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公開番号
2024079395
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-06-11
出願番号
2022192314
出願日
2022-11-30
発明の名称
金属回収装置
出願人
パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人
個人
主分類
C25C
7/00 20060101AFI20240604BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】電気分解によって析出する金属は陰極と一体となり、廃液から固化はできたものの、実際に回収するには陰極を取り出し、その表面を削る等して金属を回収する必要があった。
【解決手段】貯留槽と、
前記貯留槽内に互いに対向するように配置された電極板と、
前記電極板のうち隣接する電極板同士が互いに異極となるように電力を供給する電源と、
前記電極板の下方に配置された気泡発生器と、
少なくとも前記電源と、前記気泡発生器を交互に稼働させ、前記気泡発生器を停止した後、一定時間待機した後前記電源を再度稼働させる制御器を有する金属回収装置は電極に析出した金属が電極板に固着していないので容易に回収することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
貯留槽と、
前記貯留槽内に互いに対向するように配置された電極板と、
前記電極板のうち隣接する電極板同士が互いに異極となるように電力を供給する電源と、
前記電極板の下方に配置された気泡発生器と、
少なくとも前記電源と、前記気泡発生器を交互に稼働させ、前記気泡発生器を停止した後、一定時間待機した後前記電源を再度稼働させる制御器を有する金属回収装置。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記貯留槽内の液体の金属イオン濃度を測定する濃度計をさらに有し、
前記制御器は、前記濃度計による金属イオン濃度が所定値以下になったら、通知信号を出力する請求項1に記載された金属回収装置。
【請求項3】
前記電極板と前記貯留槽の内壁との間に整流ガイドを設けた請求項1または2の何れかに記載された金属回収装置。
【請求項4】
前記電源と前記電極板の接続端は前記貯留槽に被処理液が入れられた際に前記被処理液中に位置し、前記電源と前記電極板を結合する電力線は、前記貯留槽の側面を貫通している請求項1に記載された金属回収装置。
【請求項5】
前記電極板のうち、常に同極となる一方の電極板は他方の極となる電極板よりも面積が小さい請求項1に記載された金属回収装置。
【請求項6】
前記金属イオンが析出する側の電極板の電極密度は10A/dm
2
~200A/dm
2
である請求項1に記載された金属回収装置。
【請求項7】
前記気泡発生器が発生させる気泡は、少なくとも直径100μm以上である請求項1に記載された金属回収装置。
【請求項8】
前記電源はバイポーラ電源であり、前記制御器は前記電源の極性を制御する請求項1に記載された金属回収装置。
【請求項9】
前記電極板のうち、陰極となる電極板の両面には必ず陽極となる電極板が対向している請求項1に記載された金属回収装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はイオン状態で廃液中に存在する金属を回収する装置に関するものであり、特に金属は銅で溶液中に過酸化水素水を多く含む廃液から銅を回収する装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年IC等に使用される微細配線には導電性の高い銅が使用されている。そして、非常に微細な配線を形成する際には、全面に銅を成膜し、不要な部分をエッチングで除去することで回路形成を行うサブトラクト法が利用される。このような方法では、銅を多く含む廃液が発生する。
【0003】
金属イオンが含まれる廃液から金属を回収するには、電気分解法がよく利用される。特許文献1には、円柱状の電解槽において、内側に円柱上の陰極を形成し、電解槽の内面を陽極とし、処理液を流しながら金属を析出させる溶液から粉末金属を電解抽出する方法が開示されている。なお、特許文献1では、金属を析出させる際に処理液を流す方向と逆方向にフラッシング溶液を流し、陰極上に析出した金属粉末を除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2003-505598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
廃液中から金属を回収する際に電気分解を使用すると、回収率が高くなり好適である。しかし、電気分解によって析出する金属は陰極と一体となり、廃液から固化はできたものの、実際に回収するには陰極を取り出し、その表面を削る等して金属を回収する必要があった。特許文献1では、電解槽を通過する流体の速度と電流密度を低くすることで、陰極に板状の金属ではなく粉末状の金属を生成しやすくなる点を見出し、回収のしやすさを高めようとしている。
【0006】
しかし、このような方法であっても、廃液を流しながら処理を行うと、陰極上には金属が固着してしまい、それが成長するとフラッシング溶液を流しても析出した金属を回収することはできない。結果、装置を分解し電極を取り出して析出した金属を削り取らざるを得ないといった課題が存在した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記のような課題に鑑みて想到されたものであり、処理する廃液(以後「被処理液」と呼ぶ。)は電極に対して流動させるのではなく静置させ、大きな電流密度を陰極に付与することで、析出した金属微粒子が電気分解によって発生した水素を抱き込む構造体を生成できることを見出すことによって完成された。
【0008】
より具体的に本発明の金属回収装置は、
貯留槽と、
前記貯留槽内に互いに対向するように配置された電極板と、
前記電極板のうち隣接する電極板同士が互いに異極となるように電力を供給する電源と、
前記電極板の下方に配置された気泡発生器と、
少なくとも前記電源と、前記気泡発生器を交互に稼働させ、前記気泡発生器を停止した後、一定時間待機した後前記電源を再度稼働させる制御器を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の金属回収装置では、被処理液を電気分解する際には、被処理液に流れを与えておらず、わずかに電極から生成される水素気泡の上昇流等があるだけである。この状態で、比較的大きな電流を陰極に加えると、析出した金属は微粒子となり、一定以上の大きさになる。そして、電極との間で金属結合が行われる前に、陰極で発生した水素気泡によって電極から押し出される。
【0010】
一方、金属粒子を押し出した水素気泡も周囲に析出した金属粒子に取り囲まれる。結果、金属の微粒子が水素気泡を抱き込んだ不安定な状態の析出物(以後これを「スポンジ状の金属多孔質体」若しくは「スポンジ状金属多孔質体」と呼ぶ。)を形成する。この析出物は陰極に対して固着しておらず、わずかな物理的若しくは電気的な刺激によって容易に陰極から剥離回収することができるという効果を奏する。したがって、電極板に固着した金属を削って回収する手間は不要となる。
(【0011】以降は省略されています)
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