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公開番号
2025141005
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-29
出願番号
2024040696
出願日
2024-03-15
発明の名称
シロキサン樹脂組成物、硬化膜および硬化膜基材
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
C08L
83/04 20060101AFI20250919BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】 本発明は、少なくとも(A)シロキサン樹脂、(B)シリカ粒子、(C)溶媒を含有するシロキサン樹脂組成物であって、組成物中のフッ化物イオン、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンの合計含有量が組成物全体の0ppm~100ppmであるシロキサン樹脂組成物である。
【解決手段】 本発明のシロキサン樹脂組成物は、シロキサン樹脂の縮合反応を経時的に抑制可能で、溶媒に溶解した際の粘度が相対的に安定しており、その結果、塗布して膜を形成し硬化した際の膜厚や表面状態が安定しており、硬化膜表面の凹凸(表面粗さ)も小さくできる。また、シリカ粒子の凝集が抑制されており、長期間放置した後に塗布して膜を形成し硬化した場合でも、硬化膜の光学性能(平均光線透過率やヘイズ値)が良好で、硬化膜表面の凹凸(表面粗さ)も小さくできる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも(A)シロキサン樹脂、(B)シリカ粒子、(C)溶媒を含有するシロキサン樹脂組成物であって、組成物中のフッ化物イオン、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンの合計含有量が組成物全体の0ppm~100ppmであるシロキサン樹脂組成物。
続きを表示(約 780 文字)
【請求項2】
前記組成物中のフッ化物イオン、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンの含有量がそれぞれ組成物全体の0ppm~10ppmである請求項1記載のシロキサン樹脂組成物。
【請求項3】
前記組成物中のトリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオンのいずれかの含有量が組成物全体の100~10,000ppmである請求項1または請求項2に記載のシロキサン樹脂組成物。
【請求項4】
(B)シリカ粒子の平均粒子径が1~80nmである請求項1または請求項2に記載のシロキサン樹脂組成物。
【請求項5】
(A)シロキサン樹脂の質量平均分子量が1,000以上、15,000以下である請求項1または請求項2に記載のシロキサン樹脂組成物。
【請求項6】
(A)シロキサン樹脂がフェニル基を有し、前記シロキサン樹脂中のフェニル基の含有率がSi原子に対して20~60モル%である請求項1または請求項2に記載のシロキサン樹脂組成物。
【請求項7】
(A)シロキサン樹脂がラジカル重合性基を有し、さらに光重合開始剤を含有する請求項1または請求項2に記載のシロキサン樹脂組成物。
【請求項8】
前記請求項1または請求項2に記載のシロキサン樹脂組成物から形成した硬化膜であって、膜厚2umで波長400nmでの平均光線透過率が93%以上である硬化膜。
【請求項9】
膜厚1umあたりのヘイズ値が1.2%未満である請求項8記載の硬化膜。
【請求項10】
表面粗さが7.5nm未満である請求項8記載の硬化膜。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカ粒子を含有するシロキサン樹脂組成物、硬化膜および硬化膜基材に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリシロキサンを含む樹脂組成物は、耐熱性・耐候性・透明性に優れることから、固体撮像素子用マイクロレンズアレイをはじめとする光学レンズ、液晶や有機ELディスプレイのTFT用平坦化膜、タッチパネル用保護膜・絶縁膜、反射防止膜、光学フィルターなどの用途に幅広く利用されている。そして、ポリシロキサンを含む樹脂組成物にシリカ粒子を含有させ、さらに性能向上を目指す試みがされている。
【0003】
例えば、シリカ粒子および塩酸、酢酸、蟻酸、硝酸、蓚酸、硫酸、リン酸などの酸触媒の存在下で、アルコキシシラン化合物を加水分解してシラノール化合物を得、該シラノール化合物を縮合反応させることによりシリカ粒子含有ポリシロキサンを得る特許文献1の発明がある。特許文献1の発明では、前記シラノール化合物の縮合反応により鉛筆硬度、ヤング率および圧縮応力が向上した硬化膜を形成でき、強化ガラス基板と硬化膜との屈折率差を低減して硬化膜の膜厚バラツキに起因するムラを軽減できる特長がある。
【0004】
また、蟻酸、酢酸、リン酸などを含む酸触媒下などの酸触媒の存在下で、アルコキシシラン化合物を加水分解してシロキサン樹脂を得、シロキサン樹脂およびシリカ粒子を含有するガラス強化材料を強化ガラス基板の少なくとも片面に形成して、膜厚が0.5~10μm、波長400nmにおける透過率が90%以上の硬化膜を形成する特許文献2の発明がある。特許文献2の発明は、耐湿熱性に優れたネガ型感光性シロキサン樹脂からなる硬化膜を形成でき、パターン形成可能な低屈折率材料として固体撮像素子の平坦化膜等に好適に用いることができる特長がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-026360号公報
特開2019-214492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の発明においては、酸触媒存在下でのアルコキシシラン化合物を加水分解してシラノール化合物を得る反応およびシラノール化合物を縮合させる反応の進行を制御しにくく、反応状態を厳密に管理しないと得られるシリカ粒子含有ポリシロキサンの重合度のバラツキが大きくなって、有機溶剤等に溶解した際の膜形成用の溶液の粘度が安定せず膜の厚みや性能が不安定になる課題があった。
【0007】
また、特許文献2の発明においては、アルコキシシラン化合物を加水分解して得られたシロキサン樹脂とシリカ粒子とを含有するガラス強化材料を長期間放置しておくと、分散していたシリカ粒子がシロキサン樹脂から経時的に分離して、残留する酸触媒に起因してシリカ粒子が凝集し、ガラス強化材料を塗布して得たときの硬化膜の光学性能(平均光線透過率やヘイズ値)を低下させるなどの課題があった。
【0008】
さらに、特許文献1の発明では膜の厚みの不安定化、特許文献2の発明ではシリカ粒子の凝集による粒子径のバラツキに起因して、どちらの発明も膜を形成した際の表面凹凸(表面粗さ)が大きくなる懸念があり、その上層に薄い膜厚の無機膜を形成した場合にピンホールや密着不良などの不具合が発生しやすい課題があった。
【0009】
本発明は、これらの課題を解決すべく、上記先行技術文献のような酸触媒を極力用いずにシロキサン樹脂を合成した、シリカ粒子および溶媒を含有するシロキサン樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]少なくとも(A)シロキサン樹脂、(B)シリカ粒子、(C)溶媒を含有するシロキサン樹脂組成物であって、組成物中のフッ化物イオン、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンの合計含有量が組成物全体の0ppm~100ppmであるシロキサン樹脂組成物。
[2]前記組成物中のフッ化物イオン、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンの含有量がそれぞれ組成物全体の0ppm~10ppmである[1]記載のシロキサン樹脂組成物。
[3]前記組成物中のトリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオンのいずれかの含有量が組成物全体の100~10,000ppmである[1]または[2]記載のシロキサン脂組成物。
[4](B)シリカ粒子の平均粒子径が1~80nmである[1]~[3]のいずれかに記載のシロキサン脂組成物。
[5](A)シロキサン樹脂の質量平均分子量が1,000以上、15,000以下である[1]~[4]のいずれかに記載のシロキサン樹脂組成物。
[6](A)シロキサン樹脂がフェニル基を有し、前記シロキサン樹脂中のフェニル基の含有率がSi原子に対して20~60モル%である[1]~[5]のいずれかに記載のシロキサン樹脂組成物。
[7](A)シロキサン樹脂がラジカル重合性基を有し、さらに光重合開始剤を含有する[1]~[6]のいずれかに記載のシロキサン樹脂組成物。
[8][1]~[7]のいずれかに記載のシロキサン樹脂組成物から形成した硬化膜であって、膜厚2umで波長400nmでの平均光線透過率が93%以上である硬化膜。
[9]膜厚1umあたりのヘイズ値が1.2%未満である[8]記載の硬化膜。
[10]表面粗さが7.5nm未満である[8]または[9]記載の硬化膜。
[11]基材上に、[8]~[10]のいずれかに記載の硬化膜が形成された硬化膜基材。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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