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公開番号2025108647
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025069118,2021561702
出願日2025-04-18,2020-04-17
発明の名称構造的に安定化されたペプチドによるユビキチンおよびユビキチン様E1活性化酵素の選択的標的化
出願人デイナ ファーバー キャンサー インスティチュート,インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 7/08 20060101AFI20250715BHJP(有機化学)
要約【課題】構造的に安定化されたペプチドによるユビキチンおよびユビキチン様E1活性化酵素の選択的標的化の提供。
【解決手段】本開示は、ユビキチン活性化酵素(E1)を標的とするための構造的に安定化されたおよび/または弾頭部を有する構造的に安定化されたペプチド阻害剤を特徴とする。E1を発現するがんもしくは疾患またはE1に依存するがんもしくは疾患の処置において、このような構造的に安定化されたペプチドおよび弾頭部を有する構造的に安定化されたペプチドを使用する方法も開示される。E1を発現する疾患またはE1に依存する疾患の処置のための、このような構造的に安定化されたおよび/または弾頭部を有する構造的に安定化されたペプチドを含む併用療法も提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月18日に出願した米国仮特許出願第62/835,721号の優先権の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。連邦政府から資金提供を受けた研究に関する記載
続きを表示(約 5,400 文字)【0002】
本発明は、国立衛生研究所から授与された助成金番号R35 CA197583およびF30 CA221087の下で、政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
配列表への言及
【0003】
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含有し、ここに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。前記ASCIIコピーは、2020年4月17日に作成され、00530-0348WO1_SL.txtという名称であり、720,896バイトのサイズである。
技術分野
【0004】
本開示は、ユビキチンおよびユビキチン様E1活性化酵素を標的とする構造的に安定化されたペプチド、ならびにがんおよび病的細胞の生存に関わる他の疾患の処置において、このようなペプチドを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0005】
ユビキチン-プロテアソームシステム(UPS)は、細胞内タンパク質分解を担う高度に調節された酵素ネットワークである。ユビキチン活性化酵素(E1)は、ユビキチン結合酵素(ubiquitin conjugating enzyme)(E2)へのユビキチン(Ub)の受け渡しを触媒する。E1は、最初に、UbのC末端のアデニル化を触媒し、次いで、UbのC末端とE1の触媒システインとの間の高エネルギーチオエステル結合を形成することによって、Ubを活性化する。次いで、E1は、E2に結合し、UbをE1の触媒システインからE2の触媒システインに転移することによって、E2への受け渡しを行う。E2は、次に、ユビキチンリガーゼ(E3)および基質タンパク質と複合体を形成し、UbのC末端のカルボキシル基を共有結合により基質タンパク質に転移する。標的タンパク質に対する単一および複数のUb結合の多様な構成は、タンパク質の機能を調節しタンパク質をプロテアソーム分解の標的とする複雑なコードを表す。E3活性をリダイレクトする免疫調節イミド薬(IMiD)およびプロテアソーム阻害剤(例えば、多発性骨髄腫に関するボルテゾミブ)を含む、UPSを標的とするいくつかの薬物が、多発性骨髄腫およびマントル細胞リンパ腫において臨床的に成功している。
【0006】
ヒトゲノムは、600種類を超えるユビキチンE3酵素、おおまかに40種のユビキチンE2酵素、および2種のみのユビキチンE1酵素、すなわちUBA1およびUBA6を含有する。UBA6は、1つのユビキチンE2(USE1)のみに対するE1であるが、UBA1は、他のユビキチンE2すべてに対するE1であり、それに対応して細胞ユビキチンの99%より多くを活性化する(Jin et al., Nature, 447: 1135-1138 (2007))。UPSシステム全体は、ほぼ完全にUBA1に依拠するため、UBA1の阻害によ
って、通常分解される基質の安定化、小胞体ストレス、および細胞周期停止がもたらされる(Hyer et al., Nature Medicine, 24(2):186-193 (2018))。臨床グレードのUBA1阻害剤であるTAK243/MLN7243が開発され、固形腫瘍および多発性骨髄腫の前臨床マウスモデルにおいて高度に有効であることが示されており(Hyer et al., Nature Medicine, 24(2):186-193 (2018))、進行性固形腫瘍に関する第1相臨床試験を最近になって完了させた(NCT02045095)。しかし、ごく最近の研究によって、薬物の作用機序に対する点変異に基づく耐性機序が特定され(Barghout et al., Leukemia, 2018 Jun 8. doi: 10.1038/s41375-018-0167-0)、E1酵素の標的
化阻害に関する潜在的な代替様式に対する必要性およびその新規性が強調されている。
【0007】
ユビキチンシステムと並行して、いくつかの他のユビキチン様タンパク質(UBL)は、基質タンパク質に共有結合し、種々の運命に向けてのシグナルとなる。これらのUBLは、それら自体の活性化酵素および結合酵素を有する。ユビキチン結合システムに対して最も高い相同性を示すUBLには、NEDD8およびSUMOが含まれる(Hochstrasser, Nature, 458: 422-429 (2009))。NEDD8およびSUMOに対するE1は、そ
れぞれ、ヘテロ二量体複合体であるUBA3-NAE1およびUBA2-SAE1である。MLN7243に類似する機序を有するUBA3-NAE1(MLN4924/ペボネジスタット)およびUBA2-SAE1(ML-792)の阻害剤が開発されている(Soucy et al., Nature, 458(7239):732-736 (2009);He et al., Nat Chem Biol., 13(11):1164-1171 (2017))。NEDD8は、カリン-RINGユビキチンE3リガーゼの活性を制御し、それに対応して、MLN4924は、カリン-RING媒介性タンパク質代謝回転の阻害によって、その治療効果を発揮する。SUMOは、有糸分裂の調節を含む複数の細胞の役割を有し、実際に、ML-792は、有糸分裂の混乱を引き起こす。両分子は、in vitroで、強力な抗がん活性を示し、MLN4924は、現在、固形腫瘍および血液悪性腫瘍に関する複数の第2相および第3相試験中である(NCT03268954、NCT02610777、NCT03228186、NCT03238248、NCT03330821、NCT03319537)。
MLN7243、MLN4924、およびML-792は、それぞれ、UBA1、UBA3、およびUBA2のATP結合部位に結合するアデノシルスルファメート(adenosyl sulfamate)である。ATP競合阻害剤に対するがん細胞耐性は、標的酵素ATP結合部位での、またはその周辺での変異によって発生することが多く(Krishnamurty and Maly, ACS Chem Biol., 5(1):121-138 (2010));実際に、がん細
胞における選択圧によって、UBA3
A171T
、UBA3
A171D
、UBA3
I310N
、およびUBA3
Y352H
を含むUBA3の変異体バージョンを発現するクローン集団の正の選択を介して、経時的にMLN4924感度の低下をもたらす(Milhollen et al., Cancer Cell, 21(3):388-401 (2012);Toth et al., Cell Rep., 1(4):309-316 (2012);Xu et al., PLoS One, 9(4):e93530 (2014))。UBA1
A580T
、UBA1
A580S
、およびUBA1
Y583C
は、同様に、MLN7243に耐性であり(Misra et al., Structure, 25(7): 1120-1129 (2017)、Barghout et
al., Leukemia, 2018 Jun 8. doi: 10.1038/s41375-018-0167-0)、UBA2

95N,M97T
は、ML-792に耐性である(He et al., Nat Chem Biol., 13(11):1164-1171 (2017))。よって、これらの阻害剤の初期の成功にも関わらず、活性
部位変異による耐性の明らかな脅威によって、血液悪性腫瘍および固形腫瘍の処置に関するこれらの酵素の代替の阻害様式の開発が必要とされる。今日までに、ユビキチンE1活性化酵素阻害の代替様式を示す他の薬物リード化合物は開発されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Jin et al., Nature, 447: 1135-1138 (2007)
Hyer et al., Nature Medicine, 24(2):186-193 (2018)
Barghout et al., Leukemia, 2018 Jun 8. doi: 10.1038/s41375-018-0167-0
Soucy et al., Nature, 458(7239):732-736 (2009)
He et al., Nat Chem Biol., 13(11):1164-1171 (2017)
Krishnamurty and Maly, ACS Chem Biol., 5(1):121-138 (2010)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、これらのユビキチンおよびユビキチン様活性化酵素の新たな阻害剤に対する需要が存在する。
【0010】
E1は、最初に、UbのC末端のアデニル化を触媒し、次いで、UbのC末端とE1の触媒システインとの間の高エネルギーチオエステル結合を形成することによって、Ubを活性化する。次いで、E1は、E2に結合し、UbをE1の触媒システインからE2の触媒システインに転移することによって、E2への受け渡しを行う。E2は、次に、ユビキチンリガーゼ(E3)および基質タンパク質と複合体を形成し、UbのC末端のカルボキシル基を共有結合により基質タンパク質に転移する。E1とE2との間の相互作用は、タンパク質表面積の3000Å

を埋め、そのうちの1000Å

は、E2のヘリックスA(E2 hA)とE1ユビキチンフォールドドメイン(E1 UFD)との間の界面に埋もれている。E1とE2 hAとの間の相互作用は、E1-E2遭遇複合体(encounter complex)の形成において重要である。本開示は、例えば、E1-E2相互作用の競合的阻害によって(例えば、表1~5のE1およびE2を参照されたい)、E1の直接的阻害剤として作用し得る、E2 hAを模倣する、構造的に安定化された(例えば、ステープル化(stapled))アルファ-ヘリックスペプチド(例えば、配列番号
1~37、39、55~63、または792~806のステープル化バージョン(stapled version))を提供する。ある特定の態様では、構造的に安定化された(例えば、ステープル化)E2 hAペプチドは、E1 UFD(例えば、配列番号845のアミノ酸950~1058;配列番号846のアミノ酸444~552;配列番号847のアミノ酸445~561;配列番号848のアミノ酸950~1052;または配列番号849のアミノ酸911~1012)に結合する。一部の場合には、構造的に安定化された(例えば、ステープル化)E2 hAペプチドは、配列番号1~37、39、55~63、または792~806のいずれか1つの中に1~10(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)個のアミノ酸置換を有する。ある特定の例では、ペプチドまたは構造的に安定化されたペプチド内にメチオニンが存在する場合、メチオニンはノルロイシンで置換されている。一部の場合には、構造的に安定化された(例えば、ステープル化)ペプチドは、N末端またはC末端に1~5個の欠失を有する。これらの構造的に安定化されたバリアントE2 hAペプチドは、E1-E2相互作用を阻害する。一部の場合には、これらのペプチドは、用量依存的に、E2へのE1媒介性チオエステル転移を阻害する。本開示は、同族E1に共有結合により結合し得る、本明細書に記載の安定化された(例えば、ステープル化)E2 hAペプチドの弾頭部(warhead)を有するバージョンも提供する。本開示は、E1に依存するがんおよび/またはE1を発現するがん(例えば、血液悪性腫瘍、固形腫瘍、または以下の本明細書に記載の他の特定のがん)ならびに病的細胞の生存に関わる他の疾患(例えば、抗体媒介性移植拒絶、自己免疫障害、または炎症性障害)の処置において、単独で、または他の治療剤と組み合わせて、このような安定化されたペプチド(またはその弾頭部を有するバージョン)を使用するための方法も特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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