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公開番号2025132846
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024030675
出願日2024-02-29
発明の名称水素分離膜の製造方法及び水素分離方法
出願人学校法人 工学院大学
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B01D 71/02 20060101AFI20250903BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】500℃以上の高温であり、かつ水蒸気を多く含む雰囲気下でも高い水素分離性を発揮する水素分離膜を製造することができる水素分離膜の製造方法及び水素分離方法を提供する。
【解決手段】平均細孔径が30nm~1000nmの酸化アルミニウム多孔質支持体の一方の面に、トリメチルメトキシシランを含むシリカ源を用いて、化学蒸着法により、アモルファスシリカ層を形成する工程を含む水素分離膜の製造方法及びその応用。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
平均細孔径が30nm~1000nmの酸化アルミニウム多孔質支持体の一方の面に、トリメチルメトキシシランを含むシリカ源を用いて、化学蒸着法によりアモルファスシリカ層を形成する工程を含む水素分離膜の製造方法。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記化学蒸着法が、対向拡散化学蒸着法である請求項1に記載の水素分離膜の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の水素分離膜の製造方法により製造された水素分離膜に水素と水素以外の少なくとも1種のガスを含む混合ガスを供給するガス供給工程と、
前記混合ガスの一部が前記水素分離膜を透過して、前記混合ガスよりも水素濃度が高い透過ガスとして分離するガス分離工程と、
を含む水素分離方法。
【請求項4】
ガス分離工程を500℃以上の環境下で行う請求項3に記載の水素分離方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、水素分離膜の製造方法及び水素分離方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、水素はクリーンなエネルギー源として注目が集まっている。天然の高純度水素は自然界には殆ど存在しないため、水素の製造に際しては、水素原子を含む化合物から水素を生成することが行われる。しかし、例えば、化石燃料の改質、水の電気分解などによる水素の製造は、エネルギーの非効率さ、二酸化炭素の排出等が問題となる。
【0003】
このため、水素を含む化合物から、水素のみを選択的に取り出す方法が検討されている。例えば、バイオガスに含まれるメタンの水蒸気改質反応により得られた水素のみを、反応系から取り出すことで、水素を効率よく製造できる。
【0004】
水素の選択的な透過に用いる水素分離膜として、例えば、酸素と、気化させたシリカ源とを用いて多孔質基材の細孔を一部閉塞するようにシリカが成膜された、耐熱性が良好な水素分離膜が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献2には、平均細孔径が30nm~1000nmの酸化アルミニウム多孔質体の一方の面に、ジメトキシジメチルシランを含むシリカ源を用いて、化学蒸着法にて、平均細孔径が0.2nm~0.3nmであるアモルファスシリカ層を形成する工程を有する水素分離膜の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4728308号公報
特開2022-54267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高温かつ水蒸気分圧の高い条件で、ガス分離を行うことができる膜が求められている。例えば、バイオガスから水素を製造する膜反応器の開発には、500~700℃程度で、バイオガスとバイオガスの1.8倍程度の水蒸気を含むガスが膜に供給され、このような過酷な条件で高水素透過率を実現する必要がある。これを達成する膜としてシリカを原料としたガス分離膜が期待されるが、実用を考えたときに、特許文献1、2に開示されている水素分離膜よりもさらに水素透過率の高い膜が必要とされる。
【0007】
本発明の一実施形態の課題は、500℃以上の高温であり、かつ水蒸気を多く含む雰囲気下でも高い水素分離性を発揮する水素分離膜を製造することができる水素分離膜の製造方法及び水素分離方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決手段は、以下の実施形態を含む。
<1> 平均細孔径が30nm~1000nmの酸化アルミニウム多孔質支持体の一方の面に、トリメチルメトキシシランを含むシリカ源を用いて、化学蒸着法によりアモルファスシリカ層を形成する工程を含む水素分離膜の製造方法。
<2> 前記化学蒸着法が、対向拡散化学蒸着法である<1>に記載の水素分離膜の製造方法。
<3> <1>又は<2>に記載の水素分離膜の製造方法により製造された水素分離膜に水素と水素以外の少なくとも1種のガスを含む混合ガスを供給するガス供給工程と、
前記混合ガスの一部が前記水素分離膜を透過して、前記混合ガスよりも水素濃度が高い透過ガスとして分離するガス分離工程と、
を含む水素分離方法。
<4> ガス分離工程を500℃以上の環境下で行う<3>に記載の水素分離方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、500℃以上の高温であり、かつ水蒸気を多く含む雰囲気下でも高い水素分離性を発揮する水素分離膜を製造することができる水素分離膜の製造方法及び水素分離方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
水素分離膜の製膜においてシリカ源として用いたTMMOS(TriMethylMethOxySilane)の濃度と製膜した水素分離膜の600℃での水素及び窒素の各透過率と水素/窒素の選択性との関係を示すグラフである。
水素分離膜の製膜においてシリカ源として用いたTMMOSを窒素をキャリアガスとして供給するときの窒素流量と製膜した水素分離膜の600℃での水素及び窒素の各透過率と水素/窒素の選択性との関係を示すグラフである。
シリカ源としてTMMOSを用いてCVDにより水素分離膜を製膜した場合の製膜時間と製膜した水素分離膜の600℃での水素及び窒素の各透過率と水素/窒素の選択性との関係を示すグラフである。
水素分離膜の製膜においてシリカ源としてTMMOSを用いた膜(TMMOS膜)とDMDMS(DiMethoxyDiMethylSilane)を用いた膜(DMDMS膜)の500~600℃での水素透過率と窒素透過率の温度依存性を示すアレニウスプロットである。
水素分離膜の製膜においてシリカ源としてTMMOSを用いた膜(TMMOS膜)とDMDMSを用いた膜(DMDMS膜)の水蒸気雰囲気下での水素透過率の経時変化を示すグラフである。
本開示の水素分離膜の一実施形態を模式的に示す部分拡大断面図である。
本開示の水素分離膜を適用し得る水素製造装置の一例を示す概略構成図である。
図7に示す水素製造装置に用い得る膜反応器の一例を示す概略断面図である。
図7に示す水素製造装置に用い得る膜反応器の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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