TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025136975
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024035926
出願日
2024-03-08
発明の名称
エアバッグ装置
出願人
三菱自動車工業株式会社
代理人
個人
主分類
B60R
21/2338 20110101AFI20250911BHJP(車両一般)
要約
【課題】前面衝突時に前傾する頭部と胸部との双方をほぼ同時にバランスよくエアバッグで拘束する上で有利なエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】シートスライドセンサ26で検出された乗員位置が車両前方寄りの箇所であり、前面衝突時における乗員前傾角度φが小さい場合には、拘束面角度制御部50は、膨張展開するエアバッグ14の拘束面角度θが小さくなるように展開形状調整部30を制御する。一方、乗員位置が車両後方寄りの箇所であり、前面衝突時における乗員前傾角度φが大きい場合には、拘束面角度制御部50は、膨張展開するエアバッグ14の拘束面角度θが大きくなるように展開形状調整部30を制御する。これにより、前面衝突時に前傾する乗員16の頭部18と胸部20の双方がほぼ同時にバランスよくエアバッグ14の拘束面1402で拘束される。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
車両衝突時に膨張展開するエアバッグを備えるエアバッグ装置であって、
着座した乗員の車両前後方向における位置を乗員位置として検出する乗員位置検出部と、
膨張展開する前記エアバッグの拘束面を調整する展開形状調整部と、
膨張展開する前記エアバッグの拘束面のうち前記乗員の頭部を拘束する箇所と前記乗員の胸部を拘束する箇所とを結ぶ直線と車両上下方向を結ぶ直線とがなす角度を拘束面角度としたとき、前記展開形状調整部を制御することにより前記拘束面角度を制御する拘束面角度制御部とを備え、
前記拘束面角度制御部による前記拘束面角度の制御は、前記乗員位置検出部で検出された前記乗員位置が車両後方になるほど前記拘束面角度が大きくなるようになされる、
ことを特徴とするエアバッグ装置。
続きを表示(約 630 文字)
【請求項2】
前記エアバッグ装置は、エアバッグを収容しインストルメントパネルに取り付けられたハウジングを有し、
前記展開形状調整部は、前記ハウジングに取り付けられた基部テザーと、前記基部テザーの先端に連結され前記拘束面のうち乗員の頭部を拘束する箇所に連結された頭部拘束テザーと、前記基部テザーの先端に連結され前記乗員の胸部を拘束する箇所に連結された胸部拘束テザーと、前記基部テザーの長さを前記乗員位置に応じて変化させる基部テザー長さ調整部とを備える、
ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
【請求項3】
前記基部テザーは、それぞれ前記ハウジングで保持されたピンに連結された長さの異なる複数本が設けられ、
前記基部テザー長さ調整部は、前記乗員位置検出部で検出された前記乗員位置に応じて不使用の長さの前記基部テザーに連結されたピンを脱落させる、
ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ装置。
【請求項4】
前記基部テザー長さ調整部は、前記ハウジングに取り付けられ前記基部テザーが巻回されたリールと、前記リールを回転させ前記基部テザーの繰り出し、巻き取りを行なうアクチュエータとを備え、
前記基部テザー長さ調整部は、前記乗員位置検出部で検出された前記乗員位置に応じて前記アクチュエータによる前記リールの回転を制御する、
ことを特徴とする請求項2記載のエアバッグ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ装置に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来からインストルメントパネルに設けられ車両衝突時に前席に向かって膨張展開するエアバッグを備えるエアバッグ装置が知られている。
特許文献1には、前席の車両前後方向の位置、すなわち乗員位置に基づいてエアバッグの膨張量を制限することで、衝突直前の制動によって乗員が前方に移動してインストルメントパネルとの距離が近くなった場合でも、エアバッグを円滑に展開させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-88007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前面衝突時における前席の乗員の上体(頭部および胸部)の挙動に着目すると、乗員の上体は腰を回転中心として前傾する。
そして、エアバッグで拘束された際の乗員の上体の前傾度合いは、乗員位置が車両後方となるほど大きくなり、乗員位置が車両前方となるほど小さくなる。
一方、エアバッグの膨張展開時の拘束面の傾斜は、エアバッグを形成する基布の形状およびエアバッグ内部に設けられたテザーの位置や長さで一意に決定される。
したがって、エアバッグの膨張展開時の拘束面に対して乗員の前傾が大きすぎると、乗員の頭部が胸部よりも先行してエアバッグに拘束されることになり、これとは逆に、エアバッグの膨張展開時の拘束面に対して乗員の前傾が小さすぎると、乗員の胸部が頭部よりも先行してエアバッグに拘束されることになる。
すなわち、いずれの場合も前面衝突時に前傾する頭部と胸部の双方をほぼ同時にほぼ同時にバランスよくエアバッグで拘束する上で改善の余地がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであり、本発明は、前面衝突時に前傾する頭部と胸部の双方をほぼ同時にバランスよくエアバッグで拘束する上で有利なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、車両衝突時に膨張展開するエアバッグを備えるエアバッグ装置であって、着座した乗員の車両前後方向における位置を乗員位置として検出する乗員位置検出部と、膨張展開する前記エアバッグの拘束面を調整する展開形状調整部と、膨張展開する前記エアバッグの拘束面のうち前記乗員の頭部を拘束する箇所と前記乗員の胸部を拘束する箇所とを結ぶ直線と車両上下方向を結ぶ直線とがなす角度を拘束面角度としたとき、前記展開形状調整部を制御することにより前記拘束面角度を制御する拘束面角度制御部とを備え、前記拘束面角度制御部による前記拘束面角度の制御は、前記乗員位置検出部で検出された前記乗員位置が車両後方になるほど前記拘束面角度が大きくなるようになされることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記エアバッグ装置は、エアバッグを収容しインストルメントパネルに取り付けられたハウジングを有し、前記展開形状調整部は、前記ハウジングに取り付けられた基部テザーと、前記基部テザーの先端に連結され前記拘束面のうち乗員の頭部を拘束する箇所に連結された頭部拘束テザーと、前記基部テザーの先端に連結され前記乗員の胸部を拘束する箇所に連結された胸部拘束テザーと、前記基部テザーの長さを前記乗員位置に応じて変化させる基部テザー長さ調整部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記基部テザーは、それぞれ前記ハウジングで保持されたピンに連結された長さの異なる複数本が設けられ、前記基部テザー長さ調整部は、前記乗員位置検出部で検出された前記乗員位置に応じて不使用の長さの前記基部テザーに連結されたピンを脱落させることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記基部テザー長さ調整部は、前記ハウジングに取り付けられ前記基部テザーが巻回されたリールと、前記リールを回転させ前記基部テザーの繰り出し、巻き取りを行なうアクチュエータとを備え、前記基部テザー長さ調整部は、前記乗員位置検出部で検出された前記乗員位置に応じて前記アクチュエータによる前記リールの回転を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、乗員位置検出部で検出された乗員位置が車両前方になるほど膨張展開するエアバッグの拘束面角度が小さくなり、乗員位置検出部で検出された乗員位置が車両後方になるほど膨張展開するエアバッグの拘束面角度が大きくなるように拘束面角度制御部によって展開形状調整部を制御するので、前面衝突時に前傾する乗員の頭部と胸部の双方をほぼ同時にバランスよくエアバッグの拘束面で拘束する上で有利となる。
また、展開形状調整部を、基部テザーと、頭部拘束テザーと、胸部拘束テザーと、基部テザーの長さを乗員位置に応じて変化させる基部テザー長さ調整部とで構成すると、エアバッグ装置の構成の簡素化を図る上で有利となる。
また、基部テザー長さ調整部が、乗員位置検出部で検出された乗員位置に応じて不使用の長さの基部テザーに連結されたピンを脱落させるものとすると、膨張展開するエアバッグの拘束面角度を、乗員位置検出部で検出された乗員位置に応じて段階的に制御できるので、前面衝突時に前傾する乗員の頭部と胸部の双方をほぼ同時にバランスよくエアバッグの拘束面で拘束する上で有利となる。
また、基部テザー長さ調整部が、乗員位置検出部で検出された乗員位置に応じてアクチュエータによるリールの回転を制御するものとすると、膨張展開するエアバッグの拘束面角度を、乗員位置検出部で検出された乗員位置に応じて無段階にきめ細かく制御できるため、前面衝突時に前傾する頭部と胸部との双方をほぼ同時にバランスよくエアバッグの拘束面で拘束する上でより一層有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
エアバッグの拘束面角度θと乗員の上体前傾角度φの説明図である。
第1の実施の形態に係るエアバッグ装置の動作説明図であり、(A)は乗員位置が車両前方寄りであり拘束面角度θが小さい場合を示し、(B)は乗員位置が車両後方寄りであり拘束面角度θが大きい場合を示す。
第1の実施の形態に係るエアバッグ装置の構成を示すブロック図である。
第2の実施の形態に係るエアバッグ装置の動作説明図であり、(A)は乗員位置が車両前方寄りであり拘束面角度θが小さい場合を示し、(B)は乗員位置が車両後方寄りであり拘束面角度θが大きい場合を示す。
第2の実施の形態に係るエアバッグ装置の構成を示すブロック図である。
拘束面角度θと上体前傾角度φとエアバッグによる乗員の上体の拘束状態とを模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下の図面において、符号FRは車両前方を示し、符号UPは車両上方を示す。
図1に示すように、本実施の形態のエアバッグ装置10Aは、インストルメントパネル12に設けられ車両衝突時(前面衝突時)に不図示の前席に向かって膨張展開するエアバッグ14を含んで構成されている。なお、本実施の形態では、前席が助手席である場合について説明するが、本発明は前席が運転席であっても適用可能である。
なお、本発明は、前席以外の座席にも適用可能であり、また、エアバッグ14はインストルメントパネル12以外の箇所に設けられていてもよい。
ここで、拘束面角度θと上体前傾角度φについて説明する。
図1に示すように、拘束面角度θとは、膨張展開するエアバッグ14の拘束面1402のうち前面衝突時に前傾する乗員16の頭部18を拘束する箇所P1と乗員16の胸部20を拘束する箇所P2とを結ぶ直線L1と車両上下方向を結ぶ直線L0とがなす角度をいうものとする。
また、上体前傾角度φとは、前面衝突時に前席に着座した乗員16の上体が前傾した状態において、乗員16の頭部18と乗員16の胸部20とを結ぶ直線L2と車両上下方向を結ぶ直線L0とがなす角度をいうものとする。
【0009】
図3に示すように、エアバッグ装置10Aは、ハウジング22(図1参照)と、加速度センサ24と、シートスライドセンサ26と、インフレータ28と、展開形状調整部30と、制御装置32とを備えている。
ハウジング22は、エアバッグ14を収容しインストルメントパネル12に取り付けられており、板金製である。
加速度センサ24は、車両の前面衝突時の加速度を検出して制御装置32に供給する。
シートスライドセンサ26は、車両前後方向における前席の位置を乗員位置として検出して制御装置32に供給するものであり、シートスライドセンサ26は、前席に着座した乗員16の車両前後方向における位置を乗員位置として検出する乗員位置検出部34を構成している。
なお、乗員位置検出部34は前席に着座した乗員16の車両前後方向における乗員位置を検出できればよく、乗員位置検出部34として従来公知の様々なセンサが採用可能である。
インフレータ28は、エアバッグ14内に膨張用ガスを供給することでエアバッグ14を膨張展開させるものである。
【0010】
展開形状調整部30は、膨張展開するエアバッグ14の拘束面1402を調整するものである。
本実施の形態では、展開形状調整部30は、基部テザー36と、頭部拘束テザー38と、胸部拘束テザー40と、基部テザー長さ調整部42とを備えている。
基部テザー36は、第1基部テザー36Aと、第1基部テザー36Aよりも長い第2基部テザー36Bとを備えている。
第1基部テザー36Aの基端は、後述するアクチュエータ46に保持されたピン44に連結されている。
第2基部テザー36Bの基端は、ハウジング22に取り付けられている。
頭部拘束テザー38は、基部テザー36の先端に連結され拘束面1402のうち乗員16の頭部18を拘束する箇所に連結されている。
胸部拘束テザー40は、基部テザー36の先端に連結され乗員16の胸部20を拘束する箇所に連結されている。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
三菱自動車工業株式会社
車両構造
9日前
三菱自動車工業株式会社
動力伝達装置
9日前
三菱自動車工業株式会社
車両制御装置
11日前
三菱自動車工業株式会社
副室式内燃機関
17日前
三菱自動車工業株式会社
副室式内燃機関
17日前
三菱自動車工業株式会社
エアバッグ装置
9日前
三菱自動車工業株式会社
車両用制御装置
9日前
三菱自動車工業株式会社
ホースニップル
19日前
三菱自動車工業株式会社
副室式内燃機関
17日前
三菱自動車工業株式会社
副室式内燃機関
17日前
三菱自動車工業株式会社
副室式内燃機関
17日前
三菱自動車工業株式会社
副室式内燃機関
17日前
三菱自動車工業株式会社
副室式内燃機関
17日前
三菱自動車工業株式会社
ハーネス配策構造
18日前
三菱自動車工業株式会社
ブレーキ用集塵装置
23日前
三菱自動車工業株式会社
車両の異常判定装置
9日前
三菱自動車工業株式会社
水素ガス供給システム
2日前
三菱自動車工業株式会社
電池パックの固定構造
10日前
三菱自動車工業株式会社
インバータの冷却装置
9日前
三菱自動車工業株式会社
経路情報処理システム
9日前
三菱自動車工業株式会社
車両の電池温調システム
18日前
三菱自動車工業株式会社
ジェスチャー検知システム
25日前
三菱自動車工業株式会社
副室式内燃機関の制御システム
17日前
三菱自動車工業株式会社
部品発注支援システム及び部品発注支援方法
10日前
個人
カーテント
3か月前
個人
タイヤレバー
2か月前
個人
車窓用防虫網戸
4か月前
個人
前輪キャスター
1か月前
個人
警告装置
5か月前
個人
小型EVシステム
5か月前
日本精機株式会社
ケース
5か月前
個人
ホイルのボルト締結
2か月前
個人
タイヤ脱落防止構造
1か月前
個人
ルーフ付きトライク
1か月前
個人
車輪清掃装置
4か月前
日本精機株式会社
表示装置
1か月前
続きを見る
他の特許を見る