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公開番号2025096607
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2025067707,2024560360
出願日2025-04-16,2023-12-20
発明の名称表面改質繊維、補強繊維、及びそれを用いた成形体
出願人株式会社クラレ
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類D06M 15/61 20060101AFI20250619BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】樹脂やコンクリートとの接着性に優れると共に着色を抑えることができる表面改質繊維、その製造方法、及び表面改質繊維を用いた成形体の提供。
【解決手段】繊維と、前記繊維の表面の少なくとも一部を覆う表面改質層とを有する表面改質繊維であり、前記表面改質層が水素結合性官能基を有する化合物を含み、前記表面改質層の量が原料として用いた繊維100質量部に対して0.01~2.5質量部であることを特徴とする表面改質繊維。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
繊維と、前記繊維の表面の少なくとも一部を覆う表面改質層とを有する表面改質繊維であり、
前記表面改質層が水素結合性官能基を有する化合物を含み、前記表面改質層の量が原料として用いた繊維100質量部に対して0.01~2.5質量部であることを特徴とする表面改質繊維。
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
前記水素結合性官能基が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、カルボキシ基のエステル化体、カルボキシ基の酸無水物、カルボニル基、アルデヒド基、アルデヒド基のアセタール化体、アミノ基、及びアミド基から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の表面改質繊維。
【請求項3】
前記繊維が、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、及び再生セルロース系繊維から選ばれる1種以上の繊維である、請求項1又は2に記載の表面改質繊維。
【請求項4】
前記表面改質繊維の色相のパラメータ(YI)が0~50である、請求項1~3のいずれか1項に記載の表面改質繊維。
【請求項5】
下記工程(1)及び工程(2)を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の表面改質繊維の製造方法。
〔工程(1)〕
前記水素結合性官能基を有する化合物の溶液又は分散液を調製し、前記溶液又は分散液を前記繊維に付着させる工程
〔工程(2)〕
前記溶液又は分散液を付着させた前記繊維を、180~280℃、50秒以下で熱処理する工程
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の表面改質繊維を用いた成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂やコンクリートとの接着性に優れる表面改質繊維、その製造方法、及び表面改質繊維を用いた成形体に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ポリビニルアルコール及びポリアミド等の合成繊維は、強度や耐久性に優れると共に軽量且つ安価であることから、建築物の強度向上やひび割れ防止を目的として、コンクリート等を補強するための繊維として用いられている。
また前記合成繊維は、自動車のタイヤやオイルブレーキホース等を補強するための繊維としても用いられている。前記繊維をこの用途に用いる場合、繊維とゴムとを強固に接着させる必要があるため、表面を改質した表面改質繊維が用いられている。
【0003】
前記表面改質繊維の具体例として特許文献1には、被覆繊維の全重量に対して約0.2~約20質量%の割合で分岐ポリエチレンイミンを被覆した繊維が開示されている。
また特許文献2には、繊維の表面の少なくとも一部を覆う表面改質層等を有する補強繊維において、前記表面改質層が特定のポリアミン化合物を含むことを特徴とする補強繊維が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-511602号公報
国際公開第2022/044460号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の表面を改質した繊維は、接着性等についてある程度の性能を示すものの改善の余地があった。具体的に特許文献1に記載された繊維は接着力が十分ではなく改善が望まれており、特許文献2に記載の繊維は比較的高温で処理するため、着色が生じてしまうという問題があった。また一般的に化学繊維は樹脂との接着性及び密着性が極めて低いため、これらを向上させる方法の開発が望まれていた。
【0006】
本発明は、前記従来の問題を鑑みてなされたものであって、樹脂やコンクリートとの接着性に優れると共に着色を抑えることができる表面改質繊維、その製造方法、及び表面改質繊維を用いた成形体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、繊維の表面の少なくとも一部に、水素結合性官能基を有する化合物を含む表面改質層を設けることにより、繊維と樹脂、繊維とコンクリートとの接着性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は以下[1]~[6]に関する。
[1]繊維と、前記繊維の表面の少なくとも一部を覆う表面改質層とを有する表面改質繊維であり、
前記表面改質層が水素結合性官能基を有する化合物を含み、前記表面改質層の量が原料として用いた繊維100質量部に対して0.01~2.5質量部であることを特徴とする表面改質繊維。
[2]前記水素結合性官能基が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、カルボキシ基のエステル化体、カルボキシ基の酸無水物、カルボニル基、アルデヒド基、アルデヒド基のアセタール化体、アミノ基、及びアミド基から選ばれる1種以上である、前記[1]に記載の表面改質繊維。
[3]前記繊維が、ポリアミド系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、及び再生セルロース系繊維から選ばれる1種以上の繊維である、前記[1]又は[2]に記載の表面改質繊維。
[4]前記表面改質繊維の色相のパラメータ(YI)が0~50である、前記[1]
~[3]のいずれかに記載の表面改質繊維。
[5]下記工程(1)及び工程(2)を有する、前記[1]~[4]のいずれかに記載の表面改質繊維の製造方法。
〔工程(1)〕
前記水素結合性官能基を有する化合物の溶液又は分散液を調製し、前記溶液又は分散液を前記繊維に付着させる工程
〔工程(2)〕
前記溶液又は分散液を付着させた前記繊維を、180~280℃、50秒以下で熱処理する工程
[6]前記[1]~[4]のいずれかに記載の表面改質繊維を用いた成形体。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、樹脂やコンクリートとの接着性に優れると共に着色を抑えることができる表面改質繊維、その製造方法、及び表面改質繊維を用いた成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[表面改質繊維]
本発明の表面改質繊維は、繊維と、前記繊維の表面の少なくとも一部を覆う表面改質層とを有する表面改質繊維であり、
前記表面改質層が水素結合性官能基を有する化合物を含み、前記表面改質層の量が原料として用いた繊維100質量部に対して0.01~2.5質量部であることを特徴とするものである。
本発明においては繊維表面の少なくとも一部に、水素結合性官能基を有する化合物を含む表面改質層を設けているため、水素結合性官能基と繊維、及び水素結合性官能基とコンクリートや樹脂との間で相互に強い親和性が発現し、その結果、繊維と樹脂、繊維とコンクリートとの接着性が向上する。また、表面改質層の分解が生じにくいため透明性に優れる表面改質繊維を得ることが可能になる。
なお、本発明において「繊維の表面の少なくとも一部を覆う表面改質層」とは、繊維の表面の少なくとも一部に、例えば、膜や層として表面改質層が存在する態様であってもよく、繊維の原料に表面改質層に相当する成分が含まれており、繊維そのものの表面の一部に表面改質層の成分が存在する態様であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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