TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024033125
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022136528
出願日2022-08-30
発明の名称複合型不織布の製造方法
出願人日本製紙クレシア株式会社
代理人弁理士法人坂本国際特許商標事務所
主分類D04H 5/03 20120101AFI20240306BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】エアレイド方式を採用し、薬液に湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子(カルボキシルメチルセルロース)を併用して添加する複合型不織布の製造方法において、紙粉の発生を効果的に抑制して、かつ、柔らかい触感も保持することができ、更に製造時における装置の汚れも解消できる、複合型不織布の製造方法を提供する。
【解決手段】不織布と、エアレイド方式で製造されたパルプ繊維ウェブを少なくとも含む、複合型不織布の製造方法であって、水流交絡工程と、湿潤紙力剤及びアニオン系水溶性高分子を含む薬液をパルプ繊維ウェブに添加する添加工程と、を含み、アニオン系水溶性高分子は、カルボキシメチルセルロース(CMC)を含有し、添加工程において、湿潤紙力剤に対するアニオン系水溶性高分子の添加量の割合が、0.15以下となるように添加する、複合型不織布の製造方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
不織布と、エアレイド方式で製造されたパルプ繊維ウェブを少なくとも含む、複合型不織布の製造方法であって、
前記不織布と前記パルプ繊維ウェブを水流交絡処理する水流交絡工程と、
前記水流交絡工程の後に、湿潤紙力剤及びアニオン系水溶性高分子を含む薬液を前記パルプ繊維ウェブに添加する添加工程と、を含み、
前記湿潤紙力剤はポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)を、前記アニオン系水溶性高分子は、カルボキシメチルセルロース(CMC)をそれぞれ含有し、
前記添加工程において、前記湿潤紙力剤の添加量に対する前記アニオン系水溶性高分子の添加量の割合が、0.15以下となり、前記アニオン系水溶性高分子の前記パルプ繊維ウェブの絶乾重量に対する添加率が、0.10%以上となり、かつ、前記湿潤紙力剤の前記パルプ繊維ウェブの絶乾重量に対する添加率が、2.50%以下となるように、前記薬液を前記パルプ繊維ウェブに添加することを特徴とする、複合型不織布の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記添加工程において、前記湿潤紙力剤の添加量に対する前記アニオン系水溶性高分子の添加量の割合が、0.13以下となるように、前記薬液を前記パルプ繊維ウェブに添加することを特徴とする、請求項1に記載の複合型不織布の製造方法。
【請求項3】
前記添加工程は、複合型不織布を下側に備えられる脱水装置によって脱水処理する添加前脱水工程と、
前記脱水装置の下流に備えられる添加装置によって、前記薬液をスプレー噴霧で前記パルプ繊維ウェブに添加する薬液添加工程と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の複合型不織布の製造方法。
【請求項4】
前記薬液添加工程において、前記薬液は2回に分割して、いずれもスプレー噴霧によって添加するものであり、
前記薬液は、1液目、2液目ともに、いずれも前記脱水装置の下流に備えられる前記添加装置によってそれぞれ前記パルプ繊維ウェブに添加することを特徴とする、請求項3に記載の複合型不織布の製造方法。
【請求項5】
前記薬液添加工程において、前記薬液は前記湿潤紙力剤と前記アニオン系水溶性高分子とを混合したものであり、前記添加装置によってスプレー噴霧で前記パルプ繊維ウェブに添加することを特徴とする、請求項3に記載の複合型不織布の製造方法。
【請求項6】
前記薬液添加工程において、前記薬液は前記湿潤紙力剤と前記アニオン系水溶性高分子とを混合せずに個別に含む2個の薬液であり、それぞれ別の前記添加装置によってスプレー噴霧で前記パルプ繊維ウェブに添加することを特徴とする、請求項3に記載の複合型不織布の製造方法。
【請求項7】
前記薬液添加工程において、前記湿潤紙力剤を含む一方の薬液を前記添加装置によってスプレー噴霧で前記パルプ繊維ウェブに添加した後、2秒以内に前記アニオン系水溶性高分子を含む他方の薬液を前記添加装置によってスプレー噴霧で前記パルプ繊維ウェブに添加することを特徴とする、請求項6に記載の複合型不織布の製造方法。
【請求項8】
前記不織布はスパンボンド不織布であり、
前記水流交絡工程は、前記スパンボンド不織布と、その上に載置した前記エアレイド方式で製造された前記パルプ繊維ウェブとを水流交絡処理することを特徴とする、請求項1に記載の複合型不織布の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、湿潤紙力剤及びアニオン系水溶性高分子を添加する複合型不織布の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、パルプ繊維のみからなる紙製品(シート)や、合成繊維のみからなる不織布製品とは別に、パルプ繊維シートと合成(長)繊維不織布を水流交絡させることにより得られる複合型不織布の製品が市場で販売されている。
【0003】
パルプ繊維シートと長繊維不織布を交絡させて得られる複合型不織布の製造において、パルプ繊維シートに湿式シートを用いる場合は、パルプ湿式シートの製造(抄紙)時に紙力剤等の薬液(添加剤)を添加することが行われる。
【0004】
一方で、パルプ繊維ウェブ(シート)の形成に乾式(エアレイド方式)を使用する場合には、パルプ繊維に薬品を均一に添加することは難しいことから、風合い、柔軟性、強度などの機能性を付与する場合は、ウォータージェット(水流交絡)後に薬液等を添加することとなる。
【0005】
ウォータージェットにより、パルプ繊維が長繊維の間に入り込み、両繊維の交絡した構造形成が行われるため、その後に薬液を添加することで、形成された複合繊維の構造に対して薬液を添加することが可能となる。
【0006】
複合型不織布に関する先行技術文献として、例えば、特許文献1には、水圧により交絡されたパルプ含有率の高い不織複合布であって、約30重量パーセント以下の不織連続フィラメント支持体と、パルプからなり、約70重量パーセント以上の繊維部分と、を含むことを特徴とする不織複合布が開示されている。また、不織複合布の製造方法として、パルプ繊維の層を、ボンド密度が約100ピンボンド位置/平方インチで合計ボンド面積が約30パーセント以下の不織連続フィラメント支持体の上に重ね合わせて、各層を水圧によって絡め合わせて複合素材を形成し、この複合素材を乾燥することを特徴とする旨も記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、エアレイド方式で得られたパルプ繊維ウェブがスパンボンド不織布上に積層されて一体化されている複合型不織布であって、パルプ繊維ウェブが紙力剤及び両性樹脂を含有し、パルプ繊維ウェブの固形重量に対して、紙力剤の固形分で換算した添加量が0.04~1.0%、かつ、両性樹脂の固形分で換算した添加量が0.06~1.5%である、ことを特徴とする複合型不織布が開示されている。また、複合型不織布の製造装置として、水流交絡装置の下流側にはパルプ繊維ウェブに残留する水分を吸引除去する脱水処理、その後に乾燥処理を行って、複合型不織布の製造を完了するためのサクション装置及び乾燥装置が配備され、サクション装置は、例えばバキューム式で水流交絡後の複合型不織布を下側から脱水し、搬送される複合型不織布を間にして、サクション装置の上方には、紙力剤添加装置が配設されている旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第2533260号公報
特開2021-130888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記の製造方法によって製造された複合型不織布では、拭き取り時に複合型不織布から紙粉が脱落して、拭き取った場所を却って汚してしまう問題があった。
エアレイド方式で製造されたパルプ繊維ウェブを含む複合型不織布においては、添加する薬液に湿潤紙力剤とアニオン系水溶性高分子、特にカルボキシメチルセルロース(CMC)を併用することで、特に湿潤時の拭き取りにおいて脱落する紙粉の量が抑制できることが分かっている。
【0010】
しかしながら、両者の添加剤は混合した際に薬液の凝集が発生するため、特に薬品の添加に特化していないエアレイド設備においては、品質管理と連続操業性の点で注意が必要であった。凝集に関しては、カルボキシメチルセルロースをより多く添加することによって解消することができるが、複合型不織布の触感の悪化が伴うため、問題の解決には至っていなかった。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

藤井株式会社
タオル地
2か月前
住江織物株式会社
水検知用布帛
1か月前
日本バイリーン株式会社
成形用基材
1か月前
株式会社島精機製作所
編成方法
2か月前
株式会社折橋商店
藁網一重蛙股自動結節装置
18日前
株式会社島精機製作所
編地の編成方法
23日前
株式会社島精機製作所
編地の製造方法
2か月前
株式会社島精機製作所
編地の編成方法
2か月前
KBセーレン株式会社
ホットメルト接着不織布
3か月前
日本バイリーン株式会社
表面材とその製造方法
3か月前
株式会社島精機製作所
筒状編地の編成方法
23日前
株式会社島精機製作所
可動シンカーを備える横編機
25日前
株式会社化繊ノズル製作所
メルトブローン装置
3か月前
セイコーエプソン株式会社
シート製造装置
1か月前
セイコーエプソン株式会社
シート製造装置
1か月前
セイコーエプソン株式会社
シート製造装置
2か月前
セイコーエプソン株式会社
シート製造装置
2か月前
大和紡績株式会社
包装用不織布及びその製造方法、ならびに包装材
2か月前
大和紡績株式会社
包装用不織布及びその製造方法、ならびに包装材
2か月前
株式会社島精機製作所
端糸処理装置及び端糸処理方法
2か月前
コマツNTC株式会社
ブレイダ
4日前
株式会社島精機製作所
パイル編成用横編機およびパイル編成方法
2か月前
個人
組立解体可能な面充填構造体
3か月前
東レ株式会社
スパンボンド不織布、ならびに、これを用いてなる衛生材料
1か月前
株式会社KRI
芳香族ポリアミドナノファイバー不織布および糸の製造方法
11日前
エム・エーライフマテリアルズ株式会社
8日前
旭化成株式会社
積層セルロース繊維不織布
1か月前
東レ株式会社
不織布、積層不織布、衛生材料、ならびに、不織布の製造方法
3日前
日本エクスラン工業株式会社
吸収拡散不織布および該不織布を含む吸収性物品
3日前
日本エクスラン工業株式会社
拡散吸収不織布および該不織布を含む吸収性物品
3日前
日本製紙クレシア株式会社
不織布ワイパー
2か月前
帝人フロンティア株式会社
短繊維集合体及び中綿
1か月前
シンワ株式会社
キッチン用不織布及びキッチン用不織布の製造方法
3日前
住友金属鉱山株式会社
赤外線遮蔽繊維構造物とこれを用いた衣類
25日前
日本製紙クレシア株式会社
複合型不織布シート
3日前
株式会社ユニバル
手芸用品及び手芸用品の指編み方法
3日前
続きを見る