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公開番号2024050135
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022156793
出願日2022-09-29
発明の名称繊維組成物及びその製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類D01F 6/90 20060101AFI20240403BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】消臭機能に優れ、かつ、色泣きが起こりにくい、ポリアミド系繊維を含む染色された繊維組成物及びその製造方法の提供。
【解決手段】ポリアミド系繊維及びリン酸塩を含む、染色された繊維組成物であって、該リン酸塩の、X線回折分析における、結晶面間隔が1.30nm~1.80nmの範囲内にある回折ピークaと、結晶面間隔が0.60nm~0.85nmの範囲内にある回折ピークbの強度比A/Bが0以上1.0未満であり、かつ、該染色された繊維組成物の大丸法による色泣き試験における色泣きが4級以上であることを特徴とする、繊維組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミド系繊維及びリン酸塩を含む、染色された繊維組成物であって、該リン酸塩の、X線回折分析における、結晶面間隔が1.30nm~1.80nmの範囲内にある回折ピークaと、結晶面間隔が0.60nm~0.85nmの範囲内にある回折ピークbの強度比A/Bが0以上1.0未満であり、かつ、該染色された繊維組成物の大丸法による色泣き試験における色泣きが4級以上であることを特徴とする、繊維組成物。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記強度比A/Bが0である、請求項1に記載の繊維組成物。
【請求項3】
リン酸塩を含むポリウレタン弾性繊維を含む、請求項1又は2に記載の繊維組成物。
【請求項4】
ISO 17299-2検出管法による未洗濯及び家庭洗濯10回後のアンモニアガス低下率が70%以上である、請求項1又は2に記載の繊維組成物。
【請求項5】
JIS L 0849による乾燥及び湿潤摩擦堅牢度試験における堅牢度が4級以上である、請求項1又は2に記載の繊維組成物。
【請求項6】
以下の工程:
ポリアミド系繊維及びリン酸塩を含む繊維組成物を、反応型染料で染色する染色工程;
を含む、請求項1又は2に記載の繊維組成物の製造方法。
【請求項7】
以下の工程:
前記染色工程後に酸性溶液中で固着処理を行う固着工程;
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記染色工程後に固着処理を行わない、請求項6に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維組成物、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、快適性への需要の高まりから、衣類分野において消臭機能を有する繊維製品へ注目が集まっている。例えば、以下の特許文献1には、リン酸塩を含む消臭機能を有する繊維製品において、加工処理によって低減した消臭機能を回復させるための加工処方が開示されている。
ところで、ポリアミド系繊維を含む繊維組成物は、一般に酸性染料で染色されており、特に濃色分野においては、酸性染料の一種である含金染料が用いられている。また、染料の脱落による変退色や汚染を抑制する目的でフィックス剤を用いて、染色後に固着処理を行うことが一般的である。しかしながら、このような処方によって染色されたポリアミド系繊維を含む繊維組成物は、消臭機能及び洗濯堅牢度や汗堅牢度、水堅牢度等は優れる一方で、繊維製品同士の接触や擦れによる汚染のし易さを表す「摩擦堅牢度」や、洗濯によって製品が濡れたときに、濃色の染色部から白場や淡色部へ染料が移動するいわゆる「色泣き」といった問題は依然として存在していた。
【0003】
そこで近年では、ポリアミド系繊維を含む繊維組成物の摩擦堅牢度を向上させ、かつ色泣きを抑制するための手段として、反応型染料を用いて染色を行い、アルカリ条件下で固着処理を施す処方が普及している。例えば、以下の特許文献2、3には、洗濯堅牢度や汗堅牢度、色泣きの問題を解決するための反応型染料を用いた染色及び固着処理の処方が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-181670号公報
中国特許第109112854号明細書
特開2011-001652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1~3には、ポリアミド系繊維を含む染色された繊維組成物において、色泣きが起こりにくく、かつ、消臭機能を十分に発揮させるための技術は開示されていない。
上述した従来水準に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、消臭機能に優れ、かつ、色泣きが起こりにくい、ポリアミド系繊維を含む染色された繊維組成物及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、色泣きが起こりにくい、ポリアミド系繊維を含む染色された繊維組成物に含まれるリン酸塩が、X線回折分析において、特定の結晶面間隔と回折ピーク強度比を有するとき、前記課題を解決できることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]ポリアミド系繊維及びリン酸塩を含む、染色された繊維組成物であって、該リン酸塩の、X線回折分析における、結晶面間隔が1.30nm~1.80nmの範囲内にある回折ピークaと、結晶面間隔が0.60nm~0.85nmの範囲内にある回折ピークbの強度比A/Bが0以上1.0未満であり、かつ、該染色された繊維組成物の大丸法による色泣き試験における色泣きが4級以上であることを特徴とする、繊維組成物。
[2]前記強度比A/Bが0である、前記[1]に記載の繊維組成物。
[3]リン酸塩を含むポリウレタン弾性繊維を含む、前記[1]又は[2]に記載の繊維組成物。
[4]ISO 17299-2検出管法による未洗濯及び家庭洗濯10回後のアンモニアガス低下率が70%以上である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の繊維組成物。
[5]JIS L 0849による乾燥及び湿潤摩擦堅牢度試験における堅牢度が4級以上である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の繊維組成物。
[6]以下の工程:
ポリアミド系繊維及びリン酸塩を含む繊維組成物を、反応型染料で染色する染色工程;
を含む、前記[1]~[5]のいずれかに記載の繊維組成物の製造方法。
[7]以下の工程:
前記染色工程後に酸性溶液中で固着処理を行う固着工程;
をさらに含む、前記[6]に記載の方法。
[8]前記染色工程後に固着処理を行わない、前記[6]に記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、消臭性が良く、色泣きが起こりにくい、ポリアミド系繊維を含む染色された繊維組成物、及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1の繊維組成物に含まれるリン酸塩のX線回折分析結果である。
比較例1の繊維組成物に含まれるリン酸塩のX線回折分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の1の実施形態は、ポリアミド系繊維及びリン酸塩を含む、染色された繊維組成物であって、該リン酸塩の、X線回折分析における、結晶面間隔が1.30nm~1.80nmの範囲内にある回折ピークaと、結晶面間隔が0.60nm~0.85nmの範囲内にある回折ピークbの強度比A/Bが0以上1.0未満であり、かつ、該染色された繊維組成物の大丸法による色泣き試験における色泣きが4級以上であることを特徴とする、繊維組成物である。
(【0011】以降は省略されています)

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