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公開番号
2025096183
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-26
出願番号
2024208479
出願日
2024-11-29
発明の名称
プロピレン系ブロック共重合体の製造方法
出願人
日本ポリプロ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08F
297/08 20060101AFI20250619BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】プロピレン系ブロック共重合体を、多段連続重合法において反応器の数を過大に増やすことなくゲルを低減させながら、かつ、高い触媒効率で製造する。
【解決手段】気相流動床重合反応器を用いてオレフィン重合用触媒の存在下で第1工程及び第2工程を含む多段連続重合を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、前記第1及び第2工程のうち少なくとも一の工程における気相流動床重合反応器の直胴部に、1つ以上の吐出口を有するインサートノズルが接続されており、当該ノズルの最も先端側に存在する吐出口から当該吐出口の存在する位置における気相流動床重合反応器の横断面の内壁までの距離が、前記吐出口から前記横断面の内周上のいかなる位置に存在する内壁までの距離についても、当該横断面の内径に対し12%~88%の範囲内であり、ゲル形成抑制剤を前記インサートノズルから反応器内部の保有パウダー中へ供給する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
気相流動床重合反応器を用いてオレフィン重合用触媒の存在下で第1工程及び第2工程を含む多段連続重合を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、
前記第1工程及び前記第2工程のうち少なくとも一の工程における前記気相流動床重合反応器の直胴部に、少なくとも1つの吐出口を有するインサートノズルが接続されており、当該インサートノズルの最も先端側に存在する吐出口から当該吐出口の存在する位置における気相流動床重合反応器の横断面の内壁までの距離が、前記吐出口から前記横断面の内周上のいかなる位置に存在する内壁までの距離についても、当該横断面の内径に対し12%~88%の範囲内であり、
ゲル形成抑制剤を、前記インサートノズルから反応器内部の保有パウダー中へ供給するプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記ゲル形成抑制剤が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
[一般式(1)]
HO-[CH
2
-CH
2
-O]
p
-[CH
2
-CH(CH
3
)-O]
q
-[CH
2
-CH
2
-O]
r
-R
1
(一般式(1)中、p、q、rは整数であり、0≦p≦30、0≦q≦70、0≦r≦30、1≦p+r≦60、及び2≦p+q+rの関係式を全て満たす。R
1
は水素原子又は炭素数1~25の炭化水素基を表す)
【請求項3】
前記ゲル形成抑制剤を、プロピレン系ブロック共重合体の生産量に対して、10質量ppm~1000質量ppmの割合で供給する請求項1又は2に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
【請求項4】
さらに、下記一般式(2)で表される反応抑制剤を、反応器内部の保有パウダー中へ供給する請求項1又は2に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
[一般式(2)]
HO-R
2
( 一般式(2)中、R
2
は炭素数1~10の飽和炭化水素基を表す)
【請求項5】
前記反応抑制剤の供給量100質量部に対し、前記ゲル形成抑制剤の供給量が10質量部~150質量部である請求項4に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
【請求項6】
マグネシウム、チタン、ハロゲン及び内部ドナーとしての電子供与性化合物を含む固体触媒成分及び有機アルミニウム化合物を含有するオレフィン重合用触媒の存在下で重合を行う請求項1又は2に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
【請求項7】
第1工程において1又は2以上の気相流動床重合反応器を用いて結晶性プロピレン系重合体を製造し、続く第2工程において1又は2以上の気相重合反応器を用いて、前記結晶性プロピレン系重合体の存在下で非晶性プロピレン・α-オレフィン系共重合体を製造する請求項1又は2に記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
立体規則的触媒下でプロピレンを重合することにより得られる結晶性ポリプロピレンは、熱可塑性樹脂の中でも軽量で剛性、耐熱性に優れ、リサイクルも容易なことから広く一般に用いられている。
一方で、結晶性ポリプロピレンの欠点である耐衝撃性を改良するために、前段重合において結晶性ポリプロピレンを製造し、続く後段重合においてプロピレンと他のα-オレフィン例えばエチレンとの共重合を行うことで非晶性のプロピレン・α-オレフィン共重合体を製造してプロピレン系ブロック共重合体とする方法が広く知られている。
こうしたプロピレン系ブロック共重合体の製造には、経済性の観点から多段連続重合法が最も一般的に採用される。しかし、多段連続重合法においては、各段の重合槽において触媒の滞留時間に分布が生じるため各触媒粒子あたりの重合量に分布が発生し、この不均一性が原因となり製品にゲルと呼ばれる外観不良を発生させてしまう問題がある。
また、プロピレン系ブロック共重合体の特性として溶融張力向上、フローマーク改良、表面光沢低下(艶消し)などを持たせるようにプロピレン・α-オレフィン共重合体の固有粘度ηを高くする場合があるが、そうした重合体において特にこのゲルの問題が発生しやすくなることが知られている。
この対策の一つとして、第1工程である結晶性プロピレン重合の反応器の数を増やすことで滞留時間分布を狭くする方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献2には、プロピレン系ブロック共重合体の多段連続重合法においては、第1工程を短い滞留時間で素抜けた触媒粒子、少量しか第1工程生成物を含んでいない触媒粒子などの小粒子が第2工程において重合反応することで、分散しにくいプロピレン・エチレン共重合体を平均より多く含んだ粒子が発生することがゲルの発生の主要因であるとする予測が記載されている。
そして特許文献2には、この予測に基づく対策として、プロピレン・α-オレフィン共重合体を含有するプロピレン系ブロック共重合体を連続的に気相重合により製造する方法において、特定のポリオキシアルキレン系化合物と特定のアルコール化合物を特定の割合で含む混合反応抑制剤を、第2工程であるプロピレン・エチレン共重合の反応器に液化プロピレンとの混合流として供給する方法が提案されている。この方法によれば、小粒子は粒子全体、大粒子は表面部分のみ重合を抑制することができ、触媒活性の大部分を占める大粒子の触媒活性は残存することによって、触媒活性低下を抑制しつつ、優れたゲル発生抑制効果を示すとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭62-149711号公報
特開2022-014443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、高い固有粘度を有するプロピレン・α-オレフィン共重合体を含有するプロピレン系ブロック共重合体は優れた特性を持つことから、産業用シートや自動車用部材などとして利用される一方で、ゲルの発生による製品外観不良という懸念が存在していた。
特許文献1で開示されている、第1工程である結晶性プロピレン重合の反応器の数の増加させる対応は、プラントの建設費用の増大や、プラント運転管理項目の増加による運営の煩雑さを招くため、更なる技術改良が求められていた。
特許文献2に開示されている、特定のポリオキシアルキレン系化合物と特定のアルコール化合物を特定の割合で含む混合反応抑制剤を第2工程であるプロピレン・エチレン共重合の反応器に液化プロピレンとの混合流として供給する製造方法は、反応器温度制御の面などから液化プロピレンを使用しない運転では適用できないため、反応抑制剤の異なる供給方法の開発が望まれていた。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、プロピレン系ブロック共重合体を、多段連続重合法において反応器の数を過大に増やすことなくゲルを低減させながら、かつ、高い触媒効率で製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、第1工程を短い滞留時間で素抜けた触媒粒子、少量の第1工程生成物を含んだ触媒粒子などの小粒子が第2工程においてα-オレフィンを共重合することで、分散しにくいプロピレン・α-オレフィン系共重合体を平均より多く含んだ粒子が発生することがゲルの発生の主要因であると予測した。本発明者らは、当該予測に基づき、粒子の比較的浅い深度の位置に偏在するゲル形成抑制剤を使用することで、前記小粒子中に存在する触媒粒子の触媒活性を選択的に失活させることにより、中間生成物中のゲル形成を抑制することができるという着想の基に鋭意検討を行った。
その結果、プロピレン・α-オレフィン系共重合体を含有するプロピレン系ブロック共重合体を連続的に製造する方法において、ゲル形成抑制剤を特定の方法にて反応器内部の保有パウダー中に供給することによって、ゲル形成抑制剤の分散性が向上し、ゲル形成抑制剤が反応器の内面へ液だれすることなく保有パウダー中に均一に分散され、触媒活性低下を抑制しつつ、優れたゲル発生抑制効果を示すことを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づき本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記[1]~[7]に記載するプロピレン系ブロック共重合体の製造方法を提供する。
[1] 気相流動床重合反応器を用いてオレフィン重合用触媒の存在下で第1工程及び第2工程を含む多段連続重合を行うプロピレン系ブロック共重合体の製造方法であって、
前記第1工程及び前記第2工程のうち少なくとも一の工程における前記気相流動床重合反応器の直胴部に、少なくとも1つの吐出口を有するインサートノズルが接続されており、当該インサートノズルの最も先端側に存在する吐出口から当該吐出口の存在する位置における気相流動床重合反応器の横断面の内壁までの距離が、前記吐出口から前記横断面の内周上のいかなる位置に存在する内壁までの距離についても、当該横断面の内径に対し12%~88%の範囲内であり、
ゲル形成抑制剤を、前記インサートノズルから反応器内部の保有パウダー中へ供給するプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
【0009】
[2] 前記ゲル形成抑制剤は、下記一般式(1)で表される化合物である前記[1]の製造方法。
[一般式(1)]
HO-[CH
2
-CH
2
-O]
p
-[CH
2
-CH(CH
3
)-O]
q
-[CH
2
-CH
2
-O]
r
-R
1
(一般式(1)中、p、q、rは整数であり、0≦p≦30、0≦q≦70、0≦r≦30、1≦p+r≦60、及び2≦p+q+rの関係式を全て満たす。R
1
は水素原子又は炭素数1~25の炭化水素基を表す)
[3] 前記ゲル形成抑制剤を、プロピレン系ブロック共重合体の生産量に対して、10質量ppm~1000質量ppmの割合で供給する前記[1]又は[2]の製造方法。
ことが好ましい。
【0010】
[4] さらに、下記一般式(2)で表される反応抑制剤を、反応器内部の保有パウダー中へ供給する前記[1]乃至[3]のいずれかの製造方法。
[一般式(2)]
HO-R
2
(一般式(2)中、R
2
は炭素数1~10の飽和炭化水素基を表す)
[5] 前記反応抑制剤の供給量100質量部に対し、前記ゲル形成抑制剤の供給量が10質量部~150質量部である前記[4]の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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