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公開番号2024053941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022160478
出願日2022-10-04
発明の名称多孔質膜の再生方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B29B 17/00 20060101AFI20240409BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】使用済みの多孔質膜を高品質の樹脂材へと簡便に再生させることができる方法を提案する。
【解決手段】処理対象の多孔質膜を樹脂材へと再生させる方法であって、処理対象の多孔質膜を薬品により洗浄する洗浄工程と、洗浄工程の前あるいは後に、多孔質膜を粉砕して粉粒体とする粉砕工程と、多孔質膜の粉粒体を溶融押出成形機内で加熱して溶融し、溶融混練物とする加熱溶融工程と、溶融混練物をフィルターで濾過して樹脂材を得る濾過工程とを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
処理対象の多孔質膜を樹脂材へと再生させる方法であって、
処理対象の多孔質膜を薬品により洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程の前あるいは後に、前記多孔質膜を粉砕して粉粒体とする粉砕工程と、
前記多孔質膜の粉粒体を溶融押出成形機内で加熱して溶融し、溶融混練物とする加熱溶融工程と、
前記溶融混練物をフィルターで濾過して樹脂材を得る濾過工程と、
を含むことを特徴とする多孔質膜の再生方法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記濾過工程が多段で構成されている、請求項1に記載の多孔質膜の再生方法。
【請求項3】
前記濾過工程の1段目に用いるフィルターの目開きに対する、前記濾過工程の最終段に用いるフィルターの目開きの比が1.1以上である、請求項2に記載の多孔質膜の再生方法。
【請求項4】
前記目開きの比が1.5以上である、請求項3に記載の多孔質膜の再生方法。
【請求項5】
前記加熱溶融工程が多段で構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の多孔質膜の再生方法。
【請求項6】
前記処理対象の多孔質膜がポリフッ化ビニリデン樹脂製である、請求項1~4のいずれか一項に記載の多孔質膜の再生方法。
【請求項7】
前記洗浄工程において、前記薬品として、酸、アルカリおよび酸化剤のうち1種類、もしくは複数を使用する、請求項1~4のいずれか一項に記載の多孔質膜の再生方法。
【請求項8】
前記洗浄工程において、前記薬品が、水酸化ナトリウムの水溶液を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の多孔質膜の再生方法。
【請求項9】
前記洗浄工程において、前記薬品が、標準電極電位が1V以上の酸素系酸化剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の多孔質膜の再生方法。
【請求項10】
前記処理対象の多孔質膜の一方の表面側から他方の表面側へ洗浄液もしくは濾過液を通過させる逆洗工程をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の多孔質膜の再生方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質膜の再生方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
上水処理および下水処理などのように、被処理液体の除濁操作に中空糸膜を用いた膜ろ過法が普及しつつある。例えば、水処理分野においては、従来から急速砂ろ過後に塩素殺菌を実施して飲料水を得る方法が一般的に行われてきたが、耐塩素性を有する病原性原虫クリプトスポリジウムの除去を目的として、浄水場において膜濾過法の導入が進んでいる。特に膜の機械的強度や耐薬品性からフッ素系樹脂の多孔性中空糸膜が多く用いられている。多孔性中空糸膜モジュールは、数年単位での使用実績があるが、使用後の多孔性中空糸膜モジュールは廃棄されることになる。フッ素系樹脂の中空糸膜の廃棄方法としては埋没処分がこれまでに行われてきたが、膜濾過法の普及に伴い、このまま膜モジュールの使用量が増加していくとその廃棄物量も膨大になってしまい、環境に与える影響が非常に大きい。
【0003】
そこで、使用済みの樹脂を再生する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、フッ素系樹脂を再生させる方法として、熱分解によりケミカルリサイクルする方法が提案されている。また、特許文献2には、ポリフッ化ビニリデン製中空糸膜の再生方法として、多孔質中空糸膜を押出成形機内で加熱溶融させることにより再生させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-346000号公報
特許第4517890号公報
【非特許文献】
【0005】
プラスチック・機能性高分子材料事典編集委員会、「プラスチック・機能性高分子材料事典」、産業調査会、2004年2月、672-679頁
松山秀人、「熱誘起相分離法(TIPS法)による高分子系多孔膜の作製」、ケミカル・エンジニアリング誌、化学工業社、1998年6月号、45-56頁
滝澤章、「膜」、アイピーシー社、平成4年1月、404-406頁
D.R.Lloyd,et.al., 「Jounal of Membrane Science」、64、1991年、1-11頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術のように、フッ素系樹脂をケミカルリサイクルした場合には、熱分解前の同じ樹脂に再生しようとすると、多段階の煩雑な工程が必要となる。そのため、製造コストの上昇や製造時に発生する二酸化炭素排出量の増大など多くの問題を抱えている。また、特許文献2に記載された技術では、樹脂を再生する上での重要な課題である不純物への対策が十分ではなく、再生した多孔質中空糸膜の品質に問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用済みの多孔質膜を高品質の樹脂材へと簡便に再生させることができる方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決する方途について鋭意検討した。多孔質膜の製造方法として、熱誘起相分離法が知られている。この方法では、熱可塑性樹脂および有機液体を用いる。有機液体として、熱可塑性樹脂を室温では溶解しないが、高温では溶解する溶剤、すなわち潜在的溶剤を用いる。熱誘起相分離法は、熱可塑性樹脂と有機液体とを高温で混練し、熱可塑性樹脂を有機液体に溶解させた後、室温まで冷却することによって相分離を誘発させ、更に有機液体を除去して多孔体を製造する方法である。この方法は以下の利点を有する。
(a)室温で溶解できる適当な溶剤のないポリエチレン等のポリマーでも製膜が可能になる。
(b)高温で溶解したのち冷却固化させて製膜するため、特に熱可塑性樹脂が結晶性樹脂である場合、製膜時に結晶化が促進され高強度膜が得られやすい。
上記の利点から、多孔質膜の製造方法として、熱誘起相分離法が多用されている(例えば、非特許文献1~4参照)。
【0009】
本発明者らは、多孔質膜を薬品により洗浄する洗浄工程と、洗浄工程の前あるいは後に、多孔質膜を粉砕して粉粒体とする粉砕工程と、多孔質膜の粉粒体を溶融押出成形機内で加熱して溶融し、溶融混練物とする加熱溶融工程と、溶融混練物をフィルターで濾過して樹脂材を得る濾過工程とを含む方法によって、処理対象の多孔質膜を高品質の樹脂材へと簡便に再生させることができることを見出した。また、さらに熱誘起相分離法との組み合わせにより、高品質の多孔質膜を簡便に再生できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
(1)処理対象の多孔質膜を樹脂材へと再生させる方法であって、
処理対象の多孔質膜を薬品により洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程の前あるいは後に、前記多孔質膜を粉砕して粉粒体とする粉砕工程と、
前記多孔質膜の粉粒体を溶融押出成形機内で加熱して溶融し、溶融混練物とする加熱溶融工程と、
前記溶融混練物をフィルターで濾過して樹脂材を得る濾過工程と、
を含むことを特徴とする多孔質膜の再生方法。
(【0011】以降は省略されています)

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