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公開番号2025128503
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-03
出願番号2024025194
出願日2024-02-22
発明の名称炭素酸化物の還元方法、鉄鋼の製造方法、炭素酸化物の還元装置、及び鉄鋼の製造装置
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人三協国際特許事務所
主分類C01B 32/05 20170101AFI20250827BHJP(無機化学)
要約【課題】Ni、Co、及び貴金属等の高価な材料を含む触媒を用いなくても、二酸化炭素等の炭素酸化物を還元させることができる炭素酸化物の還元方法及び炭素酸化物の還元装置を提供することを目的とする。
【解決手段】一酸化炭素及び二酸化炭素の少なくとも一方を含む炭素酸化物と水素とを含むガスを反応炉11に流入させ、前記反応炉11に還元鉄を投入し、前記反応炉11に流入させた前記ガスを原料とし、前記還元鉄を触媒とした化学反応により、前記炭素酸化物を還元させる、炭素酸化物の還元方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
一酸化炭素及び二酸化炭素の少なくとも一方を含む炭素酸化物と水素とを含むガスを反応炉に流入させ、
前記反応炉に還元鉄を投入し、
前記反応炉に流入させた前記ガスを原料とし、前記還元鉄を触媒とした化学反応により、前記炭素酸化物を還元させる、炭素酸化物の還元方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記化学反応が、サバティエ反応及び直接フィッシャー・トロプシュ反応の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の炭素酸化物の還元方法。
【請求項3】
前記化学反応が、メタネーション反応及び間接フィッシャー・トロプシュ反応の少なくとも一方を含む、請求項1に記載の炭素酸化物の還元方法。
【請求項4】
前記化学反応が、逆シフト反応を含む、請求項1に記載の炭素酸化物の還元方法。
【請求項5】
前記還元鉄は、粒状である、請求項1に記載の炭素酸化物の還元方法。
【請求項6】
前記還元鉄は、
換算粒径が5mm以上であり、
鉄化合物、カルシウム化合物、ケイ素化合物、マグネシウム化合物、及びアルミニウム化合物の合計含有量が、前記還元鉄の全量に対して、90質量%以上であり、
前記鉄化合物の含有量が、前記還元鉄の全量に対して、75質量%以上であり、
金属化率が70%以上である、請求項1に記載の炭素酸化物の還元方法。
【請求項7】
前記還元鉄は、水素を50体積%以上含む還元ガスにて還元された還元鉄、又は、炭素含有量が2.14質量%以下の還元鉄である、請求項1に記載の炭素酸化物の還元方法。
【請求項8】
前記反応炉に流入させる前記ガスは、
前記水素、前記二酸化炭素、及び前記一酸化炭素の合計体積が、前記ガスの全体積に対して、75体積%以上であり、
前記水素と前記一酸化炭素との合計体積が、水と前記二酸化炭素の合計体積に対して、3倍以上である、請求項1に記載の炭素酸化物の還元方法。
【請求項9】
前記炭素酸化物を還元することによって、一酸化炭素を含む生成ガスが得られ、
前記生成ガスから、前記一酸化炭素を分離し、
分離された前記一酸化炭素を前記反応炉に流入させる、請求項1に記載の炭素酸化物の還元方法。
【請求項10】
前記反応炉に流入させた前記ガスに対して前記化学反応をさせた後に得られた生成ガスから、前記化学反応に用いられなかった前記水素及び前記化学反応に用いられなかった前記二酸化炭素を分離し、
分離された前記水素及び前記二酸化炭素を前記反応炉に流入させる、請求項1に記載の炭素酸化物の還元方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素酸化物の還元方法、鉄鋼の製造方法、炭素酸化物の還元装置、及び鉄鋼の製造装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素が地球温暖化への影響が大きいと考えられる。この地球温暖化問題に対する有効な対策として、二酸化炭素を原料として炭化水素等の有用物質を得る技術が注目されている。このような技術としては、具体的には、二酸化炭素等の炭素酸化物を、触媒を用いて、水素と反応させて、メタン等の炭化水素を得る技術等が挙げられる。そして、このような触媒としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の触媒等が挙げられる。特許文献1には、Zrの塩と、Y等の安定化元素の塩と、Niの塩と、シリカ等の無機酸化物との湿式混合物の焼成体であるメタン化反応触媒が記載されている。特許文献2には、安定化ジルコニア担体と、前記安定化ジルコニア担体に担持されるNiとを備えるメタン化反応触媒が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-122247号公報
特開2018-20278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のような炭化水素を得るための反応を、触媒を用いて行うと、その触媒は、シンタリング、炭化、炭素析出、及び、硫黄化合物等の不純物による被毒により、触媒活性が徐々に低下するという問題がある。前記触媒としては、特許文献1及び特許文献2に記載の触媒のように、Ni、Co、及び貴金属を含む反応用に合成した触媒を用いることが多い。これらの触媒は高価であることが多く、触媒を高頻度で交換することによって、前記反応に使用する触媒の活性が高い状態を維持することは現実的ではなかった。そこで、シンタリング、炭化、及び炭素析出の発生を抑制させるために、例えば、穏やかな反応となる条件に設定することが考えられる。具体的には、温度、圧力、及び組成等の、反応時の条件を、シンタリングが発生せず、炭素が析出しないような穏やかな(すなわち、炭素析出反応の反応速度が極めて遅くなるような)反応となるような条件に設定することが考えられる。ところが、このような穏やかな反応の場合、収率及び反応速度が低下し、好適な反応を実現するためには、反応炉を大きくする等によって、触媒の充填量を増やすことが必要になり、炭化水素を得るための費用が高くなるおそれがある。また、不純物による被毒を抑制させるために、前記反応の前に、前記反応の原料から不純物を除去することも考えられるが、事前処理が必要となり、炭化水素を得るための費用が高くなるおそれがある。このような事情等から、Ni、Co、及び貴金属を含む反応用に合成した触媒を用いると、触媒活性を高い状態に維持するには、多額の費用がかかることになってしまう。よって、Ni、Co、及び貴金属を含む反応用に合成した触媒を、触媒活性の高い状態に維持して用いることは実用性に乏しい面があった。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、Ni、Co、及び貴金属等の高価な材料を含む触媒を用いなくても、二酸化炭素等の炭素酸化物を還元させることができる炭素酸化物の還元方法及び炭素酸化物の還元装置を提供することを目的とする。また、本発明は、前記還元方法を有効に利用した鉄鋼の製造方法及び鉄鋼の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、種々検討した結果、以下の本発明により、上記目的は達成されることを見出した。
【0007】
本発明の一態様に係る炭素酸化物の還元方法は、一酸化炭素及び二酸化炭素の少なくとも一方を含む炭素酸化物と水素とを含むガスを反応炉に流入させ、前記反応炉に還元鉄を投入し、前記反応炉に流入させた前記ガスを原料とし、前記還元鉄を触媒とした化学反応により、前記炭素酸化物を還元させる、炭素酸化物の還元方法である。
【0008】
本発明の他の一態様に係る鉄鋼の製造方法は、一酸化炭素及び二酸化炭素の少なくとも一方を含む炭素酸化物と水素とを含むガスを反応炉に流入させ、前記反応炉に還元鉄を投入し、前記反応炉に流入させた前記ガスを原料とし、前記還元鉄を触媒とした化学反応により、前記炭素酸化物を還元させ、前記反応炉に前記還元鉄を投入してからの時間を計測し、計測した前記時間が所定の時間を経過したとき、前記反応炉から前記還元鉄を取り出し、前記反応炉から取り出した前記還元鉄を、高炉又は電炉に投入する、鉄鋼の製造方法である。
【0009】
本発明の他の一態様に係る炭素酸化物の還元装置は、反応炉と、一酸化炭素及び二酸化炭素の少なくとも一方を含む炭素酸化物と水素とを含むガスを前記反応炉に流入させる流入部と、前記反応炉に還元鉄を投入する投入部とを備え、前記流入部で前記反応炉に流入させた前記ガスを原料とし、前記還元鉄を触媒とした化学反応により、前記炭素酸化物を還元させる、炭素酸化物の還元装置である。
【0010】
本発明の他の一態様に係る鉄鋼の製造装置は、反応炉と、一酸化炭素及び二酸化炭素の少なくとも一方を含む炭素酸化物と水素とを含むガスを前記反応炉に流入させる流入部と、前記反応炉に還元鉄を投入する投入部と、前記投入部で前記反応炉に前記還元鉄を投入してからの時間が所定の時間を経過したとき、前記反応炉から前記還元鉄を取り出す取出部と、前記取出部で前記反応炉から取り出した前記還元鉄を、高炉又は電炉に投入する給鉄部とを備え、前記反応炉では、前記反応炉に流入させた前記ガスを原料とし、前記還元鉄を触媒とした化学反応により、前記炭素酸化物を還元させる、鉄鋼の製造装置である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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