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公開番号2025063369
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-16
出願番号2023172474
出願日2023-10-04
発明の名称水電解システムの制御方法及び水電解システム
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類C25B 15/023 20210101AFI20250409BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】電解スタックに印加する電流と水の調整の過渡時における応答速度差を低減することができる水電解システムの制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置は、電解スタックに印加する電流指令値を決定するステップと、前記電流指令値に基づき、電解スタックに供給する前記水の圧力または/および流量を調整する純水調整量指令値を決定するステップと、を有し、第1電流指令値(電流指令値c1)から異なる値である第2電流指令値(電流指令値c2)に向かって前記電流指令値を変更させるととともに、第1純水調整量指令値(純水調整量指令値w1)から異なる値である第2純水調整量指令値(純水調整量指令値w2)に向かって純水調整量指令値を変更させる際に、電力変換器から電解スタックに印加される電流の実測値が第1電流指令値から第2電流指令値に到達する前に、圧力または/および流量の実測値を第1純水調整量指令値から第2純水調整量指令値に到達させるステップAを備える。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
交流と直流を変換して交流側接続端と直流側接続端との間で電力を送受可能な電力変換器と、水を電気分解して水素と酸素を発生させる電解スタックと、前記電解スタックに水を供給すると共に、前記電解スタックから排出される前記水素と前記酸素と電気分解に利用されなかった前記水を回収する純水調整装置と、前記電力変換器および前記純水調整装置を制御する制御装置とを備える水電解システムの制御方法であって、
前記制御装置は、前記電解スタックに印加する電流指令値を決定するステップと、
前記電流指令値に基づき、前記電解スタックに供給する前記水の圧力または/および流量を調整する純水調整量指令値を決定するステップと、
前記電流指令値および前記純水調整量指令値を前記電力変換器および前記純水調整装置に送信するステップと、を有し、
第1電流指令値から異なる値である第2電流指令値に向かって前記電流指令値を変更させるととともに、第1純水調整量指令値から異なる値である第2純水調整量指令値に向かって前記純水調整量指令値を変更させる際に、
前記電力変換器から前記電解スタックに印加される電流の実測値が前記第1電流指令値から前記第2電流指令値に到達する前に、前記圧力または/および前記流量の実測値を前記第1純水調整量指令値から前記第2純水調整量指令値に到達させるステップAを備える
ことを特徴とする水電解システムの制御方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の水電解システムの制御方法であって、
前記電流の実測値を前記第1電流指令値から前記第2電流指令値に到達させる期間において、前記圧力または/および前記流量の実測値がオーバーシュートまたはアンダーシュートするように変化する
ことを特徴とする水電解システムの制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載の水電解システムの制御方法であって、
前記第1電流指令値から前記第2電流指令値に向かって前記電流指令値を変更させるととともに、前記第1純水調整量指令値から前記第2純水調整量指令値に向かって前記純水調整量指令値を変更させる際に、
前記電流の実測値が前記第1電流指令値から前記第2電流指令値に向かって変化した後に、前記圧力または/および前記流量の実測値が前記第1純水調整量指令値から前記第2純水調整量指令値に向かって変化する
ことを特徴とする水電解システムの制御方法。
【請求項4】
請求項1に記載の水電解システムの制御方法であって、
前記第1電流指令値から前記第2電流指令値に向かって前記電流指令値を変更させるととともに、前記第1純水調整量指令値から前記第2純水調整量指令値に向かって前記純水調整量指令値を変更させる際に、
前記電流の実測値が前記第1電流指令値から前記第2電流指令値に向かって変化する以前に、前記圧力または/および前記流量の実測値が前記第1純水調整量指令値から前記第2純水調整量指令値に向かって変化する
ことを特徴とする水電解システムの制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の水電解システムの制御方法であって、
前記電流の実測値が前記第1電流指令値から前記第2電流指令値に向かって変化する以前に、前記圧力または/および前記流量の実測値が前記第1純水調整量指令値から前記第2純水調整量指令値向かって変化することを、前記制御装置に前記水電解システムの外部から入力する外部情報に基づいて決定する
ことを特徴とする水電解システムの制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の水電解システムの制御方法であって、
前記外部情報は、前記水電解システムに要求される有効電力および/または無効電力である
ことを特徴とする水電解システムの制御方法。
【請求項7】
請求項5に記載の水電解システムの制御方法であって、
前記外部情報は、天候情報である
ことを特徴とする水電解システムの制御方法。
【請求項8】
請求項5に記載の水電解システムの制御方法であって、
前記外部情報は、電力市場情報である
ことを特徴とする水電解システムの制御方法。
【請求項9】
請求項5に記載の水電解システムの制御方法であって、
前記外部情報は、前記水電解システムの周辺に設置される電力を供給する設備の電力情報である
ことを特徴とする水電解システムの制御方法。
【請求項10】
請求項5に記載の水電解システムの制御方法であって、
前記外部情報は、前記水電解システムの周辺に設置される電力を消費する設備の負荷情報である
ことを特徴とする水電解システムの制御方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は水電解システムの制御方法及び水電解システムに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
化石燃料に対して水素は、燃焼時に二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーである。そのため、カーボンニュートラル実現のためのクリーンエネルギーの一つとして注目され、水素の製造、輸送、利用に関する技術開発が進められている。特に、水素製造に関しては、水素は水を電気分解することで場所を選ばず製造できることから、エネルギーの輸入量を低減してエネルギー自給率を向上させる手段として、水素を水電解により製造可能な水電解システムが注目されており、欧州を中心に大量導入が計画されている。
【0003】
水電解システムの基本構成は、水電解を担う電解槽(電解スタック)があり、電解スタックに直流電力を供給するための電源(例えば、整流器)が接続され、電源は変圧器を介して電力系統に接続されるものである。また、電解スタックで水を電気分解するための純水を供給すると共に、電解スタックで発生した水素と酸素のみならず、電気分解に用いられなかった純水を回収するための装置(本書では純水調整装置と定義)が設置される。純水調整装置は、電解スタックに供給する純水の圧力や流量を調整する装置を備えている。前記のような水電解システムの純水調整装置の運転方法が特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1では、電解質膜の両側に給電体が設けられ、給電体にセパレータが積層されるとともに、一方の給電体と一方のセパレータとの間には、水を供給する第1流路が形成され、他方の給電体と他方のセパレータとの間には、水が電気分解されて得られる水素を、第1流路よりも高圧な高圧水素として流動させる第2流路が形成される水電解装置の運転方法であって、水電解装置に電解電圧を印加して水電解処理を行う工程と、水電解処理中の電解電圧の変動を検出する工程と、電解電圧の変動に応じて、第1流路に供給される前記水の圧力を調整する工程と、を有する水電解装置の運転方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010―180451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、電解スタックの電解電圧の変動に基づいて水圧(圧力)を調整することから、電解スタックの電解状況を適切に調整することが可能である。ただし、電解スタックの電圧を調整する電流の変化の応答速度と、水の圧力の応答速度との間にはおおきな差があることから、電流に応じた水の圧力の調整の過渡時において、電解スタックの電解状況が適切な状況から逸脱する可能性がある。この過渡時を多数回経験することにより、電解スタックの劣化が進行し、電解スタックを交換する頻度が高くなる可能性がある。
【0007】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、電解スタックに印加する電流と水の調整の過渡時における応答速度差を低減することができる水電解システムの制御方法及び水電解システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の水電解システムは、交流と直流を変換して交流側接続端と直流側接続端との間で電力を送受可能な電力変換器と、水を電気分解して水素と酸素を発生させる電解スタックと、前記電解スタックに水を供給すると共に、前記電解スタックから排出される前記水素と前記酸素と電気分解に利用されなかった前記水を回収する純水調整装置と、前記電力変換器および前記純水調整装置を制御する制御装置とを備える水電解システムの制御方法であって、前記制御装置は、前記電解スタックに印加する電流指令値を決定するステップと、前記電流指令値に基づき、前記電解スタックに供給する前記水の圧力または/および流量を調整する純水調整量指令値を決定するステップと、前記電流指令値および前記純水調整量指令値を前記電力変換器および前記純水調整装置に送信するステップと、を有し、第1電流指令値から異なる値である第2電流指令値に向かって前記電流指令値を変更させるととともに、第1純水調整量指令値から異なる値である第2純水調整量指令値に向かって前記純水調整量指令値を変更させる際に、前記電力変換器から前記電解スタックに印加される電流の実測値が前記第1電流指令値から前記第2電流指令値に到達する前に、前記圧力または/および前記流量の実測値を前記第1純水調整量指令値から前記第2純水調整量指令値に到達させるステップAを備えることを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電解スタックの電流と水の圧力または/および流量を調整する際のそれぞれの応答特性差を低減し、電解スタックの電解状態を適切な状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態に係る水電解システムの装置構成を示す図である。
本発明の実施形態に係る純水調整装置の装置構成を示す図である。
第1の比較例の電流と純水調整量の動作を示すタイムチャートである。
第2の比較例の電流と純水調整量の動作を示すタイムチャートである。
第1実施形態に係る電流と純水調整量の第1の動作例を示すタイムチャートである。
第1実施形態に係る電流と純水調整量の第1の動作例の運転処理を示すフローチャートである。
第2実施形態に係る電流と純水調整量の第2の動作例を示すタイムチャートである。
第2実施形態に係る電流と純水調整量の第2の動作例の運転処理を示すフローチャートである。
第3実施形態に係る電流と純水調整量の第3の動作例を示すタイムチャートである。
第3実施形態に係る電流と純水調整量の第3の動作例の運転処理を示すフローチャートである。
第4実施形態に係る電流と純水調整量の第4の動作例を示すタイムチャートである。
第4実施形態に係る電流と純水調整量の第4の動作例の運転処理を示すフローチャートである。
第5実施形態に係る水電解システムと周辺装置および系統の装置構成を示す図である。
第5実施形態に係る電流と純水調整量の第5の動作例を示すタイムチャートである。
第5実施形態に係る電流と純水調整量の第5の動作例の運転処理を示すフローチャートである。
第6実施形態に係る電流と純水調整量の第6の動作例を示すタイムチャートである。
第6実施形態に係る電流と純水調整量の第6の動作例の運転処理を示すフローチャートである。
第7実施形態に係る運転モード切替動作例の運転処理を示すフローチャートである。
第7実施形態に係る運転モード切替動作例における第1の動作例の運転処理を示すフローチャートである。
第7実施形態に係る運転モード切替動作例における第2の動作例の運転処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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