TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025110337
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-28
出願番号2024004216
出願日2024-01-15
発明の名称ポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法及びポリフェニレンスルフィド繊維
出願人KBセーレン株式会社
代理人
主分類D06M 13/288 20060101AFI20250718BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】 特定の油剤を選択することによって、紡糸や延伸工程での操業性、効率よく繊維を得ることができ、毛羽や単糸切れの少ない品位向上が期待できるポリフェニレンスルフィド繊維を得ることを目的とする。
【解決手段】 油剤成分として、オクチルホスフォネートが油剤成分全体に対し5~100質量%含有する油剤を、油脂付着量が0.3質量%~1.5質量%となるように付着させる、主たる構成単位がp-フェニレンスルフィド単位であるポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法である。
また、油剤成分として、オクチルホスフォネートが油剤成分全体に対し5~100質量%含有する油剤を、油脂付着量が0.3質量%~1.5質量%となるように付着せしめた主たる構成単位がp-フェニレンスルフィド単位であるポリフェニレンスルフィド繊維でもある。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
オクチルホスフォネートが油剤成分全体に対し5質量%~100質量%含有する油剤を、油脂付着量が0.3質量%~1.5質量%となるように付着させる、主たる構成単位がp-フェニレンスルフィドであるポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記油剤は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、および前記グリコールを2種以上共重合した共重合ポリエーテルから選択されるポリエーテルを油剤成分として含有することを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
【請求項3】
150℃の乾熱収縮率が3.5%以下のポリフェニレンスルフィド繊維を製造する請求項1または2記載の製造方法。
【請求項4】
オクチルホスフォネートが油剤成分全体に対し5質量~100質量%含有する油剤を、油脂付着量が0.3質量%~1.5質量%となるように付着せしめた主たる構成単位がp-フェニレンスルフィド単位であるポリフェニレンスルフィド繊維。
【請求項5】
単糸繊度が3.5dtex以下であり、100万mあたりの毛羽数が5個以下であるポリフェニレンスルフィド繊維。
【請求項6】
150℃の乾熱収縮率が3.5%以下である請求項4又は5記載のポリフェニレンスルフィド繊維。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリフェニレンスルフィド繊維及びポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
工業用フィルターは、耐薬品性や寸法安定性、熱耐久性等の点から、現在では、ポリフェニレンスルフィド、ポリフッ化ビニリデン、液晶ポリエステルなどからなるメッシュ織物が多く使用されている。特に、ポリフェニレンスルフィドの織物は、耐薬品性、寸法安定性やコストパフォーマンスに優れ、高度なフィルター性能や電池セパレーター材などに求められる分野に適しているため、広く利用さられている。これに伴い、近年は、フィルター性能として、高い性能や多種の機能が求めれている。フィルターに用いる繊維にも、単糸繊度が極細である繊維、細繊度のモノフィラメント、かなり繊度の太い繊維など多種の機能が求められ、要求される繊度、単糸繊度、物性(強度、収縮率)など多岐にわたっている。そして、繊維の生産性、寸法安定性なども重要視されてきている。
例えば、寸法安定性の良好なポリフェニレンスルフィド繊維を得る方法として、特許文献1、特許文献2が挙げられる。
特許文献1は、ポリフェニレンスルフィド繊維を特定の延伸条件により直接紡糸延伸法で延伸し、毛羽や糸切れの少なくするポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法が記載されている。
また特許文献2は、メルトフローレート、口金のL/D、冷却法、延伸条件などを規定し直接紡糸延伸法で製造することにより、毛羽や糸切れの少なく高品位のポリフェニレンスルフィド繊維を製造できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4962361号公報
特開2001-262436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法では、具体的には、単糸繊度4.4dtexの繊維が記載されているものの、更に単糸繊度が細い場合、毛羽数が多くなり、糸品位が優れているものは得られない。
また特許文献2には、具体的には単糸繊度が4.5dtexのものが記載されているが、この場合でも、さらに細い繊度の場合は、毛羽が多くなり、糸品位がよいものは得られない。
【0005】
したがって、本発明は上記の課題を解決し、細繊度であっても、紡糸工程、延伸工程での操業性が良好で、毛羽や単糸切れの少ない品位の高いポリフェニレンスルフィド繊維を得ることを目的とする。
また、細繊度のポリフェニレンスルフィド繊維であっても、寸法安定性がよく品位の高いポリフェニレンスルフィド繊維を得ることを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、製造に用いる油剤を、特定の油剤成分とし配合割合を特定することによって、細繊度であっても、毛羽数を低減した品位が高く、寸法安定性が良好な低乾熱ポリフェニレンスルフィド繊維(低乾熱収縮繊維)が得られることを見出した。
すなわち、本発明は第一にオクチルホスフォネートが油剤成分全体に対し5質量%~100質量%含有する油剤を、油脂付着量が0.3質量%~1.5質量%となるように付着させる、主たる構成単位がp-フェニレンスルフィドであるポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法である。
第2に、上記油剤は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、および前記グリコールを2種以上共重合した共重合ポリエーテルから選択されるポリエーテルを油剤成分として含有することを特徴とする上記1のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法である。
第3に、150℃の乾熱収縮率が3.5%以下のポリフェニレンスルフィド繊維を製造する上記第1または第2の製造方法である。
第4に、オクチルホスフォネートが油剤成分全体に対し5質量~100質量%含有する油剤を、油脂付着量が0.3質量%~1.5質量%となるように付着せしめた主たる構成単位がp-フェニレンスルフィド単位であるポリフェニレンスルフィド繊維である。
第5に、単糸繊度が3.5dtex以下であり、100万mあたりの毛羽数が5個以下であるポリフェニレンスルフィド繊維である。
第6に、150℃の乾熱収縮率が3.5%以下である上記4又は5のポリフェニレンスルフィド繊維である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法によれば、特定の油剤成分と配合割合を特定した油剤を特定の油脂付着量で付着することによって、単糸繊度の小さい繊維であっても、紡糸工程及び毛羽数を低減することができ、品位の高いポリフェニレンスルフィド繊維を得ることができる。
さらに、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法によれば、単糸繊度の小さい繊維中の毛羽数を低減して、品位の高い低乾熱ポリフェニレンスルフィド繊維を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明に用いるポリフェニレンスルフィド樹脂は、主な繰り返し単位としてフェニレンスルフィド単位を有するポリマーからなるポリフェニレンスルフィドである。フェニレンスルフィド単位としては、p-フェニレンスルフィド単位やm-フェニレンスルフィド単位などが挙げられる。ポリフェニレンスルフィドは、p-フェニレンスルフィド単位やm-フェニレンスルフィド単位等からなるホモポリマーであってもよいし、これらを有する共重合体であってもよいが、耐熱性、加工性、経済的観点からp-フェニレンスルフィドの繰り返し単位が好ましい。
【0010】
ポリフェニレンスルフィド樹脂のポリマータイプには、架橋タイプ、半架橋タイプ、線状タイプ(リニアー型)があるが、紡糸、延伸性において線状タイプが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

KBセーレン株式会社
ポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法及びポリフェニレンスルフィド繊維
10日前
個人
物干し具
4か月前
個人
靴脱水補助具
3か月前
個人
ハンガー保持具
1か月前
個人
手洗い洗濯用具
4か月前
個人
一対開先フック
3か月前
ダイニック株式会社
柄印刷壁紙
2か月前
個人
物干し竿用ハンガー固定具
3か月前
個人
ホバーアイロン拭き掃除機。
2か月前
ライオン株式会社
液体柔軟剤組成物
1か月前
日本バイリーン株式会社
内装用表面材
1か月前
シャープ株式会社
洗濯機
1か月前
株式会社カインズ
物掛け具
3か月前
セーレン株式会社
導電性布
3か月前
株式会社ナノバブル研究所
洗濯機
2か月前
花王株式会社
洗浄剤組成物
28日前
東レ株式会社
樹脂含浸繊維束の製造方法
3日前
有限会社高田紙器製作所
紙製洗濯バサミ
今日
シャープ株式会社
洗濯乾燥機
1か月前
アクア株式会社
ランドリ機器
3か月前
日清紡テキスタイル株式会社
ストレッチ織物
3か月前
シャープ株式会社
洗濯機
2か月前
株式会社コーワ
フィルター清掃装置及び乾燥機
29日前
株式会社コーワ
フィルター清掃装置及び乾燥機
29日前
東武化学株式会社
壁紙、壁紙の製造方法
2か月前
日本バイリーン株式会社
表皮材とその製造方法
1か月前
アイナックス稲本株式会社
連続式洗濯機
1か月前
大和ハウス工業株式会社
物干し設備
1か月前
大和ハウス工業株式会社
物掛け設備
4か月前
株式会社ウエルス商会
洗濯用洗浄補助用具
2か月前
東レ株式会社
人工皮革、乗物用内装材、および座席
1か月前
シャープ株式会社
洗濯機
今日
シャープ株式会社
洗濯機
今日
株式会社ケーエスシー
洗濯物の仕分けシステム
2か月前
株式会社コーワ
フィルター装置及び洗濯機又は乾燥機
29日前
三洋化成工業株式会社
シートベルトウェビング処理剤
2か月前
続きを見る