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公開番号2025126412
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-29
出願番号2024022577
出願日2024-02-19
発明の名称情報処理システム及び情報処理方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人信友国際特許事務所
主分類H02J 3/24 20060101AFI20250822BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】周波数制御を安定化させるための電力系統に関する情報を外部事業者に提供する。
【解決手段】慣性力サービス提供システム601が備える慣性推定装置10は、電力系統の電気量測定値を収集する計測値抽出部32と、電力系統に対して、電力系統の慣性を推定可能な系統操作の指令を検知する系統操作指令検知部31と、系統操作が行われる前の電気量と、系統操作が行われた後の電気量との変化量を抽出するPQ変化量抽出部33と、変化量に基づいて、電力系統における部分系統の電圧位相の位相変化量を推定する位相変化量推定部34と、位相変化量に基づいて、部分系統の慣性を推定する部分系統の慣性推定部35と、推定された部分系統の慣性の慣性推定値を、外部事業者に提供可能となるように保存する慣性推定値データベースDB3と、を備える。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
電力系統の慣性を推定する慣性推定装置を備え、外部事業者に対して、電力系統に関する情報を提供する情報処理システムであって、
前記慣性推定装置は、
前記電力系統の電気量測定値を収集する計測値抽出部と、
前記電力系統に対して、前記電力系統の慣性を推定可能な系統操作の指令を検知する系統操作指令検知部と、
前記系統操作が行われる前の電気量と、前記系統操作が行われた後の電気量との変化量を抽出する変化量抽出部と、
前記変化量に基づいて、前記電力系統における部分系統の電圧位相の位相変化量を推定する位相変化量推定部と、
前記位相変化量に基づいて、前記部分系統の慣性を推定する慣性推定部と、
推定された前記部分系統の慣性の慣性推定値を、前記外部事業者に提供可能に保存する慣性推定値データベースと、を備える
情報処理システム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記部分系統は、電力系統の変動に応じて電気出力を調整する模擬慣性機能を有するインバータ型電源を含み、
前記電力系統には、電気出力が前記インバータ型電源を介して接続される
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記部分系統の電圧位相変化量、前記部分系統の電力変化量又は慣性力感度係数のいずれかに基づいて、前記電力系統の周波数変動の評価指標を計算し、前記部分系統の周波数の安定性を判定する周波数変動指標計算部と、
前記部分系統の周波数の安定性の判定結果に基づいて、周波数安定化制御量を計算する周波数安定化制御量計算部と、を備える
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記周波数変動の評価指標は、周波数変化率又は周波数最大偏差である
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記慣性推定値は、前記部分系統の慣性量、位相変化量、及び電力変化量のうち、少なくとも一つである
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記外部事業者から前記電力系統に関する情報を取得する情報取得部と、
取得した前記情報、及び前記慣性推定装置が推定した慣性推定値に基づいて、所定の計算を行う計算部と、
計算結果を前記外部事業者に提供する情報提供部と、を備える
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記外部事業者がインバータ型電源運用者である場合に、
前記情報取得部は、前記インバータ型電源運用者から前記インバータ型電源の運転及び制御情報を取得し、
前記計算部は、前記慣性推定装置が推定した慣性推定値に基づいて、インバータが連系される前記部分系統の周波数安定化に対する貢献度、及びインバータ慣性制御効果に見合った制御インセンティブを計算し、
前記情報提供部は、前記制御インセンティブを対価として提供する
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記外部事業者が電力系統運用者である場合に、
前記情報提供部は、前記慣性推定装置が推定した慣性推定値に基づいて、前記電力系統の慣性制御により見込まれる慣性量の情報と、外乱が発生した時の系統安定化制御の情報と、前記電力系統の運用情報を前記電力系統運用者に提供し、
前記情報取得部は、前記電力系統運用者から外乱発生時の制御量に見合った対価として制御インセンティブを取得する
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記外部事業者が慣性力取引市場である場合に、
前記情報提供部は、前記慣性推定装置が推定した慣性推定値に基づいて、前記慣性力取引市場に対して慣性力制御の応札に関する情報を提供し、
前記情報取得部は、前記慣性力取引市場から慣性力制御の応札結果である対価を取得する
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項10】
電力系統の慣性を推定する慣性推定装置を備え、外部事業者に対して、電力系統に関する情報を提供する情報処理システムによる情報処理方法であって、
前記電力系統の電気量測定値を収集するステップと、
前記電力系統に対して、前記電力系統の慣性を推定可能な系統操作の指令を検知するステップと、
前記系統操作が行われる前の電気量と、前記系統操作が行われた後の電気量との変化量を抽出するステップと、
前記変化量に基づいて、前記電力系統における部分系統の電圧位相の位相変化量を推定するステップと、
前記位相変化量に基づいて、前記部分系統の慣性を推定するステップと、
推定された前記部分系統の慣性の慣性推定値を、慣性推定値データベースに前記外部事業者に提供可能に保存するステップと、を含む
情報処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
電力系統の周波数は、発電と需要が時々刻々一致するように制御されることで保たれる。発電と需要のバランスが、例えば、発電機や需要の停止によって保たれなくなる場合、周波数は変動する。周波数の変動量が一定以上になると保護リレーによって発電や負荷が系統から切り離される保護が働き、その結果として大規模な停電に至る場合がある。発電と需要のバランスを保つため、すなわち需給バランスを保つためには、発電出力の変更や需要の遮断など、急いで制御を行うことが必要となる。
【0003】
需給バランスを保つ制御の際に、例えば回転型発電機が持つ慣性エネルギー(慣性力)が大きいほど、慣性が大きくなる。慣性が大きくなるほど、周波数の変化は遅くなり、需給バランスを保つための操作のための時間余裕が増えるので、遮断する負荷(需要)の量も少なくすることが可能となる。また、系統に存在する慣性が大きいほど、需要と供給の差(需給アンバランス)に対する周波数変化の最大値も小さくなり、周波数維持が容易となる。
【0004】
ここで、需給アンバランスが発生した場合の、時間当たりの周波数変化の大きさを表す指標として、周波数変化率(RoCoF:Rate of Change of Frequency)が用いられる。また、周波数変化の最大値を表す指標として、後述する周波数最大偏差(Nadir)が用いられる。
【0005】
近年は、災害や落雷による系統事故で発電機が脱落し、周波数維持が困難となって大規模停電に至る事故が発生している。また、近年では、太陽光発電や風力発電などの、電力変換器(インバータ)によって系統に連系されるインバータ型の発電設備が増加している。そのため、回転型発電機が停止する量も増えて、系統の慣性が減少する時間帯が増加している。系統の慣性が低下すると周波数が変化しやすくなるため、慣性が一定以上となるように系統は運用されるなどの対策がなされる場合もある。前述のように、通常、慣性は回転型の発電機で保たれる。このため、インバータ型の太陽光、風力発電は一定量以上連系できない制約が設けられる場合もある。
【0006】
このような制約に対し、最近のインバータ型の発電機(太陽光、風力)や蓄電設備の過渡的な動きに対して、回転型発電機と同様な慣性を持つ動きをさせる、模擬慣性制御機能が開発されている。インバータ型の負荷である充電設備などにもこの機能を持たせることも可能である。
【0007】
一方で、模擬慣性制御機能を持つ設備は、インバータ型電源として、ローカルな送電系統や、配電系統に分散設置されていることが多い。このため、どこにどの程度の慣性が存在するか、慣性の総量は周波数安定性維持に十分であるかどうかの監視が重要となる。
【0008】
また、インバータ型電源の模擬慣性は、インバータ起動有無や出力電力や制御モードなどの運転状態によって、その模擬慣性の発生量が変わる。このため、多数のインバータ型電源が分散配置された場合に、インバータ型電源の慣性量を把握することが難しいといった課題がある。この課題に対処するには、各インバータ型電源の模擬慣性制御モードや模擬慣性により発生する慣性量を逐次通信によって把握することも考えられる。しかし、膨大な数の分散設置されたインバータ型電源の状態を把握するための通信システム、運用管理システムは複雑かつ高コストとなる課題がある。また、漏れなく全てのインバータ型電源との情報交換を可能とするための制度、ルール整備なども必要となり、実運用上の困難さも大きい。
【0009】
系統の慣性が減少すると、需給アンバランスによる周波数変化が大きくなると共に、系統の周波数維持に必要な対策(負荷遮断や発電機出力変更量)も多く必要となる。また、模擬慣性制御を期待するインバータ型発電が停止している場合など、模擬慣性の低下が発生することになり、その慣性低下を考慮した周波数維持制御が必要となる。
【0010】
系統の慣性定数を計測する手法について、慣性Hは、一般に(1)式のように定義される。(1)式のHは単位慣性定数(MW/s/MVA)、df/dtは周波数変化率(Hz/s)、fnは基本周波数(Hz)、△Pは有効電力変化量を表す。
H=0.5×(△P×fn)/(df/dt) …(1)
(【0011】以降は省略されています)

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