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公開番号2024017328
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-08
出願番号2022119883
出願日2022-07-27
発明の名称アルミナ焼結体及び静電チャック
出願人黒崎播磨株式会社
代理人弁理士法人英和特許事務所
主分類C04B 35/117 20060101AFI20240201BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】大気雰囲気下で焼成可能で、生体及び環境負荷の高い元素を実質的に含まず、黒色又は濃灰色を呈し、かつ低抵抗なアルミナ焼結体及びそのアルミナ焼結体を用いた静電チャックを提供する。
【解決手段】Al2O3の含有率が85質量%以上であるアルミナ焼結体であって、FeをFe2O3換算で0.7質量%以上6.6質量%以下、TiをTiO2換算で1質量%以上5質量%以下、SiをSiO2換算で1質量%以上5質量%以下、YをY2O3換算で0.1質量%以上9質量%以下含有する。このアルミナ焼結体を静電チャックにおいて載置板1に使用する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Al



の含有率が85質量%以上であるアルミナ焼結体であって、
FeをFe



換算で0.7質量%以上6.6質量%以下、TiをTiO

換算で1質量%以上5質量%以下、SiをSiO

換算で1質量%以上5質量%以下、YをY



換算で0.1質量%以上9質量%以下含有する、アルミナ焼結体。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記Fe及び前記Tiの少なくとも一部がFe

TiO

となっている、請求項1に記載のアルミナ焼結体。
【請求項3】
Zrを更に含有し、ZrをZrO

換算した値、TiをTiO

換算した値、及びYをY



換算した値の合計が7質量%以下である、請求項1に記載のアルミナ焼結体。
【請求項4】
Cr、Mn、Co及びNiのそれぞれの酸化物換算値が合計で0.1質量%以下である、請求項1に記載のアルミナ焼結体。
【請求項5】
体積固有抵抗率が10
12
Ω・cm以下である、請求項1に記載のアルミナ焼結体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のアルミナ焼結体を載置板に使用している、静電チャック。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミナ焼結体及びそのアルミナ焼結体を用いた静電チャックに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
例えば半導体製造装置において、回路形成を目的としてシリコンウェーハ上に露光・成膜し、シリコンウェーハをエッチングするためには、対象とするウェーハの平坦度を保ち、かつウェーハに温度分布がつかないように、ウェーハを保持する必要がある。このようなウェーハの保持手段としては機械方式、真空吸着方式、静電吸着方式が提案されている。これらの保持手段のうち、静電吸着方式は静電チャックによりウェーハを保持する方式であり、真空雰囲気下で使用することができるため多用されている。
【0003】
静電チャックには吸着力としてクーロン力を利用する型(クーロン型)と、ジョンセン・ラーベック力を利用する型(ジョンセン・ラーベック型)とがある。後者のジョンセン・ラーベック力は誘電体とウェーハとの界面の小さなギャップに微小電流が流れ、帯電分極して誘起させることによって生じる力である。ジョンセン・ラーベック力を用いて静電チャックとして必要な吸着力を確保するためには、誘電体の体積固有抵抗率が10

~10
12
Ω・cmの範囲内にあることが要件となる。また、静電チャック用の誘電体は光認識を可能とするため黒色又は濃灰色を呈している必要がある。
【0004】
このような特性を具備する誘電体として特許文献1には、チタニア0.8~3質量%、炭化ホウ素を0.2~1質量%含有させたアルミナ系誘電体及びその製造方法が開示されている。しかし、特許文献1の製造方法では焼成をホットプレスやHIP、ガス圧焼成等加圧条件にて行うこととなっており、また焼成雰囲気は還元雰囲気又は真空中となっているため高価な設備が必要となる。静電チャック用の誘電体は消耗品であり、ユーザーより低価格での交換用素材の提供を求められている。
【0005】
一方、大気雰囲気焼成でのアルミナ焼結体の黒色化には、Cr、Mn、Co又はNiを添加する方法が主に用いられている。例えば特許文献2には、Cr



、Mn



、Fe



及びCoOから選ばれる3種又は4種を配合し、大気雰囲気中にて焼成する方法が開示されている。また、特許文献3には、Mn等を添加し大気雰囲気中にて焼成する方法が開示されている。しかし、Cr、Mn、Co、Niは高価であり、更には生体や環境に対し悪影響を与えることが知られている。
そこで近年はこれら元素を使用しない黒色化の方法が検討されており、例えば特許文献4や特許文献5には、アルミナにチタニア及び酸化鉄を配合し、大気雰囲気下にて焼成可能な黒色アルミナの製造方法が開示されている。しかし、これらの方法では体積固有抵抗率がジョンセン・ラーベック型静電チャック用の誘電体の要件である10

~10
12
Ω・cmの範囲内にまでは低下しない。
【0006】
アルミナ焼結体の体積固有抵抗率を低下させるための製造方法はこれまでに多数提案されているが、そのほとんどは上記特許文献1のように不活性雰囲気又は還元雰囲気での焼成であり、特別な設備が必要となる。また大気雰囲気下での焼成例もいくつかは存在するが、上記特許文献2、3のようにCr、Mn、Co、Niといった生体及び環境負荷の高い元素を添加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6738505号公報
特開平05―238810号公報
特許第4248833号公報
特開2020―180020号公報
特許第4994092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上に鑑み本発明が解決しようとする課題は、大気雰囲気下で焼成可能で、生体及び環境負荷の高い元素を実質的に含まず、黒色又は濃灰色を呈し、かつ低抵抗なアルミナ焼結体及びそのアルミナ焼結体を用いた静電チャックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らが、アルミナ焼結体における上述の課題、すなわち(1)大気雰囲気下で焼成可能であること、(2)生体及び環境負荷の高い元素を実質的に含まないこと、(3)黒色又は濃灰色を呈すること、(4)低抵抗であること、という4つの課題を同時に解決するために試験及び研究を重ねた結果、Fe、Ti、Si及びYをそれぞれ酸化物換算で特定量ずつ含有させることが有効であるとの知見を得、本発明に想到するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の一観点によれば次のアルミナ焼結体が提供される。
Al



の含有率が85質量%以上であるアルミナ焼結体であって、
FeをFe



換算で0.7質量%以上6.6質量%以下、TiをTiO

換算で1質量%以上5質量%以下、SiをSiO

換算で1質量%以上5質量%以下、YをY



換算で0.1質量%以上9質量%以下含有する、アルミナ焼結体。
(【0011】以降は省略されています)

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