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公開番号2024078190
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022190592
出願日2022-11-29
発明の名称二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒、その触媒の製造方法、及び二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B01J 23/825 20060101AFI20240603BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】二酸化炭素と水素を原料とする炭化水素製造において、炭素数5以上(C5以上)の液状炭化水素の生産性を高くすることが可能となる高活性な触媒、当該触媒の製造方法、及び、当該触媒を用いた炭化水素の製造方法の提供。
【解決手段】二酸化炭素と水素を原料として炭化水素を製造する触媒として、チタンを主成分とする触媒担体に、鉄成分とガリウム成分が担持されている触媒であって、当該触媒の鉄/チタンのモル比が1~30であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
チタンを主成分とする触媒担体に鉄成分とガリウム成分が担持されている触媒であって、当該触媒の鉄/チタンのモル比が1~30である、二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記触媒のガリウム/チタンのモル比が0.05以上5以下である請求項1に記載の二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒。
【請求項3】
前記触媒担体に更にカリウム成分が担持されている請求項1に記載の二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒。
【請求項4】
前記触媒のカリウム/チタンのモル比が0.02以上2以下である請求項3に記載の二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒を製造する方法であって、
チタンを主成分とする触媒担体に、アルカリ成分による水熱処理を行った後、鉄成分とガリウム成分を担持させる、二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒の製造方法。
【請求項6】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒を製造する方法であって、
チタンを主成分とする触媒担体を水熱処理で調製した後、前記触媒担体に鉄成分とガリウム成分を担持させる、二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒の製造方法。
【請求項7】
前記水熱処理においてチタン原料にチタンテトライソプロポキシドを使用する請求項6に記載の二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒の製造方法。
【請求項8】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒を製造する方法であって、
チタンを主成分とする触媒担体に、沈殿法を用いて、鉄成分とガリウム成分とを担持させる、二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒の製造方法。
【請求項9】
前記チタンを主成分とする触媒担体に、沈殿法を用いて、鉄成分とガリウム成分とを担持させた後に、カリウム成分を含浸法で担持する、請求項8に記載の二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒の製造方法。
【請求項10】
前記チタンを主成分とする触媒担体が、細孔径5~40nm、比表面積10~400m

/g、細孔容積0.05~1.5mL/gを同時に満足する請求項9に記載の二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素と水素を反応させて炭化水素を製造するための触媒とその製造方法、及び該触媒を用いた炭化水素の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化への関心が高まり、温室効果ガス排出削減等の国際的枠組みを協議する気候変動枠組条約締約国会議(Conference of the Parties; COP)では、世界共通の長期目標として産業革命前からの平均気温の上昇を2℃よりも十分下方に保持することを目的とし、排出ピークをできるだけ早期に抑え、最新の科学に従って急激に削減することを目標とされている。COP21パリ協定では、全ての国が長期の温室効果ガス低排出開発戦略を策定・提出するように努めるべきとされている。欧州グリーンディールでは、2050年のカーボンニュートラル化、中間時点での削減目標の引き上げ等、法制化して施策を強固に推進する動きもある。我が国においても、政府が2050年カーボンニュートラルを宣言した。これらの動きを受け、二酸化炭素削減のための対策技術開発が各所で精力的に行われている。対策技術の一つとして、排出された二酸化炭素を有用物に変換する幾つかの試みが提案されているが、二酸化炭素を別の物質に変換させるためには大きなエネルギーが必要であり、反応を促進させるための有効な触媒の開発が望まれている。
【0003】
また、二酸化炭素削減に資する技術とするためには、需要の多い有用物を製造する必要がある。炭化水素(メタン、ガソリン等の燃料)は二酸化炭素を炭素源として製造可能な有用物の中でも最も需要が多く、二酸化炭素と水素を原料として炭化水素を製造する技術は二酸化炭素削減のための対策技術として位置付けられる。
【0004】
化学反応によって炭化水素を製造する技術としては、一酸化炭素と水素の混合ガス、いわゆる合成ガスを原料として、触媒を用いて変換するF-T合成が知られている。触媒としては、コバルト系又は鉄系が有効であり、世界中で精力的に技術開発が行われてきた。主触媒であるコバルト又は鉄の微細構造、助触媒の機能等、触媒性能に対する触媒組成、構造の詳細が明らかにされている。一方、二酸化炭素と水素を原料とした炭化水素への変換においても、従来のフィッシャー・トロプシュ合成触媒(以下、F-T合成触媒とも称する)に似た組成の触媒を使用する試みについての鉄系触媒の報告(非特許文献1~6、特許文献1~3)、又はコバルト系触媒(非特許文献7、8、特許文献4、5)の報告がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-77575号公報
特開2021-10848号公報
特開2022-102701号公報
特開2019-188281号公報
特開2019-188340号公報
【非特許文献】
【0006】
B.Yao et al., Nature Communications,11(2020)6395
C.G.Visconti et al., Catalysis Today, 277(2016)161-170
R.Liu et al., Journal of CO2 Utilization,41(2020)101290
P.Kangvansura et al., Engineering,3(2017)385-392
W.Da-kai et al., Journal of Fuel Chemistry and Technology,47(8)(2019)949-956
N.Boreriboon et al., Journal of CO2 Utilization,25(2018)330-337
P.R.Khangale et al., Journal of CO2 Utilization,41(2020)101268
M.K.Gnanamani et al., Applied Catalysis A:General,499(2015)39-46
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記非特許文献及び特許文献は、地球温暖化への関心の高まりを受けて取り組みの始まった研究が多く、触媒性能に対する詳細な検討は十分とは言えない状況である。非特許文献1~2、及び特許文献1~3では担体成分を使用しない鉄系触媒が開示されており、カリウム等の助触媒の効果も検討されている。非特許文献3~6ではそれぞれ担体を用いた鉄系触媒が開示されているが、反応性能は十分ではない。非特許文献3はゼオライト(ZSM-5)を、非特許文献4はカーボンナノチューブを担体とする触媒である。また、非特許文献5、6は本発明と同様にチタンを担体成分とする触媒であるが、非特許文献5はK、Znを助触媒としている。また、オレフィンを製造する目的の触媒であり、炭素数5以上(C5以上)の液状炭化水素の製造を目的とする触媒ではない。非特許文献6もチタンを触媒担体成分として含む触媒であるが、主成分が鉄及びコバルトの2元系の触媒であり、Kを助触媒とするもののGa等の助触媒に関する開示はない。非特許文献7、8はコバルト系の触媒である。
【0008】
二酸化炭素と水素を原料とした炭化水素製造では、従来の一酸化炭素と水素を原料としたF-T合成反応と同様に発熱反応であるが、プラントの安定操業のためには反応熱を効果的に除去することが重要である。反応形式としては、気相合成プロセス(固定床、噴流床、流動床等)と、液相合成プロセス(スラリー床等)があり、それぞれ特徴を有している。熱除去効率が高く、生成した高沸点炭化水素の触媒上への蓄積やそれに伴う反応管閉塞が起こらないスラリー床液相合成プロセスが特に大規模プラントにおいて有利であると予想される。しかし、二酸化炭素を排出する発生源の近傍において、炭化水素への変換プラントを併設する場合には、天然ガス田を対象とした従来のF-T合成プラントと比較して生産量は少なくなると考えられ、この場合には熱除去効率の影響は比較的小さくなり、固定床が有利となる可能性も考えられる。
【0009】
一般的に触媒の活性は、高ければ高いほど好ましいことは言うまでもない。これは触媒単位重量当たりの生産性が高くなることから、反応器のサイズを小型化して設備費を抑えることが可能となり、また、使用する触媒が少なくて済むことから触媒費用を抑えることが可能なためであり、触媒の高活性化は非常に重要な要素となる。
【0010】
また、二酸化炭素と水素を原料として炭化水素を製造する反応においては、一酸化炭素と水素を原料として炭化水素を製造する反応と比較して副生する水の量が多くなるが、一般的に炭化水素製造のための触媒の活性種は金属状態であることから、副生する水と金属状態の活性種が反応して金属酸化物に変化することによる触媒失活が起こり易くなる(下記反応式参照)。
(【0011】以降は省略されています)

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