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公開番号
2025136573
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024035239
出願日
2024-03-07
発明の名称
延伸用繊維の製造方法、及び、繊維の製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
D01F
6/62 20060101AFI20250911BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】本発明は、強度が高く且つ収縮率が低いポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂含有繊維を作製するための延伸用繊維等を提供する。
【解決手段】本発明は、溶融紡糸法による、延伸用繊維の製造方法であって、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む原料組成物を加熱により溶融させた溶融物を吐出孔から吐出して原糸を得る工程(A)と、前記原糸を引取ロールで引取り、コアで巻取る工程(B)と、前記コアに巻取られた状態の前記原糸を6時間以上静置する工程(C)とを含み、前記工程(B)では、前記巻取りの際に、前記原糸の温度が35~75℃で、前記原糸に掛かる張力が0~0.30cN/dtexである、延伸用繊維の製造方法等である。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
溶融紡糸法による、延伸用繊維の製造方法であって、
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む原料組成物を加熱により溶融させた溶融物を吐出孔から吐出して原糸を得る工程(A)と、
前記原糸を引取ロールで引取り、コアで巻取る工程(B)と、
前記コアに巻取られた状態の前記原糸を6時間以上静置する工程(C)とを含み、
前記工程(B)では、前記巻取りの際に、前記原糸の温度が35~75℃で、前記原糸に掛かる張力が0~0.30cN/dtexである、延伸用繊維の製造方法。
続きを表示(約 410 文字)
【請求項2】
前記工程(C)では、前記静置の時における前記原糸の温度が20~75℃である、請求項1に記載の延伸用繊維の製造方法。
【請求項3】
前記延伸用繊維が、単糸を1本又は2本以上有し、
前記単糸の繊度が2~15dtexである、請求項1又は2に記載の延伸用繊維の製造方法。
【請求項4】
前記延伸用繊維が、単糸を12本以上有する延伸用マルチフィラメントである、請求項1又は2に記載の延伸用繊維の製造方法。
【請求項5】
前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂が、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)である、請求項1又は2に記載の延伸用繊維の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の延伸用繊維の製造方法で得られた前記延伸用繊維を1.1~2.5倍の延伸倍率で延伸する工程(D)を含む、繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸用繊維の製造方法、及び、繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
繊維は様々な用途で用いられており、繊維を製造する方法としては、例えば、溶融紡糸法を用いてポリトリメチレンテレフタレートから繊維を得る方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
近年、プラスチックの廃棄物が、生態系への影響、燃焼時の有害ガス発生、大量の燃焼熱量による地球温暖化等、地球環境への大きな負荷を与える原因となっている問題がある。この問題を解決できるものとして、生分解性プラスチックの開発が盛んになっている。
このような生分解性プラスチックの中でも植物由来の原料を使用して得られる生分解性プラスチックを燃焼させた際に出る二酸化炭素は、もともと空気中にあったもので、大気中の二酸化炭素は増加しない。このことをカーボンニュートラルと称し、二酸化炭素削減目標値を課した京都議定書の下、重要視され、積極的な使用が望まれている。
最近、生分解性及びカーボンニュートラルの観点から、植物由来の原料を炭素源として微生物産生される生分解性プラスチックとして、脂肪族ポリエステル系樹脂が注目されており、特にポリヒドロキシアルカノエート系樹脂が注目されている。
【0004】
ポリヒドロキシアルカノエート系樹脂含有繊維を製造する方法としては、例えば、ポリヒドロキシアルカン酸を溶融押出して溶融押出繊維を作製し、該溶融押出繊維をポリヒドロキシアルカン酸のガラス転移点温度+15℃以下に急冷、固化させて非晶質の繊維を作製し、該非晶質の繊維をガラス転移点温度+15℃以下に放置して結晶化繊維を作製し、該結晶化繊維を延伸し、更に緊張熱処理をする方法が知られている(例えば、特許文献2)。
また、30箇所以上の吐出孔を有する紡糸ノズルを用いて、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂および結晶核剤を含有する溶融物を溶融紡糸法で吐出することにより、溶融状態の30本以上の原糸を得る工程(A)と、溶融状態の30本以上の前記原糸に0℃以上50℃以下の気体を吹き付けて30本以上の前記原糸を冷却することにより、延伸用マルチフィラメントを得る工程(B)と、該延伸用マルチフィラメントを延伸ロール部で1.5倍以上延伸することにより、マルチフィラメントを得る工程(C)とを有する方法も知られている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2003-527497号公報
国際公開第2006/038373号
国際公開第2023/022015号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂は、結晶化速度が非常に遅く、繊維状に成形した後も該繊維の残留応力の緩和が起こるため、時間の経過とともに繊維強度が低下してしまうことがある。
これに対して、溶融紡糸法で原糸を得た後、該原糸をコア(例えば、紙管等)で巻き取り、前記コアで前記原糸を拘束した状態にすることで、該原糸から得られる繊維の緩和収縮が抑制され、繊維の強度の低下も抑制できることがわかっている。
しかし、この方法では、残留応力は緩和されずに延伸用繊維や該延伸用繊維を延伸した繊維に残るため、延伸用繊維や繊維を熱処理した際に激しい収縮が起こることがわかっている。
このように、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂含有繊維において、強度の維持と収縮の抑制とは二律背反の関係にあり、これらの両立は、困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、強度が高く且つ収縮率が低いポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂含有繊維を作製するための延伸用繊維を提供すること、及び、該延伸用繊維を延伸した繊維を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者が鋭意研究したところ、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む原料組成物から溶融紡糸法で延伸用繊維を作製する方法において、得られた原糸をコアで巻取る際に、前記原糸の温度が所定の範囲内で、前記原糸に掛かる張力が所定の範囲内であり、更に、前記コアに巻取られた状態の前記原糸を所定時間以上静置することにより、強度が高く且つ収縮率が低いポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂含有繊維を作製するための延伸用繊維を得ることが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、溶融紡糸法による、延伸用繊維の製造方法であって、
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む原料組成物を加熱により溶融させた溶融物を吐出孔から吐出して原糸を得る工程(A)と、
前記原糸を引取ロールで引取り、コアで巻取る工程(B)と、
前記コアに巻取られた状態の前記原糸を6時間以上静置する工程(C)とを含み、
前記工程(B)では、前記巻取りの際に、前記原糸の温度が35~75℃で、前記原糸に掛かる張力が0~0.30cN/dtexである、延伸用繊維の製造方法に関する。
【0010】
また、本発明は、前記延伸用繊維の製造方法で得られた前記延伸用繊維を1.1~2.5倍の延伸倍率で延伸する工程(D)を含む、繊維の製造方法にも関する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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