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公開番号
2025115307
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-06
出願番号
2024009788
出願日
2024-01-25
発明の名称
毛孔角層の水和又は膨潤状態の評価方法
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人クオリオ
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61B
5/00 20060101AFI20250730BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】毛孔を構成するケラチノサイト(生細胞)と毛孔内腔との境界部に存在する角層の水和ないし膨潤状態を正確に評価する方法を提供する。
【解決手段】毛孔角層の水和又は膨潤状態を評価する方法であって、
光学顕微鏡により被評価者の毛孔角層を撮像し、
該撮像画像の輝度に基づいて、毛孔における膨潤角層の明るさ、膨潤角層深度、膨潤角層厚及び角栓の明るさからなる群より選ばれる少なくとも1つの毛孔角層に係る特徴量を決定し、
該特徴量を指標として被評価者の毛孔角層の水和若しくは膨潤状態を評価する、
毛孔角層の水和又は膨潤状態を評価する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
毛孔角層の水和又は膨潤状態を評価する方法であって、
光学顕微鏡により被評価者の毛孔角層を撮像し、
該撮像画像の輝度に基づいて、毛孔における膨潤角層の明るさ、膨潤角層深度、膨潤角層厚及び角栓の明るさからなる群より選ばれる少なくとも1つの毛孔角層に係る特徴量を決定し、
該特徴量を指標として被評価者の毛孔角層の水和若しくは膨潤状態を評価する、
毛孔角層の水和又は膨潤状態を評価する方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記光学顕微鏡が共焦点レーザー顕微鏡である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記撮像画像のうち毛孔角層が存在する箇所の画像輝度の情報から、毛孔角層の水和又は膨潤状態を反映する特徴量を決定し、その特徴量を指標として、毛孔角層の水和又は膨潤状態を評価する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
毛孔角層が存在する箇所の画像輝度を毛孔角層が存在しない箇所の画像輝度で規格化する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
被評価者の頬部の毛孔角層の水和若しくは膨潤状態を評価する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
光学顕微鏡を用いて水分を能動的に付加した被評価者の毛孔角層を撮像し、水分を能動的に付加した前後に撮像した画像を比較し、水分を能動的に付加することにより、毛孔角層が存在する箇所の画像輝度がどのように変化し、画像輝度に基づいて決定される前記特徴量がどのように変化するかを関連付ける、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
光学顕微鏡を用いて皮膚から外環境への水の蒸散を妨害した被評価者の毛孔角層を撮像し、水の蒸散を妨害した前後に撮像した画像を比較し、水の蒸散を妨害したことにより、毛孔角層が存在する箇所の画像輝度がどのように変化し、画像輝度に基づいて決定される前記特徴量がどのように変化するかを関連付ける、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
被評価者の毛孔角層を撮像した画像の水平断面画像において、毛孔回りに存在する白いリング状の領域の出現を確認して膨潤角層の明るさの特徴量を決定することで、毛孔角層の水和若しくは膨潤状態を評価する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
被評価者の毛孔角層を撮像した画像の水平断面画像において、毛孔回りに存在する白いリング状の領域が観察される皮膚表面からの深度を測定して膨潤角層深度の特徴量を決定することで、毛孔角層の水和若しくは膨潤状態を評価する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
被評価者の毛孔角層を撮像した画像の水平断面画像において、毛孔回りに存在する白いリング状の領域の幅を測定して膨潤角層厚の特徴量を決定することで、毛孔角層の水和若しくは膨潤状態を評価する、請求項1又は2に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛孔角層の水和又は膨潤状態の評価方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
長時間にわたる皮膚への過剰な水分接触や皮膚の閉塞は、皮膚の水和や膨潤に伴う皮膚角層のバリア機能の低下をもたらし、様々な皮膚トラブルの原因となることが知られている(非特許文献1参照)。
皮膚の水和や膨潤に伴う皮膚トラブルは、皮膚角層バリア機能の低下によるものだけではない。脂腺毛包や汗線など皮膚付属器官では、毛孔や汗孔を通じて皮脂や汗が皮膚上に分泌される。毛孔や汗孔が何らかの理由で塞がれると皮脂や汗が分泌されず、ニキビや汗疹など皮膚トラブルが生じる。実験的な分泌妨害の例として、水分を透過できないプラスチックフィルムの皮膚への貼付が、閉塞効果により毛孔内腔との境界部に存在する角層を水和ないし膨潤させ、皮脂の分泌を妨害することが知られている(非特許文献2参照)。
【0003】
昨今のコロナ禍(COVID-19)では、多くの人が長時間マスクを着用している。長時間のマスクの着用に伴い、皮膚トラブルを経験する人が増加した。特に、マスクの着用によるニキビ(アクネ)の発症は、「マスクネ(=マスク+アクネ)」という造語を生み出した。マスクの着用により生じる高湿度環境が毛孔内腔の角層を膨潤させ、毛孔を閉塞させることが、マスクの着用によるニキビ発症の原因の1つとして推測されている。
長時間のマスク着用はニキビの発生だけではなく、肌荒れや毛孔目立ちなどの美容上の問題を悪化させることも知られている。特に、毛孔目立ち等の肌トラブルは、冬よりも夏に意識されていることが知られ、夏場の分泌皮脂量の増加、体温調整のための発汗による高湿潤環境が悪化の原因と考えられる。
このように、毛孔内腔の角層水和や膨潤の状態は、肌状態や肌トラブルと密接に関係している。
【0004】
皮膚表面の角層における水和ないし膨潤状態の評価では、皮膚表面の電気特性から推定される角層水分量を指標として用いることが多い。最近では、分子振動分光法の一つであるin vivo共焦点ラマン顕微鏡で、角層内部のより詳細な水分深さプロファイルを得ることも可能である(非特許文献1参照)。
しかし、皮膚表面の電気特性は、外気に晒された一定面積の角層に対する平均的な水分量である。そのため、外気に晒され難い毛孔内部の微小領域、つまり、毛孔内腔との境界部に存在する角層の水分量は、一定面積の角層に対する平均的な水分量とは異なる。in vivo共焦点ラマン顕微鏡は共焦点の計測原理により皮膚内部の微小領域の水分を測定することが可能である。しかし、毛孔内腔の微小領域を網羅的に焦点するのに多くの時間を要するため、現状では、毛孔内腔などの局所的な領域の水和又は膨潤状態の評価にはin vivo共焦点ラマン顕微鏡は適さない。
【0005】
剥離した角層の水分量を変化させたときの角層の透過率を分光光度計で測定すると、水分量の増加に伴い光の透過率が大きく減少することが報告されている(非特許文献3参照)。水和ないし膨潤した角層が光散乱を増加させることが、光の透過率の減少の要因と考えられている。
【0006】
生体皮膚内部の微細構造情報を非侵襲的に得る技術として、反射型共焦点レーザー顕微鏡(例えば、商品名 Vivascope、米国 Caliber I.D.社)などの光学顕微鏡を用いた生体皮膚用の顕微鏡が市販されている。反射型共焦点レーザー顕微鏡は、生体による入射近赤外レーザー光の後方散乱光を断層イメージングする装置であり、表皮及び真皮上層の微細構造を非侵襲的に細胞レベルの分解能で観察することを可能とする。反射型共焦点レーザー顕微鏡を用いて、毛孔直径、毛孔を構成するケラチノサイト(生細胞)と毛孔内腔との境界部、毛孔内腔の内容物(角栓)の微細な形態等を撮像し、健常者とニキビ患者で比較するなど、毛孔形態の多様な状態が明らかとされている(非特許文献4参照)。
しかし、これまでに、毛孔角層の水和ないし膨潤状態を直接観察した例は報告されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Contact Dermatitis., 2019, vol. 80, p. 228-233
British Journal of Dermatology, 1976, vol. 94, p. 431-434
J. Soc. Cosmet. Chem. Japan, 2001, Vol. 35, No. 4, p. 333-337
JEADV, 2015, vol. 29, p. 933-939
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、毛孔を構成するケラチノサイト(生細胞)と毛孔内腔との境界部に存在する角層の水和ないし膨潤状態を正確に評価する方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討を行った。
具体的には、ヒトの頬部の水分量を変化させた前後で、頬部の同一の毛孔を反射型共焦点レーザー顕微鏡を用いて撮像した画像を比較した。その結果、毛孔を構成するケラチノサイト(生細胞)と毛孔内腔との境界部に存在する角層において、後方散乱強度に対応する角層の画像輝度が、水分量の増加に伴い上昇することを見出した。そして、この画像輝度が毛孔角層の水和ないし膨潤状態を可視化していることを明らかにした。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0010】
本発明は、毛孔角層の水和又は膨潤状態を評価する方法であって、光学顕微鏡により被評価者の毛孔角層を撮像し、該撮像画像の輝度に基づいて、毛孔における膨潤角層の明るさ、膨潤角層深度、膨潤角層厚及び角栓の明るさからなる群より選ばれる少なくとも1つの毛孔角層に係る特徴量を決定し、該特徴量を指標として被評価者の毛孔角層の水和若しくは膨潤状態を評価する、毛孔角層の水和又は膨潤状態を評価する方法に関する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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