えている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題を解決するために、本出願人は、アセチレンの安定的且つ確実な供給を実現するために、アセチレンボンベ内の溶剤含有量を検出するための、リアルタイムで連続的且つ容易に実施可能な方法を見出したいと考えている。
(【0011】以降は省略されています)

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