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公開番号2025139009
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024037706
出願日2024-03-12
発明の名称リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池および算出方法
出願人古河電池株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類H01M 4/13 20100101AFI20250918BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】サイクル寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池および算出方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係るリチウムイオン二次電池用正極は、リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能な正極活物質、導電剤、結着剤を含む正極合材層が集電体上に設けられ、圧延処理が施されたリチウムイオン二次電池用正極であって、加速電圧15kV、作動距離(WD)を10mmとした走査電子顕微鏡(SEM)によって取得される、正極の表面のSEM反射電子像において、活物質領域を示す輪郭のなす形状の重心の標準偏差をGvとしたとき、Gv<0.710を満たす。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能な正極活物質、導電剤、結着剤を含む正極合材層が集電体上に設けられ、圧延処理が施されたリチウムイオン二次電池用正極であって、
加速電圧15kV、作動距離(WD)を10mmとした走査電子顕微鏡(SEM)によって取得される、前記正極の表面のSEM反射電子像において、活物質領域を示す輪郭のなす形状の重心と、最も近い他の活物質領域を示す輪郭のなす形状の重心との距離において、全ての重心に対する前記距離の標準偏差をGvとしたとき、μm換算で、Gv<0.710を満たす、
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記正極合材層の総質量に対し、正極活物質の質量割合が94.0質量%以上98.0質量%以下、導電剤の質量割合が1.0質量%以上5.0質量%以下、結着剤の質量割合が1.0質量%以上5.0質量%以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項3】
前記正極合材層の密度が、3.3g/cc以上3.7g/cc以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項4】
前記SEM反射電子像は、前記正極の表面において17.28μm×25.4μmの範囲を走査して得られる、
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
【請求項5】
請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用正極と、
リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極と、
非水電解液と、
を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
【請求項6】
リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能な正極活物質、導電剤、結着剤を含む正極合材層が集電体上に設けられ、圧延処理が施されたリチウムイオン二次電池用正極のパラメータを算出する算出方法であって、
走査電子顕微鏡(SEM)によって、前記正極の表面のSEM反射電子像または二次電子像である画像を取得し、
取得した前記画像において、輝度信号と、前記画像の輝度信号に基づいて設定される閾値とをもとに前記画像を二値化し、
前記二値化した画像から輪郭を抽出し、
前記輪郭のなす形状の重心と最も距離が近い重心との間の距離を、全ての重心に対して計測した値を算出する、
ことを特徴とする算出方法。
【請求項7】
前記値の標準偏差を算出する工程を含む請求項6に記載の算出方法。
【請求項8】
前記閾値は、前記画像の輝度信号の中央値である、
ことを特徴とする請求項6に記載の算出方法。
【請求項9】
前記画像のスケールの画素数を設定し、
0.1μmに相当する画素数を上限として前記画像を平滑化する、
ことを特徴とする請求項6に記載の算出方法。
【請求項10】
前記輪郭によって囲まれた部分の面積が、予め設定された面積よりも小さい場合、当該輪郭によって囲まれた部分を、前記重心を算出する対象の輪郭から除外する、
ことを特徴とする請求項6に記載の算出方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池および算出方法に関するものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来の電子機器の電源として、リチウムイオン二次電池は、携帯機器、電気自動車、住宅、ドローン、ロボットまたは事業施設用の蓄電池等の幅広い用途に用いられている(例えば、特許文献1を参照)。特に、ドローン用リチウムイオン二次電池は、その用途から高い出力密度(高レート特性)が求められる。
【0003】
ここで、リチウムイオン電池のレート特性を向上させるためには、正極材料(正極活物質、導電剤、結着剤等)が適切に分散された正極を使用する必要がある。正極材料が均質に分散された電極は、正極内の活物質同士を結ぶ導電パスが多いため、充放電の繰り返しにより導電パスが多少消失しても多くの導電パスが残存することでサイクル寿命が長くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-11992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、正極は、一般的には、正極材料が均質に分散されている方が、導電パスが多くなるため、サイクル寿命特性が向上する。一方で、分散が不足すると導電パスが減少し、サイクル寿命特性が低下する。
しかしながら、分散の状態や、導電パスの存在を定量化することは、これまで十分には行われてこなかった。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、サイクル寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池および算出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るリチウムイオン二次電池用正極は、第一の観点として、リチウムイオンを吸蔵および放出することが可能な正極活物質、導電剤、結着剤を含む正極合材層が集電体上に設けられ、圧延処理が施されたリチウムイオン二次電池用正極であって、倍率5000倍、加速電圧15kV、照射電流P.C.30の走査電子顕微鏡(SEM)によって取得される、前記正極の表面のSEM反射電子像において、活物質領域を示す輪郭のなす形状の重心と、最も近い他の活物質領域を示す輪郭のなす形状の重心との距離において、全ての重心に対する前記距離の標準偏差をGvとしたとき、μm換算で、Gv<0.710を満たす、ことを特徴とする。
【0008】
なお、SEM反射電子像は、二次電子像で代替することもできるが、組成の違いを重視したい場合は、相対的に組成に強く関連するSEM反射電子像の方が好ましい。
【0009】
上記のGvは、各々の活物質同士の配置のバラつき示す。標準偏差Gvが小さいことは、バラつきが小さく、材料が均質に分散されていることを意味し、逆に標準偏差Gvが大きいことは、領域のバラつきが大きく、材料が凝集している、または偏在していることを意味する。このように標準偏差Gvを用いることで、電極材料の分散度合いを定量化することができる。
【0010】
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池用正極は、第二の観点として、第一の観点に加えて、前記正極合材層の総質量に対し、正極活物質の質量割合が94.0質量%以上98.0質量%以下、導電剤の質量割合が1.0質量%以上5.0質量%以下、結着剤の質量割合が1.0質量%以上5.0質量%以下である、ことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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