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公開番号2025124722
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-26
出願番号2025085012,2021026276
出願日2025-05-21,2021-02-22
発明の名称帯電防止表面保護フィルムの製造方法、及び帯電防止表面保護フィルム
出願人ZACROS株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09J 7/29 20180101AFI20250819BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】基材の表面に形成された帯電防止層の大気暴露性が優れ、それに伴い長期間の保存に有効であり、粘着剤層を剥離する時の、低速及び高速の剥離速度において、バランスがとれた粘着力を有すると共に、粘着剤層の帯電防止性能と、耐汚染性能に優れている帯電防止表面保護フィルムの製造方法、及び帯電防止表面保護フィルムを提供する。
【解決手段】透明性を有する樹脂からなる基材フィルム1の一方の表面に、アクリル系ポリマーと、架橋剤とを含有する粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層2が形成されてなる帯電防止表面保護フィルム10であって、基材フィルム1の他方の表面に第1の帯電防止剤(K1)としてカーボンナノチューブと水酸基含有ポリマーとのみを含有する帯電防止層6が形成され、粘着剤層2の表面に、樹脂フィルム3の片面に第2の帯電防止剤(K2)を含有する剥離剤層4が積層された剥離フィルム5が、剥離剤層4を介して貼り合せてなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
帯電防止表面保護フィルムの製造方法であって、次の工程(1)~(4)、
工程(1):アクリル系ポリマーと、架橋剤とを含有する粘着剤組成物であって、前記アクリル系ポリマーが、(A)アルキル基の炭素数がC1~C18のアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも1種以上の合計を100重量部と、(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上の合計を1.0~6.0重量部と、をカルボキシル基を有する共重合可能なモノマーを含有させないで共重合させた、重量平均分子量が30万超過100万以下の共重合体からなるアクリル系ポリマーである粘着剤組成物を作製する工程と、
工程(2):透明性を有する樹脂からなる基材フィルムの一方の表面に、前記粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層を形成する工程と、
工程(3):前記基材フィルムの、前記一方の表面と反対側の表面である、他方の表面に、第1の帯電防止剤(K1)としてカーボンナノチューブと水酸基含有ポリマーとのみを含有する帯電防止層を形成する工程と、
工程(4):前記粘着剤層の表面に、樹脂フィルムの片面に第2の帯電防止剤(K2)を含有する剥離剤層が積層された剥離フィルムを、前記剥離剤層を介して貼り合せ、前記剥離剤層の前記第2の帯電防止剤(K2)を、前記粘着剤層の表面に転写させる工程と、
を工程(1)~(4)の順に経て作製され、
前記粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層を、厚さ38μmのポリエステルフィルムの片面に、15μmの厚さに積層し、前記粘着剤層の表面に、前記第2の帯電防止剤(K2)を転写させてなる帯電防止表面保護フィルムが、偏光板の表面に貼り合わされた後に、前記偏光板から前記帯電防止表面保護フィルムを剥離する時の、低速の剥離速度0.3m/minでの粘着力が0.01~0.1N/25mmであり、高速の剥離速度30m/minでの粘着力が1.0N/25mm以下であることを特徴とする帯電防止表面保護フィルムの製造方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記基材フィルムの表面の、前記帯電防止層の初期の表面抵抗率が1.0×10
+10
Ω/□以下であり、23℃×50%RHの雰囲気下で90日間に渡り大気暴露された状態で保管した後における前記帯電防止層の表面抵抗率が1.0×10
+10
Ω/□以下であることを特徴とする請求項1に記載の帯電防止表面保護フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記アクリル系ポリマーに、(F)ポリアルキレングリコール鎖を構成するポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の帯電防止表面保護フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記第2の帯電防止剤(K2)が、アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の帯電防止表面保護フィルムの製造方法。
【請求項5】
透明性を有する樹脂からなる基材フィルムの一方の表面に、アクリル系ポリマーと、架橋剤とを含有する粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層が形成されてなる帯電防止表面保護フィルムであって、
前記アクリル系ポリマーが、
(A)アルキル基の炭素数がC1~C18のアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも1種以上の合計を100重量部と、
(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上の合計を1.0~6.0重量部と、
をカルボキシル基を有する共重合可能なモノマーを含有させないで共重合させた、重量平均分子量が30万超過100万以下の共重合体からなるアクリル系ポリマーであり、
前記基材フィルムの、前記一方の表面と反対側の表面である、他方の表面に、第1の帯電防止剤(K1)としてカーボンナノチューブと水酸基含有ポリマーとのみを含有する帯電防止層が形成されてなり、
前記粘着剤層の表面に、樹脂フィルムの片面に第2の帯電防止剤(K2)を含有する剥離剤層が積層された剥離フィルムが、前記剥離剤層を介して貼り合せてなり、前記剥離剤層の前記第2の帯電防止剤(K2)が、前記粘着剤層の表面に転写されてなり、
前記粘着剤組成物を架橋させた粘着剤層を、厚さ38μmのポリエステルフィルムの片面に、15μmの厚さに積層し、前記粘着剤層の表面に、前記第2の帯電防止剤(K2)を転写させてなる帯電防止表面保護フィルムが、偏光板の表面に貼り合わされた後に、前記偏光板から前記帯電防止表面保護フィルムを剥離する時の、低速の剥離速度0.3m/minでの粘着力が0.01~0.1N/25mmであり、高速の剥離速度30m/minでの粘着力が1.0N/25mm以下であることを特徴とする帯電防止表面保護フィルム。
【請求項6】
前記アクリル系ポリマーに、(F)ポリアルキレングリコール鎖を構成するポリアルキレングリコール鎖含有モノ(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含むことを特徴とする請求項5に記載の帯電防止表面保護フィルム。
【請求項7】
前記第2の帯電防止剤(K2)が、アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項5または6に記載の帯電防止表面保護フィルム。
【請求項8】
偏光板用表面保護フィルムとして用いられる、帯電防止表面保護フィルムであり、
前記偏光板の偏光子の保護層が、TAC系フィルム、PMMA系フィルム、PET系フィルムよりなる群から選択された1種であり、かつ、前記偏光板の偏光子の保護層の表面に施されている表面処理が、未処理、AG処理、LR処理、AR処理、AG-LR処理、AG-AR処理からなる群より選択された1種であることを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の帯電防止表面保護フィルム。
【請求項9】
前記(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーが、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドからなる化合物群の中から選択された少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項5~8のいずれか1項に記載の帯電防止表面保護フィルム。
【請求項10】
前記粘着剤組成物が、前記アクリル系ポリマーの100重量部に対して、HLB値が6~12で重量平均分子量が10000以下であるポリエーテル変性シロキサン化合物を、0.01~0.5重量部の割合で含有することを特徴とする請求項5~9のいずれか1項に記載の帯電防止表面保護フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機EL表示装置などを構成する光学部品の製造工程に使用される表面保護フィルムに関するものである。さらに詳しくは、液晶ディスプレイ等を構成する、例えば、偏光板、位相差板などの光学部品の表面に貼着することにより、偏光板、位相差板などの光学部品の表面を保護するために使用される帯電防止表面保護フィルムの製造方法、及び帯電防止表面保護フィルムに関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、基材フィルムの片面に、粘着剤層を設けた表面保護フィルムが、光学製品の製造工程において、傷や汚れの付着を防止するために、一般的に使用されている。表面保護フィルムは、微粘着力の粘着剤層を介して光学用フィルムなどの光学部品に貼合される。粘着剤層を微粘着力とするのは、使用済みの表面保護フィルムを光学用フィルムの表面から剥離して取り除くときに、容易に剥離でき、且つ、粘着剤が、被着体である製品の光学用フィルムに付着して残留しないようにする(いわゆる、糊残りの発生を防ぐ)ためである。
【0003】
また、従来技術として、光学部品用表面保護フィルムの基材(ポリエステルフィルム)の表面に、帯電防止層が積層され、その帯電防止層に含有されている帯電防止剤として導電性高分子を使用する技術が開示されている(例えば、特許文献1~3)。その導電性高分子を使用する技術の一部は、現在においても使用されている。
しかし、帯電防止層に導電性高分子を含有している表面保護フィルムを、大気雰囲気中で長期間に渡り保管していると、経時変化により帯電防止層の表面抵抗率が上昇して帯電防止性能が低下する(いわゆる、大気暴露性が悪い)という問題があった。
【0004】
さらに、近年では、光学部品の一種である偏光板の偏光子の保護層(保護フィルムと呼ばれることもある。)として、従来、用いられているトリアセチルセルロース(TAC)以外に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、環状オレフィン系ポリマー、ポリカーボネートなどの、偏光板の表面保護フィルムを剥がす時に、剥離帯電を起こし易い材料の使用が検討され(例えば、特許文献4)、採用が拡大している。このため、偏光板の表面保護フィルム用の粘着剤層に求められる帯電防止性能が、従来に比べて優れていることが必要とされている。ここで、TACはトリアセチルセルロース、PMMAはポリメチルメタクリレート、PETはポリエチレンテレフタレートの略称である。
また、偏光板用表面保護フィルムの用途において、被着体となる偏光板の偏光子の保護層の表面に施されている表面処理として、未処理、AG処理、LR処理、AR処理、AG-LR処理、AG-AR処理などの各種の表面処理が施されている。ここで、AGとはアンチグレア(Anti Glare)、LRとはローリフレクション(Low Reflection)、ARとはアンチリフレクション(Anti Reflection)である。
【0005】
このように、近年の偏光板用表面保護フィルムは、被着体となる偏光板の偏光子の保護層に、多種多様な材料が使用されている状況に対処する必要がある。さらに、光学部品用の表面保護フィルムの使用形態としては、光学部品の各種の製造工程で使用される機会が増大していると共に、光学部品に表面保護フィルムを貼り合わせた状態で長期間に渡り保管される工程で使用される割合が増加している。また、光学部品の製造工程が完了した後においても、製造後の光学部品が液晶ディスプレイ(LCD)等の機器に組み込まれるまでの間、光学部品に表面保護フィルムを貼り合わせた状態で長期間に渡り保管される機会が増大している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2006-169455号公報
特開2004-338379号公報
特開2004-223923号公報
特開2017-165086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のとおり、従来技術においては、帯電防止層に導電性高分子を含有している表面保護フィルムを、大気雰囲気中で長期間に渡り保管すると、経時変化により帯電防止層の帯電防止性能が低下するという問題が顕在化しているが、現在においてもその問題を解決できる技術は見当たらない。
さらに、近年の表面保護フィルムにおいては、各種の材料からなる被着体に貼り合せた後に、それぞれの被着体から剥離する工程における高速の剥離速度での粘着力、及び低速の剥離速度での粘着力が、共に所定の粘着力の範囲内であり、且つ、粘着剤層の帯電防止性能と、被着体に対する耐汚染性能に優れていることが求められている。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、基材の表面に形成された帯電防止層の大気暴露性が優れ、それに伴い長期間の保存に有効であり、且つ、粘着剤層を剥離する時の、低速の剥離速度、及び高速の剥離速度において、バランスがとれた粘着力を有すると共に、粘着剤層の帯電防止性能と、耐汚染性能に優れている帯電防止表面保護フィルムの製造方法、及び帯電防止表面保護フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、これらの課題を解決するために鋭意検討を行なった。まず、帯電防止層に導電性高分子を含有している表面保護フィルムを、大気雰囲気中で長期間に渡り保管していると、経時変化により帯電防止層の表面抵抗率が上昇して帯電防止性能が低下する(いわゆる大気暴露性が悪い)現象の生じる原因は明確ではないが、導電性高分子が、大気中の水分及び酸素により酸化劣化することが想定された。
そこで、大気中の水分及び酸素により酸化劣化せず、全光線透過率、及び電気導電率の高い物質を探査した結果、最終的に、帯電防止層の帯電防止剤(K1)としてカーボンナノチューブを採用することによりこの課題を解決することができた。
【0010】
さらに、他の課題である、粘着剤層を剥離する時の、低速の剥離速度、及び高速の剥離速度において、バランスがとれた粘着力を有すると共に、粘着剤層の帯電防止性能と、耐汚染性能に優れている帯電防止表面保護フィルムを得ることの解決手段は、次のとおりである。
この課題を解決するため、本発明の帯電防止表面保護フィルムの粘着剤層を形成するための粘着剤組成物は、その粘着剤組成物に含まれるアクリル系ポリマーが、(A)アルキル基の炭素数がC1~C18のアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも1種以上の合計を100重量部と、(B)水酸基を含有する共重合可能なモノマーの少なくとも1種以上の合計を1.0~6.0重量部と、をカルボキシル基を有する共重合可能なモノマーを含有させないで共重合させた、重量平均分子量が30万超過100万以下の共重合体からなるアクリル系ポリマーとしている。
さらに、粘着剤組成物を塗工・乾燥して粘着剤層を積層した後に、その粘着剤層の表面に、適量の20℃において液体のシリコーン系化合物および帯電防止剤(K2)を付与することにより、被着体に対する汚染性を低く抑えた(耐汚染性能を有する)上、被着体である光学用フィルムから剥離する時の剥離帯電圧を低く抑えられ、この課題を解決することができた。
(【0011】以降は省略されています)

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