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公開番号2025139231
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024038048
出願日2024-03-12
発明の名称直流電源の漏電検出器
出願人ANP株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H02H 3/16 20060101AFI20250918BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】直流電源の漏電検出器において、漏電電流が感度電流に達した時点を確実に検出できること、及び、直流電源電圧が変動しても感度電流の値が変化しないことを実現する。
【解決手段】中点Nで接続された抵抗要素R1、R2と、正側電路3に接続された電流路と中点Nに接続された制御端とを有する半導体素子Q1と、負側電路4に接続された電流路と中点Nに接続された制御端とを有する半導体素子Q2と、半導体素子Q1、Q2の電流路の他端EとグランドGとの間に接続された感度設定用抵抗要素Reと、半導体素子Q1、Q2の制御端とグランドGとの間に互いに逆向きに直列接続されかつ感度設定用抵抗要素Reの抵抗値と感度電流Isの積に等しいツェナー電圧Vzをそれぞれ有する定電圧ダイオードZ1、Z2と、正側電路3又は負側電路4の電位の変化に基づいて感度電流Isを検出する検出部20と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
直流電源の正側電路(3)又は負側電路(4)とグランド(G)との間の漏電を検出するための漏電検出器であって、
前記正側電路(3)及び前記負側電路(4)の各々に一端がそれぞれ接続され他端同士が中点(N)で接続された同じ抵抗値を有する第1抵抗要素(R1)及び第2抵抗要素(R2)と、
前記負側電路(4)と前記グランド(G)との間の漏電時に漏電電流(I4)が流れかつ一端が前記正側電路(3)に接続された電流路と前記中点(N)に接続された制御端とを有する第1半導体素子(Q1)と、
前記正側電路(4)と前記グランド(G)との間の漏電時に漏電電流(I4)が流れかつ一端が前記負側電路(4)に接続された電流路と前記中点(N)に接続された制御端とを有する第2半導体素子(Q2)と、
前記第1半導体素子(Q1)及び前記第2半導体素子(Q2)の各々の電流路の他端(E)と前記グランド(G)との間に接続された感度設定用抵抗要素(Re)と、
前記第1半導体素子(Q1)及び前記第2半導体素子(Q2)の各々の制御端と前記グランド(G)との間に互いに逆向きに直列接続されかつ前記感度設定用抵抗要素(Re)の抵抗値と感度電流(Is)の積に等しいツェナー電圧(Vz)を有する第1定電圧ダイオード(Z1)及び第2定電圧ダイオード(Z2)と、
前記正側電路(3)又は前記負側電路(4)の電位の変化に基づいて漏電電流(I4)が感度電流(Is)に達したことを検出する検出部(20)と、を備えたことを特徴とする漏電検出器。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記負側電路(4)と前記グランド(G)との漏電時における前記負側電路(4)の電位は、
漏電電流(I4)が感度電流(Is)未満のとき、非漏電時の前記負側電路(4)の電位よりも前記感度設定用抵抗要素(Re)の抵抗値と漏電電流(I4)の積に等しい電圧(Ve)だけ高い電位となり、かつ、
漏電電流(I4)が感度電流(Is)に達したとき、前記グランド(G)の電位と略等しい電位となることを特徴とする請求項1に記載の漏電検出器。
【請求項3】
前記正側電路(3)と前記グランド(G)との漏電時における前記正側電路(3)の電位は、
漏電電流(I4)が感度電流(Is)未満のとき、非漏電時の前記正側電路(3)の電位よりも前記感度設定用抵抗要素(Re)の抵抗値と漏電電流(I4)の積に等しい電圧(Ve)だけ低い電位となり、かつ、
漏電電流(I4)が感度電流(Is)に達したとき、前記グランド(G)の電位と略等しい電位となることを特徴とする請求項1に記載の漏電検出器。
【請求項4】
前記検出部(20)は、前記正側電路(3)と前記負側電路(4)間に順次接続された同じ抵抗値をもつ3つの抵抗要素(R3, R4, R5)を有し、
前記3つの抵抗要素(R3, R4, R5)の2つの接続点(A, B)の電位と前記グランド(G)の電位との高低関係に応じて検出電流(I5)が流れるように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の漏電検出器。
【請求項5】
前記第1半導体素子(Q1)及び前記第2半導体素子(Q2)は、前記各々の電流路の他端(E)をエミッタ又はソースとするエミッタフォロワ回路又はソースフォロワ回路を構成することを特徴とする請求項1に記載の漏電検出器。
【請求項6】
前記感度設定用抵抗要素(Re)が、抵抗値の異なる複数の抵抗素子の中から機械的スイッチの切り換えによって選択されることを特徴とする請求項1に記載の漏電検出器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電源の漏電検出器に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、直流電源の漏電検出器として中性点接地方式が知られている。中性点接地方式は、直流電源の正側電路と負側電路の間に中性点を設定するために2つの抵抗素子を直列接続してその接続点を接地する構成を有する(例えば特許文献1~3)。中性点接地方式では、電路の漏電(地絡等)が発生したとき、抵抗素子を流れる漏電電流による両端電圧又は分圧の変化、又は、抵抗素子と中性点を通って流れる漏電電流を検出することによって漏電を検出している。
【0003】
上記のような中性点接地方式の漏電検出器では、定常時(漏電が発生していないとき)の抵抗素子による消費電力を抑制するために高抵抗とすると、ノイズに敏感となり誤動作が多くなるという問題があった。また、直流電源電圧が印加されて漏電電流が流れる2つの抵抗素子には、高電力用を用いる必要があった。
【0004】
そこで特許文献4、5の漏電検出器においては、中性点設定用の抵抗素子とは別に、漏電電流を流すための回路を設けることによって漏電電流が中性点設定用の抵抗素子に流れないようにし、精度よく漏電検出すると同時に定常時の消費電力を抑制することを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-296316号公報
特開2009-261039号公報
特開2013-130536号公報
特開2022-104280号公報
特開2023-53772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に漏電検出器では、漏電時における漏電電流が所定の感度電流に達した時点で漏電を検出するように設計されている。しかしながら、漏電電流の大きさを直接監視する方式や、漏電電流が流れる所定の抵抗素子の両端電圧を監視する方式の場合、漏電電流が感度電流未満の領域から感度電流に達したときの変化は連続的であり顕著ではない。したがって、漏電電流が感度電流の近傍にあるときはノイズの影響を受けやすく、後段の漏電遮断器等の誤動作を生じ易いという問題があった。
【0007】
また、特許文献4、5の漏電検出器では、所定の感度電流に対応する回路定数を直流電源電圧に応じて設定するが、その漏電検出器を電圧の異なる直流電源へそのまま適用できず、また、漏電検出中に直流電源電圧が変動すると感度電流の値が変化してしまうという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、直流電源の漏電検出器において、漏電電流が感度電流に達した時点を確実に検出できること、及び、直流電源電圧が変動しても感度電流の値が変化しないことを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するべく、本発明は、以下の構成を提供する。なお、括弧内の符号は後述する図面中の符号であり、参考のために付するものである。
[1]本発明の態様は、直流電源の正側電路(3)又は負側電路(4)とグランド(G)との間の漏電を検出するための漏電検出器であって、
前記正側電路(3)及び前記負側電路(4)の各々に一端がそれぞれ接続され他端同士が中点(N)で接続された同じ抵抗値を有する第1抵抗要素(R1)及び第2抵抗要素(R2)と、
前記負側電路(4)と前記グランド(G)との間の漏電時に漏電電流(I4)が流れかつ一端が前記正側電路(3)に接続された電流路と前記中点(N)に接続された制御端とを有する第1半導体素子(Q1)と、
前記正側電路(4)と前記グランド(G)との間の漏電時に漏電電流(I4)が流れかつ一端が前記負側電路(4)に接続された電流路と前記中点(N)に接続された制御端とを有する第2半導体素子(Q2)と、
前記第1半導体素子(Q1)及び前記第2半導体素子(Q2)の各々の電流路の他端(E)と前記グランド(G)との間に接続された感度設定用抵抗要素(Re)と、
前記第1半導体素子(Q1)及び前記第2半導体素子(Q2)の各々の制御端と前記グランド(G)との間に互いに逆向きに直列接続されかつ前記感度設定用抵抗要素(Re)の抵抗値と感度電流(Is)の積に等しいツェナー電圧(Vz)を有する第1定電圧ダイオード(Z1)及び第2定電圧ダイオード(Z2)と、
前記正側電路(3)又は前記負側電路(4)の電位の変化に基づいて漏電電流(I4)が感度電流(Is)に達したことを検出する検出部(20)と、を備えたことを特徴とする。
[2]上記[1]の態様において、前記負側電路(4)と前記グランド(G)との漏電時における前記負側電路(4)の電位は、
漏電電流(I4)が感度電流(Is)未満のとき、非漏電時の前記負側電路(4)の電位よりも前記感度設定用抵抗要素(Re)の抵抗値と漏電電流(I4)の積に等しい電圧(Ve)だけ高い電位となり、かつ、
漏電電流(I4)が感度電流(Is)に達したとき、前記グランド(G)の電位と略等しい電位となることを特徴とする。
[3]上記[1]の態様において、前記正側電路(3)と前記グランド(G)との漏電時における前記正側電路(3)の電位は、
漏電電流(I4)が感度電流(Is)未満のとき、非漏電時の前記正側電路(3)の電位よりも前記感度設定用抵抗要素(Re)の抵抗値と漏電電流(I4)の積に等しい電圧(Ve)だけ低い電位となり、かつ、
漏電電流(I4)が感度電流(Is)に達したとき、前記グランド(G)の電位と略等しい電位となることを特徴とする。
[4]上記[2]又は[3]の態様において、前記検出部(20)は、前記正側電路(3)と前記負側電路(4)間に順次接続された同じ抵抗値をもつ3つの抵抗要素(R3, R4, R5)を有し、
前記3つの抵抗要素(R3, R4, R5)の2つの接続点(A, B)の電位と前記グランド(G)の電位との高低関係に応じて検出電流(I5)が流れるように構成されていることを特徴とする。
[5]上記[1]の態様において、前記第1半導体素子(Q1)及び前記第2半導体素子(Q2)は、前記各々の電流路の他端(E)をエミッタ又はソースとするエミッタフォロワ回路又はソースフォロワ回路を構成することを特徴とする。
[6]上記[1]の態様において、前記感度設定用抵抗要素(Re)が、抵抗値の異なる複数の抵抗素子の中から機械的スイッチの切り換えによって選択されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、直流電源の漏電検出器において、漏電電流が感度電流に達した時点を確実に検出できること、及び、直流電源電圧が変動しても感度電流が変化しないことを実現できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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