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公開番号2025176468
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-04
出願番号2024082646
出願日2024-05-21
発明の名称スラグの酸化方法
出願人株式会社資源活用技術研究所
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C22B 7/04 20060101AFI20251127BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】スラグの流動性の低下を抑制することができ、簡便な方法でスラグを酸化処理することを可能とするスラグの酸化方法を提供する。
【解決手段】本発明は、スラグの酸化方法であって、酸化鉄を含有するスラグを酸化処理する工程を具備し、前記酸化処理は、CaO-Na2O-SiO2系スラグの存在下で行われる。前記スラグが銅製錬スラグであることが好ましい。本発明のスラグの酸化方法は、酸化処理中のスラグの流動性の低下を抑制することができ、簡便な方法でスラグを酸化処理することができるものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
スラグの酸化方法であって、
酸化鉄を含有するスラグを酸化処理する工程を具備し、
前記酸化処理は、CaO-Na

O-SiO

系スラグの存在下で行われる、スラグの酸化方法。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記スラグが銅製錬スラグである、請求項1に記載のスラグの酸化方法。
【請求項3】
前記酸化処理は、フッ化物の非存在下で行われる、請求項1または2に記載のスラグの酸化方法。
【請求項4】
前記酸化処理は、スラグ処理容器内で行われ、
前記スラグ処理容器は、外殻と、耐火物層と、内層とを少なくとも備え、
前記内層は前記スラグと接触する層であると共に前記耐火物層を被覆するように形成されており、
前記内層はステンレス系鋼板または耐熱鋼板で形成されている、請求項1または2に記載のスラグの酸化方法。
【請求項5】
前記外殻は普通鋼で形成されており、
前記外殻と前記耐火物層との間には断熱材層が設けられている、請求項4に記載のスラグの酸化方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スラグの酸化方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、銅製錬は、銅精鉱を自溶炉などで焙焼する方法によって行われている。この銅製錬によって銅等の必要な金属を回収することができ、残渣部分はいわゆる「スラグ」あるいは自溶炉スラグと称される副産物となる。銅製錬によって生じたスラグから、更に金属を回収する方法も広く検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、スラグから有価金属を回収する方法が開示されている。特に特許文献1に開示される技術では、スラグ(銅製錬スラグ)を、フラックスの存在下で酸素含有ガスを用いて酸化する工程1と、工程1で得られる酸化後の反応物と、Cu-Fe合金浴とを接触させる工程2と、工程3で得られる接触後のCu-Fe合金浴を製錬工程に供し、有価金属を回収する工程を具備するものである。より具体的には、特許文献1に開示される技術は、スラグから有価金属を回収する技術として二段階を示しており、第一段階の有価金属を回収する技術を「ソフト還元」、第二段階の有価金属を回収する技術を「ハード還元」と命名している。「ソフト還元」技術は、FeOより還元され易い金属酸化物だけを還元して溶融Cu中へ回収し、スラグ中にFeOを残留させる。他方、「ハード還元」は、スラグ中に残留させたFeOを、炭素飽和溶鉄中のCを還元剤として還元し、同時に生成するFeを炭素飽和溶鉄として吸収するものである。
【0004】
ところで、前述のスラグは、その主成分がFayaliteであり2FeO・SiO

の組成に近い成分で、少量のFe



を含み、その他銅精鉱に含まれる金属硫化物が酸化された金属酸化物、溶融マット粒(Cu

S+FeS)、貴金属粒を含んでいる。これらのうち、溶融マット粒(Cu

S+FeS)、貴金属粒はFeで還元されないので、そのままスラグ中に残留し易い。このため、特許文献1に開示の技術では、「ソフト還元」の前処理として、工程1においてスラグに酸素を吹き付けて、前記溶融マット粒および貴金属粒の酸化処理を行っている。
【0005】
上記の酸化処理では、2FeO・SiO

が2Fe



・SiO

に変化するため、融点が上昇する結果、スラグの流動性が低下する。そこで、特許文献1に開示の技術では酸化処理工程で発生する2Fe



・SiO

系スラグの流動性を改善すべく、Na

Oとフッ化物系フラックス(特にNaF)を添加すると共に、スラグ温度を1450℃にすることで、スラグの流動性を適切な範囲に調節している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6516264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、近年の環境基準ではスラグからのフッ素イオン流出量が厳しく制限されていることから、フッ化物系フラックスの使用は回避することが望ましい。このため、フッ化物系フラックスを使用することなく、2Fe



・SiO

系スラグの流動性を改善する技術の構築が重要となる。また、特許文献1に開示の技術では、処理温度を高くして流動性を高めているので、この温度を極力低くすることも望ましい。この観点から、スラグの酸化処理においては、フッ化物系フラックスの不使用および低温での処理が望まれている。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、スラグの流動性の低下を抑制することができ、簡便な方法でスラグを酸化処理することを可能とするスラグの酸化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、酸化鉄を含有するスラグを処理するためのスラグ処理容器において、耐火物層をステンレス系鋼板で被覆することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1
スラグの酸化方法であって、
酸化鉄を含有するスラグを酸化処理する工程を具備し、
前記酸化処理は、CaO-Na

O-SiO

系スラグの存在下で行われる、スラグの酸化方法。
項2
前記スラグが銅製錬スラグである、項1に記載のスラグの酸化方法。
項3
前記酸化処理は、フッ化物の非存在下で行われる、項1または2に記載のスラグの酸化方法。
項4
前記酸化処理は、スラグ処理容器内で行われ、
前記スラグ処理容器は、外殻と、耐火物層と、内層とを少なくとも備え、
前記内層は前記スラグと接触する層であると共に前記耐火物層を被覆するように形成されており、
前記内層はステンレス系鋼板または耐熱鋼板で形成されている、項1~3のいずれか1項に記載のスラグの酸化方法。
項5
前記外殻は普通鋼で形成されており、
前記外殻と前記耐火物層との間には断熱材層が設けられている、項1~4のいずれか1項に記載のスラグの酸化方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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