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公開番号
2025112758
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-01
出願番号
2024007190
出願日
2024-01-22
発明の名称
量子計算支援プログラム、量子計算支援方法、および情報処理装置
出願人
富士通株式会社
代理人
弁理士法人扶桑国際特許事務所
主分類
G06N
10/80 20220101AFI20250725BHJP(計算;計数)
要約
【課題】有限温度における物理量の熱平衡期待値の計算効率を向上させる。
【解決手段】情報処理装置10は、虚時間発展の式を、複数の次数それぞれの式に展開し、複数の次数から次数を2回抽出して得られる次数の組を複数生成する。情報処理装置10は、生成した組ごとに、組に含まれる第1の次数の式と組に含まれる第2の次数の式とに基づく部分的な虚時間発展で得られる物理量の値の量子計算の手順を示す量子回路2を生成する。情報処理装置10は、生成した組ごとに、組に対応する量子回路2に従った量子計算後の出力状態を後の量子計算における入力状態として、量子計算の結果から得られる物理量の値が収束するまで、量子回路2に基づく量子計算を量子コンピュータに繰り返し実行させる。そして、情報処理装置10は、生成した組ごとの収束後の物理量の値に基づいて、物理量の有限温度における熱平衡期待値を計算する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
計算対象の系の物理量の有限温度における熱平衡期待値を計算するための虚時間発展の式を、複数の次数それぞれの式に展開し、
前記複数の次数から次数を2回抽出して得られる次数の組を複数生成し、
生成した前記組ごとに、前記組に含まれる第1の次数の式と前記組に含まれる第2の次数の式とに基づく部分的な虚時間発展で得られる前記物理量の値の量子計算の手順を示す量子回路を生成し、
生成した前記組ごとに、前記組に対応する前記量子回路に従った前記量子計算後の出力状態を後の前記量子計算における入力状態として、前記量子計算の結果から得られる前記物理量の値が収束するまで、前記量子回路に基づく前記量子計算を量子コンピュータに繰り返し実行させ、
生成した前記組ごとの収束後の前記物理量の値に基づいて、前記物理量の有限温度における熱平衡期待値を計算する、
処理をコンピュータに実行させる量子計算支援プログラム。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記量子計算を前記量子コンピュータに繰り返し実行させる処理では、N回目(Nは自然数)の前記量子計算における入力状態に基づく前記量子計算後の出力状態の計算基底の射影測定結果を、N+1回目の前記量子計算における入力状態とする、
請求項1記載の量子計算支援プログラム。
【請求項3】
前記量子回路を生成する処理では、前記第1の次数の式に対応するユニタリ行列の計算を示す第1のユニタリゲートと、前記第2の次数の式に対応するユニタリ行列の計算を示す第2のユニタリゲートとを含み、エルミート性を有する前記量子回路を生成する、
請求項1記載の量子計算支援プログラム。
【請求項4】
前記組を複数生成する処理では、前記複数の次数の中から重複を許して次数を2回抽出することで得られる次数を含む前記組を生成する、
請求項1記載の量子計算支援プログラム。
【請求項5】
計算対象の系の物理量の有限温度における熱平衡期待値を計算するための虚時間発展の式を、複数の次数それぞれの式に展開し、
前記複数の次数から次数を2回抽出して得られる次数の組を複数生成し、
生成した前記組ごとに、前記組に含まれる第1の次数の式と前記組に含まれる第2の次数の式とに基づく部分的な虚時間発展で得られる前記物理量の値の量子計算の手順を示す量子回路を生成し、
生成した前記組ごとに、前記組に対応する前記量子回路に従った前記量子計算後の出力状態を後の前記量子計算における入力状態として、前記量子計算の結果から得られる前記物理量の値が収束するまで、前記量子回路に基づく前記量子計算を量子コンピュータに繰り返し実行させ、
生成した前記組ごとの収束後の前記物理量の値に基づいて、前記物理量の有限温度における熱平衡期待値を計算する、
処理をコンピュータが実行する量子計算支援方法。
【請求項6】
計算対象の系の物理量の有限温度における熱平衡期待値を計算するための虚時間発展の式を、複数の次数それぞれの式に展開し、前記複数の次数から次数を2回抽出して得られる次数の組を複数生成し、生成した前記組ごとに、前記組に含まれる第1の次数の式と前記組に含まれる第2の次数の式とに基づく部分的な虚時間発展で得られる前記物理量の値の量子計算の手順を示す量子回路を生成し、生成した前記組ごとに、前記組に対応する前記量子回路に従った前記量子計算後の出力状態を後の前記量子計算における入力状態として、前記量子計算の結果から得られる前記物理量の値が収束するまで、前記量子回路に基づく前記量子計算を量子コンピュータに繰り返し実行させ、生成した前記組ごとの収束後の前記物理量の値に基づいて、前記物理量の有限温度における熱平衡期待値を計算する処理部、
を有する情報処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子計算支援プログラム、量子計算支援方法、および情報処理装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
量子コンピュータは環境ノイズなどにより、量子ビットの状態にエラーが生じやすい。量子ビットのエラーの訂正技術(量子エラー訂正)では情報を冗長化して符号化することになる。実用レベルで量子エラー訂正を実現するには100万個程度の大量の量子ビットを用いることになる。それに対し、現状として実現している量子コンピュータは、最大でも数100量子ビット程度の誤り訂正のできない中小規模量子コンピュータ(Noisy Intermediate Scale Quantum Computer,NISQ)にとどまる。
【0003】
誤り訂正が可能な量子コンピュータは、誤り耐性量子コンピュータ(Fault Tolerant Quantum Computer,FTQC)と呼ばれる。FTQCの中でも小規模なものは比較的早期の実現が見込まれ、早期FTQCと呼ばれることがある。
【0004】
量子コンピュータでの計算が有効な分野の1つに、量子系の物理量の計算がある。実用上特に有意義なのは、有限温度における熱平衡期待値の計算である。有限温度における熱平衡期待値を求めるためには、例えば、熱平衡状態を表現するような量子状態の集団に関する期待値の計算が行われる。有限温度における熱平衡状態を表現するような集団の1つにカノニカル統計集団(正準集団)がある。カノニカル統計集団を効率よく生成する手法として、METTS(Minimally Entangled Typical Thermal State)アルゴリズムが知られている。
【0005】
METTSアルゴリズムは、元々は古典コンピュータで実行する計算手法として考案されたが、等価な手法を量子コンピュータ上でも実行できる。量子コンピュータ上で実行可能なMETTSと等価なアルゴリズムは、特にQMETTS(Quantum METTS)と呼ばれる。
【0006】
METTSアルゴリズムでは、ボルツマン重みの実現のために虚時間発展アルゴリズムが利用される(QMETTSでも同様)。量子コンピュータ上で虚時間発展を実現する量子虚時間発展の手法の1つにユニタリの線形結合(Linear Combination of Unitaries,LCU)に基づく手法がある。LCUは、虚時間発展を多項式展開して、各次数の多項式を量子回路で表現し、それら全体の線形結合によって物理量を計算する量子計算手法である。
【0007】
LCUを早期FTQCで実現する場合、元の量子回路から抽出した複数の部分回路それぞれを量子ビットに作用させて得られる計算結果に基づいて、目的の物理量が計算される。実行対象が規模の小さな部分回路となるため、早期FTQCでも計算が可能である。
【0008】
量子コンピュータに関する技術としては、例えばハミルトニアンの励起状態を求めるための方法が提案されている。またFALQON(Feedback-based ALgorithm for Quantum OptimizatioN)では実行可能解が得られない問題に対しても、実行可能解が得られるようにする組み合わせ最適化計算方法が提案されている。さらに、周辺データを利用することによって量子最適化を改善する量子コンピュータも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開第2020/090559号
特開2023-043100号公報
米国特許出願公開第2020/0057957号明細書
【非特許文献】
【0010】
E M Stoudenmire and Steven R White, "Minimally entangled typical thermal state algorithms", New Journal of Physics, Volume 12 055026, May 2010
Andrew M. Childs and Nathan Wiebe, "Hamiltonian simulation using linear combinations of unitary operations", Quantum information & Computation, Volume 12, Issue 11-12, November 2012, pp 901-924
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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