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公開番号
2025104740
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-10
出願番号
2023222756
出願日
2023-12-28
発明の名称
電動機の界磁位置検出方法
出願人
シナノケンシ株式会社
代理人
弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
主分類
H02P
6/185 20160101AFI20250703BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】三相ブラシレスモータを120度通電でPWM制御によりセンサレス駆動で運転する際に、駆動電圧のデューティ比を変えても運転時の電動機の界磁位置を確実に検出して運転することが可能な電動機の界磁位置検出方法を提供する。
【解決手段】MPU51は、インバータ回路52を通じて三相コイルに印加する駆動電圧のデューティ比を変化させて運転する場合に、所定駆動電圧において非通電相コイル電圧をセンシングするのに最適なデューティ比を選択し、1周期の通電区間において、最適なデューティ比で駆動する場合には当該最適なデューティ比のオンデューティ区間で駆動電圧を印加し、前記最適なデューティ比を超えるデューティ比に基づく駆動電圧を印加する場合は、1周期のオンデューティ区間を前記最適なデューティ比を含む複数のオンデューティ区間に分割して駆動電圧を印可する。
【選択図】図10
特許請求の範囲
【請求項1】
永久磁石界磁を有する回転子と、三相コイルを有する固定子と、ハーフブリッジ型インバータ回路を介して前記三相コイルに双方向通電する出力手段と、上位コントローラからの指令によりコイル出力をPWM制御し、連続回転が可能な60°通電区間単位の通電角度情報と通電パターン情報とを記憶し、これらに基づいて前記出力手段をスイッチング制御して通電状態を切り替える制御手段と、三相コイル電圧をA/D変換して前記制御手段に送出する測定手段と、を備えた電動機を用いて、
前記制御手段は、前記出力手段を通じて二相固定通電により自励停止する位置が60°通電区間の始点位置と一致する通電パターンにて周期的にオフサイクルを含む120°通電を行い、前記測定手段によりPWM通電のオンサイクルにて通電相電圧及び非通電相電圧を測定することで電動機の界磁位置を検出しながらセンサレス駆動する電動機の界磁位置検出方法であって、前記制御手段は前記出力手段を通じて前記三相コイルに印加する所定駆動電圧のデューティ比を変化させて運転する場合に、オンデューティ区間を非通電相コイル電圧をセンシングするのに最適なデューティ比を選択し、1周期の通電区間において、前記最適なデューティ比で駆動する場合には当該最適なデューティ比のオンデューティ区間で駆動電圧を印加し、前記最適なデューティ比を超えるデューティ比に基づく駆動電圧を印加する場合は、1周期のオンデューティ区間を前記最適なデューティ比を含む複数のオンデューティ区間に分割して駆動電圧を印可することを特徴とする電動機の界磁位置検出方法。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
永久磁石界磁を有する回転子と、三相コイルを有する固定子と、ハーフブリッジ型インバータ回路を介して前記三相コイルに双方向通電する出力手段と、上位コントローラからの指令によりコイル出力をPWM制御し、連続回転が可能な60°通電区間単位の通電角度情報と通電パターン情報とを記憶し、これらに基づいて前記出力手段をスイッチング制御して通電状態を切り替える制御手段と、三相コイル電圧をA/D変換して前記制御手段に送出する測定手段と、を備えた電動機を用いて、
前記制御手段は、前記出力手段を通じて二相固定通電により自励停止する位置が60°通電区間の始点位置と一致する通電パターンにて周期的にオフサイクルを含む120°通電を行い、前記測定手段によりPWM通電のオンサイクルにて通電相電圧及び非通電相電圧を測定することで電動機の界磁位置を検出しながらセンサレス駆動する電動機の界磁位置検出方法であって、前記制御手段は前記出力手段を通じて前記三相コイルに印加する所定駆動電圧のデューティ比を変化させて運転する場合に、オンデューティ区間を非通電相コイル電圧をセンシングするのに最適なデューティ比を選択し、1周期の通電区間において、前記最適なデューティ比で駆動する場合には当該最適なデューティ比のオンデューティ区間で駆動電圧を印加し、前記最適なデューティ比を超えないデューティ比に基づく駆動電圧を印加する場合には、1周期の時間を伸ばすか又は複数周期で前記最適なデューティ比を含む駆動電圧を印加することを特徴とする電動機の界磁位置検出方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機をセンサレス駆動で低速運転する際の電動機の界磁位置検出方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、小型直流モータはブラシ付きDCモータが用いられてきたが、ブラシ音・電気ノイズ・耐久性等に問題がありブラシレスDCモータが登場した。さらに最近では小型軽量化・堅牢化・ローコスト化等の観点から位置センサを持たないセンサレスモータが注目され、まず情報機器分野のハードディスクドライブ等に採用されたがベクトル制御技術の発展により家電・車載分野でも採用され始めた。
【0003】
センサレス駆動では誘起電圧から回転子位置を検出するが、静止時は誘起電圧が発生しないため回転子位置が判らず始動できない。静止時の回転子位置を検出するためにコイル電流センサと電流検出回路を設け、インバータを用いてPWM駆動によりコイルにサイン波状のコイル電流を流して電流応答から位置を推定する方法がある。
また、静止時の回転子位置は上述に代表される方法を用いてインダクタンス偏差から検出できる。あるいは位置センシングすることなく強制転流にて回転子を回転させ位置を確定することもできる。
【0004】
しかしながら一旦始動が始まれば回転のための通電が行われるためセンシングパルスを与えてインダクタンス偏差からロータ位置を検出する方法は困難となる。例えば励磁電流に高周波電流を重畳させインダクタンス偏差を検出することが考えられるがハード及びソフトともに大がかりとなる。また磁気飽和や誘起電圧の影響も考慮しなければならず、さらにはモータ及び駆動回路の固有誤差など推定困難な要素も含まれる。そのため位置検出を行わず固定励磁にて強制的に回転子を位置決めしたのち、同期をとりながら回転数を徐々に上昇させるランプスタート法が広く行われている。しかしながらこの方法は、回転子の位置決めに長い時間を要しさらに逆転する問題がある。またオープンループ制御にて同期をとるため加速にも時間がかかり負荷変動により同期が外れやすい欠点があり、それを回避するために大電流で始動しており効率が低下しDC電源も大型化する。負荷変動時は脱調するため用途が限定され、往復運動機構あるいは外力で回転する用途や、粘性負荷や負荷が変動する用途などでは使用できない。
【0005】
そこで、シンプルなハード及びソフトによりローコスト化を図り、始動時にセンシング音を発生することなく120°通電における励磁区間単位で回転子位置を検出できる界磁位置検出方法として、三相ブラシレスモータの120度通電駆動において、モータに電圧を印加すると、無通電相に発生する誘起電圧が永久磁石界磁(ロータ)の位置によって変化することを利用して、回転子の位置検出を行う方法が提案されている(特許文献1;特開2019-17235号公報)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-17235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、120°通電でモータに通電する場合、非通電相に発生する誘起電圧は、モータへ印加する駆動電圧の大きさによって変化する。特にPWM駆動の場合には、印加電圧のデューティ比の大きさ(通電時間)によって変化することになる。
図12は、あるモータのデューティ比毎の非通電相に発生する誘起電圧の変化をロータの回転位置に応じて示すグラフ図である。このグラフ図から、デューティ比の大きさによって発生する誘起電圧の大きさが大きく変化することが分かる。
また、図13はPWM駆動におけるデューティ比を変化させる場合の駆動電圧波形図の一例である。図12に示すモータの場合、デューティ比20%の場合には、無通電相に発生する正側及び負側の誘起電圧の変化が顕著であり測定し易いが、それ以外のデューティ比では、誘起電圧のレベルが低下するため電圧変化が緩慢で測定が困難になる。
【0008】
特許文献1では、この現象を解消するため、デューティ比に応じて補正係数を乗算する方法が提案されているが、モータによっては誘起電圧に補正係数を乗算しても、一定以上の低いデューティ比や一定以上の高いデューティ比では位置検出が困難となる。よって、限られたデュ-ティ比の範囲しか利用できないことになる。これは、モータトルクの制御範囲の制限となるため、電動機の目的の回転数とトルクが実現できないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、三相ブラシレスモータを120度通電でPWM制御によりセンサレス駆動で低速運転する際に、駆動電圧のデューティ比を変えても電動機の界磁位置を確実に検出して低速運転することが可能な電動機の界磁位置検出方法を提供することにある。
【0010】
永久磁石界磁を有する回転子と、三相コイルを有する固定子と、ハーフブリッジ型インバータ回路を介して前記三相コイルに双方向通電する出力手段と、上位コントローラからの指令によりコイル出力をPWM制御し、連続回転が可能な60°通電区間単位の通電角度情報と通電パターン情報とを記憶し、これらに基づいて前記出力手段をスイッチング制御して通電状態を切り替える制御手段と、三相コイル電圧をA/D変換して前記制御手段に送出する測定手段と、を備えた電動機を用いて、前記制御手段は、前記出力手段を通じて二相固定通電により自励停止する位置が60°通電区間の始点位置と一致する通電パターンにて周期的にオフサイクルを含む120°通電を行い、前記測定手段によりPWM通電のオンサイクルにて通電相電圧及び非通電相電圧を測定することで電動機の界磁位置を検出しながらセンサレス駆動する電動機の界磁位置検出方法であって、前記制御手段は前記出力手段を通じて前記三相コイルに印加する所定駆動電圧のデューティ比を変化させて運転する場合に、オンデューティ区間を非通電相コイル電圧をセンシングするのに最適なデューティ比を選択し、1周期の通電区間において、前記最適なデューティ比で駆動する場合には当該最適なデューティ比のオンデューティ区間で駆動電圧を印加し、前記最適なデューティ比を超えるデューティ比に基づく駆動電圧を印加する場合は、1周期のオンデューティ区間を前記最適なデューティ比を含む複数のオンデューティ区間に分割して駆動電圧を印可することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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