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公開番号2024077256
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-07
出願番号2022189233
出願日2022-11-28
発明の名称水生生物の蝟集材及び水生生物の蝟集方法
出願人日鉄ケミカル&マテリアル株式会社,日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,弁理士法人田治米国際特許事務所
主分類A01K 61/77 20170101AFI20240531BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】環境に対して負荷を与えることなく、鉄イオンを高濃度でかつ長期間環境中に供給して、ナマコやアワビといった水生生物を効率良く蝟集・育成できる蝟集材を提供する。
【解決手段】蝟集材1は、水中に設置され、水生生物を蝟集するものであり、複数の炭素鉄複合体10と、溶出促進材20と、これらを内部に保持する収容体30と、を備えている。炭素鉄複合体10と溶出促進材20との重量配合比(炭素鉄複合体:溶出促進材)は4:1~1:4の割合であり、3メッシュの篩を取り付けたロータップシェーカーによる摩耗率の測定において、炭素鉄複合体10の摩耗率が10%以下であり、かつ、溶出促進材20の摩耗率が15%以下である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
水中に設置される水生生物の蝟集材であって、
外接円の直径の平均値が20mm~100mmの範囲内の粒状または塊状の炭素鉄複合体と、
前記炭素鉄複合体に接触した状態で配置される電気伝導性炭素材料からなる溶出促進材
と、
前記炭素鉄複合体及び前記溶出促進材を収容する網目状の柔軟性を有する収容体と、
を備え、
前記炭素鉄複合体と前記溶出促進材との重量配合比(炭素鉄複合体:溶出促進材)が4:1~1:4の割合であり、
3メッシュの篩を取り付けたロータップシェーカーを用いた摩耗率の測定において、前記炭素鉄複合体の摩耗率が10%以下であり、かつ、前記溶出促進材の摩耗率が15%以下であることを特徴とする水生生物の蝟集材。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記炭素鉄複合体は、以下に示す測定方法;
(a)炭素鉄複合体を1か月間または6か月間、海中に浸漬する;
(b)海中から取り出した炭素鉄複合体1個(15±2g/個)を、
該炭素鉄複合体と同体積の炭素繊維織物の上に載せた状態でポリエチレン製の網袋に入れ、1Lの海水を入れた広口ガラス瓶において炭素鉄複合体が水面から5cmの位置となるように浸漬し、そのまま1週間室温にて静置する;
(c)1週間後、炭素鉄複合体を取り出したのち、浸漬海水に10%硝酸を溶解して海水中に溶出した全鉄量を鉄イオン溶出量として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析を用いて測定し、炭素鉄複合体1個が1週間の浸漬中に溶出した鉄イオン溶出量に基づき1日当たりの溶出量を算出する;
により鉄イオン放出能を評価したとき、次の条件(1)及び(2);
(1)海中浸漬後1か月後に測定される鉄イオン溶出量が2ppm/日以上である;
(2)海中浸漬後6か月後に測定される鉄イオン溶出量が0.2ppm/日以上である;
を満たすものである請求項1に記載の水生生物の蝟集材。
【請求項3】
前記炭素鉄複合体が、鉄粒子と炭素質物とを含む焼結物であり、鉄粒子と炭素質物との重量比(鉄粒子:炭素質物)が20:80~90:10である請求項1に記載の水生生物の蝟集材。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の水生生物の蝟集材を人工または天然の岩礁の近傍の海底に設置することにより、周囲の海中に鉄イオンを供給し、水生生物の餌となる珪藻類の発生と周囲の岩礁への付着を促進させることによって水生生物を蝟集させる、水生生物の蝟集方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、岩礁などに付着した珪藻類を餌とするナマコやアワビなどの水生生物の蝟集材及び、該蝟集材を用いた水生生物の蝟集方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ナマコやアワビなどといった水生生物は、特に中国での需要の高まりを受けて近年は我が国の重要な水産輸出物となっている。ところが、需要の急激な拡大によって資源量の減少が各地で報告されるなど、資源の枯渇を招きかねない状況となっている。そのため、資源量の回復と持続的な利用を図るため、種苗放流とその育成の場となる人工的な礁の設置が行われている。
【0003】
また、鉄イオンを溶出させることで水産資源の育成と増加を狙って、鉄を主成分とする物質と炭素材料との混合物をセメントで所望の形状に成形固化した水質浄化及び水産資源育成用の固形物(特許文献1)や、鉄鋼スラグと、アンモニア化成する窒素化合物を含有する物質とからなる海域用施肥材料(特許文献2)を海水中に設置・浸漬することも行われている。
【0004】
また、特許文献3では、閉鎖性海域の底質から発生する硫化水素を抑制する鉄イオン溶出体及び鉄イオン供給装置が開示されている。しかしながら、該文献の鉄イオン溶出体は水面または水中に浮かべられたり、吊り下げられて使用されるものであり、鉄イオン溶出体から発生した鉄イオンを水酸化鉄として海底に沈降・散布することで底質からの硫化水素の発生をトラップするものであって、水生生物の蝟集や育成を目的とするものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-50934号公報
特許4616087号公報
特開2022-70839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の水質浄化及び水産資源育成用の固形物は、鉄を主成分とする物質と炭素材料の混合物にセメントを投入して練り混ぜているため、鉄と炭素材料との接触が不十分であり、鉄イオンの放出効率や放出量、持続性などに問題がある。
また、食用の水産資源の育成を目的とする場合は、環境汚染や生物濃縮を考慮すると、有害な重金属類(ホウ素、フッ素、6価クロム、セレンなど)を含まないことも重要である。
【0007】
従って、本発明の目的は、環境に対して負荷を与えることなく、鉄イオンを高濃度でかつ長期間環境中に供給して、ナマコやアワビといった水生生物を効率良く蝟集・育成できる蝟集材と、これら水生生物の蝟集方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、鉄イオンを持続的に供給可能な炭素鉄複合体と溶出促進材とを所定の配合比率で網目状の柔軟性を有する収容体に収容した蝟集材によって上記課題を解決できることを見出し、本発明を解決した。
すなわち、本発明の水生生物の蝟集材は、水中に設置されるものであって、
外接円の直径の平均値が20mm~100mmの範囲内の粒状または塊状の炭素鉄複合体と、
前記炭素鉄複合体に接触した状態で配置される電気伝導性炭素材料からなる溶出促進材と、
前記炭素鉄複合体及び前記溶出促進材を収容する網目状の柔軟性を有する収容体と、
を備えている。そして、本発明の水生生物の蝟集材は、前記炭素鉄複合体と前記溶出促進材との重量配合比(炭素鉄複合体:溶出促進材)が4:1~1:4の割合であり、
3メッシュの篩を取り付けたロータップシェーカーによる摩耗率の測定において、前記炭素鉄複合体の摩耗率が10%以下であり、かつ、前記溶出促進材の摩耗率が15%以下である。
【0009】
本発明の水生生物の蝟集材において、前記炭素鉄複合体は、以下に示す測定方法;
(a)炭素鉄複合体を1か月間または6か月間、海中に浸漬する;
(b)海中から取り出した炭素鉄複合体1個(15±2g/個)を、該炭素鉄複合体と同体積の炭素繊維フェルトの上に載せた状態でポリエチレン製の網袋に入れ、1Lの海水を入れた広口ガラス瓶において炭素鉄複合体が水面から5cmの位置となるように浸漬し、そのまま1週間室温にて静置する;
(c)1週間後、炭素鉄複合体を取り出したのち、浸漬海水に10%硝酸を溶解して海水中に溶出した全鉄量を鉄イオン溶出量として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析を用いて測定し、炭素鉄複合体1個が1週間の浸漬中に溶出した鉄イオン溶出量に基づき1日当たりの溶出量を算出する;
により鉄イオン放出能を評価したとき、次の条件(1)及び(2);
(1)海中浸漬後1か月後に測定される鉄イオン溶出量が2ppm/日以上である;
(2)海中浸漬後6か月後に測定される鉄イオン溶出量が0.2ppm/日以上である;
を満たすものであってもよい。
【0010】
本発明の水生生物の蝟集材は、前記炭素鉄複合体が、鉄粒子と炭素質物とを含む焼結物であり、鉄粒子と炭素質物との重量比(鉄粒子:炭素質物)が20:80~90:10であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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