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公開番号2025104398
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023222143
出願日2023-12-28
発明の名称炭酸カルシウムの製造方法、生モルタルまたは生コンクリートの製造方法、地盤を改良する方法、地下空洞の充填方法および二酸化炭素の固定化方法
出願人白石工業株式会社,株式会社鴻池組
代理人弁理士法人グローバル・アイピー東京
主分類C04B 18/04 20060101AFI20250703BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】生コンクリートに混和された時に、生コンクリートの流動性を低下させず、かつ硬化物の強度を低下させることのない炭酸カルシウムを、従来は大半が廃棄されていたカーバイド滓から製造する新規の方法を提供すること。
【解決手段】以下の工程:水酸化カルシウムと、疎水性不純物とを含むカーバイド滓を分級し、疎水性不純物を除去する、分級工程;分級工程で疎水性不純物を除去したカーバイド滓の固形分濃度を調整する、調整工程;および分級工程で疎水性不純物を除去し、調整工程で固形分濃度を調整したカーバイド滓に、二酸化炭素を導入する、二酸化炭素導入工程を含む、炭酸カルシウムの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
以下の工程:
水酸化カルシウムと、疎水性不純物とを含むカーバイド滓を分級し、疎水性不純物を除去する、分級工程;
分級工程で疎水性不純物を除去したカーバイド滓の固形分濃度を調整する、調整工程;および
分級工程で疎水性不純物を除去し、調整工程で固形分濃度を調整したカーバイド滓に、二酸化炭素を導入する、二酸化炭素導入工程
を含む、炭酸カルシウムの製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
分級工程において除去される疎水性不純物の粒子径が45μm以上である、請求項1に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項3】
調整工程において、疎水性不純物を除去したカーバイド滓の固形分濃度を1-30質量%に調整する、請求項1または2に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項4】
二酸化炭素導入工程において、カルシウムイオンの炭酸化速度が1~40カチオン%/時間となるように、疎水性不純物を除去し、固形分濃度を調整したカーバイド滓に対して二酸化炭素を導入する、請求項1または2に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項5】
二酸化炭素導入工程において、カルシウムイオンの炭酸化速度が1~40カチオン%/時間となるように、疎水性不純物を除去し、固形分濃度を調整したカーバイド滓に二酸化炭素を導入する、請求項3に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項6】
紡錘形状を有するカルサイト型炭酸カルシウムが製造される、請求項4に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項7】
紡錘形状を有するカルサイト型炭酸カルシウムが製造される、請求項5に記載の炭酸カルシウムの製造方法。
【請求項8】
水酸化カルシウムと、疎水性不純物とを含むカーバイド滓を分級し、疎水性不純物を除去し;
疎水性不純物を除去したカーバイド滓の固形分濃度を調整し;
疎水性不純物を除去し、固形分濃度を調整したカーバイド滓に、二酸化炭素を導入して、炭酸カルシウムを得て、
得られた炭酸カルシウムを、生モルタルまたは生コンクリートに混合して、炭酸カルシウム配合生モルタルまたは炭酸カルシウム配合生コンクリートを製造する方法。
【請求項9】
水酸化カルシウムと、疎水性不純物とを含むカーバイド滓を分級し、疎水性不純物を除去し;
疎水性不純物を除去したカーバイド滓の固形分濃度を調整し;
疎水性不純物を除去し、固形分濃度を調整したカーバイド滓に、二酸化炭素を導入して、炭酸カルシウムを得て、
得られた炭酸カルシウムを、地盤改良材に混合し、得られた炭酸カルシウム配合地盤改良材を地盤に混合または圧入して、地盤を改良する方法。
【請求項10】
水酸化カルシウムと、疎水性不純物とを含むカーバイド滓を分級し、疎水性不純物を除去し;
疎水性不純物を除去したカーバイド滓の固形分濃度を調整し;
疎水性不純物を除去し、固形分濃度を調整したカーバイド滓に、二酸化炭素を導入して、炭酸カルシウムを得て、
得られた炭酸カルシウムを、充填材に混合し、得られた炭酸カルシウム配合充填材を地下空洞に充填する、方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸カルシウムの製造方法に関する。さらに本発明は、炭酸カルシウムを利用して生モルタルまたは生コンクリートを製造する方法に関する。本発明は、炭酸カルシウムを利用して地盤を改良する方法および地下空洞を充填する方法に関する。さらに本発明は二酸化炭素を固定化する方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
アセチレンの工業的製造に用いられるカルシウムカーバイド(炭化カルシウム、CaC

)は、酸化カルシウムとコークスの混合物を約2000℃に加熱することで得られる。カルシウムカーバイドには原料由来の不純物であるリン化カルシウムや硫黄等が含まれていることが知られている。カルシウムカーバイドと水を反応させて、アセチレンを生成することができる。この反応において副生するカーバイド滓(カーバイド石灰、カーバイドスラッジ、カーバイドスラリー等とも称され、主成分は水酸化カルシウム、Ca(OH)

である。)は、多種の不純物が含まれた水性スラリーである。カーバイド滓は、産業廃棄物の汚泥の一種であると規定されており(産業廃棄物法第2条第4項、政令第2条)、適切に処理された上で廃棄されなければならない。カーバイド滓は、消石灰(水酸化カルシウム)の代替品として酸性土の中和剤等に用いられることもあるが、その大部分は有効活用が成されていない。
【0003】
特許文献1は、カーバイド滓を造粒し、ロータリーキルンに装入するとともに、ロータリーキルン内部に一酸化炭素と酸素を吹き込み、500-900℃の温度で炭酸化して軽質炭酸カルシウムを製造する方法を開示している。また特許文献2には、カーバイド石灰等の石灰から炭酸カルシウムを生成する方法であって、10重量%~35重量%の溶解したポリヒドロキシ化合物と1重量%~5重量%の溶解した水酸化カルシウムとを含み、pHが少なくとも11.5である水溶液を提供するステップ(i)と;懸濁物質を含む固形物を除去するために、ステップ(i)において調製された溶液を処理するステップ(ii)と;結果として起こる反応混合物のpHの低下により炭酸カルシウムを形成するように二酸化炭素を溶液に分散させるステップ(iii)と;pHの短い急上昇の開始時に始まり、pHのその後の低下中であるがpHが9.5に達する前に終わる期間中に、二酸化炭素の分散を終了させ、生成物混合物のpHを少なくとも9.5に維持するためにアルカリ性試薬を添加するステップ(iv)と;析出した炭酸カルシウムを回収するステップ(v)と;を備える方法が開示されている。特許文献2において、ステップ(i)におけるポリヒドロキシ化合物はグリセロール、糖アルコール、糖等であること、ステップ(ii)はカチオン性ポリマー等の凝集剤を用いて懸濁物質を除去することであることが開示されている。
【0004】
ところで、生コンクリートや生モルタル等に、炭酸カルシウムを添加することにより、コンクリートの強度を高める試みが行われている。特許文献3には、平均粒子径0.19μm以上0.33μm以下であってpH8.5以上11未満の軽質炭酸カルシウム粉末を含む高強度コンクリート用の混和材が開示されている。また特許文献4には、水と、減水剤(ポリカルボン酸系)と、平均粒子径0.1μm以上0.4μm以下であってpH8.5以上11未満の軽質炭酸カルシウム粉末とを含み、軽質炭酸カルシウム粉末が60質量%以上75質量%以下含む高強度コンクリート用の混和材スラリーが開示されている。
【0005】
生コンクリートに混和材を分散させる場合、生コンクリートの流動性と、硬化物の強度とを両立させるのは難しいことが知られているが、炭酸カルシウム粉末を含む混和材あるいはそのスラリーは、生コンクリート中に比較的高い濃度で分散させることができ、かつ生コンクリートの流動性の低下もやや抑制できることが特許文献3および4に記載されている。しかしながら、ワーカビリティ(練り混ぜ、運搬、打ち込み、締固めおよび仕上げ等のコンクリートの全般的な施工特性)がさらに向上した生コンクリートの開発は、常に要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭54-43897号公報
特表2013-506613号公報
特許第6011926号公報
特許第6011927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、生コンクリートに混和された時に、生コンクリートの流動性を低下させず、かつ硬化物の強度を低下させることのない炭酸カルシウムを、従来は大半が廃棄されていたカーバイド滓から製造する新規の方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、製造された炭酸カルシウムを用いて炭酸カルシウム配合生モルタルまたは炭酸カルシウム配合生コンクリートを製造する方法、製造された炭酸カルシウムを配合した地盤改良材を地盤に圧入して地盤を改良する方法、ならびに製造された炭酸カルシウムを配合した充填材を地下空洞に充填する方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、従来は廃棄されていたカーバイド滓を用いて、工業的に利用可能な炭酸カルシウムを製造する一方、排ガス等に含まれている二酸化炭素を炭酸カルシウムとして固定化する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様は、以下の工程:
水酸化カルシウムと、疎水性不純物とを含むカーバイド滓を分級し、疎水性不純物を除去する、分級工程;
分級工程で疎水性不純物を除去したカーバイド滓の固形分濃度を調整する、調整工程;および
分級工程で疎水性不純物を除去し、調整工程で固形分濃度を調整したカーバイド滓に、二酸化炭素を導入する、二酸化炭素導入工程
を含む、炭酸カルシウムの製造方法である。
【0009】
ここで、分級工程において除去される疎水性不純物の粒子径が、45μm以上であることが好ましい。
【0010】
調整工程において、疎水性不純物を除去したカーバイド滓の固形分濃度を1-30質量%に調整することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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