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公開番号2024018944
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-08
出願番号2023077050
出願日2023-05-09
発明の名称硬化体及び硬化体の製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C04B 28/08 20060101AFI20240201BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】硬化体に遊離MgOが含まれる場合であっても、遊離MgOの水和反応による体積膨張を抑制し、且つ、硬化体の強度不足を解決することのできる硬化体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】硬化体であって、遊離MgOを含有するスラグ、結合材及び有機酸アルミニウムを含み、当該有機酸アルミニウムの単位量が1.0kg/m3以上7.5kg/m3以下であり、遊離MgOを含有するスラグの単位量が2650kg/m3以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
遊離MgOを含有するスラグ、結合材及び有機酸アルミニウムを含み、
前記有機酸アルミニウムの単位量が1.0kg/m

以上7.5kg/m

以下であり、前記遊離MgOを含有するスラグの単位量が2650kg/m

以下である、硬化体。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
硬化体の製造方法であって、
遊離MgOを含有するスラグ、結合材及び有機酸アルミニウムを混合して混合物とする混合ステップと、
前記混合物に水を加えて混練する混練ステップと、
混練した前記混合物を硬化させる硬化ステップと、
を有し、
前記混合ステップで混合する前記有機酸アルミニウムの単位量が1.0kg/m

以上7.5kg/m

以下であり、前記遊離MgOを含有するスラグの単位量が2650kg/m

以下である、硬化体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、遊離MgOによる水和膨張を抑制できる硬化体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
製鋼工程では、精錬中に耐火物に含まれるMgOがスラグに溶解し、耐火物が溶損することを防ぐため、スラグに飽和溶解度以上のMgOを添加する操業が行われることがある。このような精錬で発生するスラグ中には、精錬中に未反応となったMgOおよびスラグが冷却される過程で晶出したMgOが存在する。このような未反応のMgOと晶出したMgOを遊離MgOという。
【0003】
製鋼スラグを活用する試みとして、例えば特許文献1に開示されているような、製鋼スラグを利用した硬化体がある。しかし、遊離MgOを含むスラグは、長期にわたって遊離MgOの水和反応が進行し、膨張する性質があるため、硬化体の膨張ひび割れの懸念があり、硬化体の原料としての活用は困難である。ここで、遊離MgOの水和反応とは、製鋼スラグ中の遊離MgOが雨水や海水などの水分と接触してMg(OH)

を生成する反応(MgO+H

O→Mg(OH)

)であり、この反応によって体積が膨張する。
【0004】
耐火物の分野では、例えば、特許文献2に開示されているような、耐火物表面にホウ酸などの結晶被膜を形成するMgOの水和抑制方法が周知である。特許文献2には、塩基性耐火煉瓦の表面に硫酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩の中の1種または2種以上の結晶被膜を形成する塩基性耐火煉瓦の消化防止方法において、塩基性耐火煉瓦に、水の重量をa(g)、飽和溶解度をb(g)、溶質の重量をc(g)とした場合、100c/(a×b)によって示される式の値が0.2~1.0の値を有する水溶液を含浸するかもしくは塗布したのち、この水溶液を乾燥する、塩基性耐火煉瓦の消化防止方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-152364号公報
特開平8-169783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術に基づき、遊離MgOを含有する製鋼スラグを材料として、遊離MgOの水和膨張を抑えるために、B



を含有させたスラグ硬化体を試作したところ、得られた硬化体の28日圧縮強度は20N/mm

に満たず、コンクリートの代替としての使用に耐えられるものではなかった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、硬化体に遊離MgOが含まれる場合であっても、遊離MgOの水和反応による体積膨張を抑制し、且つ、硬化体の強度不足を解決することのできる硬化体及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]遊離MgOを含有するスラグ、結合材及び有機酸アルミニウムを含み、前記有機酸アルミニウムの単位量が1.0kg/m

以上7.5kg/m

以下であり、前記遊離MgOを含有するスラグの単位量が2650kg/m

以下である、硬化体。
[2]硬化体の製造方法であって、遊離MgOを含有するスラグ、結合材及び有機酸アルミニウムを混合して混合物とする混合ステップと、前記混合物に水を加えて混練する混練ステップと、混練した前記混合物を硬化させる硬化ステップと、を有し、前記混合ステップで混合する前記有機酸アルミニウムの単位量が1.0kg/m

以上7.5kg/m

以下であり、前記遊離MgOを含有するスラグの単位量が2650kg/m

以下である、硬化体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、硬化体に遊離MgOが含まれる場合であっても、遊離MgOによる水和膨張に起因する膨張ひび割れの発生を抑制でき、且つ、コンクリートを代替できる強度を有する硬化体となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を本発明の実施形態を通じて説明する。本実施形態に係る硬化体の特徴は、材料に有機酸アルミニウムを用いることにある。詳細は明らかではないが、有機酸アルミニウムを用いることで、遊離MgOを含む硬化体中において下記(1)~(3)の効果が得られるものと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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