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公開番号2025171726
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-20
出願番号2024077357
出願日2024-05-10
発明の名称音源位置決定方法、音源位置決定プログラムおよび音源位置決定装置
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類G06F 30/23 20200101AFI20251113BHJP(計算;計数)
要約【課題】不整形な室を対象としたアクティブノイズコントロールによるモード制御をする際に、適切な制御音源の位置を求めることができる。
【解決手段】室内の騒音をアクティブノイズコントロールのモード制御によって低減するために使用する制御スピーカの位置を求める音源位置決定装置100であって、室を再現した室モデルを用いて、前記室のモード周波数を有限要素法により求めるモード解析部22と、前記モード周波数毎に、モードの腹および節の位置での音圧レベルを求めるモード別解析部23と、前記腹の位置を前記制御スピーカを配置する候補位置とし、すべてのモードでの前記腹および前記節の音圧レベルに基づいて、前記候補位置での評価を求める候補位置評価部24と、候補位置評価部24での評価に基づいて前記制御スピーカの位置を決定する音源位置選択部25とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
室内の騒音をアクティブノイズコントロールのモード制御によって低減するために使用する制御スピーカの位置を求める音源位置決定方法であって、
室を再現した室モデルを用いて、前記室のモード周波数を有限要素法により求めるモード解析工程と、
前記モード周波数毎に、モードの腹および節の位置での音圧レベルを求めるモード別解析工程と、
前記腹の位置を前記制御スピーカを配置する候補位置とし、すべてのモードでの前記腹および前記節の音圧レベルに基づいて、前記候補位置での評価を求める候補位置評価工程と、
前記候補位置評価工程での評価に基づいて前記制御スピーカの位置を決定する音源位置選択工程と、を有する、
ことを特徴とする音源位置決定方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記候補位置評価工程では、前記評価として次の式(1)に示す評価関数を求める、ことを特徴とする請求項1に記載の音源位置決定方法。
TIFF
2025171726000004.tif
26
151
【請求項3】
前記モード解析工程では、前記有限要素法により室内の任意の点または室内の平均の音圧周波数特性を求め、前記音圧周波数特性におけるピークをモード周波数とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の音源位置決定方法。
【請求項4】
前記モード別解析工程では、各モード周波数における音圧分布を作成し、前記音圧分布に基づいて前記腹および前記節の位置での音圧レベルを求める、
ことを特徴とする請求項1に記載の音源位置決定方法。
【請求項5】
室内の騒音をアクティブノイズコントロールのモード制御によって低減するために使用する制御スピーカの位置を求める音源位置決定方法であって、
室を再現した室モデルを用いて、前記室のモード周波数を有限要素法により求めるモード解析工程と、
前記モード周波数毎に、モードの腹および節の位置を求めるモード別解析工程と、
前記腹の位置を前記制御スピーカを配置する候補位置とし、前記候補位置での前記腹および前記節の有無をすべてのモードについて集計し、集計結果に基づいて前記候補位置での評価を求める候補位置評価工程と、
前記候補位置評価工程での評価に基づいて前記制御スピーカの位置を決定する音源位置選択工程と、を有する、
ことを特徴とする音源位置決定方法。
【請求項6】
請求項1に記載の音源位置決定方法をコンピュータに実行させるための音源位置決定プログラム。
【請求項7】
室内の騒音をアクティブノイズコントロールのモード制御によって低減するために使用する制御スピーカの位置を求める音源位置決定装置であって、
室を再現した室モデルを用いて、前記室のモード周波数を有限要素法により求めるモード解析部と、
前記モード周波数毎に、モードの腹および節の位置での音圧レベルを求めるモード別解析部と、
前記腹の位置を前記制御スピーカを配置する候補位置とし、すべてのモードでの前記腹および前記節の音圧レベルに基づいて、前記候補位置での評価を求める候補位置評価部と、
前記候補位置評価部での評価に基づいて前記制御スピーカの位置を決定する音源位置選択部と、を有する、
ことを特徴とする音源位置決定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、音源位置決定方法、音源位置決定プログラムおよび音源位置決定装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
閉空間内の共鳴時の音響エネルギーを最小にするアクティブ制御手法が研究されている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載される方法は、剛壁で囲まれた1室内のモード周波数(共振周波数)に着目している。具体的には、モード周波数の音が放射されている室内において、制御音源と制御点を適切に配置し、室内の全音響エネルギーが最小となるような制御を行うことで、音圧レベルが全体的に低下して騒音を打ち消している。なお、非特許文献1では、既知の純音を騒音源としている。
【0003】
また、騒音源室内での制御によって隣接する室内の騒音を低減する技術が存在する(特許文献1参照)。非特許文献1に記載される技術では、1つの室内について議論されており、音源室に隣接する室については考えられていないので、隣室が存在している場合に制御できるのは音源室側のモード周波数のみであって隣室側のモード周波数を制御できない。一方、特許文献1の技術によれば、騒音源室内での制御によって隣接する室内の騒音を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-053341号公報
【非特許文献】
【0005】
伊勢 史郎、他2名、「境界要素法による室内のアクティブモード制御の解析」、日本音響学会誌51巻1号、一般社団法人日本音響学会、1995年、pp.25-33
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術で想定している室は直方体室であったため、モード制御時に制御音源を配置する場所は室の角でよかった。直方体室の角は、低次モードにおいて必ず音圧最大の点(腹)となり、モードを駆動できる位置であるためである。しかし、直方体室でない場合も多く、その場合には室の角が制御音源を配置する最適な場所とはならない。制御音源が最適な配置でない場合、支配的なモード周波数を制御できず、制御効果が得られないという問題がある。
【0007】
このような観点から、本発明は、不整形な室を対象としたアクティブノイズコントロールによるモード制御をする際に、適切な制御音源の位置を求めることができる音源位置決定方法、音源位置決定プログラムおよび音源位置決定装置を提供する。ここでいう適切とは、多くのモード周波数を制御でき、かつ支配的なモードを制御することができることである。これにより、不整形の室であっても、少数の制御音源で効率的に数多くの周波数を対象に制御できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る音源位置決定方法は、室内の騒音をアクティブノイズコントロールのモード制御によって低減するために使用する制御スピーカの位置を求める方法である。この音源位置決定方法は、モード解析工程と、モード別解析工程と、候補位置評価工程と、音源位置選択工程と、を有する。
モード解析工程では、室を再現した室モデルを用いて、前記室のモード周波数を有限要素法により求める。
モード別解析工程では、前記モード周波数毎に、モードの腹および節の位置での音圧レベルを求める。
候補位置評価工程では、前記腹の位置を前記制御スピーカを配置する候補位置とし、すべてのモードでの前記腹および前記節の音圧レベルに基づいて、前記候補位置での評価を求める。
音源位置選択工程では、前記候補位置評価工程での評価に基づいて前記制御スピーカの位置を決定する。
【0009】
本発明に係る音源位置決定方法においては、室に影響する複数のモード周波数での音圧レベルに基づいて候補位置を評価するので、候補位置から選択された位置は、多くのモード周波数を制御できるものである。そのため、少数の制御スピーカで効率的に数多くの周波数を対象に制御できる。なお、制御対象の周波数の範囲が決められている場合、その範囲内に含まれる複数のモード周波数での音圧レベルに基づいて候補位置を評価すればよい。
【0010】
前記候補位置評価工程では、例えば、前記評価として次の式(1)に示す評価関数を求めることができる。
TIFF
2025171726000002.tif
25
153
(【0011】以降は省略されています)

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