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公開番号2025113053
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-01
出願番号2024007688
出願日2024-01-22
発明の名称情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置
出願人富士通株式会社
代理人個人
主分類G06N 10/80 20220101AFI20250725BHJP(計算;計数)
要約【課題】VQEによる量子化学計算にかかる処理時間の低減化を図ること。
【解決手段】情報処理装置100は、対象の分子に関する情報に基づいて、第1並列数と、当該第1並列数で量子計算処理1回を実行する処理時間の標本との組み合わせからなる、第1並列数として指定し得る値リストを取得する。情報処理装置100は、取得した第1並列数として指定し得る値リストに基づいて、複数回の量子計算処理を実行する処理時間が小さくなるよう、第1並列数と第2並列数とを決定する。情報処理装置100は、決定した第1並列数と第2並列数とに基づいて、VQEによる量子化学計算を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
VQE(Variational Quantum Eigensolver)による量子化学計算における対象の分子に関する情報に基づいて、前記量子化学計算における複数回の量子計算処理のうち、前記量子計算処理1回をいくつに分散して実行するのかを表す第1並列数と、前記第1並列数で前記量子計算処理1回を実行する処理時間の標本との組み合わせからなる、前記第1並列数として指定し得る値リストを取得し、
取得した前記第1並列数として指定し得る値リストに基づいて、前記第1並列数と、前記複数回の量子計算処理をいくつに分散して実行するのかを表す第2並列数との積が、前記量子計算処理に利用可能な演算装置の数を超えない範囲で、前記複数回の量子計算処理を実行する処理時間が小さくなるよう、前記第1並列数と、前記第2並列数とを決定し、
決定した前記第1並列数と、前記第2並列数とに基づいて、前記複数回の量子計算処理を制御する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記取得する処理は、
複数の分子のそれぞれの分子に関する情報に対応付けて、前記第1並列数に指定し得る値リストを記憶する記憶部を参照して、前記対象の分子に関する情報に対応付けられた前記第1並列数に指定し得る値リストを取得する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記複数回の量子計算処理のうち、少なくとも1回の量子計算処理の実行結果に基づいて、前記記憶部の記憶内容を更新する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記更新する処理は、
前記第2並列数を所定値とし、前記第1並列数に指定し得る複数の値を、前記複数回の量子計算処理におけるそれぞれ異なる量子計算処理に対して適用した場合において、前記複数回の量子計算処理のうち、それぞれの回の量子計算処理の実行結果に基づいて、前記記憶部の記憶内容を更新する、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
複数の演算装置を含むシステムに、前記量子計算処理に利用可能な演算装置の数を問い合わせることにより、前記量子計算処理に利用可能な演算装置の数を取得する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記量子計算処理における、前記対象の分子に関する所定のハミルトニアンを規定する複数の項のそれぞれの項の係数に基づいて、前記所定のハミルトニアンから、前記複数の項のうち、前記係数の絶対値が基準値以下である項を削除する、
処理を前記コンピュータに実行させ、
前記制御する処理は、
前記係数の絶対値が前記基準値以下である項を削除した前記所定のハミルトニアンを利用して、決定した前記第1並列数と、前記第2並列数とに基づいて、前記複数回の量子計算処理を制御する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記所定のハミルトニアンから削除する項の数の指定を受け付け、
前記複数の項のうち、前記係数の絶対値が小さい方から、前記指定を受け付けた前記数に応じた順番に存在する特定の項の係数の絶対値を、前記基準値に設定する、
処理を前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
処理時間の上限値の指定を受け付け、
ハミルトニアンを規定する項の数の変化に応じた、前記ハミルトニアンの期待値を求める処理時間の変化を表す情報に基づいて、前記所定のハミルトニアンの期待値を求める処理時間が、前記指定を受け付けた前記上限値以下に収まるよう、前記所定のハミルトニアンから削除する項の数を特定し、
前記複数の項のうち、前記係数の絶対値が小さい方から、特定した前記数に応じた順番に存在する特定の項の係数の絶対値を、前記基準値に設定する、
処理を前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記削除する処理は、
前記所定のハミルトニアンから、前記複数の項のうち、前記係数が正の値を取り、前記係数の絶対値が第1基準値以下である第1項と、前記係数が負の値を取り、前記係数の絶対値が第2基準値以下である第2項とを削除する、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記削除する処理は、
前記第1項の係数の絶対値の合計値と、前記第2項の係数の絶対値の合計値とを近付けるよう、前記所定のハミルトニアンから、前記第1項と、前記第2項とを削除する、ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理プログラム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、材料開発または創薬研究などの分野において、対象の分子または対象の原子の性質を調査する量子化学計算を実施する手法として、VQE(Variational Quantum Eigensolver)が存在する。VQEは、例えば、量子回路を実行し、量子回路を実行して得た量子状態に基づいてハミルトニアンの期待値を求め、ハミルトニアンの期待値を最小化するよう量子回路のパラメータを更新する、というイテレーションを繰り返し実施する手法である。VQEによる量子化学計算のうち、量子回路を実行する部分と、ハミルトニアンの期待値を求める部分とは、例えば、量子シミュレータによって実現される。
【0003】
先行技術としては、例えば、量子シミュレータによる量子計算処理を、MPI(Message Passing Interface)並列によって、複数のサーバによる並列処理として実装する技術がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Imamura, Satoshi, et al. “mpiQulacs: A Distributed Quantum Computer Simulator for A64FX-based Cluster Systems.” arXiv preprint arXiv:2203.16044 (2022).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、VQEによる量子化学計算にかかる処理時間が膨大になる場合がある。例えば、量子回路の量子ビットの数が多くなるほど、量子回路を実行する量子シミュレータによる量子計算処理にかかる処理時間が指数オーダで大きくなり、VQEによる量子化学計算にかかる処理時間が大きくなってしまう。また、例えば、量子シミュレータによる量子計算処理を、複数のサーバによる並列処理として実装することが考えられるが、いくつのサーバに、どのように量子シミュレータによる量子計算処理を分散すればよいのかを判断することが難しい。
【0006】
1つの側面では、本発明は、VQEによる量子化学計算にかかる処理時間の低減化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様によれば、VQEによる量子化学計算における対象の分子に関する情報に基づいて、前記量子化学計算における複数回の量子計算処理のうち、前記量子計算処理1回をいくつに分散して実行するのかを表す第1並列数と、前記第1並列数で前記量子計算処理1回を実行する処理時間の標本との組み合わせからなる、前記第1並列数として指定し得る値リストを取得し、取得した前記第1並列数として指定し得る値リストに基づいて、前記第1並列数と、前記複数回の量子計算処理をいくつに分散して実行するのかを表す第2並列数との積が、前記量子計算処理に利用可能な演算装置の数を超えない範囲で、前記複数回の量子計算処理を実行する処理時間が小さくなるよう、前記第1並列数と、前記第2並列数とを決定し、決定した前記第1並列数と、前記第2並列数とに基づいて、前記複数回の量子計算処理を制御する情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置が提案される。
【0008】
1つの実施態様によれば、VQEによる量子化学計算における所定のハミルトニアンを規定する複数の項のそれぞれの項の係数に基づいて、前記所定のハミルトニアンから、前記複数の項のうち、前記係数の絶対値が基準値以下である項を削除し、前記係数の絶対値が前記基準値以下である項を削除した前記所定のハミルトニアンを利用して、前記複数回の量子計算処理を制御する情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置が提案される。
【発明の効果】
【0009】
一態様によれば、VQEによる量子化学計算にかかる処理時間の低減化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施の形態にかかる情報処理方法の一実施例を示す説明図である。
図2は、情報処理システム200の一例を示す説明図である。
図3は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4は、演算装置212のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図5は、情報処理装置100の機能的構成例を示すブロック図である。
図6は、VQEによる量子化学計算の一例を示す説明図である。
図7は、勾配計算を含む複数回の量子計算処理を分散する一例を示す説明図(その1)である。
図8は、勾配計算を含む複数回の量子計算処理を分散する一例を示す説明図(その2)である。
図9は、gRPC分散処理を示す説明図である。
図10は、勾配計算にかかる処理時間の変化の傾向を示す説明図(その1)である。
図11は、勾配計算にかかる処理時間の変化の傾向を示す説明図(その2)である。
図12は、分散処理数を可変にする指針を示す説明図である。
図13は、分散処理数を途中で変更する一例を示す説明図(その1)である。
図14は、分散処理数を途中で変更する一例を示す説明図(その2)である。
図15は、分散処理数が、パラメータtheta[]の数に対する約数以外である一例を示す説明図である。
図16は、MPI並列処理で高速化可能な一例を示す説明図(その1)である。
図17は、MPI並列処理で高速化可能な一例を示す説明図(その2)である。
図18は、実施例1において、演算システム210を制御する具体例を示す説明図(その1)である。
図19は、実施例1において、演算システム210を制御する具体例を示す説明図(その2)である。
図20は、実施例1において、演算システム210を制御する具体例を示す説明図(その3)である。
図21は、実施例1において、演算システム210を制御する具体例を示す説明図(その4)である。
図22は、実施例1において、演算システム210を制御する具体例を示す説明図(その5)である。
図23は、実施例1において、演算システム210を制御する具体例を示す説明図(その6)である。
図24は、実施例1において、演算システム210を制御する具体例を示す説明図(その7)である。
図25は、実施例1において、演算システム210を制御する具体例を示す説明図(その8)である。
図26は、実施例1において、演算システム210を制御する具体例を示す説明図(その9)である。
図27は、実施例1における効果の一例を示す説明図(その1)である。
図28は、実施例1における効果の一例を示す説明図(その2)である。
図29は、実施例1における効果の一例を示す説明図(その3)である。
図30は、実施例1における効果の一例を示す説明図(その4)である。
図31は、実施例1における効果の一例を示す説明図(その5)である。
図32は、実施例1における効果の一例を示す説明図(その6)である。
図33は、実施例1における効果の一例を示す説明図(その7)である。
図34は、実施例1における効果の一例を示す説明図(その8)である。
図35は、全体処理手順の一例を示すフローチャートである。
図36は、実施例1における求解処理手順の一例を示すフローチャートである。
図37は、第1決定処理手順の一例を示すフローチャートである。
図38は、第2決定処理手順の一例を示すフローチャートである。
図39は、量子計算処理手順の一例を示すフローチャートである。
図40は、所定のハミルトニアン4000の一例を示す説明図である。
図41は、指定を受け付けた数分の項を所定のハミルトニアン4000から削除する具体例を示す説明図である。
図42は、指定を受け付けた数分の項を所定のハミルトニアン4000から削除する別の具体例を示す説明図である。
図43は、ハミルトニアンの期待値計算を行うのにかかる時間を予測する計算式の具体例を示す説明図である。
図44は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その1)である。
図45は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その2)である。
図46は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その3)である。
図47は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その4)である。
図48は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その5)である。
図49は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その6)である。
図50は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その7)である。
図51は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その8)である。
図52は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その9)である。
図53は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その10)である。
図54は、実施例2における効果の一例を示す説明図(その11)である。
図55は、実施例2における求解処理手順の一例を示すフローチャートである。
図56は、第1項削除処理手順の一例を示すフローチャートである。
図57は、第2項削除処理手順の一例を示すフローチャートである。
図58は、第3項削除処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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