特許ウォッチ

公開番号2024079962
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022192704
出願日2022-12-01
発明の名称薬剤分配方法および薬剤分配機
出願人大日本印刷株式会社
代理人弁理士法人東京UIT国際特許
主分類A61J 3/00 20060101AFI20240606BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】薬剤の包装と流通をよりシンプルにする。
【解決手段】RFIDタグを備える分配元薬剤容器に複数個の同一種類の薬剤が充填され,充填後,分配元薬剤容器の開口部がキャップによって封緘される(ステップ31,32)。RFIDタグには,充填される薬剤の薬剤管理情報(薬剤名,医薬品コード等)が記録される。分配元薬剤容器は医療機関,薬局等に設置されている薬剤分配機にそのまま接続(装着)される(ステップ51)。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項１】
情報記録可能な情報記録部を備える分配元薬剤容器に複数個の同一種類の薬剤を充填し，
上記分配元薬剤容器の開口部をキャップまたはシールによって封緘し，
上記分配元薬剤容器に充填される上記薬剤の薬剤管理情報を表すデータを，上記分配元薬剤容器が備える上記情報記録部に記録しまたは上記情報記録部に記録される分配元薬剤容器の識別情報に関連付けてネットワーク接続可能なサーバの記憶部に記録し，
上記分配元薬剤容器の開口部からキャップまたはシールを取り外し，
上記分配元薬剤容器から分配先薬剤容器に上記薬剤を小分けに分配する薬剤分配機に上記分配元薬剤容器を接続する，
薬剤分配方法。
続きを表示（約 1,200 文字）【請求項２】
上記分配元薬剤容器に上記薬剤を充填する工場からの上記分配元薬剤容器の出荷日時情報を，上記分配元薬剤容器が備える情報記録部に記録する，または上記情報記録部に記録される分配元薬剤容器別情報に関連付けて上記サーバの記憶部に記録する，
請求項１に記載の薬剤分配方法。
【請求項３】
上記薬剤分配機を備える施設における上記分配元薬剤容器の入荷日時情報を，上記分配元薬剤容器が備える情報記録部に記録する，または上記情報記録部に記録される分配元薬剤容器識別情報に関連付けてネットワーク接続可能なサーバの記憶部に記録する，
請求項１に記載の薬剤分配方法。
【請求項４】
上記薬剤分配機において上記分配元薬剤容器から上記薬剤が排出されたことに応じて，上記薬剤の排出数を，上記分配元薬剤容器が備える情報記録部に記録する，または上記情報記録部に記録される分配元薬剤容器別情報に関連付けて上記サーバの記憶部に記録する，
請求項１に記載の薬剤分配方法。
【請求項５】
処方箋データにしたがって上記薬剤分配機によって上記分配先薬剤容器に小分けに分配された薬剤の服用情報を上記分配先薬剤容器に記録する，
請求項１に記載の薬剤の分配方法。
【請求項６】
処方箋データにしたがって上記薬剤分配機によって上記分配先薬剤容器に小分けに分配された上記薬剤の製造番号を上記分配先薬剤容器に記録する，
請求項１に記載の薬剤分配方法。
【請求項７】
上記分配先薬剤容器を上記処方箋データにしたがって配送する，
請求項５または６に記載の薬剤分配方法。
【請求項８】
上記情報記録部が無線タグである，
請求項１に記載の薬剤分配方法。
【請求項９】
上記情報記録部が二次元コードである，
請求項１に記載の薬剤分配方法。
【請求項１０】
情報記録可能な情報記録部を備え，複数個の同一種類の薬剤が充填される分配元薬剤容器を装着するスロット，
上記情報記録部に記録される，または上記情報記録部に記録される分配元薬剤容器の識別情報に関連付けられてネットワーク接続可能なサーバの記憶部に記録される，上記分配元薬剤容器に充填された薬剤の薬剤管理情報を表すデータを取得する，薬剤管理情報取得手段，
上記分配元薬剤容器が上記スロットに装着された日時を上記情報記録部または上記サーバの記憶部に記録する装着日時記録手段，
上記分配元薬剤容器から上記薬剤が排出されたことに応じて上記情報記録部または上記サーバの記憶部に上記薬剤の排出数を記録する排出数記録手段，ならびに
処方箋データにしたがって上記スロットに装着されている上記分配元薬剤容器から分配先薬剤容器に上記薬剤を小分けに分配する分配手段，を備えている，
薬剤分配機。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
この発明は薬剤分配方法および薬剤分配機に関する。
続きを表示（約 1,700 文字）【背景技術】
【０００２】
製薬会社において製造される錠剤タイプの医薬品は，一般にはＰＴＰ（press through pack）包装シートによって一錠ずつ包装される。複数個の錠剤を含むＰＴＰ包装シートが所定数量（たとえば１００個）ずつ箱詰めされ，それがさらに所定箱数ずつ段ボール等に詰められ，医薬品卸業者に出荷される。医薬品卸業者は多数の錠剤が詰められた段ボール等を受け取り，医療機関や薬局の注文に応じて箱単位で錠剤を納品する。医療機関や薬局では箱からＰＴＰ包装シートを取り出し，処方箋にしたがって必要数量の錠剤を患者に渡す。
【０００３】
近年では，ＰＴＰ包装シートで複数回の服用分の錠剤を患者に渡すのではなく，一回の服用ごとに必要な種類および数量の錠剤を分包袋に分包して，その分包袋を患者に渡すことも行われている。分包機（薬剤払出装置）が用いられて，一回の服用ごとに錠剤を分包袋に分包する処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
ＷＯ２０１１／１０２４９１
【非特許文献】
【０００５】
https://wwwc.cao.go.jp/lib_024/kisei_wg/2201_03medical/220315/medical04_0107_ref01.html
【０００６】
特許文献１に開示されている薬剤払出装置は複数の薬剤カセットが装着され，薬剤カセットのそれぞれにあらかじめ多数の薬剤（錠剤）が収納される。ＰＴＰ包装シートから錠剤を取り出して薬剤カセットに移し替えなければならず，薬剤払出装置の多数の薬剤カセットのそれぞれについて錠剤を移し替えるのには時間がかかってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
この発明は薬剤の包装と流通をよりシンプルにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
この発明による薬剤分配方法は，情報記録可能な情報記録部を備える分配元薬剤容器に複数個の同一種類の薬剤を充填し，上記分配元薬剤容器の開口部をキャップまたはシールによって封緘し，上記分配元薬剤容器に充填される上記薬剤の薬剤管理情報を表すデータを，上記分配元薬剤容器が備える上記情報記録部に記録しまたは上記情報記録部に記録される分配元薬剤容器の識別情報に関連付けてネットワーク接続可能なサーバの記憶部に記録し，上記分配元薬剤容器の開口部からキャップまたはシールを取り外し，上記分配元薬剤容器から分配先薬剤容器に上記薬剤を小分けに分配する薬剤分配機に上記分配元薬剤容器を接続することを特徴とする。
【０００９】
この発明によると，製薬会社等において薬剤が充填される分配元薬剤容器が薬剤分配機にそのまま接続（装着）されるので，薬剤分配機が備える別容器に薬剤を移し替える必要がない。薬剤分配機への薬剤セット作業の効率化を図ることができ，薬剤の包装と通流をよりシンプルにすることができる。薬剤の移し替えのときに生じ得る異物混入も防ぐことができる。
【００１０】
分配元薬剤容器は情報記録可能な情報記録部を備える。一実施態様では，上記情報記録部が無線タグであり，この場合には情報記録部（無線タグ）に分配元薬剤容器に充填される上記薬剤の薬剤管理情報を表すデータが記録される。他の実施態様では上記情報記録部が二次元コードであり，この場合には情報記録部（二次元コード）に分配元薬剤容器の識別情報が記録され，この識別情報に関連付けられて，ネットワーク接続可能なサーバの記憶部に上記薬剤の薬剤管理情報を表すデータが記録される。薬剤管理情報は，たとえば薬剤名，医薬品コード，製造番号（ロット番号），使用期限，分配元薬剤容器に充填された薬剤数（錠剤数），封緘日時等を含む。分配元薬剤容器が情報記録部を備えることによって，薬剤が充填された分配元薬剤容器が薬剤分配機にそのまま接続されるとしても，薬剤分配機における薬剤間違えを防止することができる。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許