TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025099045
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023215392
出願日2023-12-21
発明の名称ヒートシール紙および包装袋
出願人王子ホールディングス株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類D21H 19/36 20060101AFI20250626BHJP(製紙;セルロースの製造)
要約【課題】高温、高湿度条件での耐ブロッキング性に優れ、かつヒートシール剥離強度が高く、得られる包装袋の耐落下性に優れるヒートシール紙、および該ヒートシール紙を用いた包装袋を提供すること。
【解決手段】紙基材の少なくとも一方の面に1層以上のヒートシール層を有するヒートシール紙であって、前記ヒートシール層は、水分散性樹脂バインダー、パラフィンワックスおよび炭酸カルシウムを含有し、前記水分散性樹脂バインダーがスチレン-ブタジエン共重合体を含み、前記ヒートシール層中の前記パラフィンワックスの含有量が、前記水分散性樹脂バインダー100質量部に対して、6質量部以上14質量部以下であり、前記ヒートシール層中の前記炭酸カルシウムの含有量が、前記水分散性樹脂バインダー100質量部に対して、4質量部以上19質量部以下である、ヒートシール紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
紙基材の少なくとも一方の面に1層以上のヒートシール層を有するヒートシール紙であって、
前記ヒートシール層は、水分散性樹脂バインダー、パラフィンワックスおよび炭酸カルシウムを含有し、
前記水分散性樹脂バインダーがスチレン-ブタジエン共重合体を含み、
前記ヒートシール層中の前記パラフィンワックスの含有量が、前記水分散性樹脂バインダー100質量部に対して、6質量部以上14質量部以下であり、
前記ヒートシール層中の前記炭酸カルシウムの含有量が、前記水分散性樹脂バインダー100質量部に対して、4質量部以上19質量部以下である、ヒートシール紙。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記スチレン-ブタジエン共重合体のガラス転移温度が、0℃以上100℃以下である、請求項1に記載のヒートシール紙。
【請求項3】
前記水分散性樹脂バインダー中の前記スチレン-ブタジエン共重合体の含有量が、50質量%以上である、請求項1に記載のヒートシール紙。
【請求項4】
前記パラフィンワックスの融点が、70℃以上100℃以下である、請求項1に記載のヒートシール紙。
【請求項5】
前記炭酸カルシウムの平均粒子径が、0.5μm以上5.0μm以下である、請求項1に記載のヒートシール紙。
【請求項6】
前記炭酸カルシウムの粒度分布のシャープネス指数が、1.0以上3.0以下である、請求項1に記載のヒートシール紙。
【請求項7】
前記炭酸カルシウムが、不定形粒子である、請求項1に記載のヒートシール紙。
【請求項8】
前記紙基材を構成するパルプの主成分が針葉樹未晒クラフトパルプである、請求項1に記載のヒートシール紙。
【請求項9】
前記紙基材が伸張紙である、請求項1に記載のヒートシール紙。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のヒートシール紙を用いてなる、包装袋。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシール紙およびこれを用いた包装袋に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ヒートシール方式を利用した包装体は、一般の工業製品の包装の他、食品、医薬、医療器具の包装などに広く利用されている。
【0003】
近年、プラスチックゴミ問題が深刻化している。世界のプラスチックの生産量のうち、包装容器セクターでのプラスチック生産量が多く、プラスチックごみの原因となっている。プラスチックは半永久的に分解されず、そのゴミは自然環境下でマイクロプラスチック化し、生態系に深刻な悪影響を与えている。その対策として、プラスチックを紙に代替することが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、耐水性、耐油性、ヒートシール適性を有すると共に長期保管が可能な耐水耐油ヒートシール紙を提供することを目的として、紙基材の少なくとも一方の面上に、熱可塑性樹脂とワックスと無機扁平顔料とを含む塗工層を有することを特徴とする耐水耐油ヒートシール紙が開示されている。
また、特許文献2には、包装材、袋、容器、箱、カップ、蓋材など、包装用途に好適に用いられる、ヒートシール適性を有すると共にブロッキング耐性が良好なヒートシール紙を提供することを目的として、紙基材の少なくとも一方の面上に、熱可塑性樹脂を含む塗工層を有し、前記紙基材の坪量が、20g/m

以上600g/m

以下であり、前記塗工層が、アンチブロッキング剤としてワックス又は顔料から選ばれる1種以上を含み、前記塗工層に含まれる熱可塑性樹脂が、エチレンアクリル酸共重合樹脂を含むことを特徴とするヒートシール紙が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-24664号公報
特開2023-10964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の耐水耐油ヒートシール紙は、ヒートシール適性を有し、長期保管が可能であるが、ヒートシール後の強度について十分に検討されておらず、また、該耐水耐油ヒートシール紙を用いた包装体について、落下させた際の破袋のしにくさ(耐落下性)については検討されていない。
特許文献2のヒートシール紙は、ヒートシール適性およびブロッキング耐性を有するものの、ヒートシール後の強度について十分に検討されておらず、また、該耐水耐油ヒートシール紙を用いた包装体の耐落下性については検討されていない。また、保管時の耐ブロッキング性についても十分に検討されていない。
【0007】
本発明の目的は、保管時の耐ブロッキング性に優れ、かつヒートシール剥離強度が高く、得られる包装袋の耐落下性に優れるヒートシール紙、および該ヒートシール紙を用いた包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題は、以下の<1>~<10>によって解決することができる。
<1> 紙基材の少なくとも一方の面に1層以上のヒートシール層を有するヒートシール紙であって、前記ヒートシール層は、水分散性樹脂バインダー、パラフィンワックスおよび炭酸カルシウムを含有し、前記水分散性樹脂バインダーがスチレン-ブタジエン共重合体を含み、前記ヒートシール層中の前記パラフィンワックスの含有量が、前記水分散性樹脂バインダー100質量部に対して、6質量部以上14質量部以下であり、前記ヒートシール層中の前記炭酸カルシウムの含有量が、前記水分散性樹脂バインダー100質量部に対して、4質量部以上19質量部以下である、ヒートシール紙。
<2> 前記スチレン-ブタジエン共重合体のガラス転移温度が、0℃以上100℃以下である、<1>に記載のヒートシール紙。
<3> 前記水分散性樹脂バインダー中の前記スチレン-ブタジエン共重合体の含有量が、50質量%以上である、<1>または<2>に記載のヒートシール紙。
<4> 前記パラフィンワックスの融点が、70℃以上100℃以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載のヒートシール紙。
<5> 前記炭酸カルシウムの平均粒子径が、0.5μm以上5.0μm以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載のヒートシール紙。
<6> 前記炭酸カルシウムの粒度分布のシャープネス指数が、1.0以上3.0以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のヒートシール紙。
<7> 前記炭酸カルシウムが、不定形粒子である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のヒートシール紙。
<8> 前記紙基材を構成するパルプの主成分が針葉樹未晒クラフトパルプである、<1>~<7>のいずれか1つに記載のヒートシール紙。
<9> 前記紙基材が伸張紙である、<1>~<8>のいずれか1つに記載のヒートシール紙。
<10> <1>~<9>のいずれか1つに記載のヒートシール紙を用いてなる、包装袋。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、保管時の耐ブロッキング性に優れ、かつヒートシール剥離強度が高く、得られる包装袋の耐落下性に優れるヒートシール紙、および該ヒートシール紙を用いた包装袋が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<ヒートシール紙>
本実施形態のヒートシール紙(以下、単に「ヒートシール紙」ともいう)は、紙基材の少なくとも一方の面に1層以上のヒートシール層を有するヒートシール紙であって、前記ヒートシール層は、水分散性樹脂バインダー、パラフィンワックスおよび炭酸カルシウムを含有し、前記水分散性樹脂バインダーがスチレン-ブタジエン共重合体を含み、前記ヒートシール層中の前記パラフィンワックスの含有量が、前記水分散性樹脂バインダー100質量部に対して、6質量部以上14質量部以下であり、前記ヒートシール層中の前記炭酸カルシウムの含有量が、前記水分散性樹脂バインダー100質量部に対して、4質量部以上19質量部以下である。
本実施形態のヒートシール紙は、保管時の耐ブロッキング性に優れ、かつヒートシール剥離強度が高く、得られる包装袋の耐落下性に優れる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

三菱製紙株式会社
両艶クラフト紙
2か月前
株式会社大善
色管理システム
2か月前
CHEMIPAZ株式会社
紙用柔軟剤及び紙
17日前
ダイキン工業株式会社
組成物
25日前
ダイキン工業株式会社
組成物
25日前
ダイキン工業株式会社
組成物
25日前
丸住製紙株式会社
水解紙及び水解紙の製造方法
18日前
ダイキン工業株式会社
パルプ組成物
2か月前
リンテック株式会社
透明紙
3か月前
ダイキン工業株式会社
パルプ組成物
1か月前
ダイキン工業株式会社
パルプ組成物
2か月前
ダイキン工業株式会社
パルプ組成物
4か月前
リンテック株式会社
耐油紙
3か月前
日本製紙株式会社
非塗工紙及び非塗工紙の製造方法
1か月前
株式会社マーケットヴィジョン
機能性紙製品
3か月前
リンテック株式会社
剥離紙原紙
2か月前
日本フエルト株式会社
製紙用織物
25日前
日本製紙クレシア株式会社
キッチンタオルロール
3か月前
レンゴー株式会社
白板紙
3か月前
ダイキン工業株式会社
パルプ製品の製造方法
3か月前
大王製紙株式会社
印刷用塗工紙
3か月前
日本製紙株式会社
包装用基材
1か月前
日本製紙株式会社
蒸着用原紙
2か月前
有限会社バースケア
機能性和紙シートおよびその製造方法
3か月前
長瀬産業株式会社
シート及びシートの製造方法
3か月前
イチカワ株式会社
抄紙フェルト用ベース部材および抄紙フェルト
2か月前
三菱製紙株式会社
無機繊維不織布及びその製造方法
2か月前
ダイキン工業株式会社
ワックス及びパルプ用耐油剤
4か月前
北越コーポレーション株式会社
包装用紙
3か月前
王子ホールディングス株式会社
包装紙および包装体
1か月前
王子ホールディングス株式会社
包装紙および包装体
1か月前
王子ホールディングス株式会社
包装紙および包装体
1か月前
セイコーエプソン株式会社
原料供給装置およびシート製造装置
2か月前
日本製紙株式会社
剥離紙用原紙、及び剥離紙
1か月前
水澤化学工業株式会社
紙臭吸着剤、紙臭吸着剤を含有する紙、及び紙臭吸着方法
2か月前
王子ホールディングス株式会社
緩衝材用紙および紙緩衝材
4か月前
続きを見る