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公開番号2025133172
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024030953
出願日2024-03-01
発明の名称活性光線硬化型印刷用樹脂組成物およびそれを用いた平版印刷用インキ
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C09D 11/101 20140101AFI20250904BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】プラスチックフィルムとの密着性、長期保存安定性や湿度変動に対するタック安定性に優れる活性光線硬化型印刷用樹脂組成物およびそれを用いた平版印刷用インキを提供すること。
【解決手段】(a)スチレンと、(b)アクリル酸と、(c)メチルメタクリレートとを含むモノマー群の共重合体であるアクリル共重合体、および、ペンタエリスリトールトリアクリレートを含有する、活性光線硬化型印刷用樹脂組成物であって、前記モノマー群における各成分の含有量が、(a)スチレン20~40mol%、(b)アクリル酸20~40mol%、(c)メチルメタクリレート20~60mol%である、活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a)スチレンと、(b)アクリル酸と、(c)メチルメタクリレートとを含むモノマー群の共重合体であるアクリル共重合体、および、ペンタエリスリトールトリアクリレートを含有する、活性光線硬化型印刷用樹脂組成物であって、前記モノマー群における各成分の含有量が、(a)スチレン20~40mol%、(b)アクリル酸20~40mol%、(c)メチルメタクリレート20~60mol%である、活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記モノマー群がさらに(d)エチルアクリレート、ブチルアクリレートおよび2-エチルヘキシルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、(d)成分のうち、エチルアクリレートおよびブチルアクリレートの合計含有量が10mol%以下であり、2-エチルヘキシルアクリレートの含有量が6mol%以下である、請求項1に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
【請求項3】
さらに、ペンタエリスリトールトリアクリレート以外の多官能(メタ)アクリレートを含有する、請求項1または2に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
【請求項4】
前記アクリル共重合体を10~30質量%、前記ペンタエリスリトールトリアクリレートを30~60質量%、前記その他多官能(メタ)アクリレートを20~40質量%含有する、請求項3に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
【請求項5】
水分率0.1質量%としたときの、25℃、ブルックフィールド型粘度計で測定したせん断速度0.4(1/s)における粘度(粘度N
0.1
)が100~1,000Pa・sとなる、請求項1または2に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
【請求項6】
水分率0.5質量%としたときの粘度N
0.5
の前記粘度N
0.1
に対する比(N
0.5
/N
0.1
)が0.4~0.7となる、請求項5に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
【請求項7】
前記アクリル共重合体の重量平均分子量が、5,000~50,000である、請求項1または2に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1または2に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物および顔料を含有する、平版印刷用インキ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、活性光線硬化型印刷用樹脂組成物およびそれを用いた印刷用インキに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
平版印刷は、高速、大量、安価に印刷物を供給するシステムとして広く普及している印刷方式である。近年、水銀ランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオード、電子線などの活性エネルギー線を照射することにより瞬時に硬化する、活性光線硬化型平版印刷用インキの利用が、設備面、安全面、環境面、生産性の高さから、多くの分野で広がっている。
【0003】
近年、薄膜のプラスチックフィルムを基材とした日用雑貨、食料品、医薬品などに用いられる軟包装印刷に、平版印刷を適用する検討が始まっている。活性光線硬化型平版印刷用インキは、常温・短時間での硬化が可能であることから、耐熱性の乏しいプラスチックフィルムを基材とする軟包装印刷に適した材料であると考えられている。
【0004】
軟包装印刷に適したインキとして、スチレン類(a)および親水性基を有するビニルモノマー(c)を含むモノマー群の共重合体であり、前記モノマー群中のスチレン類(a)の含有量が50.0mol%以上85.0mol%以下であり、ガラス転移温度Tgが100℃以上150℃以下である、樹脂およびエチレン性不飽和化合物(A)を含む、活性エネルギー線硬化型組成物(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2023/54322号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
軟包装に用いられるプラスチックフィルムは、柔軟で屈曲しやすいため、その表側にインキをのせるいわゆる表刷りにおいて、印刷面が擦れやすく、インキ膜とプラスチックフィルムとの高い密着性が求められる。また、プラスチックフィルムの裏側にインキをのせるいわゆる裏刷りにおいても、シーラント積層などの後加工や取り扱い時のインキ剥がれを抑制するため、インキ膜とプラスチックフィルムとの高い密着性が求められる。プラスチックフィルム等の基材への密着性に優れる化合物として、ペンタエリスリトールトリアクリレートが挙げられる。一方、本発明者らの検討によれば、ペンタエリスリトールトリアクリレートは、特許文献1に記載されるような活性光線硬化型印刷用樹脂組成物に用いられる従来公知のアクリル樹脂との相溶性が低く、保管環境によって組成物が白濁する、湿度によるタック変動が大きくなる課題があった。
【0007】
そこで、本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、プラスチックフィルムとの密着性、長期保存安定性や湿度変動に対するタック安定性に優れる活性光線硬化型印刷用樹脂組成物およびそれを用いた平版印刷用インキを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、主として以下の構成を有する。
(1)(a)スチレンと、(b)アクリル酸と、(c)メチルメタクリレートとを含むモノマー群の共重合体であるアクリル共重合体、および、ペンタエリスリトールトリアクリレートを含有する、活性光線硬化型印刷用樹脂組成物であって、前記モノマー群における各成分の含有量が、(a)スチレン20~40mol%、(b)アクリル酸20~40mol%、(c)メチルメタクリレート20~60mol%である、活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
(2)前記モノマー群がさらに(d)エチルアクリレート、ブチルアクリレートおよび2-エチルヘキシルアクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、(d)成分のうち、エチルアクリレートおよびブチルアクリレートの合計含有量が10mol%以下であり、2-エチルヘキシルアクリレートの含有量が6mol%以下である、(1)に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
(3)さらに、ペンタエリスリトールトリアクリレート以外の多官能(メタ)アクリレートを含有する、(1)または(2)に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
(4)前記アクリル共重合体を10~30質量%、前記ペンタエリスリトールトリアクリレートを30~60質量%、前記その他多官能(メタ)アクリレートを20~40質量%含有する、(3)に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
(5)水分率0.1質量%としたときの、25℃、ブルックフィールド型粘度計で測定したせん断速度0.4(1/s)における粘度(粘度N
0.1
)が100~1,000Pa・sとなる、(1)~(4)のいずれかに記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
(6)水分率0.5質量%としたときの粘度N
0.5
の前記粘度N
0.1
に対する比(N
0.5
/N
0.1
)が0.4~0.7となる、(5)に記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
(7)前記アクリル共重合体の重量平均分子量が、5,000~50,000である、(1)~(6)のいずれかに記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物。
(8)(1)~(7)のいずれかに記載の活性光線硬化型印刷用樹脂組成物および顔料を含有する、平版印刷用インキ。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る活性光線硬化型印刷用樹脂組成物およびそれを用いた平版印刷用インキは、プラスチックフィルムとの密着性、長期保存安定性や湿度変動に対するタック安定性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る活性光線硬化型印刷用樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と略記する場合がある)は、(a)スチレンと、(b)アクリル酸と、(c)メチルメタクリレートとを含むモノマー群の共重合体であるアクリル共重合体、および、ペンタエリスリトールトリアクリレートを含有する。アクリル共重合体は、樹脂組成物に弾性を付与して、樹脂組成物の粘度を適度なものとし、顔料分散性を向上させることができる。ペンタエリスリトールトリアクリレートは、前述のとおり、プラスチックフィルムとの密着性を大きく向上させる一方、従来公知のアクリル樹脂との相溶性が低い課題があった。そこで、本発明においては、ペンタエリスリトールトリアクリレートとの相溶性の観点から、アクリル共重合体の共重合組成に着目し、後述する共重合成分を後述する共重合比で用いることによって、プラスチックフィルムとの密着性、長期保存安定性や湿度変動に対するタック安定性を両立することができる。本発明の樹脂組成物は、例えば、平版印刷用インキ(以下、「インキ」と略記する場合がある)、紫外線硬化型オーバーコートワニスや電子線硬化型オーバーコートワニスなどのオーバーコートワニス、紫外線硬化型接着剤や電子線硬化型接着剤などの接着剤に好適に用いることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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