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公開番号2024049234
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022155577
出願日2022-09-28
発明の名称セルロース繊維を含むプリプレグ、繊維強化樹脂成形体、およびその製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08J 5/24 20060101AFI20240402BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】セルロース繊維を含み、高い機械物性と高い二次賦形性の両方を有するプリプレグ、繊維強化樹脂成形体、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】セルロース繊維で構成されたシート状成形体と、現場重合型熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物とを含む、プリプレグであって、上記シート状成形体の嵩密度が0.4g/cm3以上1.5g/cm3以下である、プリプレグ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セルロース繊維で構成されたシート状成形体と、現場重合型熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物とを含む、プリプレグであって、前記シート状成形体の嵩密度が0.4g/cm

以上1.5g/cm

以下である、プリプレグ。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記現場重合型熱可塑性樹脂が熱可塑性エポキシ樹脂である、請求項1に記載のプリプレグ。
【請求項3】
前記樹脂組成物が3級アミン化合物を更に含有する、請求項2に記載のプリプレグ
【請求項4】
前記セルロース繊維で構成されたシート状成形体に塗装又は印刷が施された、請求項1~3のいずれか一項に記載のプリプレグ。
【請求項5】
前記セルロース繊維で構成されたシート状成形体が、三次元構造を有している、請求項1~3のいずれか一項に記載のプリプレグ。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一項に記載のプリプレグを熱賦形した、繊維強化樹脂成型体。
【請求項7】
セルロース繊維で構成されたシート状成形体を、嵩密度が0.4(g/cm

)以上1.5(g/cm

)以下となるように圧縮する工程と、
圧縮された前記シート状成形体に現場重合型熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物を含侵させる工程と、
前記樹脂組成物の予備硬化をおこなう工程と、
前記樹脂組成物の本硬化をおこなう工程と、
を含む、プリプレグの製造方法。
【請求項8】
前記含侵させる工程における、前記樹脂組成物の粘度が20mPa・s以上1000mPa・s以下である、請求項7に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の方法により得られたプリプレグを熱賦形することを含む、繊維強化樹脂成型体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース繊維を含むプリプレグ、繊維強化樹脂成形体、およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、持続的開発目標の観点より、製造、使用、廃棄の一連の流れすべてにおいて、環境負荷の小さい、すなわちライフサイクルCO

(LC CO

)排出の少ない材料の開発が望まれている。例えば、生物由来資源であるセルロース繊維は、軽量でありながら、強度、弾性率、及び耐熱性等に優れており、これを樹脂に配合することで、比強度・比剛性に優れた繊維強化樹脂が得られることが知られている。有機物であるセルロース繊維を含む強化樹脂は、ガラス繊維をはじめとした無機物を含む強化樹脂と異なり、サーマルリサイクルが可能であるため、使用後の樹脂製品をエネルギー源として再利用することも可能である。なお、セルロースに含まれる炭素は、植物が光合成によって空気中のCO

を固定したものであるため、焼却してCO

が排出されても、実質的に大気中のCO

は増加しない。しかしながら、セルロース繊維はガラス繊維や炭素繊維などの剛直な無機繊維と異なり、ポリプロピレンなどに代表される熱可塑性樹脂に配合すると、溶融混錬する際に折れ曲がりや絡み合いによる凝集が発生してしまうため、強化繊維として有効に機能しない。強化繊維の効果を高める手段として、繊維の配向をそろえることや、繊維の長さ、および直進性(折れ曲がりがないこと意味する)を大きくすることが有効であることが知られている。例えば、紙は、セルロース繊維が二次元平面上に配向した構造体であり、紙に樹脂を含侵させ、繊維強化樹脂とする技術がある。しかしながら、これまで用いられてきた熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂は、硬化後に変形しないため二次賦形性(一度成型した後に、熱などで軟化させ再度賦形すること)に乏しい。一方で、これらの課題を鑑みて、特殊な紙に熱可塑性樹脂を含侵させて、繊維強化樹脂とする技術も検討されているが、樹脂の含侵性や繊維と樹脂の接着性が乏しく、機械強度に課題が残る。
【0003】
例えば、特許文献1には、アラミド繊維とセルロース繊維からなる不織布を基材としたフェノール樹脂積層板が記載されている。特許文献1によれば、クラフトパルプと芳香族ポリアミド繊維からなるシートにフェノール樹脂を含侵させたプリプレグを積層し、熱プレス成型することで、強度と熱寸法安定性に優れた樹脂積層板が得られることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、微細セルロース繊維からなるシートとナイロン6のフィルムを複合した複合化シートが記載されている。特許文献2によれば、微細セルロース繊維シートとナイロン6フィルムを積層して熱プレス成型することで、寸法安定性に優れた複合化シートが得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許平4-47079号公報
国際公開第2020/145354号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した従来技術においては、機械物性を求める場合、フェノール樹脂のような熱硬化型樹脂を用いる必要があり、得られる成形体は熱可塑性を持たないため、二次賦形することが困難である。一方、二次賦形性を考慮し、ナイロン6のような熱可塑性樹脂を用いる場合においては十分な機械物性が得られず、セルロース繊維を強化繊維として、機械強度と二次賦形性を高い水準で同時に満たすことについては十分に検討されていない。また、材料全体に対してセルロース繊維の添加が少ない場合、目標となる剛性を維持するためには、材料全体の厚みを増加させる必要があり、材料コストの増加や適用スペースの制限を受けやすいといった問題が生じる。そこで、本発明が解決しようとする課題は、セルロース繊維を含み、高い機械物性と高い二次賦形性の両方を有するプリプレグ、繊維強化樹脂成形体、およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態の例を以下の項目[1]~[9]に列記する。
[1]
セルロース繊維で構成されたシート状成形体と、現場重合型熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物とを含む、プリプレグであって、上記シート状成形体の嵩密度が0.4g/cm

以上1.5g/cm

以下である、プリプレグ。
[2]
上記現場重合型熱可塑性樹脂が熱可塑性エポキシ樹脂である、項目1に記載のプリプレグ。
[3]
上記樹脂組成物が3級アミン化合物を更に含有する、項目2に記載のプリプレグ
[4]
上記セルロース繊維で構成されたシート状成形体に塗装又は印刷が施された、項目1~3のいずれか一項に記載のプリプレグ。
[5]
上記セルロース繊維で構成されたシート状成形体が、三次元構造を有している、項目1~4のいずれか一項に記載のプリプレグ。
[6]
項目1~5のいずれか一項に記載のプリプレグを熱賦形した、繊維強化樹脂成型体。
[7]
セルロース繊維で構成されたシート状成形体を、嵩密度が0.4(g/cm

)以上1.5(g/cm

)以下となるように圧縮する工程と、
圧縮された上記シート状成形体に現場重合型熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物を含侵させる工程と、
上記樹脂組成物の予備硬化をおこなう工程と、
上記樹脂組成物の本硬化をおこなう工程と、
を含む、プリプレグの製造方法。
[8]
上記含侵させる工程における、上記樹脂組成物の粘度が20mPa・s以上1000mPa・s以下である、項目7に記載のプリプレグの製造方法。
[9]
項目7又は8に記載の方法により得られたプリプレグを熱賦形することを含む、繊維強化樹脂成型体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、セルロース繊維を含み、高い機械物性と高い二次賦形性の両方を有するプリプレグ、繊維強化樹脂成形体、およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
《プリプレグ》
本開示のプリプレグは、セルロース繊維で構成されたシート状成形体と、現場重合型熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物とを含む。そして、上記シート状成形体の嵩密度が0.4g/cm

以上1.5g/cm

以下である。本開示のプリプレグは、上記のように嵩密度の高いシートを用いることで、機械強度と二次賦形性を高い水準で同時に満たすことができると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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