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公開番号2024080008
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022192813
出願日2022-12-01
発明の名称人の思考支援システム
出願人トヨタ自動車株式会社,個人
代理人個人,個人
主分類G06Q 50/10 20120101AFI20240606BHJP(計算;計数)
要約【課題】 人の思考プロセスを物事を深く思考する熟考状態へ誘導することのできる人の思考支援システムを提供する。
【解決手段】 人の思考支援システム1は、支援の対象者Pに、覚醒と快の情動を起こさせる視覚的刺激を与える刺激付与手段2を含む。覚醒と快の情動を起こさせる視覚的刺激は、ラッセルの円環モデルに於ける第一象限に属する情動を惹起する画像等の刺激であってよい。覚醒と快の情動を起こさせる視覚的刺激は、対象者に於ける呼吸状態などの物理的に検出された生理状態に基づいて対象者の思考プロセスがシステム2でないと推定されるときに、対象者に与えられてよい。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
人の思考支援システムであって、思考プロセスを熟考状態に誘導する支援の対象者に認識可能な態様にて、前記対象者に於いて覚醒と快の情動を起こさせる視覚的刺激を提示する刺激提示手段を含むシステム。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
請求項1のシステムであって、前記刺激提示手段が、前記対象者に於いて物理的に検出された生理状態に基づいて前記対象者の思考プロセスが前記熟考状態でないと推定されるときに、前記視覚的刺激を提示するよう構成されたシステム。
【請求項3】
請求項2のシステムであって、前記対象者に於いて物理的に検出された前記生理状態が前記対象者に於いて計測された呼吸状態であるシステム。
【請求項4】
請求項1のシステムであって、前記刺激提示手段が、前記システムの利用に先立って複数の人について各人毎に予め調べられた思考プロセスを熟考状態に誘導する前記視覚的刺激を記録し、前記複数の人のうちの一の対象者の前記支援の実行時には、前記一の対象者の認識可能な態様にて、前記一の対象者に対して記録された前記視覚的刺激を提示するよう構成されたシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかのシステムであって、前記覚醒と快の情動を起こさせる視覚的刺激がラッセルの円環モデルに於ける第一象限に属する画像であるシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、人の思考活動を支援するシステムに係り、より詳細には、人に視覚的な刺激を与えることで、人の思考プロセスの変化を誘導するシステムに係る。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
機械を用いて、人の思考活動の支援を試みる構成が種々提案されている。例えば、特許文献1に於いては、利用者の視野を一定範囲に制限した上で、利用者毎の思考テーマデータを一定範囲に表示して、その思考テーマデータを利用者に集中的に思考させるように視認させる構成が提案されている。特許文献2では、対象者の目標に応じた行動変容を促すべく、そのための、対象者に認知可能な認知的刺激が、目標に係る情報である目標情報と対象者の精神・心理状態、思考・行動傾向又は性格特徴に係る情報とを用いて構築された認知的刺激生成モデルによって生成される刺激情報生成装置の構成が提案されている。
【0003】
ところで、これまでの人の思考状態に関する研究に於いて、人の思考プロセスには、システム1(System1)の状態と、システム2(System2)の状態との2つに分類されることが見出されている。概して述べれば、システム1の思考プロセスは、直近の経験のみを行動に反映、直感型、速い、並列処理といった特徴を有する状態であり、モデルフリー型強化学習若しくはモデルフリー方策のプロセスとしてモデリングされる。システム2の思考プロセスは、過去の経験や確率から行動を決定、論理型、逐次処理といった特徴を有する状態であり、モデルベース型強化学習若しくはモデルベース方策のプロセスとしてモデリングされる。そして、実際の人は、状況に応じて、二つの状態の思考プロセスを使い分け、或いは、並行して用いていると考えられている。この点に関し、例えば、非特許文献1、2に於いては、人がモデルフリー型(システム1)とモデルベース型(システム2)とのいずれの思考プロセスを主に用いて行動しているかを調べる方法として、人(被験者)に二段階マルコフ決定課題と称される二段階の選択課題を実行させ、その課題に於ける選択行動の結果から、行動時の思考プロセスに於けるモデルフリー型とモデルベース型とのバランスを計測する方法が提案されている。また、非特許文献3では、人(被験者)に、嫌悪感情を起こさせる画像(嫌悪刺激)を見せながら、二段階マルコフ決定課題を実行させた場合、モデルベース型強化学習の状態には変化が見られないが、モデルフリー型強化学習の状態では、嫌悪刺激が罰に対する回避学習を促進させる一方、報酬条件での学習能が低下したことが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-234011
特開2022-020942
【非特許文献】
【0005】
Daw ND, et al, “Model-based influences on humans' choices and striatal prediction errors.” Neuron. 2011; 69: 1204-15. doi: 10.1016/j.neuron.2011.02.027 PMID:21435563
Kool W. et al, “When Does Model-Based Control Pay Off?” PLOS Computational Biology, 12(8): e1005090. doi:10.1371/journal. pcbi.1005090, August 26, 2016
Sebold1 M, et al, “Reward and avoidance learning in the context of aversive environments and possible implications for depressive symptoms”, Psychopharmacology (2019) 236:2437-2449 https://doi.org/10.1007/s00213-019-05299-9
Kurdi B., et al., “Introducing the Open Affective Standardized Image Set (OASIS)” Bechav Res(2017) 49:457-470 DOI10.3758/s13428-016-0715-3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願出願人は、特願2021-093056に於いて、人の日常環境下で計測可能な呼吸情報を用いて、人の思考プロセスが直感的であるモデルフリー型の思考プロセスの状態にあるか或いは論理的であるモデルベース型の思考プロセスの状態にあるかを推定する思考状態推定装置の構成を提案した。
【0007】
上記の如き人の思考プロセスの状態に関して、本発明の発明者等の更なる研究に於いて、後に詳細に説明される如く、人に高覚醒・快を想起させる視覚的刺激を与えた場合、それ以外の視覚的刺激を与えた場合よりも、その人の思考プロセスが、システム2の状態に偏ることが見出された。即ち、人に物事を深く思考させたいとき或いは人が物事を深く思考したいときに、その人に、高覚醒・快を想起させる視覚的刺激が提示される構成によれば、その人の思考プロセスをシステム2へ誘導できることとなる。本発明に於いては、この知見が利用される。
【0008】
かくして、本発明の課題は、人の思考支援システムであって、人の思考プロセスを上記のシステム2の状態、即ち、物事を深く思考する状態へ誘導することのできるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、上記の課題は、人の思考支援システムであって、思考プロセスを熟考状態に誘導する支援の対象者に認識可能な態様にて、前記対象者に於いて覚醒と快の情動を起こさせる視覚的刺激を提示する刺激提示手段を含むシステムによって達成される。
【0010】
上記の構成に於いて、「熟考状態」とは、物事を深く思考する状態であり、「思考プロセスを熟考状態に誘導する支援」とは、上記の如き、モデルベース型強化学習若しくはモデルベース方策のプロセスにモデリングされる状態に誘導する支援、即ち、過去の経験や確率から行動を決定、論理型、逐次処理といった特徴を有するシステム2の状態に誘導する支援である。「視覚的刺激」とは、人である対象者が視覚的認識可能な画像であり、「視覚的刺激を提示する」とは、画像を対象者の認識可能な態様にて表示することであってよい。従って、「前記対象者に於いて覚醒と快の情動を起こさせる視覚的刺激」とは、それを提示された人に覚醒の感覚と快い感覚とを起こさせる任意の画像であってよい。なお、覚醒と快の情動を起こさせる視覚的刺激は、具体的には、ラッセルの感情円環モデル(人の情動が、快-不快の程度を表す横軸線と覚醒-沈静の程度を表わす縦軸線とで規定される2次元の平面に於ける円環上に配置されるとしたモデル)の第一象限に属する情動を惹起する画像であってよい。また、覚醒と快の情動を起こさせる画像には、非特許文献4に於いて、ラッセルの感情円環モデルの第一象限に属する情動を惹起する画像として見出されている画像が用いられてよい。「刺激提示手段」は、典型的には、上記の如き画像を表示する表示器であってよい。
(【0011】以降は省略されています)

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