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公開番号2025125657
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-28
出願番号2024021722
出願日2024-02-16
発明の名称トナーの製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類G03G 9/08 20060101AFI20250821BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】熱処理工程における樹脂粒子の合一化が抑制されたトナーの製造方法を提供する。
【解決手段】無機分散剤およびファインバブルを含有する水系媒体を調製する調製工程、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を該水系媒体中で形成する造粒工程、該重合性単量体を重合して樹脂粒子を得る重合工程、該樹脂粒子に対して加熱処理を行う熱処理工程を有するトナーの製造方法であって、
該熱処理工程が
(i)温度60℃以上の水系媒体中で行われ、
(ii)該ファインバブルが該樹脂粒子表面に吸着しており、
該調製工程で用いる水系媒体中の該ファインバブルの個数平均粒径が1.0×101nm以上5.0×102nm以下であり、該水系媒体1mL当たりの該ファインバブルの存在量が1.0×104個以上であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
無機分散剤およびファインバブルを含有する水系媒体を調製する調製工程、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を該水系媒体中で形成する造粒工程、該重合性単量体を重合して樹脂粒子を得る重合工程、該樹脂粒子に対して加熱処理を行う熱処理工程を有するトナーの製造方法であって、
該熱処理工程が
(i)温度60℃以上の水系媒体中で行われ、
(ii)該ファインバブルが該樹脂粒子表面に吸着しており、
該調製工程で用いる水系媒体中の該ファインバブルの個数平均粒径が1.0×10
1
nm以上5.0×10
2
nm以下であり、該水系媒体1mL当たりの該ファインバブルの存在量が1.0×10
4
個以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
無機分散剤を含有する水系媒体Aを調製する調製工程、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を該水系媒体中で形成する造粒工程、該重合性単量体を重合して樹脂粒子を得る重合工程、該樹脂粒子に対して加熱処理を行う熱処理工程を有するトナーの製造方法であって、
該熱処理工程前に、ファインバブルを含有する水系媒体Bを混合し、
該熱処理工程が
(i)温度60℃以上の水系媒体中で行われ、
(ii)該ファインバブルが該樹脂粒子表面に吸着しており、
該水系媒体Aの体積をVa[L]、該水系媒体Bの体積をVb[L]、該水系媒体B中における、1mL当たりの該ファインバブルの存在量をMb[個]、個数平均粒径をDb[nm]としたとき、該Dbが1.0×10
1
以上5.0×10
2
以下であり、以下の式(1)で表されるMc[個]が1.0×10
4
以上であることを特徴とするトナーの製造方法。
Mc=Mb×Vb/(Va+Vb) (1)
【請求項3】
前記熱処理工程における水系媒体の温度が、前記樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)+30℃以上である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
【請求項4】
前記樹脂粒子の表面に前記無機分散剤が被覆しており、その被覆率が20面積%以上70面積%以下である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
【請求項5】
前記樹脂粒子表面のSP値(J/cm
3

0.5
が19.5以上22.1以下である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
【請求項6】
前記ファインバブルを前記水系媒体中に1.0×10
5
個/mL以上含有する請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
【請求項7】
前記ファインバブルのゼータ電位をφa(mV)としたときに、φaの絶対値が5以上30以下である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
【請求項8】
前記樹脂粒子の個数平均粒径をa(μm)、前記ファインバブルの個数平均粒径をb(μm)としたときに下記式(2)を満たす請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
14≦a/b (2)
【請求項9】
前記無機分散剤のゼータ電位をφb(mV)としたときにφa、φbの関係が下記式(3)である請求項7に記載のトナーの製造方法。
25≦|φa|×|φb|≦300 (3)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法に用いられるトナーの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子写真形成装置において印刷スピードの高速化、本体およびカートリッジの小型化が求められている。これらを可能とするためにトナーに対してもよりー層の向上が求められている。例えば電子写真装置の高速化や小型化に貢献するために、低温定着性が良好であるトナーが求められている。紙にトナーを固着するプロセススピードを高くでき、定着部材の小型化にも寄与できるためである。
トナーの性能を向上させるため、トナーの製造方法にもより一層の向上が求められる。トナーの製造方法としては、重合性単量体、着色剤、離型剤や結晶性樹脂などの結晶性成分といった混合物を水系媒体中にて分散し樹脂粒子を得る懸濁重合法、乳化重合凝集法等が提案されている。その中でも懸濁重合法は、離型剤や結晶性樹脂を球形構造の中心に内包できる点や形状を制御しやすい等の特徴があり、水系媒体を利用しない乾式での製造方法である粉砕法に比べ現像性や転写性が優れている。
一方、懸濁重合法においても課題が存在する。例えば、高温での熱処理工程における樹脂粒子の合一化があげられる。水系媒体を加熱して行う工程において、樹脂粒子が加熱により軟化する。その結果媒体中で接触した樹脂粒子が合一し粒子の粗大化および異形粒子が発生する。このような合一化が発生すると合一した粒子を取り除かなければならず、収率の低下につながる。また、合一することによってトナー中における異形粒子の存在割合が大きくなると、帯電性などのトナー特性および現像特性に悪影響が現れカブリやぼた落ちといった画像特性の低下につながるため好ましくない。低温定着性を向上させたトナーは紙に固着する温度を下げるために軟らかい樹脂を用いる。そのため合一化しやすくなる傾向がある。また、近年の環境に対する動向の変化から有機揮発成分を確実に除去するために、熱処理の温度は高くなる傾向にある。そのため、高温での熱処理工程において粒子の合一化を抑制することは重要な課題となっている。
熱処理工程における合一化を抑制する手段として、無機分散剤に着目した手段が提案されている。例えば特許文献1では、重合工程および蒸留工程において含まれる無機微粒子のゼータ電位を調整するトナーの製造方法が提案されている。分散剤の正帯電性が適切な値となるため、水系媒体中で均一に分散した樹脂粒子の表面に適度な付着力で吸着でき、合一化が抑制できることが開示されている。特許文献2では、重合工程に用いる重合容器内壁の少なくとも一部に難水溶性無機物を含む液体を塗布する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-90510号公報
特開2010-152249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、分散剤を用いるだけでは、合一化の抑制手段としてはまだ改善の余地がある。分散剤のみでは樹脂粒子表面を被覆できない箇所が残り、合一化の起点となってしまうためである。合一化を防ぐためのさらなる物質、手段および改善方法が求められている。
本開示では、熱処理工程における樹脂粒子の合一化が抑制されたトナーの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、無機分散剤およびファインバブルを含有する水系媒体を調製する調製工程、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を該水系媒体中で形成する造粒工程、該重合性単量体を重合して樹脂粒子を得る重合工程、該樹脂粒子に対して加熱処理を行う熱処理工程を有するトナーの製造方法であって、
該熱処理工程が
(i)温度60℃以上の水系媒体中で行われ、
(ii)該ファインバブルが該樹脂粒子表面に吸着しており、
該調製工程で用いる水系媒体中の該ファインバブルの個数平均粒径が1.0×10
1
nm以上5.0×10
2
nm以下であり、該水系媒体1mL当たりの該ファインバブルの存在量が1.0×10
4
個以上であることを特徴とするトナーの製造方法である。
また、本発明は、無機分散剤を含有する水系媒体Aを調製する調製工程、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を該水系媒体中で形成する造粒工程、該重合性単量体を重合して樹脂粒子を得る重合工程、該樹脂粒子に対して加熱処理を行う熱処理工程を有するトナーの製造方法であって、
該熱処理工程前に、ファインバブルを含有する水系媒体Bを混合し、
該熱処理工程が
(i)温度60℃以上の水系媒体中で行われ、
(ii)該ファインバブルが該樹脂粒子表面に吸着しており、
該水系媒体Aの体積をVa[L]、該水系媒体Bの体積をVb[L]、該水系媒体B中における、1mL当たりの該ファインバブルの存在量をMb[個]、個数平均粒径をDb[nm]としたとき、該Dbが1.0×10
1
以上5.0×10
2
以下であり、以下の式(1)で表されるMc[個]が1.0×10
4
以上であることを特徴とするトナーの製造方法である。
Mc=Mb×Vb/(Va+Vb) (1)
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、熱処理工程におけるトナーの合一化が抑制されたトナーの製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を挙げて、さらに詳しく説明するが、これらに限定されることはない。なお、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
【0008】
〔本発明の特徴〕
本発明は重合性単量体等を使用した懸濁重合法による樹脂粒子の製造方法に好適に用いることができる。
【0009】
本発明のトナーの製造方法は、無機分散剤およびファインバブルを含有する水系媒体を調製する調製工程、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を該水系媒体中で形成する造粒工程、該重合性単量体を重合して樹脂粒子を得る重合工程、該樹脂粒子に対して加熱処理を行う熱処理工程を有するトナーの製造方法であって、
該熱処理工程が
(i)温度60℃以上の水系媒体中で行われ、
(ii)該ファインバブルが該樹脂粒子表面に吸着しており、
該調製工程で用いる水系媒体中の該ファインバブルの個数平均粒径が1.0×10
1
nm以上5.0×10
2
nm以下であり、該水系媒体1mL当たりの該ファインバブルの存在量が1.0×10
4
個以上であることを特徴とするトナーの製造方法である(本発明の第一の発明)。
【0010】
このようなトナーの製造方法により、合一化が抑制された樹脂粒子を製造することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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