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公開番号
2025115382
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-06
出願番号
2025007520
出願日
2025-01-20
発明の名称
インクジェット記録用処理液
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類
B41M
5/00 20060101AFI20250730BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約
【課題】処理液を低浸透性の記録媒体に付与した後に加熱乾燥工程を経る場合であっても、良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質な印刷物を得ることができる、インクジェット記録用処理液、インクジェット記録用インクセット、表面処理記録媒体、インクジェット記録方法及びインクジェット記録用前処理液としての使用を提供する。
【解決手段】芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物(A)、凝集剤(B’)、並びに水を含有し、該化合物(A)の含有量が3質量%以上である、インクジェット記録用処理液。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物(A)、凝集剤(B’)、並びに水を含有し、
該化合物(A)の含有量が3質量%以上である、インクジェット記録用処理液。
続きを表示(約 710 文字)
【請求項2】
前記凝集剤(B’)が、多価金属塩、多価アミン、及び有機酸からなる群から選ばれる1種以上の化合物(B)である、請求項1に記載のインクジェット記録用処理液。
【請求項3】
前記多価金属塩を構成する多価金属イオンが、2価の金属イオンである、請求項2に記載のインクジェット記録用処理液。
【請求項4】
前記多価アミンが、少なくとも1つのアミノ基を有する重合性モノマー由来の構成単位を含むポリマーである、請求項2に記載のインクジェット記録用処理液。
【請求項5】
前記インクジェット記録用処理液中の前記化合物(A)の含有量に対する前記化合物(B)の含有量の質量比[化合物(B)/化合物(A)]が、15未満である、請求項2に記載のインクジェット記録用処理液。
【請求項6】
前記化合物(B)が多価金属塩である、請求項2に記載のインクジェット記録用処理液。
【請求項7】
前記化合物(A)のHLB値が10以上20以下である、請求項2に記載のインクジェット記録用処理液。
【請求項8】
前記処理液中の前記化合物(A)の含有量が5質量%以上60質量%以下である、請求項2に記載のインクジェット記録用処理液。
【請求項9】
前記処理液中の前記化合物(B)の含有量が1質量%以上40質量%以下である、請求項2に記載のインクジェット記録用処理液。
【請求項10】
インクジェット記録に用いられる記録媒体の処理用である、請求項2に記載のインクジェット記録用処理液。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録用処理液、インクジェット記録用インクセット、表面処理記録媒体、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録用前処理液としての使用に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は、製版が不要であり、バリアブル(可変)印刷に対応しやすく、また、被印刷物に対して非接触という多くの利点があるため、オフィス用途、家庭用途等の広い分野で普及が進んでいる。近年では、印刷ボリュームが格段に大きい商業印刷用途、産業印刷用途への展開も試みられ、インクジェット記録方式は多様な材質の記録媒体への印刷が求められている。
このような要求に対して、記録媒体にインクを付着させる前に、色材、樹脂等のインク中に含まれる固体成分を意図的に凝集させる処理液を予め記録媒体に付与し、インク凝集層を記録媒体上に形成する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、インクジェット記録に用いられる記録媒体の処理に、1,4-シクロヘキサンジメタノール、多価金属塩、及び水を含有する処理液を用いることにより、低浸透性の記録媒体を用いる際に良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質な印刷物を得ることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2023/199982号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の印刷速度の向上に伴い、処理液を用いて表面処理されてなる記録媒体にインクジェット記録方式によりインクを用いて画像を形成する際に該処理液によりインクの乾燥性が低下し、印刷機の搬送ローラーに画像形成部が転写することによる搬送ローラーのインク汚れが発生する場合がある。このような搬送ローラーのインク汚れを防ぐ目的や記録媒体への処理液の付与と印刷機での印刷とを別工程で行う場合の処理液を用いて表面処理されてなる記録媒体の保管等の取り扱い性の向上に対する要望に伴って、処理液の付与後に加熱乾燥工程を経る場合がある。しかしながら、特許文献1の技術では、処理液を低浸透性の記録媒体に付与した後に加熱乾燥工程を経る場合の性能が不十分であり、改善の余地があることが判明した。
本発明は、処理液を低浸透性の記録媒体に付与した後に加熱乾燥工程を経る場合であっても、良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質な印刷物を得ることができる、インクジェット記録用処理液、インクジェット記録用インクセット、表面処理記録媒体、及びインクジェット記録方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物と、多価金属塩、多価アミン、及び有機酸からなる群から選ばれる1種以上の化合物と、水とを含有し、該芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物の含有量が所定の値以上である、インクジェット記録用処理液により、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]~[5]を提供する。
[1]芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物(A)、凝集剤(B’)、並びに水を含有し、
該化合物(A)の含有量が3質量%以上である、インクジェット記録用処理液。
[2]前記[1]に記載のインクジェット記録用処理液と、着色材及び水を含有するインクとを含む、インクジェット記録用インクセット。
[3]前記[1]に記載のインクジェット記録用処理液を用いて処理されてなる、表面処理記録媒体。
[4]前記[1]に記載のインクジェット記録用処理液を用い、下記の工程1及び工程2を含む、インクジェット記録方法。
工程1:前記処理液を記録媒体に付与した後、加熱乾燥して表面処理記録媒体を得る工程
工程2:工程1で得られた表面処理記録媒体の処理面に、着色材及び水を含有するインクを用いてインクジェット記録方式により画像を形成する工程
[5]芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物(A)、多価金属塩、多価アミン、及び有機酸からなる群から選ばれる1種以上の化合物(B)、並びに水を含有し、
該化合物(A)の含有量が3質量%以上である組成物の、インクジェット記録用前処理液としての使用。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、処理液を低浸透性の記録媒体に付与した後に加熱乾燥工程を経る場合であっても、良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質な印刷物を得ることができる、インクジェット記録用処理液、インクジェット記録用インクセット、表面処理記録媒体、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[インクジェット記録用処理液]
本発明のインクジェット記録用処理液(以下、単に「処理液」ともいう)は、芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物(A)(以下、「化合物(A)」ともいう)、凝集剤(B’)、並びに水を含有し、該化合物(A)の含有量が3質量%以上である。
本発明において、「芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物」とは、1分子中に1以上の芳香環を有し、かつ、2以上のエチレンオキシド由来の単位を有するエーテル化合物を意味する。
なお、本発明において、「芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物(A)、凝集剤(B’)、並びに水を含有する」とは、「芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物(A)、凝集剤(B’)、並びに水を配合してなる」ことをも意味する。
本発明の処理液は、インクジェット記録方式による画像形成において、高い印刷品質の印刷物を得ることができる観点から、インクジェット記録に用いられる記録媒体の処理に用いられることが好ましく、インクジェット記録に用いられる低浸透性の記録媒体の処理に用いられることがより好ましい。すなわち、本発明の処理液は、インクジェット記録用前処理液として用いることが好ましい。
【0009】
本発明によれば、処理液を低浸透性の記録媒体に付与した後に加熱乾燥工程を経る場合であっても、良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質な印刷物を得ることができる。その理由は、必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
本発明の処理液に含まれる芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物は、インク中の溶媒成分と親和性が高いエチレンオキシド由来の単位を含むことで、本発明の処理液で処理された記録媒体にインクジェット記録用インクが着弾した時に該エチレンオキシド由来の単位が該インクの記録媒体に対する濡れ性を大きく向上させ、該インクのドットを拡張させることができると考えられる。
また、前記芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物は、分子中に疎水性の高い芳香環を有するため、インクジェット記録用インク中に樹脂成分が含まれる場合には、本発明の処理液で処理された記録媒体に着弾した該インクが拡張する際に、該インク中の樹脂成分を膨潤させる効果があり、該インクのドット全体の均一な増粘を促進させて均一な凝集を生起させることができ、記録媒体の表面状態のミクロな不均一性に起因するドット拡張挙動の振れも抑制することができるため、画像均質性が向上すると考えられる。
また、前記芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物は分子内に疎水性の高い芳香環を有することで低浸透性の記録媒体の表面に形成されているコート層に含まれる樹脂成分やセルロース繊維と相互作用することで、加熱乾燥により水等が揮発した状態であっても表面に残存し、上記効果を発現することができるものと考える。
また、本発明の処理液は、記録媒体に付与した後においては、前記芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物の高い界面活性効果により、多価金属塩、多価アミン、及び有機酸等の凝集剤の析出物が記録媒体に微小かつ均一に存在する状態になると考えられる。そのため、本発明の処理液を用いて処理されてなる記録媒体に、インクジェット記録方式によるインクが付着すると、該インク中に含まれる水系媒体への多価金属塩、多価アミン、又は有機酸等の凝集剤の再溶解がドット内で均一に起こることにより凝集効果が均一に発現すると共にインクの増粘が進行し、ドットの歪みの発生及び混色が抑制されて、画像均質性を更に向上させると考えられる。
なお、本発明において、記録媒体が低浸透性であるか高浸透性であるかは、記録媒体と純水との接触時間100m秒における該記録媒体の吸水量により判定される。該吸水量は、自動走査吸液計(例えば、熊谷理機工業(株)製 KM500win)を用いて、23℃、相対湿度50%の条件下で、純水の接触時間100m秒における転移量として測定できる。
「低浸透性」とは、低浸透性及び非浸透性を含む概念であり、前記吸水量が0g/m
2
以上7g/m
2
以下であることを意味する。「高浸透性」とは、前記吸水量が7g/m
2
超であることを意味する。
【0010】
<化合物(A)>
本発明の処理液は、芳香環を有するポリオキシエチレンエーテル化合物(A)を含有する。本発明の処理液は、化合物(A)を含有することにより、処理液を低浸透性の記録媒体に付与した後に加熱乾燥工程を経る場合であっても、低浸透性の記録媒体に対するインクの濡れ性を制御することができ、また、多価金属塩、多価アミン、及び有機酸等の凝集剤(B’)との特異的な相互作用を発現させることにより、良好なドット拡張性と優れた画像均質性とを両立した高画質な印刷物を得ることができる。
化合物(A)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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