TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025109968
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-25
出願番号2025085915,2022533676
出願日2025-05-22,2021-03-01
発明の名称STAT3のリン酸化抑制剤、自己免疫疾患及びコロナウイルス感染症の予防又は治療剤
出願人国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類A61K 38/17 20060101AFI20250717BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】これまでコロナウイルス感染症の治療効果について知られていなかった物質を有
効成分とする新規のコロナウイルス感染症予防又は治療剤を提供すること。
【解決手段】スタニオカルシン1(STC1)を有効成分として含有する、コロナウイル
ス感染症の予防又は治療剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
スタニオカルシン1(STC1)を有効成分として含有する、STAT3のリン酸化抑制剤。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
スタニオカルシン1を有効成分として含有する、JAKの発現又はリン酸化抑制剤。
【請求項3】
スタニオカルシン1を有効成分として含有する、自己免疫疾患の予防又は治療剤。
【請求項4】
スタニオカルシン1を有効成分として含有する、インフルエンザウイルス感染症の予防又は治療剤。
【請求項5】
スタニオカルシン1を有効成分として含有する、コロナウイルス感染症の予防又は治療剤。
【請求項6】
前記コロナウイルスがACE2に結合し得るSタンパク質を有する、請求項5に記載のコロナウイルス感染症の予防又は治療剤。
【請求項7】
前記コロナウイルスが、SARS関連コロナウイルスである、請求項5又は6に記載のコロナウイルス感染症の予防又は治療剤。
【請求項8】
スタニオカルシン1を有効成分として含有する、ACE2及びTMPRSS2の発現抑制剤。
【請求項9】
スタニオカルシン1を有効成分として含有する、IL6AMPの抑制剤。
【請求項10】
吸入剤である、請求項1に記載のSTAT3のリン酸化抑制剤、請求項2に記載のJAKの発現又はリン酸化抑制剤、請求項3に記載の自己免疫疾患の予防又は治療剤、請求項4に記載のインフルエンザウイルス感染症の予防又は治療剤、請求項5~7のいずれか一項に記載のコロナウイルス感染症の予防もしくは治療剤、請求項8に記載のACE2及びTMPRSS2の発現抑制剤又は請求項9に記載のIL6AMPの抑制剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年6月30日に出願された、日本国特許出願第2020-112680号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。本発明は、自己免疫疾患及びコロナウイルス感染症の予防又は治療剤に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
呼吸器領域においては、間葉系幹細胞(MSCs:Mesenchymal Stem Cells)の肺障害・線維化抑制作用や抗炎症作用が注目されている(非特許文献3)。また、TNF-αやIL-1β、CCL2、IL-6などの炎症性サイトカインは、サイトカインストームにおける重要な因子である。特にIL-6/JAK/STAT伝達経路などを介してIL-6が誘導される仕組みはIL-6 amplifier (IL-6 AMP)と呼ばれ、関節リウマチなどに代表される自己免疫疾患、COVID-19等の重症化の原因と考えられているサイトカインストームの主要機序となる(非特許文献4)。
【0003】
自己免疫疾患は、免疫系が自分自身の正常な細胞及び/又は組織に対して過剰に反応し攻撃してしまうことにより症状を起こす、免疫寛容の破綻による疾患の総称である。自己免疫疾患に分類される疾患は多数あり、またその中には難病に指定されるものもあるため、その治療方法の開発が望まれている。
【0004】
また、コロナウイルスは、いわゆる風邪の症状を起こすウイルスとして知られているが、突然変異により感染力、毒性が高い株が発生することがあり問題となっている。特に、現在、かかる突然変異株である重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV2)の感染症であるCoronavirus disease 2019(Covid-19)、いわゆる新型コロナウイルス感染症が世界中に広まっており、多くの死者もでているため、その治療法の開発が急がれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5946191号公報
【非特許文献】
【0006】
Hoffmann et al. Cell 181, 1-10 (2020)
東京大学ウエブサイト「新型コロナウイルスの感染阻止が期待される国内既存薬剤の同定」:https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/content/000002328.pdf
Clin Med Insights Circ Respir Pulm Med. 2015; 9: 91-6
Immunity. 2020; 52: 731-33.
Mol Immunol 2007 2497
ウイルス第69巻 第1号,pp.61-72,2019
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決すべき課題は、STAT3のリン酸化及びIL6AMPの新規抑制剤を提供することにある。また、本発明は、STAT3のリン酸化の抑制により処置し得る疾患の、新たな予防又は治療剤を提供することも課題とする。例えば、本発明が解決すべきさらなる課題は、これまで自己免疫疾患の治療効果について知られていなかった物質を有効成分とする新規の自己免疫疾患予防又は治療剤を提供することにある。さらに、これまでコロナウイルス感染症の治療効果について知られていなかった物質を有効成分とする新規のコロナウイルス感染症予防又は治療剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる状況の下、本発明者らは数千種類の化合物について検討した結果、スタニオカルシン1(STC1)が、IL-6/JAK/STAT伝達経路の下流にあるSTAT3のリン酸化を抑制することを見出した。さらに、本発明者らは、STAT3のリン酸化抑制に関連し、STC1を用いることで下記の知見を得た。具体的には、本発明者らは、STC1が、エピジェネティックに抗炎症因子SOCS1の発現を誘導することも見出した。その上、本発明者らは、STC1が、細胞表面にある、コロナウイルスのsタンパク質の受容体及びウイルス外膜と細胞膜との融合に重要な因子の発現を抑制することにより、コロナウイルスの細胞への感染を抑制することも見出した。本発明は、これらの新規の知見に基づくものである。
【0009】
従って、本発明は、以下の項を提供する:
項1.スタニオカルシン1(STC1)を有効成分として含有する、STAT3のリン酸化抑制剤。
【0010】
項2.スタニオカルシン1を有効成分として含有する、JAKの発現又はリン酸化抑制剤。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

国立大学法人東北大学
熱電材料
2か月前
国立大学法人東北大学
液晶装置
17日前
国立大学法人東北大学
試験装置
4か月前
国立大学法人東北大学
連携システム
2か月前
国立大学法人東北大学
高耐食銅合金
6か月前
国立大学法人東北大学
認知機能改善剤
3か月前
国立大学法人東北大学
消化器癌の検出方法
4か月前
国立大学法人東北大学
通信回路及び変調方法
1か月前
オムロン株式会社
駆動装置
5か月前
株式会社深松組
蓄熱システム
3か月前
大王製紙株式会社
吸収性物品
1か月前
国立大学法人東北大学
電磁波吸収体及び電磁波吸収方法
5か月前
リンナイ株式会社
浴室システム
1か月前
国立大学法人東北大学
周波数選択透過性誘電体フィルタ
1か月前
国立大学法人東北大学
熱電材料および熱電材料の製造方法
9日前
国立大学法人東北大学
ペプチド又はその塩、ならびに核酸
4か月前
株式会社C&A
処理装置および方法
2か月前
株式会社C&A
金属部材および製品
1か月前
株式会社C&A
金属部材および製品
1か月前
株式会社C&A
金属部材および製品
1か月前
デンカ株式会社
医療用配管の保持器
15日前
株式会社C&A
金属部材および製品
1か月前
株式会社タムラ製作所
遅延制御回路
1か月前
住友化学株式会社
リチウム二次電池
1か月前
株式会社C&A
金属部材および製品
1か月前
株式会社オサチ
感覚障害評価システム
12日前
国立大学法人東北大学
未焙煎コーヒー豆のカフェイン除去方法
5か月前
日本電信電話株式会社
混合変調レーザ
5か月前
国立大学法人東北大学
コンクリート組成物、コンクリート構造物
4か月前
リンナイ株式会社
生体情報検出システム
1か月前
国立大学法人東北大学
アルミニウム合金形材およびその製造方法
5か月前
トヨタ自動車株式会社
リチウム二次電池
1か月前
信越化学工業株式会社
磁気ドメイン構造体
8日前
豊田合成株式会社
細胞培養膜および測定方法
3か月前
豊田合成株式会社
細胞培養膜および測定方法
3か月前
日本重化学工業株式会社
リチウムの回収方法
3か月前
続きを見る