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公開番号2025128766
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2024025669
出願日2024-02-22
発明の名称電荷輸送性インク組成物
出願人日産化学株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類H10K 50/155 20230101AFI20250827BHJP()
要約【課題】電荷輸送性に優れた電荷輸送性薄膜を与える電荷輸送性インク組成物を提供すること。
【解決手段】酸化ニッケルナノ粒子と、電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含み、上記電荷輸送性物質が、アリールアミン誘導体、またはポリチオフェン誘導体もしくはそのアミン付加体である電荷輸送性インク組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸化ニッケルナノ粒子と、電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含み、
上記電荷輸送性物質が、アリールアミン誘導体、またはポリチオフェン誘導体もしくはそのアミン付加体である電荷輸送性インク組成物。
続きを表示(約 3,800 文字)【請求項2】
上記アリールアミン誘導体が、下記式(T1)で表される請求項1記載の電荷輸送性インク組成物。
TIFF
2025128766000050.tif
26
71
[式中、Ph
1
は、式(P1)で表される基を表し、
TIFF
2025128766000051.tif
24
36
(式中、R
1
~R
4
は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数6~20のアリール基もしくは炭素数2~20のヘテロアリール基を表す。)
Ar
1
は、互いに独立して、式[B1]~[B11]のいずれかで表される基を表し、
TIFF
2025128766000052.tif
166
170
(式中、R
5
~R
25
、R
28
~R
49
およびR
51
~R
152
は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい、ジフェニルアミノ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数6~20のアリール基もしくは炭素数2~20のヘテロアリール基を表し、

26
およびR
27
は、互いに独立して、Z
1
で置換されていてもよい、炭素数6~20のアリール基または炭素数2~20のヘテロアリール基を表し、

50
は、水素原子、Z
4
で置換されてもよい、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基もしくは炭素数2~20のアルキニル基、またはZ
1
で置換されてもよい、炭素数6~20のアリール基もしくは炭素数2~20のヘテロアリール基を表し、
Ar
3
は、互いに独立して、ジ(炭素数6~20のアリール基)アミノ基で置換されていてもよい炭素数6~20のアリール基を表し、

1
は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ
2
で置換されていてもよい、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基もしくは炭素数2~20のアルキニル基を表し、

2
は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、またはZ
3
で置換されていてもよい、炭素数6~20のアリール基もしくは炭素数2~20のヘテロアリール基を表し、

3
は、ハロゲン原子、ニトロ基またはシアノ基を表し、

4
は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z
5
で置換されていてもよい炭素数6~20のアリール基、Z
5
で置換されていてもよい炭素数2~20のヘテロアリール基、オルガノシリル基または置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、

5
は、ハロゲン原子、ニトロ基、シノ基、またはZ
3
で置換されていてもよい、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基もしくは炭素数2~20のアルキニル基を表す。)
Ar
2
は、互いに独立して、式[A1]~[A18]のいずれかで表される基を表し、
TIFF
2025128766000053.tif
139
168
(式中、R
153
は、水素原子、Z
4
で置換されていてもよい、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基もしくは炭素数2~20のアルキニル基、またはZ
1
で置換されていてもよい、炭素数6~20のアリール基もしくは炭素数2~20のヘテロアリール基を表し、

154
およびR
155
【請求項3】
上記ポリチオフェン誘導体もしくはそのアミン付加体が、下記式(U1)で表される繰り返し単位を含むポリチオフェン誘導体またはそのアミン付加体である請求項1記載の電荷輸送性インク組成物。
TIFF
2025128766000054.tif
22
42
(式中、R
u1
およびR
u2
は、互いに独立して、水素原子、炭素数1~40のアルキル基、炭素数1~40のフルオロアルキル基、炭素数1~40のアルコキシ基、炭素数1~40のフルオロアルコキシ基、炭素数6~20のアリールオキシ基、-O-[Z-O]
p
-R
e
、もしくはスルホ基であり、またはR
u1
およびR
u2
が結合して形成される-O-Y-O-であり、Yは、エーテル結合を含んでいてもよく、スルホ基で置換されていてもよい炭素数1~40のアルキレン基であり、Zは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1~40のアルキレン基であり、pは、1以上の整数であり、R
e
は、水素原子、炭素数1~40のアルキル基、炭素数1~40のフルオロアルキル基、または炭素数6~20のアリール基である。)
【請求項4】
上記R
u1
が、スルホ基であり、上記R
u2
が、炭素数1~40のアルコキシ基もしくは-O-[Z-O]
p
-R
e
である、または上記R
u1
およびR
u2
が結合して形成される-O-Y-O-である請求項3記載の電荷輸送性インク組成物。
【請求項5】
さらに、下記式(X1)で表されるチオール化合物を含む請求項1記載の電荷輸送性インク組成物。

x1
-SH (X1)
(式中、R
x1
は、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2~20のアルキニル基、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基、もしくは置換基を有していてもよい炭素数2~20のヘテロアリール基である。
上記アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基における置換基は、互いに独立して、ヒドロキシ基、シラノール基、チオール基、カルボキシ基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、炭素数6~20のアリール基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、スルホ基、シアノ基またはハロゲン原子である。
上記アリール基、アラルキル基およびヘテロアリール基における置換基は、互いに独立して、ヒドロキシ基、シラノール基、チオール基、カルボキシ基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~20のアラルキル基、オルガノオキシ基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、スルホ基、シアノ基またはハロゲン原子である。
上記R
x1
に含まれるアルキル基は、その炭素原子間に酸素原子、カルボニル基およびエステル基からなる群より選ばれる基の少なくとも1つが介在していてもよい。)
【請求項6】
上記式(X1)のR
x1
が、置換基を有していてもよい炭素数1~10のアルキル基または置換基を有していてもよい炭素数6~14のアリール基であり、上記アルキル基およびアリール基における置換基は、互いに独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エステル基、オルガノオキシ基またはハロゲン原子である請求項5記載の電荷輸送性インク組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載の電荷輸送性インク組成物から得られた電荷輸送性薄膜。
【請求項8】
請求項7記載の電荷輸送性薄膜を備える電子素子。
【請求項9】
上記電荷輸送性薄膜が、正孔注入層、正孔輸送層または正孔注入輸送層である請求項8記載の電子素子。
【請求項10】
上記電子素子が、有機EL素子または量子ドットEL素子である請求項9記載の電子素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電荷輸送性インク組成物に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという)素子には、発光層や電荷輸送層など、種々の機能性薄膜が用いられる。特に、正孔輸送層は、正孔注入層と発光層との電荷の授受を担い、有機EL素子の低電圧駆動および高輝度を達成するために重要な機能を果たす。
【0003】
正孔輸送層の形成方法は、蒸着法に代表されるドライプロセスと、インクジェット法やスピンコート法に代表されるウェットプロセスとに大別され、これら各プロセスを比べると、ウェットプロセスの方が大面積に平坦性の高い薄膜を効率的に製造できる。それゆえ、有機ELディスプレイの大面積化が進められている現在、ウェットプロセスで形成可能な正孔輸送層が望まれており、ウェットプロセスで成膜可能な正孔輸送材料に関する技術の報告がなされている(特許文献1)。
【0004】
また、近年ではディスプレイ技術の発展に伴い、量子ドット材料を発光層とする量子ドットエレクトロルミネッセンス(以下、量子ドットELという)素子が登場し、広い応用の見通しを示している。この量子ドットEL素子は、ウェットプロセスで低コストに製造できる一方で、発光波長の制御、色純度の高さ、発光効率の高さ、フレキシブル用途に用いられるなどの特性により、ディスプレイ技術、照明などの分野で多くの注目を集めている。
【0005】
このようなEL素子の電荷輸送性として、近年では金属酸化物ナノ粒子がしばしば用いられる。発光層と陽極または陰極の間に、Ni、Zn、Ti、Sn等の金属を含む金属酸化物ナノ粒子からなる電荷輸送層を積層させることで発光層に効率よく電荷を輸送することが行われており、これまでにもその効率を高めるために、金属酸化物ナノ粒子の種類や分散性の制御について検討がなされてきた(特許文献2~4)。特に、酸化ニッケルナノ粒子は、P型半導体であることから、これを使用した電荷輸送性薄膜は導電性の低下が少なく、電荷輸送性の向上が期待される。しかしながら、酸化ニッケルナノ粒子を単独で用いた場合、素子の発光強度が低下するという、いわゆる消光現象が起こるという課題があった(非特許文献1)。
【0006】
有機EL素子や量子ドットEL素子の性能向上が求められる現在、正孔輸送層用のウェットプロセス材料に関しては常に改善が求められており、特に、有機EL素子や量子ドットEL素子の輝度特性等の性能向上に寄与し得ることから、高い正孔輸送性を有する電荷輸送性薄膜を与える材料への要望はますます高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2008/032616号
国際公開第2023/079616号
国際公開第2023/195412号
国際公開第2016/128133号
【非特許文献】
【0008】
ACS Appl. Electron. Mater. 2019, 1, 2096-2102
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電荷輸送性、特に正孔輸送性に優れた電荷輸送性インク組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、酸化ニッケルナノ粒子と特定の電荷輸送性物質とを組み合わせて使用した電荷輸送性インク組成物を用いることで、優れた電荷輸送性を有する電荷輸送性薄膜が得られることを見出した。そして、この電荷輸送性薄膜を用いて作製された電子素子が、酸化ニッケルナノ粒子に起因する消光現象が抑制され、優れた特性を有するものとなることを見出し、本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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