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公開番号2025120910
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-18
出願番号2024140052
出願日2024-08-21
発明の名称異常検知装置、プログラム及び異常検知方法
出願人京セラ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G06N 20/00 20190101AFI20250808BHJP(計算;計数)
要約【課題】検知精度の向上と要因推定の両立が可能な異常検知装置、プログラム及び異常検知方法が提供される。
【解決手段】異常検知装置(10)は、設備に設けられたセンサの検出値を含む検出値データを取得する取得部(11)と、取得された検出値データのうち、正常データを使って生成された学習モデルを用いて、設備の故障予兆があるかを判定する異常検知部(12)と、故障予兆があると判定された場合に、予兆があると判定された故障の要因を推定する要因推定部(13)と、故障予兆の判定を実行する前に、学習モデルを生成する学習モデル生成部(14)と、を備え、学習モデル生成部は、グラフ構造の全体のエッジ数を所定の数にするように制約を与える手法又はバイナリゲートを用いてグラフ構造の各ノードから伸びるエッジ数を可変にする手法で、グラフ構造を利用した学習モデルを生成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
設備に設けられたセンサの検出値を含む検出値データを取得する取得部と、
取得された前記検出値データのうち、正常データを使って生成された学習モデルを用いて、前記設備の故障予兆があるかを判定する異常検知部と、
前記故障予兆があると判定された場合に、予兆があると判定された故障の要因を推定する要因推定部と、
前記故障予兆の判定を実行する前に、前記学習モデルを生成する学習モデル生成部と、を備え、
前記学習モデルは、疎構造化されたグラフ構造を利用した深層学習モデルであって、
前記学習モデル生成部は、前記グラフ構造の全体のエッジ数を所定の数にするように制約を与える手法又はバイナリゲートを用いて前記グラフ構造の各ノードから伸びるエッジ数を可変にする手法で、前記学習モデルを生成する、異常検知装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記学習モデル生成部は、特徴ベクトルを入力としてgraphical lassoによる学習を行い、精度行列から前記グラフ構造の全体のエッジ数を抽出し、抽出される前記グラフ構造の全体のエッジ数が前記所定の数になるまで又は前記グラフ構造の全体のエッジ数を抽出する処理の回数が上限値になるまで、正則化パラメータを変更しながら前記学習と前記抽出する処理を繰り返す、請求項1に記載の異常検知装置。
【請求項3】
前記学習モデル生成部は、前記グラフ構造のエッジの重みを正規化する活性化関数にバイナリゲートを組み入れることによって、前記グラフ構造の各ノードから伸びるエッジ数を可変にする、請求項1に記載の異常検知装置。
【請求項4】
コンピュータを、
設備に設けられたセンサの検出値を含む検出値データを取得する取得部と、
取得された前記検出値データのうち、正常データを使って生成された学習モデルを用いて、前記設備の故障予兆があるかを判定する異常検知部と、
前記故障予兆があると判定された場合に、予兆があると判定された故障の要因を推定する要因推定部と、
前記故障予兆の判定を実行する前に、前記学習モデルを生成する学習モデル生成部と、して機能させ、
前記学習モデルは、疎構造化されたグラフ構造を利用した深層学習モデルであって、
前記学習モデル生成部は、前記グラフ構造の全体のエッジ数を所定の数にするように制約を与える手法又はバイナリゲートを用いて前記グラフ構造の各ノードから伸びるエッジ数を可変にする手法で、前記学習モデルを生成する、プログラム。
【請求項5】
設備に設けられたセンサの検出値を含む検出値データを取得するステップと、
取得された前記検出値データのうち、正常データを使って生成された学習モデルを用いて、前記設備の故障予兆があるかを判定するステップと、
前記故障予兆があると判定された場合に、予兆があると判定された故障の要因を推定するステップと、
前記故障予兆の判定を実行する前に、前記学習モデルを生成するステップと、を備え、
前記学習モデルは、疎構造化されたグラフ構造を利用した深層学習モデルであって、
前記学習モデルを生成するステップは、前記グラフ構造の全体のエッジ数を所定の数にするように制約を与える手法又はバイナリゲートを用いて前記グラフ構造の各ノードから伸びるエッジ数を可変にする手法で、前記学習モデルを生成する、異常検知方法。
【請求項6】
前記グラフ構造のエッジの重みを用いる追加情報を、時系列データのグラフ又は統計量のグラフに重ね合わせたデータ表示を行う表示部を、備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の異常検知装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、異常検知装置、プログラム及び異常検知方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
デジタル化、少子高齢化等の環境変化に対応した産業保安に関して、スマート保安と呼ばれる取組が行われている。スマート保安で必要となるAI技術として、設備の保全の手法である予知保全が挙げられる。予知保全は、故障前に故障の予兆又は変化を捉え、事前にメンテナンスを行うことで、ダウンタイムの削減及びメンテナンスの効率化を図る。予知保全は、設備に取り付けられたセンサ情報から設備の状態を監視し、そのセンサ情報から設備の故障予兆を事前に把握して保全を行う状態基準保全(Condition Based Maintenance)である。
【0003】
例えば、特許文献1は、時系列データの異常度の検知精度を高めるために、graphical lassoのアルゴリズムにより、相関係数行列から、逆行列である疎の精度行列を作成する手法を開示する。また、近年、GAT(Graph Attention Network)を利用した異常検知手法であるGDN(Graph Deviation Network)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-078467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、設備の故障予兆を検知した際に、故障の要因を推定することは効率的な保全作業の実施に役立つ。ここで、故障の要因を推定するために、異常度(実測値と予測値の差分)が大きいセンサ項目を特定する手法が知られているが、要因となるセンサ項目の異常度が大きくなるとは限らない。人手による確認作業を行うと、効率的な保全作業を実施することができない。また、特許文献1の手法は、疎構造学習によって重要な特徴量を抽出できるが、複雑なモデルに対応することが困難である。これに対して、例えばGCN(グラフ畳み込みネットワーク)などのグラフ構造を深層学習にて学習することで、複雑なモデルに対応することが可能になる。しかし、グラフ構造が複雑になるため、要因推定の精度が悪くなることがある。ここで、グラフ構造を深層学習にて学習するとは、グラフ構造を利用する方法を深層学習にて学習することを意味する。
【0006】
また、従来技術として、異常度の大きいデータを表示する手法はあったが、異常度が大きいセンサ項目だけが直接の要因でないケースがある。このようなケースでは、要因の特定に時間を要することが多かった。したがって、要因の特定を容易にするデータ表示の手法も求められている。
【0007】
かかる点に鑑みてなされた本開示の目的は、検知精度の向上と要因推定の両立が可能な異常検知装置、プログラム及び異常検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の一実施形態に係る異常検知装置は、
設備に設けられたセンサの検出値を含む検出値データを取得する取得部と、
取得された前記検出値データのうち、正常データを使って生成された学習モデルを用いて、前記設備の故障予兆があるかを判定する異常検知部と、
前記故障予兆があると判定された場合に、予兆があると判定された故障の要因を推定する要因推定部と、
前記故障予兆の判定を実行する前に、前記学習モデルを生成する学習モデル生成部と、を備え、
前記学習モデルは、疎構造化されたグラフ構造を利用した深層学習モデルであって、
前記学習モデル生成部は、前記グラフ構造の全体のエッジ数を所定の数にするように制約を与える手法又はバイナリゲートを用いて前記グラフ構造の各ノードから伸びるエッジ数を可変にする手法で、前記学習モデルを生成する。
【0009】
(2)本開示の一実施形態として、(1)において、
前記学習モデル生成部は、特徴ベクトルを入力としてgraphical lassoによる学習を行い、精度行列から前記グラフ構造の全体のエッジ数を抽出し、抽出される前記グラフ構造の全体のエッジ数が前記所定の数になるまで又は前記グラフ構造の全体のエッジ数を抽出する処理の回数が上限値になるまで、正則化パラメータを変更しながら前記学習と前記抽出する処理を繰り返す。
【0010】
(3)本開示の一実施形態として、(1)において、
前記学習モデル生成部は、前記グラフ構造のエッジの重みを正規化する活性化関数にバイナリゲートを組み入れることによって、前記グラフ構造の各ノードから伸びるエッジ数を可変にする。
(【0011】以降は省略されています)

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