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公開番号2025096438
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2025063532,2021028365
出願日2025-04-08,2021-02-25
発明の名称塩素バイパス設備の運転方法
出願人UBE三菱セメント株式会社
代理人個人,個人
主分類C04B 7/60 20060101AFI20250619BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】安定的に運転することが可能な塩素バイパス設備の運転方法を提供すること。
【解決手段】塩素バイパス設備の運転方法は、セメント原料をセメントキルンで焼成する際に発生するキルン排ガスを抽気して抽気ガスを得る抽気工程と、抽気ガスと燃焼炉で生じた排ガスとを合流させて得られる混合ガスから原料ダストの粗粉を分離して原料ダストの微粉を含む導出ガスを得る分級工程と、を有し、抽気工程で抽気されたときよりも低い温度を有する抽気ガスと、当該抽気ガスよりも高い温度を有する排ガスとを合流させて前記混合ガスを得る。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
セメント原料をセメントキルンで焼成する際に発生するキルン排ガスを抽気して抽気ガスを得る抽気工程と、
前記抽気ガスと燃焼炉で生じた排ガスとを合流させて得られる混合ガスから原料ダストの粗粉を分離して前記原料ダストの微粉を含む導出ガスを得る分級工程と、を有し、
前記抽気工程で抽気されたときよりも低い温度を有する前記抽気ガスと、当該抽気ガスよりも高い温度を有する前記排ガスとを合流させて前記混合ガスを得る、塩素バイパス設備の運転方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、塩素バイパス設備及びその運転方法、セメントクリンカ製造装置、並びにセメントクリンカの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
セメントクリンカの製造装置では、各種廃棄物を原料及び燃料として用いることの取り組みが進められている。このような事情から、セメントキルンに持ち込まれる塩素量は増加する傾向にある。多くのセメントクリンカ製造装置にはセメントキルン内の塩素を低減するために塩素バイパス設備が設置されており、この塩素バイパス設備で抽気された抽気ガスから効率的に塩素を除去する技術が検討されている。特許文献1では、キルン排ガス流路から抽気した抽気ガスの温度を770℃以上に維持した状態で抽気ガスから粗粉を分離し、その後、600℃以下に冷却して塩素バイパスダストを分離する技術が提案されている。
【0003】
セメントキルンに持ち込まれる塩素源としては、廃棄物に含まれる廃プラスチックが挙げられる。このような廃プラスチックは、セメントクリンカの製造のみならず、例えば、固形燃料の製造にも用いられている。例えば、特許文献2では、石炭から得られる粉体と、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性プラスチックとを含む混合物を加熱して固形燃料を製造する技術が提案されている。このような技術において、塩素を含むプラスチックを加熱して得られる熱分解ガスを燃焼室で燃焼すると、塩化水素を含む燃焼排ガスが発生する。特許文献2では、このような燃焼排ガスを排ガス洗浄装置で処理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-55900号公報
特開2011-57750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ダストの粗粉を分離した後の抽気ガスの温度を770℃以上にして、分級装置においてKCl及びNaCl等の揮発した塩素分が単独で析出すること、又はこれらが原料ダストの表面に析出することを抑制している。しかし、抽気口から分級部までを断熱した場合であっても、流路を通過することによる抽気ガスの温度低下は避けられず、上述の温度を維持することが難しくなる場合もある。分級部を通過したガスの温度が770℃未満になった場合は、分級部内でKCl及びNaCl等の揮発した塩素分が単独で析出して、又は原料ダストの表面に析出して塩素バイパスダスト(クリンカダスト)ができる。この塩素分が表面に析出した直後のクリンカダスト、又は塩素分が単独で析出してできた直後のクリンカダストは非常に付着性が高く、分級部内に付着しコーチングが生成されることが懸念される。また、揮発した塩素分が分級部内で析出し、そこに原料ダストが付着してコーチングが生成されることも懸念される。このように、分級部内の温度が低下すると、塩素バイパス設備及びセメントクリンカ製造装置の運転変動の要因となることが懸念される。
【0006】
そこで、本開示では、安定的に運転することが可能な塩素バイパス設備及びその運転方法を提供する。また、本開示では、そのような塩素バイパス設備を備えることによって、セメントクリンカを安定的に製造することが可能なセメントクリンカ製造装置及びセメントクリンカの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係る塩素バイパス設備は、セメントキルンの窯尻、ライジングダクト又はこれらの間からキルン排ガスを抽気する抽気口と、抽気口から抽気された抽気ガスと燃焼炉で生じた排ガスとを合流させて得られる混合ガスから原料ダストの粗粉を分離して原料ダストの微粉を含む導出ガスを得る分級部と、を備え、抽気口で抽気されたときよりも低い温度を有する前記抽気ガスと、当該抽気ガスよりも高い温度を有する前記排ガスとを合流させて前記混合ガスを得る。
【0008】
上記塩素バイパス設備は、抽気口から抽気された抽気ガスと燃焼炉で生じた排ガスを抽気ガスに合流させて混合ガスを得ている。この時、抽気口から抽気された抽気ガスは、例えば流路を通過することで温度が低下する。そこで、このように抽気口で抽気されたときよりも低い温度を有する抽気ガスに、これよりも高い温度を有する燃焼炉の排ガスを合流させて混合ガスを得る。このように、高温の排ガスを合流させることから、混合ガス及び導出ガスの温度を安定的に高くすることができる。このため、分級部では、塩素分が気相に含まれている状態で、抽気ガスに含まれる原料ダストの粗粉を混合ガスから分離して、抽気ガス及び混合ガスよりも原料ダストの粗粉が低減された導出ガスを得ることができる。したがって、クリンカダストの量が増加することを抑制でき、クリンカダスト水洗設備の負荷を低減することができる。さらに、分級部で塩素分が単独で析出して、又は原料ダストの表面に析出してクリンカダストとなり、分級部内部に付着して閉塞することを抑制できる。これによって、上述の塩素バイパス設備を安定的に運転することができる。また、分級部で分離される原料ダストの粗粉は、塩素濃度が十分に低いことから、セメントキルン側に戻してセメントクリンカの原料として有効利用することができる。
【0009】
上記塩素バイパス設備の分級部から導出される導出ガスは770℃以上の温度を有することが好ましい。これによって、KCl及びNaCl等の揮発した塩素分が単独で析出して、又は原料ダストの表面に析出してクリンカダストになることを十分に抑制できる。また、原料ダストの粗粉をセメントキルンに戻す場合でも、セメントキルンへの塩素の持ち込みを低減することができる。
【0010】
燃焼炉は、プラスチックを熱処理することによって生じた熱分解ガスを燃焼するものであり、排ガスは塩素分を含むことが好ましい。上記熱分解ガスには、例えばタールが含まれる。分級部から導出される導出ガスには、分級部で回収されなかった原料ダストの粗粉及び微粉が含まれる。この分級部で回収されなかった原料ダストに含まれるCa分と、熱分解ガスを燃焼し得られる排ガスに含まれるHCl等の塩素分が反応して固体状のCaCl

となり、これらもクリンカダストとして回収できるようになる。したがって、塩素分を含む燃焼炉の排ガスを処理する洗浄装置の負荷を低減することができる。また、塩素分を含む燃焼炉の排ガスの全量が抽気ガスに合流するようにすれば、排ガスの洗浄装置をなくすこともできる。
(【0011】以降は省略されています)

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